FPジュルヌの資産価値はどのくらい？時計ブランドの中で何番目なのか

高級腕時計を投資の対象として購入する場合、気になるのが「売却時にはどの位の値段がつくのだろう」「高いお金を出して購入したものの、数年後に人気がなくなって売却できなかったらどうしよう」といったことではないだろうか。

FPジュルヌ（F.P.Journe）は、高級腕時計ブランドの中でも特に高級なブランドの1つに含まれる。購入の際にはそれなりの覚悟が必要なだけに、FPジュルヌの資産価値や代表的なモデル、売却時のコツなどはあらかじめしっかりおさえておくようにしよう。

FPジュルヌはどのようなブランドか？

FPジュルヌは、スイスに本社を構える高級腕時計ブランドだ。創業者はフランス出身のフランソワ・ポール・ジュルヌ氏で、ブレゲの再来とも言われる天才時計技師である。

歴史

1957年に故郷であるフランスのパリ、ヴェルヌイユ通りに時計工房を構えたのが、彼の時計技師としてのスタートだが、現在のような複雑機構の腕時計の設計に取り組み始めたのは1994年頃からとされている。

そして1999年、スイスのジュネーブでのFPジュルヌコレクションの発表によって、FPジュルヌのブランドの歴史は本格的に始まることとなった。

ブランド哲学

FPジュルヌの腕時計はクラシカルな見た目をしているが、内部に非常に高性能な機構が組み込まれており、腕時計業界から高い評価を受けている。新たなモデルの発表の度に世界の名だたる賞を受賞し続けているのだが、日本でFPジュルヌという時計ブランドを知っている人はまだそれ程いないのではないだろうか。

フランソワ・ポール・ジュルヌ氏自身も、日本の中での自身のブランドの知名度が低いということを分かってはいるようだ。しかしながら、FPジュルヌを誰もが知るようなブランドに育てるよりは、自分が理想とする時計を作り続けること、そしてその時計の価値の分かる顧客にのみ販売すること、この2つをブランド哲学としているようである。

FPジュルヌの本社の社員数は100人ほどで、年間の製造本数はわずかに850本程度と、フランソワ・ポール・ジュルヌ氏の目が行き届く規模に会社が収まっていることも、そのようなブランド哲学のあらわれと言えるだろう。

ファンは増えつつある

このようにブランドを拡大させることにはそれほど力が入れられていないにも関わらず、FPジュルヌの腕時計のファンは世界中に増えつつあり、日本での知名度も今後上昇していくかもしれない。

ちなみに日本でFPジュルヌの腕時計を購入したい場合には、東京にブティックがある。

FPジュルヌの代表モデル

FPジュルヌの腕時計には、一見すると伝統的なデザインのものが多い。実は内部の機構はもちろん、外見のデザイン1つ1つを見ると、しっかりと現代的な造りとなっていて、全体のバランスが取れている。どのようなファッションスタイルにも合うような、身に着けやすいデザインの時計となっていることが特徴だ。

以下では、FPジュルヌの中でも特に代表的で人気のあるモデルを紹介する。

クロノメーター・スヴラン

優れた性能と見た目のバランスが取れた時計である。ベルトはクロコダイル製で装着感が良く、ケースは薄くて軽い。また、文字盤はシンプルで時刻が読みやすく、汎用性のあるデザインである。

普段使いとしてスーツに合わせたとしても全く違和感がない。内部のムーブメントの骨格には18金が使われている。プラチナケースと18金ケースとがある。

クロノメーター・オプティマム

上記スヴランに属するが、さらに高精度を誇る時計である。FPジュルヌの特許技術である、潤滑油が不要の脱進機とチタン製ルモントワール機構が備えられている。40mmと42mmで展開している。

オクタ・オートマチック・リザーブ

2001年に発表されたオクタキャリバーというモデルを基にして製造された。新たに開発されたボールベアリングを組み込むことで、従来の両方向巻き上げから片方向巻き上げになり、巻き上げ性能が向上している。

また、このモデル用のコンパクトなパワーリザーブインジケーターが搭載されており、非常に高い視認性と機能性を誇るモデルである。30ｍ防水で、パワーリザーブは120時間以上だ。

オクタ・ゾディアック

世界で150本のみの限定モデルである。ケースはチタン製、風防ガラスはサファイアという豪華な素材が使用されているだけではなく、インデックスの外周には12星座が描かれており、非常に美しく上品なデザインだ。

ケースの裏面がシースルーになっており、ムーブメントを見て楽しむこともできる。120時間のパワーリザーブと日付カレンダーが備えられている。

オクタ・リュヌ

オクタはブランドを代表するコレクションであるが、それにムーンフェイズ機構が搭載されたモデルがリュヌである。「リュヌ」とは、フランス語で月を意味する「Lune」に由来している。時刻表示の文字盤がセンターではなく右側にあるのが特徴だが、これは袖口から時刻を確認しやすいようにとの考えに基づいている。

印象的ではあるものの奇抜ではなく、ムーンフェイズや日付カレンダー、パワーリザーブ表示と、全てがバランス良く配置されており、時刻を確認するという時計本来の機能も全く損なわれていない。

ムーブメントには「キャリバー1300.0」が搭載されている。他のオクタモデルと同様に120時間パワーリザーブを誇る。

スヴラン・クロノメーター・ブルー

ケースにタンタリウムという耐食性に優れた素材が使用されている。モデル名の通り、深いブルーのダイアルが非常に美しく魅力的な製品だ。ムーブメントには18金が使用されていて、パワーリザーブは約56時間である。

腕時計の資産価値はどのようにはかるのか

腕時計に投資をしようと考えている人は、FPジュルヌの資産価値が気になるだろう。しかし、この点について述べる前に、まずは腕時計全般について、資産価値をはかるポイントを紹介しよう。

ポイント1：もともとの価格

もともとの定価が高いものの方が、基本的に資産価値は高くなる。これは、定価が高い時計は当然ながら、搭載されている機構や使われている素材が良いためで、つまりは「良い時計」が資産価値は高い。

また、同じモデルであっても定価が変更されると、資産価値にも影響が出るときがある。例えば、定価が高く見直されると、中古市場での買取価格がアップすることがあるようだ。

ポイント2：希少度

本数が限定されているモデルであったり、廃盤になった製品であると、希少度が上がり資産価値は高くなる。実際に、廃盤が決定されたモデルは、その後に中古市場で値上がりすることが多い。

ポイント3：人気度・需要

ある腕時計は、映画の中で主人公に身に着けられることにより、爆発的な人気を得ることとなった。このように、何らかの原因によって世界的にブームとなると、その時計の資産価値も上がる。ただし、流行が一時的なものの場合には、ブームの終了と共に価値が下がることも考えられるため、注意が必要だ。

一方で、一時的なブームや流行とは関係なく、長い期間人気が継続している腕時計もある。そのようなものは市場に出回ってもすぐに売れるため、資産価値は常に高いと言える。

ポイント4：普段使いのしやすさ

ポイント3とも関連するが、普段使いしやすいデザインかどうかも、資産価値をはかる上で重要なポイントだ。あまりに奇抜なデザインで着けるシーンが限られるようなものであると、例えもともとの定価が高かったとしても、需要が限られるために資産価値は上がりにくい。

基本的には、ドレスウォッチタイプよりは、汎用性の高いクラシックなデザインのものの方が良いだろう。しかし、着けるシーンが限られるものであっても、スポーツタイプは年齢層を問わずに常に人気があり、資産価値も基本的に高い。特に、一目で複雑な機構と分かるメカニカルなものがおすすめだ。

FPジュルヌの資産価値

前述した資産価値ポイントをもとに、FPジュルヌの資産価値のランキングを考えると、全時計ブランドの中で7番目程度と考えられる。FPジュルヌのもともとの価格は非常に高く、高級時計ブランドの中で比較しても高価な部類に入る。また、デザインもシンプルで着けるシーンを選ばない。これらの点だけを見ると、資産価値ランキングはもう少し上になりそうである。

しかし、日本の中での知名度がまだそれほど高くないという点が、ランキング順位に影響している。人によっては、誰でも知っているような時計を着けてステイタス感を演出したいという思いが、時計を選ぶ際の基準となっている。知名度が高くないものに対しては需要が増えず、資産価値が上がりにくいのだ。

ただし、海外の腕時計中古市場を見ると、FPジュルヌの中でも非常に人気が上がり、高値で取引がなされているモデルが存在する。日本でも、腕時計のマニアの間でのFPジュルヌの人気は現在でも充分に高い。今後FPジュルヌの知名度が上がっていけば、資産価値も上昇していくと言える。

FPジュルヌの売買のコツ

腕時計投資は「安く購入して高く売る」ことが基本である。一方で、FPジュルヌは知る人ぞ知るというようなブランドで、中古市場を見ても流通量が少ない。また、買取店によってかなりの価格差があることが特徴である。

いろいろなお店や媒体をチェック

このような特徴を踏まえると、売買時には複数の業者だけではなく、オークションサイトのヤフオクや、フリマアプリのメルカリなど、とにかく数多くのお店や複数の媒体を小まめにチェックすることが、FPジュルヌへの投資を成功させるコツと言えるだろう。

腕時計専門の買取業者を利用

特に売却時には、FPジュルヌに詳しい腕時計専門の買取業者をあたることは必須だ。腕時計に詳しい業者にはおたからやなどがあるが、他にも全国に多数の腕時計専門業者が存在する。

多くの業者はサイトでの無料見積もりや、宅配買取などを実施しているので、積極的に試して査定額を比較すると良い。

保証書などはすべてそろえておく

また、時計の箱や保証書一式をしっかりとそろえておくこと、保管状態に気を付けること、鑑定前に掃除をして綺麗な状態で査定に出すことなど、高値買取のための基本的なテクニックも忘れず実践するようにしよう。

まとめ

今回は、FPジュルヌの資産価値や、高級腕時計ブランド中で何番目に位置するか、また売却の注意点などをご紹介した。FPジュルヌの資産価値のランキングは、全時計ブランドの中で7番目程度と考えられる。日本では知名度がまだそれほど高くないが、今後人気が出る可能性は十分にあるといえる。

FPジュルヌの売却方法については記事内でお伝えしたが、売却を考えている人は自分にとって一番利益の出る売却方法を記事を参考に検討していただきたい。