一昔前までは、通信会社といえば、NTTドコモ、au、ソフトバンクといういわゆる3大キャリアがほぼ独占状態であったが、近年、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる、自前の通信設備を持たない事業者が登場した。
MVNOは、自前の通信設備を持たず、3大キャリアなどから通信回線を借りることで経費を抑えることできることから、安い利用料金で、通信サービスを提供することができる。そして、いまや数百もの事業者が、MVNOとして通信サービスを提供していると言われている。事業者が多ければ、事業者間の競争が生まれ、利用者には利用料金やサービス面でメリットが大きいが、あまりに数が多いと、どのMVNOが、自分の使用目的に合っているのかわからなくなる場合もある。
各MVNOにはそれぞれ特色があり、その特色が自分の使用目的に合っていないと、MVNOを使用するメリットが享受できない事態も有り得るのである。そのような事態を避けるためには、事前にMVNOについて知っておくことが必要と言える。
そこで、今回はMVNOの中から、ASAHIネットLTEについて紹介する。
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ASAHIネットLTEとは
ASAHIネットLTEとは、インターネットプロバイダーである株式会社朝日ネットが展開しているMVNOのブランドである。
株式会社朝日ネットは、1988年に「ASAHIパソコン」という雑誌の読者向けのパソコン通信サービスから始まった老舗のインターネットプロバイダーであり、ASAHIネットLTEの前にもUQモバイルの回線を利用したASAHIモバイルWiMAXというMVNOを展開するなど、MVNOとしての実績も豊富である。
ASAHIネットLTEは、2015年よりNTTドコモの回線を利用したMVNOとしてサービスを開始した。ASAHIモバイルWiMAXは、モバイルルーターがセットになったデータ通信専用プランのみだったのに対し、ASAHIネットLTEは、SIM単体もしくはスマートフォンセットを購入することができ、データ専用、データ専用+SMS、音声通話と3タイプのプランが選択できる。
ASAHIネットLTEの特徴について
ASAHIネットLTEの特徴でまず挙げられるのは、固定IPアドレスの取得が可能である、ということである。
通常、インターネットを利用する場合のIPアドレスは、プロバイダーなどが提供する動的なIPアドレスであり、再接続の度に別のIPアドレスとなる場合が多い。
ネット閲覧など通常の使用方法の場合は、動的なIPアドレスでも問題はないが、外部から家庭内のネットワークや企業のイントラネットにアクセスしようとした場合、IPアドレスが変わってしまうと、その都度新しいIPアドレスに設定し直す必要があるなど、不便な面があった。
しかし、固定IPアドレスであれば常に同じIPアドレスなので、IPアドレスを設定し直す必要もなく、目的のネットワークにアクセスできるのである。
固定IPアドレスを設定できるMVNOは、ASAHIネットLTEのほかはほとんどなく、ASAHIネットLTEの大きな特徴といえる。
次に、ASAHIネットLTEは、朝日ネットが展開しているMVNOであるが、朝日ネットが展開しているASAHIネットの各種サービスを利用していると、ASAHIネットLTEの料金が割引されるサービスがあるという特徴がある。
ASAHIネット WiMAX 2+、ASAHIモバイル WiMAX、新超割モバイル利用者は200円、ハイスピードモバイル(Xi & FOMA対応)利用者は100円、光ファイバー接続(AsahiNet 光、ASAHIネット 光 with フレッツ 他)利用者は50円、それぞれ月額利用料金から割引される。
例えば、ASAHIネットLTEの3GBプランSMSなしの場合、月額利用料金は900円(税別)で、MVNOとして安い方の金額ではあるが、ASAHIネット WiMAX 2+を利用している場合は、200円引かれて月額700円(税別)となり、業界最安クラスの料金となる。
ASAHIネットの各種サービス利用者は、MVNOを利用する場合は、このような割引があるASAHIネットLTEを利用したほうがオトクであるといえる。
ASAHIネットLTEの月額利用料金について
ASAHIネットLTEの月額利用料金について記載する。
- 3GB:1,600円
- 7GB:2,680円
- 1日110MB:1,600円
- (金額は税別)
音声通話
- 3GB:1,020円
- 7GB:2,100円
- 1日110MB:1,020円
- (金額は税別)
データ通信SMSあり
- 3GB:900円
- 7GB:1,980円
- 1日110MB:900円
- (金額は税別)
データ通信
データ通信量別に細かくプランを分けるMVNOが多いが、ASAHIネットLTEは、3プランしかなく、シンプルでわかりやすいプランとなっている。
1日110MBプランは、1日のデータ通信量の上限が110MBまでというプランで、データ通信の使い過ぎを防止することができる。ASAHIネットLTEは、データ通信量がプランの上限に達するまで速度制限がないため、データ通信を使いすぎるとデータ通信量が上限まで使用してしまうこともあるが、1日で110MBという上限があれば、その日に使いすぎても110MBで通信制限がかかり使い過ぎを抑制できる、というわけである。このプランは、子供などの利用を想定しているようだ。
月額利用料金は、全体的にMVNOの標準的な金額よりやや安めとなっているが、業界最安とまでは言えないところである。しかし、前述のようにASAHIネットの各種サービスを利用している場合の割引を使用すれば、業界最安クラスの価格設定となる場合もある。
ASAHIネットの各種サービスを利用している人でMVNOの契約を検討している場合は、大変オトクな割引があるASAHIネットLTEを選択したほうがいいだろう。
前述の固定IPアドレスを使用する場合は、月額800円(税別)が必要となる。
ASAHIネットLTEの通信速度について
ASAHIネットLTEの通信速度についてだが、ネットの書き込みを見ると、満足している書き込みが多く、速度に不満を持つ書き込みは見当たらないことから、通信速度については、MVNOとして問題ない速度が出ているようだ。
ただ、MVNOの通信速度は、時間帯や通信を行う場所などにより、速度低下が発生する可能性がある。そのため、ASAHIネットLTEについても、突然の速度低下が発生する可能性は否定できないので、速度低下が発生した場合は、動画視聴など大量のデータ通信を必要とする作業はしない、Wi-Fiなどを利用するなど、使用方法を工夫したほうがいいだろう。
ASAHIネットLTEを利用するうえでの注意点について
ASAHIネットLTEを利用するうえでの注意点について記載していく。
ASAHIネットLTEの利用料金設定は、シンプルでわかりやすい反面、細かく分かれていないので、使用方法によっては、他のMVNOの方が安くなる場合がある。例えば、月1GB程度しかデータ通信を使用しないのであれば、ASAHIネットLTEの3GBプランより他のMVNOの1GBプランのほうが安くなる場合が多い。
そのため、契約する前に、ASAHIネットLTEのプランが自分の使用シーンに合っているか検討したほうがいいだろう。
ASAHIネットLTEの支払いは、口座引き落としはできず本人名義のクレジットカードによる支払いしか対応はしていない。ASAHIネットLTEを利用したい場合は、本人名義のクレジットカードが必須となるので、契約前に準備する必要がある。
ASAHIネット LTE対応スマホはフリマサイトで
中古のスマホ購入を考えたことはあるだろうか。最近はスマホを買い取る業者が増えるとともに、スマホ専用のフリマサイトが話題になっている。スマホのマーケット(通称スママ)は、検品済中古スマホのフリマサイトで、出品者と購入者の間にスマホのマーケットが入り、端末の動作チェックやSIMカードの診断・購入、端末内のデータ削除をすることで、安心できる売買を支援している。出品されている種類も豊富なので、希望する端末が見つかり易いだろう。
まとめ
ASAHIネットLTEは、老舗のインターネットプロバイダーである朝日ネットが展開しているMVNOで、固定IPアドレスが設定できるなど、ユニークなサービスを実施している。
また、月額利用料金は安めで、さらにASAHIネットの各サービスの利用者は、月額利用料金に割引が適用され、さらにオトクに利用することが出来る。
スマートフォンの月額利用料金を安く抑えたい人、固定IPを利用したい人、ASAHIネットのサービスを利用している人に向いているMVNOであるといえる。