スコッチウイスキーの最高峰ザ・マッカランはご存じだろうか。スコットランドのバンフ州クレイゲラヒ村で蒸留される歴史が深いシングルモルトだ。世界中で注目されており、日本国内のウイスキーファンにも根強い人気を集めている。
なかでも、ザ・マッカラン50年(マッカラン50)は生産量が少なく高値で取引されているので、ウイスキーファンのみならず買取業者による競争も白熱している代物だ。今回はマッカラン50の歴史や魅力、買取相場や査定情報を紹介しようと思う。
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ザ・マッカランの歴史
ザ・マッカランの歴史はとても深くスコッチウイスキーの中でも一線を画している。マッカラン50を味わう、または高値取引するうえではマッカランの歴史を知っておく必要があるだろう。まずはザ・マッカランの歴史について紹介しよう。
18世紀初頭にスコットランドで誕生した老舗
およそ200年前の1824年にスコットランドのハイランドで誕生したのがザ・マッカランの生みの親であるマッカラン社だ。スペイサイド地方にある蒸留所はマッカラン社創業と同じ年に蒸留ライセンスを取得し、独自の製法でザ・マッカランが造り出された。
ザ・マッカランが造られる蒸留所はハイランドの中で2番目に蒸留ライセンスを取得したことからスコットランドの中でも特に長い歴史があることがうかがえる。マッカラン社はスコッチウイスキーの老舗メーカーなのだ。
多くのウイスキーメーカーは醸造にこだわりを持っているが、マッカラン社は樽にも同等のこだわりがあり熟成にも心血を注いでいる。
ザ・マッカランの逸話
世界最大級のオークション・クリスティーズではウイスキーも多く取引されている。ここで注目を浴びたのがザ・マッカランだ。今回紹介しているマッカラン50はクリスティーズでのウイスキーの落札価格が市場2位を記録し、さらに1位のウイスキーも同ラベルのものだという実績がある。
ウイスキーの最低アルコール強度は40%とされており、それ以下のものはウイスキーとは認められなかったが、ザ・マッカランはアルコール度数40%以下にもかかわらず特例で認められたという逸話もある。
イギリスはロンドンに所在する英国最大級の高級百貨店ハロッズでも話題となったことがある。ハロッズではウイスキー読本というカタログが発行されているのだが、その中でザ・マッカランはシングルモルトのロールスロイスと称されたのだ。
これらの話を見ただけでもザ・マッカランがいかに高い評価を受けているのか、世界的に注目されているのかが伝わるのではないだろうか。ザ・マッカランはまさにイギリスを代表するウイスキーだと言っても過言ではないだろう。
ザ・マッカラン50年代だけの特徴
マッカラン50が作られた時期は第2次世界大戦と重なっている。当時、原料となる麦芽は石炭を使った直火炊きで蒸留されていたが、戦争の影響で石炭の入手が困難になっていた。そこで目をつけられたのがピートだ。
ピートとは泥に植物が蓄積し、長年かけて炭化した泥炭のことを指す。石炭が手に入らないための苦肉の策でピートが使用されたが、独特のピート香が生み出されスモーキーな香りが人気となった。
ピートで蒸留されたウイスキーは、ピートに蓄積する成分によってさまざまな香りが楽しめる。植物の割合が多いものは、くん製のような風味が強くなりピーティーな香りだと表現され、海藻や海の成分が蓄積したものはヨード香が強くなりメディシュナルと表現される。その他の割合が多い場合はハーシュと表現され独特の香りが強くなる。
このようにピートで蒸留されたザ・マッカランにはさまざまな個性が生まれ、50年代のものだけの特徴があるのだ。
ザ・マッカランの魅力
ザ・マッカランには他のウイスキーにはない魅力がある。ザ・マッカランがなぜ人気がなのか、なぜ高額で取引されているのかはザ・マッカラン独自の魅力を知るとよく理解できるだろう。この項目では魅力について深堀していこうと思う。
製法のこだわり
ザ・マッカランに使われる原料は、豊かな土地で育まれたマッカラン社独自の品種であるミンストレル大麦。長い山岳地帯を通りろ過され、スペイ川の近くにある泉からくみだされた湧水。そしてイースト菌のみだ。シングルモルトウイスキーの風味は麦芽、水、蒸留方法や蒸留環境によって左右されるがザ・マッカランは原料、製法、環境全てにこだわっている。
ウイスキー用に品種改良された麦芽は1年以上かけて乾燥され、ミネラルが豊富に含まれているハイランドの湧水で仕込まれる。糖化することでできた麦汁にイースト菌を加えることで、糖分はアルコールと炭酸ガスに変わりウイスキー特有の香味成分となる。次に重要なのが蒸留の工程だ。ザ・マッカランはピートを燃料にした直火炊きで加熱される。
直火炊きは火加減を間違えると麦芽が焦げてしまい風味が台無しになる可能性があり、泥炭であるピートは蓄積した成分によって風味がまったく違うものになる。これらのリスクを背負いながら何度も厳選を繰り返して選ばれたウイスキーだけがザ・マッカランになるのだ。
熟成のこだわり
多くのウイスキーメーカーは醸造にこだわりがあるが、マッカラン社は樽にも同等のこだわりがあり熟成にも心血を注いでいる。ザ・マッカランの樽に使用される木材はヨーロピアンオークとアメリカンオークだ。
このふたつの木材はマッカラン社が保有している森から伐採され、1年間天日干しされる。その後、樽の材料となり、作られた樽に厳選されたシェリー酒を入れて3年間熟成される。そしてようやくザ・マッカランは完成するのだ。
ザ・マッカランは樽の材料を育てる段階から長い年月と手間をかけることで、ウイスキーに関わるさまざまな環境づくりにも徹底的にこだわっている。味を追求するためにはコストを惜しまない。マッカラン社がウイスキーづくりに、真摯に取り組み続けた結果、世界中から注目されるスコッチウイスキーが生まれたのだ。
ザ・マッカラン50年の査定情報
ザ・マッカランはウイスキーの中でも高値で取引される。特にマッカラン50の買取価格は数十万円ともなるので、査定情報はしっかりと把握する必要があるだろう。
空瓶にも数万円の価値がある
ザ・マッカランは若い熟成年数の空ボトルでも数千円~約10,000円で買い取られたデータがある。(2019年4月4日時点)マッカラン50にはバカラデキャンタという種類があり、クリスタルラグジュアリーブランドとして有名なフランスのバカラで作られたボトルが使用されている。
バカラデキャンタ空ボトルの買取価格は40,000~50,000円というデータが残っており(2019年4月4日時点)空になったとしても宝飾品としての価値が十分にあるので捨てない方が良いだろう。さらにバカラデキャンタは限定160本しかないというプレミア付きだ。鍵付きの木箱と一緒に査定に出すとより高額で取引できるだろう。
空瓶は洗わないほうが良い
ウイスキーには風味を楽しむのはもちろんのこと、飲まずに香りだけ楽しむ方法もある。たとえ空ボトルでもウイスキーの香りは十分に楽しめるので洗ってしまうのは非常にもったいない。
ザ・マッカランの50年代ものは蒸留の燃料にピートが使用され、さまざまなピート香の中でも特にピーティなフレーバーだけが厳選されている。他のウイスキーにはめったにない独特の香りを消さないためにも空ボトルを洗わない方が良い。この香りの価値を知っている買取業者なら高値をつけてくれるだろう。
ザ・マッカラン50年の買取価格
ザ・マッカラン50にはミレニアムとバカラデキャンタの2種類がある。それぞれの買取価格を見ていこう。いずれも2019年4月4日時点での情報だ。
マッカラン50年ミレニアムの買取価格
ある複数のサイトでは買取価格が1,100,000円となっていた。大手買取業者の大黒屋での買取価格は1,270,000円、レッドバッカスでの買取下限は1,120,000円だ。ミレニアム新品の買取価格はおよそ1,100,000円という結果だ。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ザ・マッカラン50年1949バカラデキャンタの買取価格
バカラデキャンタの買取価格には少々ムラがあった。あるサイトでは1,000,000円の買取価格となっており、大黒屋での買取価格は1,200,000円。レッドバッカスの買取下限は900,000円と買取価格の振れ幅が大きい結果となった。
ちなみにマッカラン50の中古買取のデータは確認できなかった。新品の買取価格にムラがあるということも踏まえて、取引をする際は多くの業者に査定してもらい慎重に見極める必要がありそうだ。
まとめ
今回はザ・マッカラン50年の価格や歴史について触れてきた。50年代ものは若い熟成年数に比べて特色が多いということが伝わったのではないだろうか。今回紹介してきた内容をまとめよう。
- ・スコッチウイスキーの代表格シングルモルトのロールスロイス
- ・世界最大級のオークションで市場価格2位を記録
- ・原料、製法、環境、全てにこだわりがある
- ・バカラ製のクリスタルガラスボトル
- ・日本国内での開封済みの取引データが不明
マッカラン50は海外で販売されたもので、国内での取引データが枯渇している。そのため買取価格の基準が明確ではなく特に中古価格は未知数だが、逆に言えば高額買取を狙えるチャンスでもある。マッカラン50を手に入れた際には、ぜひ、この記事を参考にしてほしい。