さまざまな環境設定や外部デバイスを繋げられるiMacにおいても、稀に初期化ができないトラブルが発生することがある。
しかしこうした難所を乗り越えたMacユーザのブログなどを見ていると、その多くが自分でフォーマット時のトラブルを自分で解決できている実態に気付かされる。
またMacBookのように簡単に持ち運びのできないiMacの場合は、なるべく自宅の中で問題を解消するのが理想となるだろう。
今回は、多くのMacユーザによる体験談に書かれている、iMacを初期化できない時の対処法を詳しく確認していきたい。
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iMacの初期化ができない原因と対処方法1ネット環境の見直し
インターネットリカバリを使ってiMacのフォーマットを行う場合、多くの人がネット環境の問題で初期化ができないトラブルに陥っている。
iMacにおける3つのリカバリ方法
iMacのOS再インストールは、下記3つの方法を使って行う形となる。
- 1.DVDドライブにインストールDVDを入れて起動する
- 2.SSDやHDDからリカバリする
- 3.インターネット経由でリカバリする
この中で不安定なネット環境によりトラブルが起こるのは、3のみとなる。
そもそも、インターネットリカバリって何?
リカバリメディアが付属していない比較的新しいMacでは、AppleのサーバからOSXのファイルをダウンロードして復元・初期化を行うインターネットリカバリの機能が備わっている。
インストールファイルのダウンロードに耐えうるネット環境がない場合は、iMacのドライブを使ってインストールDVDを作ることもできる。
このエラーが出たらネット環境の問題
2002F・2003F・2006Fのエラーが出た時には、今現在使っているネット環境に問題があると捉えた方が良い。DVDドライブの故障などにより他の方法が選択できない場合は、飲食店や図書館などで提供しているFree Wi-Fiを使ってインターネットリカバリの再チャレンジをしてみるしかない。
またそれなりに大容量でスマホ回線の契約をしている場合は、macの初期化にデザリングを活用してみても良いだろう。
iMacの初期化ができない原因と対処方法2日時とタイムゾーンの確認
長きに渡って放置していたmacに下記のエラーメッセージが出た場合は、初期化に欠かせないシステム時刻がリセットされた可能性が高いと言われている。
「このOS Xインストールアプリケーションを検証できません。ダウンロードの最中に破損したか、不正に変更された可能性があります。」
「インストールの準備中にエラーが起きました。」
また初期化前にSMCやPRAMのリセットを行った場合も、日時の設定がおかしくなることにより、Macの再起動をするだけで警告メッセージが表示される形となるようだ。
リセットされた日時を元に戻す方法とは?
この状態に陥ったMacで初期化を行う際には、dateコマンドを使って日時をインストーラ作成日時よりも未来に設定しなければならない。またインターネットリカバリモードのタイムゾーンに合わせる場合は、現在の日本時間から17時間引いた上で太平洋標準時にする必要がある。
「月・日・時・分・年(mmddHHMMyy)」の順番に2桁ずつ数値を入れると、dateコマンドの後にくる情報は下記のような形となる。
% date 102207502018 (日本時間の2018年10月22日23時50分に合わせる場合)
太平洋標準時の設定がよくわからない場合は?
dateコマンド内に設定する日時は、基本的に未来であれば問題ないと考えられている。
また初期化完了後にネット接続すれば、現段階における正確な日時が自動同期される形となるため、「未来」という点だけ心がければ、多少アバウトな設定であっても初期化をする上で大きな問題はないと捉えて良さそうだ。
iMacの初期化ができない原因と対処方法3HDDフォーマットの種類と形式
外部デバイスから初期化をする場合、iMacに繋げたハードディスクの種類によってはエラーが出てしまうこともある。
また特にiMacだけでなくWindowsでも外付けデバイスの兼用などをしている場合は、これから紹介する種類や特徴について頭に入れておくことも初期化などをスムーズに終えるポイントとなるだろう。
iMacで使えるHDDにはどんなフォーマットがあるの?
Appleのコンピュータで使えるHDDフォーマットとしては、HFS+、exFAT、FAT32、NTFSといった種類がある。Macだけで使用するハードディスクの場合、ファイル転送制限やデフラグの必要のないHFS+でフォーマットを行うのが理想となる。
これに対してMacとWindowsの両方で使うHDDの場合は、exFATでフォーマットするのがおすすめとされている。
exFATなどでもフォーマットができない時には?
こうした形式との互換性のない古いMacの場合は、exFATではフォーマットが難しいケースもあるとされている。この時には、exFATからFAT32(MS-DOS)に形式変更することで、問題なくフォーマットが再実行できることもある。
またMacだKで使うハードディスクの場合は、OS X 拡張の中でも「ジャーナリング」から「ジャーナリング、暗号化」に変更することにより難なく初期化ができる形になるケースも多いとされている。
そもそも、HDDのフォーマットが異なる時にはどんなエラーが出るの?
実際にこのトラブルに陥ったユーザのブログには、下記エラーメッセージのキャプチャ画像が掲載されている。
「セットしたディスクは、このコンピュータで読み取れないディスクでした。」
こうした形でシンプルな日本語で表示されるフォーマット関連エラーの場合は、他のケースと比べて特定や解消がしやすい内容と捉えて良いだろう。
最もシンプルなのはMac専用バックアップHDDを買うこと
フォーマット形式による初期化の失敗を回避するためには、リカバリやバックアップに使う外付けデバイスをMac専用にするのがおすすめとなる。
ちなみに仕事などで画像や動画データを多く取り扱う人の場合は、iMacのHDD容量×3~5倍ものデバイスがバックアップに必要になるとされている。こうした実態から考えると、快適な環境でMac生活を送るためにもWindowsとの兼用ではなく、Mac専用の外付けデバイスを買うのが理想となるだろう。
iMacの初期化ができない原因と対処方法4最新OSのインストールによるトラブル
初期化によってSierraやHigh Sierraといった比較的新しいOSを入れる時、その途中でインストールが止まってしまったり、処理時間が長すぎてどのタイミングで終わるかわからないといったトラブルが生じることもある。
こうした初期化時の問題は、再インストールの方法を見直すことで解消できる。
プレインストールとは異なる最新OSを入れる時の問題とは?
Command+Rというキーで再起動を行った場合、ディスクユーティリティからインストールされるOSは、購入時に入っていたものとなる。
そのため、例えば初期化前にHigh Sierraを使っていたiMacユーザが再起動にCommand+Rを用いた場合、最新OSを入れるまでの間にYosemite → EL Caption → Sierra → High Sierraといった形で4回もの面倒なインストールを繰り返す必要が出てくるのだ。
iMacの初期化で効率よく最新OSを入れるためには?
こうした形で生まれる手間やトラブルが生じるリスクを最小限にするためには、Option+Command+Rという組み合わせのキーを使ってOSの復元を行うのが理想となる。
このキーで再起動されたMacは、互換性のある最新バージョンのMacOSへのアップグレードが一気にできる形となる。Option+Command+Rを使って効率よく初期化する方法は、一般的にクリーンインストールと呼ばれている。
現在使っているMacOSがSierra10.12.4以降の場合
これから初期化をする予定のコンピュータにSierra10.12.4以降のOSが入っている場合は、Shift+Option+Command+Rを使う形となる。
このキーでMacOSの復元を行うと、パソコンに当初付属されていたMacOSもしくは、そのバージョンに最も近く現在も利用可能なバージョンがインストールされる仕組みのようだ。
こうした形で効率よく最新OSの使える仕組みが整っているiMacの場合、ユーザ自身が自分に合った初期化の方法を把握することも必要となるだろう。
iMacの初期化ができない原因と対処方法5 Core Storageの影響
YosemiteというOSの入ったコンピュータの初期化ができない場合、Appleが導入した論理ボリュームフォーマットのCore Storageがトラブルの原因になっている可能性も考えられる。
Core Storageって何?
ファイルシステムとデスクパーティションスキームの間に存在する階層を、AppleではCore Storageと呼んでいる。この論理ボリュームフォーマットは、フルディスク暗号化のFileVaultとFusion Driveという新技術を基盤に作られている。
Core Storageを原因とする初期化時のエラーとは?
Yosemiteを使ったコンピュータのパーティション消去を行い、OSの再インストールを行うタイミングでCore Storageによる下記エラーが出るとされている。
「お使いのコンピュータにはOS Xのインストールができませんでした」
「このディスクはコンピュータの起動ディスクに使うことができません。」
このメッセージが出ている状況で再インストール先となるパーティションを選ぼうとすると、「Core Storageが・・・」と書かれたエラーが出てフォーマットに必要なボタンが表示されない形のようだ。
Core Storageによる初期化エラーの対処法
このエラーが出た時には、まずディスクユーティリティを終了した上でターミナルを選び、その中でdislutilコマンドを下記のように使う形となる。
diskutil cs revert disk1
このコマンドによって論理ボリュームと物理ボリュームの変換が終わると、コンピュータの初期化がスムーズにできる形となるようだ。
iMacの初期化ができない原因と対処方法6 Appleサポートを利用する
ここまで紹介したポイントの確認を行ってもiMacの初期化が上手くできない時には、Appleサポートの担当者に問い合わせをしてみるしかない。
実際にリカバリに悩まされたiMacユーザの多くは、Appleサポートのスタッフからさまざまな提案をもらうことにより、現在生じているエラーメッセージなどの解決に至っている。
またデスクトップパソコンのiMacがMacBookにようにすぐ自宅からの持ち出しができないことを考えると、まずはその場で問い合わせをするのが効率的と言えそうだ。
Appleサポートにはどんな方法があるの?
実際にこのサービスを使ったユーザによると、Appleでは電話もしくはチャッを使った方法でサポート担当者と繋がれる仕組みを設けている。
しかしサポートメニューから初期化に大きく関係する「インストールとアップデート」というカテゴリを選択した場合は、基本的に電話を使った方法が推奨されているようだ。
電話だけでも2つの対応方法が設けられている
Appleでは、下記2つの電話サポート方法を用意している。
- ・指定した日時に電話してほしい
- ・後日電話したい
メーカー側でおすすめする前者の場合、WEB上から入力した都合の良い日時にAppleサポートの担当者から電話がくる形となる。これに対して後者の場合は、連絡先情報をApple側に送信した上で、iMacユーザの好きなタイミングで電話をかけるシステムだ。
電話サポート利用時の注意点
「指定した日時に電話をしてほしい」の方法でサポート依頼をする場合、iMacのシリアル番号入力を求められる。このコンピュータのシリアル番号は「このMacについてウィンドウ」もしくは、本体の表面からユーザ自身が調べる形となる。
デスクトップ型のiMacの場合、本体のベース部分(脚部)の底面にシリアル番号が書かれているため、電源の入ったままの状態で問い合わせ準備をするなら「このMacについて」を使うのが理想となるだろう。
Appleの電話サポートは有料?無料?
Appleサポートに電話をする際には、まず下記ページにシリアル番号を入力してサービス期間と保証状況の確認をしてみよう。
https://checkcoverage.apple.com/jp/ja/
デバイスの保証期間がまだ切れていない場合は、AppleCareのサービスプラン購入でAppleサポートが受けられる形となる。これに対してプラン対象外のデバイスでトラブルが生じた時には、有料インシデントサポートの購入で問い合わせができるシステムだ。
有料インシデントサポートの価格とは?
AppleCareの有料インシデントサポートは、iMacを含めた全てのApple製品が3,000円で受けられる仕組みとなっている。これに対してネットワーク構成などの異なるプラットフォームの場合は、1件69,800円ものお金がかかってしまう形となるようだ。
しかし実際にAppleサポートに電話をした人の中には、AppleCareの期間が切れていても無料で答えをもらえたという体験談を投稿する方々も見受けられる。
まとめ
売却や譲渡、トラブル発生時に欠かせないiMacの初期化には、使用環境やOSによって当ページで紹介したような失敗や起こりやすい難点がある。
しかしAppleサポートのような支援体制の整っているこのメーカーの場合、なかなか自宅から持ち出せないiMacであっても良い形で対応方法を教えてもらえると捉えて良いだろう。またiMacの初期化にはバックアップを含めて多くの時間がかかるため、なるべく余裕を持って作業をすることも忘れないようにして欲しい。
最終手段としては買い替えも
本記事で紹介した様な手段を使って初期化できれば何よりだが、どうしてもできないということはありえるだろう。その場合、買い替えという選択肢も考えることになる。買い替えには色々手段が存在するが、筆者としてはフリマサービスをオススメしたい。メルカリ、ラクマなどフリマサービスは世に多数存在するが、オススメしたいのがスママという家電・ガジェットを専門に売買をしているフリマサイトだ。
通常、フリマは個人間で取引が行われる仕組みであるため、iMacの様な精密機器となると、どうしても不具合の不安や、データが削除されないことに個人情報流出リスクなどがつきまとう。スママは、ガジェット専門のフリマとしてこの心配を取り除く仕組みを提供している。動作保証やデータ削除のサービスによって、中古ならではの不安が払拭されるということだ。詳しくはぜひスママのサイトを見てみてほしい。