日本で最初にMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスが始まったのは2001年だが、開始からしばらくの間は、利用者もNTTドコモやau、ソフトバンクといった大手移動体通信事業者とは比べ物にならないほど少なかった。
しかし、格安な利用料金やイオンなど他業種の大手企業がMVNOに参入した結果、契約数は爆発的に増え、大手移動体通信事業者もその影響を認めるほどになった。格安な利用料金を実現できたのは、通信インフラを大手移動体通信から借りたり、窓口をインターネット経由にするなどコストカットに努め、利用料金引き下げに回したためである。
ところが、市場の拡大とともに参入する事業者も増えたことから、利用料金の安さだけでは注目されなくなってしまった。それを打開すべく、各MVNOは独自のサービスを展開し、他のMVNOと差別化を図るようになった。
そのため、契約前には各MVNOのサービス内容をよく知ることが重要になってきた。そこで今回は、BICモバイルONEの特徴や利用料金などについて紹介する。
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BICモバイルONEとは
BICモバイルONEは、大手家電量販店のビックカメラがSIMを販売し、OCNモバイルONEが実質運営しているMVNOである。OCNモバイルONEは、大手通信会社でMVNE事業も手掛けるNTTコミュニケーションズが運営するMVNOで、MVNO内のシェアがトップクラスであることでも知られる。
NTTコミュニケーションズがMVNEとして支援するMVNOは、安定した回線品質で知られ、そのMVNOであるOCNモバイルONEも同様である。そして、そのOCNモバイルONEが運営するBICモバイルONEも、安定した回線品質でユーザーから支持され、販売シェアでトップになったこともある。
BICモバイルONEの特徴について
BICモバイルONEは、前述のようにビックカメラがSIMの販売を、OCNモバイルONEがMVNOの運営をそれぞれ担当しており、MVNOとしての特徴は、基本的には、OCNモバイルONEと同じである。しかし、一部BICモバイルONEとして独自の特徴もあることから、OCNモバイルONE と同じ特徴部分とBICモバイルONE独自の特徴の部分を分けて記載する。
OCNモバイルONEと同じ特徴
まず、OCNモバイルONEと同じ特徴であるが、データ通信量の上限を月単位でなく日単位の定額プランがある。
一日単位の定額プラン
1日のデータ通信量が110MBのプランと170MBのプランの2種類あり、ひと月あたりのデータ通信量にすると、それぞれ3.3GB、6.1GBとなるが、利用料金は、月単位の定額プラである3GB、6GBプランより、110MB、170MBプランの方が安くなっている。
高画質の動画の視聴など大量にデータ通信量を必要とする使い方には向いていないが、データ通信量の上限を1日単位とすることでデータ通信量の使い過ぎを防止できるなどのメリットもある。毎月無料でプランの変更ができるので、試しにどちらかのプランを選択して使用感を確認し、そのプランで自分の使用環境に合っているか検討するのもいいだろう。
カウントフリーサービス
また、IP電話アプリである「050plus」、ファイルのアップロードやダウンロードができるクラウド・オンラインストレージ「マイポケット」、設定の変更などができる「モバONEアプリ」を利用する場合のデータ通信量をカウントしないカウントフリーサービスもある。
これらの機能は、データ通信量の上限を超えて速度制限が実施されても、速度制限はかけられない。これらの機能をよく使用する人にとっては嬉しいサービスであろう。
バースト転送機能
さらに、バースト転送機能も実装されている。バースト転送機能とは、低速通信時において、通信開始時に一定時間高速通信を行う機能である。バースト転送機能があると、テキスト主体のwebの閲覧やTwitter、LINEチャットなどでおいて、通信開始時の高速通信でデータの読み込みができることから、低速通信時でも快適に使用することができる。
このバースト転送機能は、ユーザーからの評価が極めて高い機能で、この機能を実装していることは、大きな特徴といえる。
独自の特徴
次に、BICモバイルONE独自の特徴であるが、まず、NTTぷららが運営する映像配信サービスであるひかりTVのPC、スマートフォン向けプランで、映画・ドラマ・アニメなど約3,000本のコンテンツが見放題のエントリープラン(月額324円(税別))が無料で利用できる。
また、ビックカメラとOCNが展開しているインターネット接続サービス「ビック光(OCN光)」と「BIC モバイル ONE」をセットで利用すると、月額料金が毎月200円(税抜)割引される。さらに、通話+データ通信プランを選択しするとIP電話アプリの「050plus」の月額基本料(324円(税別))が無料になる。
BICモバイルONEは、一部を除く全国のビックカメラの店頭で即時発行するほか、追加・サイズ変更・再発行も当日のうちに実施可能。有料でBIC モバイル ONEに接続するための設定などもすべておこなってもらえるサービスも展開している。
BIC モバイル ONEの月額利用料金について
BIC モバイル ONEの月額利用料金について記載していく。プランは、データ転送量が月単位の定額プランと日単位の定額プランのほか、通信速度が最大500bpsとやや遅いものの、低料金で15GBまで使用できるプランがある。
【通話+データ転送】
- ・110MB/日:1,600円
- ・170MB/日:2,080円
- ・3GB:1,800円
- ・6GB:2,150円
- ・10GB:3,000円
- ・20GB:4,850円
- ・30GB:6,750円
- ・15GB(500Kbps):2,500円
- (金額は税別)
【SMS+データ転送】
- ・110MB/日:1,020円
- ・170MB/日:1,500円
- ・3GB:1,220円
- ・6GB:1,570円
- ・10GB:2,420円
- ・20GB:4,270円
- ・30GB:6,170円
- ・15GB(500Kbps) :1,920円
- (金額は税別)
【データ転送専用】
- ・110MB/日:900円
- ・170MB/日:1,380円
- ・3GB:1,100円
- ・6GB:1,450円
- ・10GB:2,300円
- ・20GB:4,150円
- ・30GB:6,050円
- ・15GB(500Kbps) :1,800円
- (金額は税別)
コストパフォーマンスは十分高い
1契約でSIMを最大4枚まで追加が可能。その場合、1枚あたりデータ転送専用で400円、SMS+データ転送で520円、通話+データ転送で1,100円(それぞれ税別)の月額利用料金が必要となる。
月額利用料金は、3GBプランがやや高めなものの、それ以外のプランはMVNOの中では安い部類に入り、中には業界最安となるプランもある。NTTコミュニケーションズが展開する安定した回線やバースト転送機能などのサービスを考えれば、3GBを除けばコストパフォーマンスは高いと言えるだろう。
BIC モバイル ONEを利用する場合の注意について
それでも、利用時には事前に確認しておきたい項目も存在する。下記も参考にしておいてほしい。
BIC モバイル ONEの速度
BIC モバイル ONEの速度についてだが、同じサービスであるOCN モバイル ONEのネットの書き込みを見ると、速度に満足する書き込みが多いものの、速度に不満を持つ書き込みも一定数存在する。接続する場所や時間帯によって速度にばらつきがあるようだ。
特に、MVNOにはよくある3大キャリアの通信回線が混む昼間の時間帯の速度低下が、OCN モバイル ONEにも発生するようだ。BIC モバイル ONE 、OCN モバイル ONEに限らず、MVNOは時に速度低下が発生する時もあり、そのような時は、動画の視聴などデータ通信を大量に必要とする作業をしない、Wi-Fiを活用するなど、使い方を工夫したほうがいいだろう。
容量によっては料金が高め
月額利用料金について、MVNOを利用する場合に契約される事が多いとされる3GBプランが、他のMVNOに比べやや割高である。1日110MBのプランもあるが、月3GBのプランが良い場合は、BIC モバイル ONEはやや魅力に欠けると言わざるを得ない。
また、前述のように通信速度に不満を持つ人が一定数いるのであるが、他の大手MVNOに比べ割合がやや多い印象がある。そのため、契約後、通信速度に不満を持つ可能性が他のMVNOに比べ高いかもしれない。
契約手続きは、ビックカメラ店頭やwebサイトで実施できるが、解約は、OCN モバイル ONEで実施する必要があるので注意したほうがいいだろう。
BICモバイルONEが使える格安スマホはフリマサイトで!
中古のスマートフォンが売買できるsmama(スママ)は、家電専用のフリマサイトで、簡単に好きなスマホを購入できる。iPhoneをはじめとした様々な機種・白ロムが売買されているので、欲しいスマホを見つけることができるだろう。
もちろん不要なアイテムを出品することもできる。スママのサポートチームが検品から購入者とのやり取りまで代わりにおこなう代行サービスとなっているため、手間や時間をかけずに高く売ってもらうことが可能だ。
まとめ
BIC モバイル ONEは、ビックカメラがSIMを販売しOCN モバイル ONEが運営するMVNOで、1日単位のデータ定額プランやカウントフリーサービス、バースト転送機能など、ユニークなサービスを実施している。安定した回線を利用したい、スマートフォンの利用料金を安くしたい、ビック光(OCN光)に加入している人に適したMVNOといえる。