epos(エポス)は、1983年創業のスイスの時計メーカーの1つだ。その特徴は、機械式時計にこだわり、一貫して機械式時計を作り続けていること。日本では、まだあまり知られていないブランドだが、「Ref.3340・エディション・アンティーク」は、ドイツで最も有名な時計雑誌で金賞を受賞したこともある。また、ベーシックコレクションは10万円以下から選ぶことができ、機械式時計を持ってみたいと考えているエントリー層にも自信を持っておすすめできるブランドの1つである。
ここでは、そんなエポスの腕時計の型番とモデル名の特徴や関係性、規則性などについて説明していく。なお、エポスの製品の型番(リファレンスナンバー)については、総輸入代理店のユーロパッションが運営するエポスの日本版公式サイトに記載のものを参照した。
引用:http://www.europassion.co.jp/epos/
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
エポスの腕時計のラインナップ
エポスの腕時計のラインナップは、「Ladies」というカテゴリーがあるものの、現行製品は4モデル13機種にとどまっている一方で、男性向けモデルはコレクションだけでも7つあり、そのモデル数も非常に豊富に用意されている。
エポスの型番について
エポスの日本版公式サイトを見ると、その型番は4ケタの数字しか表示されていない。しかし、下記3402はブルー、シルバー、グレーの文字盤色があることに加え、レザーストラップかスティールブレスレットのどちらかを選ぶことができる。そこで、各ショップの表記を調べてみたところ、以下のような表記となっている。
各ショップにおける型番表記
- Passion:3402
- ブルー…3402NBL・3402NBLM
- シルバー…3402NSL・3402NSLM
- グレー…3402NGRY・3402NGRYM
数字型番では色や製品の違いは判明しない
文字盤カラーごとにカラー名称がそれぞれ入り、さらにスティールブレスレットの場合は末尾に「M」が入る。なお数字の直後に置かれている「N」とは、生産終了した同じ型番の別モデルが存在するようで、それと区別するために入れている文字ではないかと思われる。
しかし、この表記の仕方は日本版公式サイトを見ただけでは判明しない。数字の型番のみだと文字盤カラーやストラップとブレスレットの違いは判明せず、型番としては少々使いづらい。
日本とは異なる海外のエポスの型番
エポスの型番は、実は日本と海外で違うものが使われている。上記、パッション(3402)のモデルで比較すると、海外での型番表記は以下のようになっている。
海外における型番表記
- Passion:3402
- ブルー…3402.142.20.36.25・3402.142.20.36.30
- シルバー…3402.142.20.38.25・3402.142.20.38.30
- グレー…3402.142.20.34.25・3402.142.20.34.30
13ケタの数字
上記は全く同じ製品の型番で、左がレザーストラップ、右がスティールブレスレット仕様の型番である。このように海外でのエポスの型番は、ピリオドで区切られた13ケタの数字で構成されており、日本での型番とかなり異なる。
さらに言うと、日本でのカラーバリエーションは3色のみだが、海外ではこれにケースがイエローPVD加工を施されたモデルが加わるようだ。
いずれにしても、この海外の型番のほうがモデルを特定しやすいものの、日本では使われていない型番である以上、ネット検索を行ってもモデルを特定することはできない。従って、なるべく日本の型番の表記の方式に則って記載していくことにしたい。
エポスの型番の特徴
さて、ここまで説明してきたように、エポスの腕時計の型番は4ケタの数字であり、この数字が主に文字盤デザインで選別可能なモデルそのものを表していると思われる。前項の海外の型番における2ユニット目の「142」は、おそらくは使用されるムーブメントの種類を表している数字ではないかと思われるが、日本の方式ではそれは型番には表れてこない。
むしろ表れる必要はなく、原則的に4ケタ数字が共通であれば、デザインもムーブメントも共通になるからであろう。だからこそ、カラーバリエーションやストラップは英字で加えてしまったほうがわかりやすいと考えた結果として、日本の型番の方式になっているのかもしれない。
エポスの型番はどこで見られるか
エポスの腕時計は全モデルが機械式であり、それをアピールするがためにほとんどのモデルがシースルーバックとなっている。そしてそのシースルーバックの周辺部(ケース部分)に、4ケタの数字が刻印されている。
ただし、書かれていないモデルもあるようなので注意をしていただきたい。少なくとも、購入時の保証書や取り扱い説明書等に必ず型番は記載されているはずなので、必要な時にはそちらで確認したほうがいいだろう。
各シリーズモデルの型番
ここでは、エポスの各シリーズモデルの型番を記載していく。ただし、記載は4ケタ数字の型番のみで、カラーバリエーションやケースの素材の違いなど、アルファベットの部分は割愛している。
Collection Passion
Ref. 3409 / Ref. 3403 OH / Ref. 3406
▶Ref. 3403のみ手巻式。OHはオープンハートのこと。文字盤からムーブメントの一部が見える。Ref. 3406はクロノグラフ。
Collection Oeuvre d'art
Ref. 3429SK / Ref. 3419
▶Ref. 3429はポケットウォッチ&テーブルウォッチファンクションのスケルトンダイヤル限定モデル。他のダイヤルカラーも限定2015本。Ref. 3419もオープンハートのモデル。3色ともに222本限定。どちらも手巻式ムーブメント。
Collection Sophistiquee
Ref. 3423 / Ref. 3423SK / Ref. 3424OH / Ref. 3424SK
▶Ref. 3423は文字盤シルバーのシンプルなモデル。Ref. 3423SKはRef. 3423のスケルトンバージョン。Ref. 3424OHは手巻式のオープンハートモデル。Ref. 3424SKはそのスケルトンバージョン。
Collection Emotion
Ref. 3390 / Ref. 3390-24 / Ref.3390-24A / Ref. 3391 / Ref. 3392 / Ref. 3391AB / Ref. 3391BL / Ref. 3390RWH / Ref. 3390SKRWH / Ref. 3391RWH
▶「24」は文字盤に24時間計。Ref. 3391はムーンフェイズ。Ref. 3392はシースルー。他も含めて文字盤が多彩なコレクション。
Collection Perfection
Ref. 3399 OH
▶スクエアケースのオープンハート。このコレクションは1機種のみ。
Collection Originale
Ref. 3431 LTD888 / Ref. 3430 / Ref. 3387 / Ref. 3427 / Ref. 3411 / Ref. 3426 / Ref. 3420 / Ref. 3420SK / Ref. 3408 / Ref. 3387 RSL / Ref. 3372 ASL / Ref. 3323 RBK
▶Ref. 3431 LTD888は限定888本のレトログラード式文字盤の時計。ほかはやはり多彩な文字盤やケースを多数選べるコレクション。
Collection Sportive
Ref. 3417SK / Ref. 3417OH / Ref. 3413 / Ref. 3396 SBKM
▶Ref. 3417はスクエアケース。Ref. 3413とRef. 3396はダイバーズウォッチ。
Ladies Collection
Ref. 4430 / Ref. 4314 HTWHP / Ref. 4390 RWH / Ref. 4390 SKRWH
▶Ref. 4314 HTWHPは12時位置にハート型のスケルトンデザインが入ったモデル。Ref. 4390 SKRWHは全体がスケルトンモデル。レディスコレクションは型番が4000番台になっている。
Pocket Watch
Ref. 2003 PAGY / Ref. 2090 / Ref. 2078 P / Ref. 2121 / Ref. 2166 / Ref. 2089 Ref. 2003 AWH / Ref. 2003 GP
▶エポスが力を入れる懐中時計のコレクション。レトロなケースデザインに、機械式時計の最新技術をつぎ込んでいる。型番は2000番台で統一されている。
型番・モデル名が必要になる場面
では、一体いつ型番やモデル名は必要になるのかといえば、まずあげられるのが中古買取の場面だろう。店頭や宅配での郵送による買取査定方法もあるが、今ではオンライン査定が主流になってきている。この時、査定情報として型番やモデル名は正しい査定金額を出すために必要不可欠な情報になる。
では、エポスの腕時計を買取してもらおうと思った時一体どうすればいいのだろうか。
エポス腕時計を高く買取してもらうコツ
中古市場を把握する
腕時計を売る場合、それは当然ながら中古扱いとなる。したがって、新品の価格だけでなく、中古品の価格も知っておく必要があるだろう。
ではエポスの腕時計はどうかというと、中古市場ではあまり流通量は多くなく、買取店の査定担当者もネットでの販売価格などを元に独自で判断するようなケースが多い。その上、エポスの腕時計は非常に種類も多いため、買取の参考にする中古小売価格も時期が古いというような理由から参考にならないというケースもあるようだ。
汚れは綺麗にクリーンアップしておく
当然ながら、たとえ腕時計そのものの品質がいくら良かったとしても、見た目が悪ければ高値で売ることはできないだろう。見た目をよくするために事前のクリーンアップは欠かせない。金属ブレスレットであれば綺麗に磨くなどしておくだけで、査定金額がアップする可能性がある。また、修復できる程度の傷であればそれほど査定金額に響くことはないが、日頃から大切に使うことを心がけるといいだろう。
購入時の付属品はできるだけ多く揃えておく
付属品が揃っているのと欠けているのとでは、査定金額に大きな差が生まれる。エポスの腕時計を購入した時についてきた、ケースや取扱説明書、保証書などは捨ててはいないだろうか。付属品があるだけで、数千円の価値がつくこともあるのだ。できるだけ全て揃え、購入時に近い状態で査定に出すのが望ましい。
買取査定は複数の店舗で行う
腕時計の査定金額は、店舗によって異なってくることがほとんどだ。特にエポスの腕時計は変動が激しい。高価買取を目指すのであれば、複数の店舗で査定してもらうのが良いだろう。何事も選択肢の多い方がより良い条件を選ぶことができる。
店頭で査定に出す前にネットで見積もりを出してみる
腕時計を売却するには、まず市場価格をよく知らなければならない。前述したが、今はインターネットでも腕時計買取の無料見積サイトが多数ある。店頭に出向いて査定してもらう前に、まずはサイトを使って見積もりを出してみるのが良いだろう。その上で大体の値段を把握し、買取店での査定に臨むのが望ましい。
このようにしておけば、もし査定金額が低かった場合には、金額交渉することもでき、売却をやめるにしても査定金額を理由にすればスムーズに運ぶことができる。なお、査定金額が高い場合でもすぐ売却に移るのではなく、検討してみると伝え、間をおくようにし、他店と比較するのを忘れないように。
買取価格の比較だけでなく、買取店の口コミも調べておく
特に中古時計などのように古物商を相手にする取引では油断は禁物だと言えるだろう。客に知識がないと見ると、価値が高い品物でも二束三文で買い叩こうとするのは必至だ。 また、所有している品を買い取ってもらうため、利用しようとしているお店の評判や噂話のようなものは、なるべく耳に入れておきたいと思うものだろう。そのような場合、ネットを使えばすぐにでも多種多様な口コミ情報を、たくさん読めるはずだ。やっぱり売らなければよかった、とあとで後悔しないためにも事前情報の収集は怠らないようにするのが良い。
まとめ
日本版公式サイトに掲載してあるエポスの現行モデルの型番=リファレンスナンバーを記載した。4ケタの型番数字とコレクション名(モデル名)との間に特に関連性や規則性は見られなかった。男性向けが3300、3400番台、女性向けが4300、4400番台、懐中時計が2000、2100番台という大きな区分けが存在するのみである。
それぞれ特徴ある製品も多いが、型番の4ケタの数字のみではわからないので、気になるモデルを見つけたら型番とともに覚えておくことをおすすめする。文字盤のカラーバリエーションやケース素材等の違いは、各ショップで実物や写真を見つつ判断していただけると幸いだ。
保証書で型番確認を行うのが一番
一方でエポスの製品を買取査定に出す場合には、型番を業者に求められる可能性が高い。正式な型番は文中でも述べたように保証書等でご確認願いたいが、それらが不明な場合は、ケース裏に刻印されている4ケタ数字のみの型番を使用しておけば、基本的には問題ないだろう。
リーズナブルな価格設定が魅力
さて、ことさらブランド力やハイメカニズム、あるいは自社の技術力のみにこだわることなく、機械式時計をリーズナブルな価格設定で楽しむことができるエポスの姿勢は好ましい。
生産終了している店頭在庫のみのものは、さらに設定価格が割引されているモデルもあるようなので、当記事に掲載の型番以外のモデルも含めて探せば、思わぬ掘り出しものを見つけることができるかもしれない。