買取ボーナスキャンペーン

DMMがCASHを運営している「BANK」を70億円で買取!

読了目安:6分
更新日:2020/11/12
公開日:2018/01/05
0のお客様が役に立ったと考えています

11月21日、DMM.comがCASHを運営する「BANK」を子会社化し、70億円で買収した。DMMの社長である亀山氏から「こんにちは!亀山です〜!」などといった軽いノリのメッセージが届いたのが10月4日の深夜、そしてそこから買収に同意したのが10月31日で、話が持ち上がった10月4日から11月21日まではわずか48日と超スピード買収だった

この裏では一体何が起きたのだろうか。またDMMはBANKの何を見て、BANKはDMMの何を見て買収/売却を決定したのだろうか。今回は怒濤のDMMがBANKを買収したことについて詳しく深掘りしていく。

CONTENTS

このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。

きっかけはDMMの社長・亀山氏からのメッセンジャーだった

DMMがCASHを運営している「BANK」を買収したきっかけは、DMMの社長である亀山敬司氏からのメッセンジャーだった。

10月4日の深夜1時48分、亀山敬司氏からBANKの社長である光本勇介氏にFacebookにあるメッセンジャーで、「こんにちは!亀山です〜!」「CASH売って〜!」「無理?」というメッセージが届いた。

ものすごく軽いメッセージだが、11月21日にDMM.comはBANKの全株式を取得し子会社にする。買収自体は10月31日に合意したようなので、わずか1カ月程度でBANKは70億で買収されることになる。

通常買収は大変時間がかかるもの。まず売り手とM&Aアドバイザーが契約をし、提案資料を作成、それから簡易的な売却情報が書かれた提案をし、買い手が興味を示したらトップによる面談が行われる。

ここで疑問が解消されたらデューデリジェンスなどが行われて買収成立となるが、3〜12カ月ほどかかる。

一応今回の買収ではデューデリジェンスもしたようだが、書類ではなく口頭でコミュニケーションは交わされ、5日でお互いが合意した。

さらに通常では「ロックアップ」と呼ばれる、買収先の企業で事業を広げていく期間が設定されておらず、こういったところからもスピード買収であることがうかがえる。これについて光本氏は「ロックアップは意味がないと思っている。経営者のモチベーションを上げたり、事業を付け加えるよりいい経営者に入ってもらうことが大切」だと語っている。

なぜDMMはBANKを買収したのか

どうしてDMMはBANKを買収したのだろうか。それにはBANKとDMMの思惑が一致していたことがあった。

BANKはCASHの事業を拡大させていきたいと思っていた。CASHは今持っているアイテムの写真を撮ると瞬間的にキャッシュに換えてしまう…というアプリで、現金にしたあとは返金する、もしくは写真を撮ったものを手放すかが選べ、手軽に手元のアイテムを換金できる。

CASHはかなり画期的なサービスで、リリース後16時間でサービス停止。その間に29,000ものダウンロードがされ、72,000のアイテムがキャッシュ。その総額は3億円にもなり、すさまじい反響があった。

これだけ人気になったのはその画期的なサービス内容もあるが、ユーザーに「フリマ疲れ」「オークション疲れ」があることも挙げられる。

フリマアプリやオークションアプリでは確かに売れれば不要品でお小遣いを稼げるが、売るまでにキレイな写真を撮影しさらに書いてからの質問に答えなければならず、手間暇がかかる。

それに加えて梱包をしっかりしなければ評判は落ち、さらに買い手の中には厄介な買い手も存在しているので、そういった人への対応もしなければならない。

それだけに「面倒」だと感じる人もおり、その分資金やスタッフの労働力などといったリソースが当初の想定より大幅に必要となってしまった。

こういったポテンシャルがあるサービスのCASHだが、光本氏は「需要があると競合も厳しくなる」と読み、市場が大きくなるなかで自己資本が欲しいと思っていた。最初は資金調達をしようかと考えたが、ここでアクセルを踏まなければならず、そんななかで亀山氏からの話があったのだ。

DMMについて光本氏はいいイメージを抱いていた。「現代の超クールな総合商社で、ゲームから水族館、金融までたくさんの事業をしているが、一方で僕たちのようなベンチャー企業の買収を数日で決める。“ぶっ込んでいる会社”はない。大きい市場に出たいときに、挑戦する会社がサポートしてくれるのは心強い」ということで、買収には前向きだった。

DMM.comの代表取締役社長である片桐孝憲氏は、CASHについて「同年代の経営者である光本氏を自社に欲しかった」としながらも、「以前光本氏が作ったブラケット社をイグジットした上で2回目の起業でもいいサービスを作っていると思った。もともとDMM社内でもCASHに似たサービスをしたいと考えていたが、チームまでは同じものは作れないと思った」とし、CASHを高く評価していた。

DMMとCASHのコラボでサービス向上を狙う

DMMとCASHがタッグを組んだことにより、今後はさらなるサービス向上が見込まれる。そもそもDMMは大企業であるため、膨大な企業運営体力が必要なCASHのサービスを安定化させてくれるだろう

CASHはカメラでアイテムを撮影しそのアイテムを瞬間的にキャッシュするというものだが、これの精度を上げるためには画像認識の技術を向上させなければならない。

そのために、買収前後の数ヶ月前は関連企業とのコンタクトを進めているようだ。

0役に立った

新事業も検討

高度な画像認識の技術を使えば、新事業も考えられる。光本氏は「究極は物を見れば値段が浮かび上がる世界観」だそうで、その実現のためにはさまざまなハードルがあり、そのためにDMMのリソースを使うことが考えられる。

実際DMMには人工知能関連の研究所である「DMM.AI」を作る話が持ち上がっており、CASHなどで使われることも考えられている。

もしCASHで人工知能が使用されれば、画像解析の精度が飛躍的に上昇し適切な買い取り価格の表示につながる

また新事業ではないものの、CASHはユーザーの「性善説」に立って考えられたアプリで、もし買い取りに合意してもアイテムを送らない場合、CASH側はその分損をしたこととなる。

買収時のインタビューでは「ちゃんとアイテムを送ってきてくれた人が大半だった」としているが、もし人工知能が取り入れられれば売り手を高い精度で判断でき、効率的なキャッシュフローができるようになるだろう。

そのほかにもDMMとタッグを組んだことでさまざまな相乗効果が期待できるため、CASHのような世間をあっと驚かせるようなサービスがまたできるかもしれない。

DMMとCASHのタッグに今後も注目

CASHは「写真でアイテムを撮影するだけで鑑定してくれる」ということで、2017年の夏に大きな話題となった。そのCASHとこれまでにさまざまなムーブメントを起こしてきたDMMがタッグを組むことにより、斬新なアイテムを買い取るサービスが出てくるかもしれない。そしてそれがリユース業界に大きな革命をもたらしてくれるかもしれない

いずれにせよ、先見性を持ったサービス作りがとてもうまい2社。今後の流れにも注目だ。

0役に立った
ブックオフ
ゲオ
ハードオフ
最新の掲載事例

運営会社

会社名
株式会社ジラフ/ Jiraffe Inc.
設立
2014年10月29日
資本金
11.6億円(資本金・資本準備金含む)
株主
East Ventures、TLM、アドウェイズ、ドリームインキュベータ、アナグラム、ポケラボ創業者 佐々木俊介、アイ・マーキュリーキャピタル、GREE、アドベンチャー、メルカリ、hey代表取締役 佐藤裕介、Amazon Japan創業者 西野伸一郎、DGベンチャーズなど
E-mail
info@jiraffe.co.jp
代表者
代表取締役社長 麻生輝明
所在地
〒164-0001
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ218号
企業理念
2030年のスタンダードをつくる
事業内容
インターネットサービスの企画、開発、運営
従業員数
40名
古物商許可番号
東京都公安委員会 第303311606477号
このコラムに関連するキーワード
  • B向け(324)
掲載業者募集案内