iPhoneが日本国内でも発売されてから、それまで一部の人しか使用していなかったスマートフォンが、一般の人の間でも浸透し、多くの人がスマートフォンを利用するようになった。
さらには、それまでフィーチャーフォンを開発していたメーカーも、スマートフォンの開発、販売に参入し、その結果、現在もiPhoneをはじめとする様々なスマートフォンが、市場に流通しているのである。
ただ、多くのメーカーがスマートフォンを開発するようになったため、メーカーは、自社のスマートフォンをより多く販売するために、他社のスマートフォンと差別化を図るようになった。
差別化を図る方法は様々あるが、その中の一つとして、スマートフォンのブランドを立ち上げる方法がある。そのブランドの特徴を前面に出すことで、他社にはない端末であることを強調する方法である。
例えば、液晶を得意とするシャープは、同社の液晶テレビのブランドを冠した「AQUOS PHONE」を立ち上げ、スマートフォンの画面の綺麗さをアピールした。
ソニーモバイルコミュニケーションズは、端末のブランドとして「Xperia」を立ち上げ、スペックが高いスマートフォンをXperiaブランドで多く発売することで、Xperiaを高性能スマートフォンブランドとして確立した。
そして、大手電機メーカーであるパナソニックの子会社で携帯端末を開発、販売するパナソニックモバイルコミュニケーションズは、携帯端末のブランドとして「ELUGA(エルーガ)」を立ち上げた。
今回は、ELUGAの型番などについて記載する。
Panasonic Eluga (IMG_1040) / Sergio Uceda
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
ELUGAとは
ELUGAは、パナソニックモバイルコミュニケーションズが開発、販売する端末のブランドである。
ELUGAは、元々存在していた単語ではなく、洗練された上質なデザイン 、快適で楽しい暮らし、ネットワークサービスへの扉というコンセプトを英語にした「Elegant design」「User oriented」「Gateway for networking service」の頭文字から作り出した単語となる。
ELUGAは、日本では、主にNTTドコモ向けに発売されたが、ソフトバンク向けにも端末を発売した。
なお、パナソニック モバイルコミュニケーションズは、2013年にELUGAの個人向けスマートフォンの開発、販売からは撤退を表明しており、日本では2013年に発売した「ELUGA P P-03E」を最後に新機種は発売されていない。
ELUGAの型番について
ELUGAの型番についてだが、ELUGAは、前述のようにNTTドコモとソフトバンクから発売されており、それぞれ型番の命名規則が異なることから、それぞれ記載していく。
NTTドコモ向け
NTTドコモ向けのELUGAの型番は、NTTドコモの型番の命名規則に従っている。
型番の先頭には、開発したメーカーを現わすアルファベットの文字列がくることになっており、ELUGAは、開発したパナソニックモバイルコミュニケーションズから、この部分には「P」がくる。
アルファベットに続く「-(ハイフン)」の後には、二桁の数字がくるが、これは、メーカーがその年に発売した端末の通し番号が付けられる。
日本で初めてELUGA が冠された端末であるP-06Dは、上記の命名規則から、パナソニックモバイルコミュニケーションズが、その年にNTTドコモから発売した端末の6機種目であることを現わしている。
最後のアルファベットは、発売年度を現わしており、2008年冬モデルを「A」として、冬モデルの度にアルファベットが1つ進む仕様となっている。
前述のP-06Dは、最後の「D」から、2011年冬モデルから2012年夏モデルの間に発売されたことがわかる。
なお、日本で初めてELUGA が冠された端末であるP-06D、と記載したが、実はヨーロッパ向けに発売された「ELUGA dL1」という端末が、NTTドコモ向けに「P-04D」という型番で、P-06Dに先駆けて発売されたのである。
ただ、P-04Dは、日本で発売されるときにELUGAブランドでは発売されず、そのため、日本でELUGAが冠された初めての端末は、P-06Dとなるのである。
なお、P-04DおよびP-04Dをベースに作られたDisney Mobile on docomo P-05Dは、ELUGAブランドとならなかったために、ELUGA のシリーズ機ながら、ELUGAシリーズとしては数えられていない。
ソフトバンク向け
多くの機種があるNTTドコモ向けに比べ、ソフトバンク向けは、「SoftBank 102P」の1機種のみとなり、型番の命名規則は、ソフトバンク向けの機種と同様となる。
型番の最初に3桁の数列がくるが、このうち上1桁は、発売された年度を現わし、2011年(実際は2010年秋冬モデル)を0として、1年経過すると数字が1増える仕様となっている。
数列のうち下2桁は、その年にメーカーから発売された端末の通し番号となっており、01、02と増えていく仕様である。
最後のアルファベットの文字列は、開発したメーカーを現わすもので、パナソニックモバイルコミュニケーションズが開発した端末となるので「P」が付く。
上記の命名規則から、SoftBank 102Pは、2012年に発売されたパナソニックモバイルコミュニケーションズ製端末の2機種目ということがわかる。
ただ、ソフトバンク向けとして発売されたSoftBank 102Pは、NTTドコモ向けのP-04Dと同じくヨーロッパ向けに発売された「ELUGA dL1」をソフトバンク向けとして発売したもので、P-04Dと同じくELUGA のシリーズ機ながら、ELUGAシリーズとしては数えられていない。
まとめ
ELUGAの型番について記載したが、型番だけ見るとELUGAシリーズ機かどうかわからないかもしれないが、NTTドコモから発売された時の正式名称には、「ELUGA」が付いているので、ELUGAかどうかわかるだろう。
また、正式名称には、「ELUGA V P-06D」のようにELUGAと型番の間にアルファベットが入っていることがあるが、これは、その機種がどのような端末か現しているので、それで仕様がわかることもある。
ちなみに、「ELUGA V P-06D」の「V」は、「ビジュアル・コミュニケーション」を現わしており、パナソニック製のブルーレイレコーダーと連携したり、カメラ機能を強化したり、とビジュアル面の機能を強化した機種となっている。