さまざまな種類の印材が存在するが、なかでも翡翠など天然石が使われている印材がある。それらはその原石の価値や、作られた時代などで売買時の価格が大きく変わってくる。買取を考えているならば、事前にその印材の情報や査定ポイント、買取相場を知っておくことが大切だ。
今回の記事では、翡翠や水晶など天然石の印材の種類、天然石でできた印材の価値、買取相場の他、少しでも高く売るコツやおすすめの売却方法2つについて詳しく解説していく。ぜひ参考にしてみてほしい。
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印材の種類によって価値は変わる
印鑑の材料である印材。高価で有名なものだと象牙があげられる。象牙の印材は一般的にも高値なイメージがあるが、そこからも分かるように材料の種類によって印材の価値は大きく変わってくる。ここでは、印材について詳しく説明するとともに、翡翠などの天然石で作られた印材の価値を説明していこう。
印材とは
現在ではプラスチック製のものが、安く、そして広く売られている。しかし、印鑑証明用の大切な印鑑では材質もこだわったものが使われることも多い。印材の材料としては天然石などの石、樺などの木材、そして象牙のように動物の牙などがある。
古代の中国では印材は持ち主の身分を表す象徴として使われることも多かった。そのため、古代美術品としての印材は、実際に使うためでなく、鑑賞用として買われることもあるのだ。
天然石でできた印材
なかでも翡翠や水晶などの貴重な石を材料とする印材も昔から多く使われている。宝石印鑑や、パワーストーン印鑑と呼ばれることもある。その石が持つ力に期待や祈りを込めて、成人や結婚などのめでたいシーンでプレゼントとして贈られることも多い。
価値の高い天然石の査定情報
では、翡翠など天然石の印材のなかでも、価値が高いとされるのはどのような印材なのだろうか。天然石の印材で、査定でポイントとなるのは
- ・材料となる天然石自体の質
- ・印材の形
- ・その印材が作られた年代
の3点となる。以下、詳しく解説していこう。
天然石の質
翡翠や水晶などのように天然石でできた印材は、その石材の質によって値が変わってくる。色の濃さや透明度など、それぞれの石自体のクオリティを見るのだ。ただ、これら石の価値の鑑定は素人には難しい。きちんとした鑑定士に見てもらうほうがよいだろう。
上質な天然石で作られた印材には鑑別書がついていることもある。その場合はかなりの高値が期待できる。
印材の形
つまみの部分(作鈕・さくちゅう)が動物の形などに彫られている印材があるが、それらは希少性が高い。特に有名作家のものであれば、かなりの高値がつく可能性がある。
作られた年代
その印材が作られた年代も重要だ。上質な天然石であれば最近作られたものでも高値がつくが、古い時代に有名作家によって作られたものだと、それ以上の値がつく場合も。一見しても分からないこともあるため、一度査定に出してみよう。
翡翠など天然石の印材の買取相場
翡翠など、石そのものが貴重な天然石。それらを材料として作られた印材は、売買においてどれほどの値がつくのだろうか。今回は天然石として有名な翡翠と水晶の印材が、過去のオークションではいくらで取引されていたか、相場を見てみよう。(2019年5月現在)
翡翠
純度の高いものはとても高価である翡翠。「平和・健康・豊穣」をもたらし、人生の成功を導く石とされている。天然石のなかでも硬度が高く、印材としても丈夫に使える。
オークションを見ると、古い時代に中国で作られた印材には64,042円もの高値がついている。かたや、同じ翡翠の印材にもかかわらず最低価格の1円で取引されているものも。その価格差は大きい。
水晶
パワーストーンのなかでも一番有名である水晶。クオーツやクリスタルと呼ばれることもある。「調和・浄化・健康」をもたらし、強力な浄化作用のある石とされる。あらゆる幸運を呼ぶ万能的な存在でもある水晶は、天然石の印材としても広く使われている。
オークションでは、美しい作鈕の印材が17,205円で取引されている。翡翠ほど高値ではないが、もともとの石の価値を考えると妥当でもある。しかし、そんな水晶の印材で、作鈕あるものでも1円で売られたケースもある。翡翠ほどではないにしろ、その価格差は驚くほど大きい。
天然石の印材を高く売るコツ
翡翠など、天然石の印材を査定に出す前に、ぜひ以下のことをチェックしてみてほしい。少しの手間で価格が大きく変わることもあるからだ。
汚れを落とす
保管している間についた埃を取るのはもちろん、手の皮脂などを拭き取っておこう。第一印象が変わり、それだけで査定額がアップする可能性がある。印材に箱などの付属品がついていた場合は、それらの汚れも落としておこう。
付属品はあるか
天然石の印材の付属品として、鑑別書や、箱などの入れ物があるケースも。翡翠など宝石としても扱われる石で作られた印材の場合、その石の価値をあらわす鑑別書がついてくるのだ。鑑別書がつく印材は、その石の価値が保証されているため高値がつきやすい。
また、箱などがそろっている場合も価値が上がる。付属品がついている場合は査定時に必ずその旨を伝え、印材と一緒に査定に出そう。
おすすめの売却方法
天然石の印材を売るならば、オークションに出品するか、業者に査定に出して買い取ってもらうことが考えられる。ここではそれぞれの売却方法について、メリットやデメリットをふまえて説明していく。
オークション
まず個人がなにか手持ちのものを売ろうと考えたとき、頭に浮かぶのがオークションだ。すぐに現金化する必要がなく、じっくりと高値がつくのを待てる人におすすめしたい。
オークションでは、貴重なものに対しては入札競争が起こり、価格が驚くほど跳ねあがることがある。翡翠などの天然石でできた印材も貴重であるため、入札競争がおこる可能性がある。それは大きなメリットだ。
しかし、オークションでは運やタイミングに左右されるところが大きい。安く買いたたかれてしまうことすらある。また、出品作業や、購入希望者とのやり取りなど、手間もかかる。残念ながらそれらは大きなデメリットだ。
そのため時間に余裕がある人で、高値でしか売りたくない人には合っているともいえる。ただし、待っている間に安く買いたたかれることのないよう、最低落札価格を設定しておくことをおすすめしたい。
買取業者
簡単に、そして確実に売れるのが業者による買取だ。専門の知識を持つスタッフが、その印材の価値に見合う適正価格をつけてくれるため、売却を考えているのなら、まず買取業者での査定をおすすめしたい。特に、早く現金可したい人や、出品などの手間なく簡単に売りたい人におすすめだ。
デメリットとしては、価値のかなり高い印材であっても適正な価値以上の高値はつかないことだろう。とはいえ、オークションでそれだけの高騰が起こるのはかなり珍しいケース。買取業者は査定額が乱高下することがないので、安心して買取に出すことができる。
まとめ
古代から使われてきた印材は、作られた時代や作家、その材料自体の希少性などにより価値が大きく変わってくる。翡翠などの天然石で作られた印材では、古い時代に有名作家に作られていたもの、もしくは石自体の価値が高いものが高値で売買される。もしお手元に天然石で作られた使わない印材があるならば、ぜひ一度査定に出してみてほしい。