台湾のIT機器メーカーであるASUS(エイスース)が2007年に発売したパーソナルコンピューター「Eee PC」は、プロセッサはIntel Celeron M、メモリ容量は2GB、ストレージは16GB,ディスプレイは「7インチTFTワイド液晶WVGA」、OSは「windows XP」と、当時でもかなり非力なスペックであったが、その代わりに数万円という当時安くても10万円はした、ノートパソコンの価格の常識を打ち破った価格設定で大人気となった。
引用:https://www.asus.com/jp/Laptops/ASUS_EeeBook_X205TA/
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Eee PCの後継シリーズ、EeeBook
後年、インターネットの閲覧に特化したパーソナルコンピューター「ネットブック」の元祖に位置付けられるようになったEee PCは、その後多くのシリーズ機種が発売されたが、他のメーカーも同様のネットブックを発売し普及したことで、本家ともいえるEee PCの存在感は薄れていった。
さらに、低価格のネットブックが登場した影響でノートパソコンの価格自体も下がり、ネットブックとさほど変わらない価格でプロセッサやディスプレイの大きさ、メモリ容量やストレージ容量といったスペックが高いノートパソコンが流通するようになるとネットブックは売れなくなり、次第に姿を消していった。
そして、ASUSもEee PCの展開を終了し、その後継としてノートパソコンのEeeBookシリーズを発売した。今回は、EeeBookシリーズの型番などについて記載する。
EeeBookシリーズとは
EeeBookシリーズは、台湾のIT機器メーカーであるASUSが発売したノートパソコンである。ネットブックとして一世を風靡した「Eee PC」シリーズの後継機種として発売されたもので、11.6インチのディスプレイを搭載した軽量薄型の筐体で、EeePCシリーズにも搭載されていたプロセッサであるAtomを搭載するなど、EeePCシリーズの特徴を持っていた。
さらに、Eee PCシリーズより大きいディスプレイやメモリ容量、ストレージを搭載したことでWindows8やWindows10といった最新のOSが起動できるようになるなど、Eee PCシリーズをスペックアップしたノートパソコンシリーズとなる。
なお、EeeBookシリーズは同じくASUSのエントリーノートパソコンシリーズであるVivoBookシリーズに統合され、現在、新機種の展開はされていない。
EeeBookシリーズの型番について
EeeBookシリーズの型番についてであるが、型番の命名規則などは、前身の Eee PCシリーズや後継のVivoBookシリーズなどと共通点がある。
シリーズ名
まず型番の先頭には、シリーズ名である“EeeBook”がくる。これはEee PCシリーズやVivoBookシリーズと同様であり、シリーズ名が先頭にくることでEeeBookシリーズの機種ということがわかるためEee PCシリーズやVivoBookシリーズと間違えることはないだろう。
グレード
シリーズ名の後にはアルファベット1文字、数字が3文字、アルファベット2文字の計6文字の文字列が続くが、こちらもEee PCシリーズやVivoBookシリーズ同様である。
「X」「E」「L」
先頭の文字列は、EeeBookシリーズにおけるグレードを現わしており、EeeBookシリーズでは、「X」と「E」、「L」が使用されているが、スペック的には「X」より「E」,「L」の方が上となっている。
グレードを表す型番例
Eee PCシリーズの最後の機種として「Eee PC X101CH」という機種があり、EeeBookシリーズ最初の機種である「EeeBook X205TA」は、「Eee PC X101CH」の後継機種という位置づけのため、先頭のアルファベットが「X」となったものと思われる。
ただ、EeeBookシリーズの後継に位置付けられるVivoBookシリーズでは、この部分に「X」がついた機種のほうが「E」がついた機種よりスペックは高く、グレード的に上に位置付けられており、EeeBookシリーズとは逆となっている。
ディスプレイの大きさ
次の3文字の数字の上一桁の数字は、搭載されているディスプレイの大きさを表している。「2」は搭載されているディスプレイが11.6インチであることを現し、「4」は搭載されているディスプレイが14インチであることを現し、「5」は搭載されているディスプレイが15.3インチであることを現している。
なお、日本で主に流通していた機種は「EeeBook X205TA」、「EeeBook E202SA」、「EeeBook L202SA」で、この部分が「4」や「5」の機種は日本ではあまり見かけないかもしれない
開発時期
3文字の数字の下2桁の数字はEee PCシリーズやVivoBookシリーズ同様に開発された時期などを現していると思われるが、EeeBookシリーズとしての機種はあまり多くないため、この部分のバリエーションは少ない。
まとめ
EeeBookシリーズの型番について記載したが、EeeBookシリーズは前述のように型番の先頭にシリーズ名があるので、他のシリーズと間違えることはないだろう。
また、EeeBookシリーズとして発売された機種も少なく、日本で多く流通したのは「EeeBook X205TA」「EeeBook E202SA」「EeeBook L202SA」で、多くの機種が発売されているシリーズとは違い、こちらも間違えることはまずないと思われる。
EeeBookシリーズは、一世を風靡したEee PCシリーズと多くの機種が発売されているVivoBookシリーズの間のシリーズであり、機種数も少なく存在感はそれほど大きくはないが、「EeeBook X205TA」は比較的多く売れた機種のため、中古ショップなどで「EeeBook X205TA」を見かけることもあるかもしれない。