iPad air上級者であれば必ず行うとも言われる売却時のデータ削除やフォーマットも、初めてタブレット端末を使う方々にとってはそのイメージが掴みにくい実態がある。
またフォーマットという言葉を初めて耳にする人の場合は、意味を想像できないキーワードに敷居の高さを感じてフォーマットを行わないまま日々を過ごしてしまうこともあるようだ。
今回は、多くのiPad airビギナーが身構えてしまいがちなフォーマットやデータ削除について、その基本的な意味や考え方、きちんと取得する方法などを詳しくご紹介していきたい。
Apple iPad Air 2 vs iPad Air / pestoverde
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iPad airの売却時に必要なデータ削除・フォーマットって一体何?
iPad airの売却時に行うフォーマットは、使用後に入ったデータやソフトウェアを全て消し、工場出荷時と同じ状態に戻す処理の総称だ。中古スマホを販売する専門店でも基本的に、フォーマットの処理を行って中身をきれいにした商品を店頭に並べている。
初心者に勘違いされやすいデータ削除
特定の処理を流すことでデータを全て消すことのできるフォーマットは、データ削除と似た概念であることは間違いない。しかし一般的には、パソコン内でファイルやフォルダを手動でゴミ箱に入れる作業とは、少し異なるものと捉えた方が良い。
また例えば、たった1つのアプリをダウンロードした購入直後のiPad airから、そのアプリをアンインストールしても、その処理は基本的にフォーマットにはならない。
どうして手動でのデータ削除ではフォーマットにならないの?
手動でゴミ箱に入れる、アプリをひとつずつアンインストールするといった方法には、少し特殊なアプリを使えばデータ復元ができてしまう難点がある。
また初心者ユーザが誤ってApp Storeからウイルスやスパムウェア要素の強いアプリをダウンロードしてしまった場合は、手動で消すだけではこれらの脅威が残ってしまう可能性が高い。
フォーマットと似た意味を持つ言葉もある
こうした形で手動によるデータ削除やデータ消去とは似て非なる存在とも言えるフォーマットには、初期化・リカバリ・リインストール・再セットアップといった類義語が多く存在している。これらの言葉は使う人や場合によって、フォーマットとは若干異なるニュアンスを持つこともある。
しかしタブレット端末を売る際に上記のキーワードを使えば、売却準備として行われるデータ削除のことだと多くの人が理解できることだろう。
タブレット端末以外でも行われるフォーマット
フォーマットや初期化は、iPad などのタブレット端末以外に下記対象にも使われる処理となっている。
- ・WindowsやMacなどのパソコン
- ・サーバ
- ・CD-RW、DVD-RW
- ・SDカード
- ・外付けHDD
- ・USBメモリ
- ・デジタルカメラ本体
- ・AndroidやiPhoneなどのスマートフォン
こうした形で幅広いカテゴリで使用されるフォーマットやデータ削除は、これらのデバイスやメディアを安全に用いるためにも、その意味ややり方などを詳しく把握しておく必要があるだろう。
iPad air を売る時、どうしてデータ削除をする必要があるの?
iPad airを買取査定に出す時に行うフォーマットには、多くの上級ユーザや業者が推奨するだけの下記理由とメリットがある。
そもそも、データ削除は売却時の義務なの?
iPad airのデータ削除は、売る側の義務ではない。そのため、急な入り用により即現金化をしたい場合などについては、買取業者の指定する条件を満たす端末であれば、フォーマットを行わなくても売却ができる。
しかしこうした流れで自分の個人情報や機密情報への対策が施されていなければ、そのデータにもしものことがあった時のリスクは高まることだろう。
リスクを最小限に抑えるために行われるデータ削除
売却前に行うフォーマットは、大事なデータの漏えいや流出を防ぐために行う目的があると考えられている。この方法を実践しておけば、自分の大事な個人情報が買取業者の手に渡ることはない。
日本の買取店では基本的にデータの入った中古スマホの扱いに慎重に鳴っている実態もあるようだが、万が一のリスクに備えることを考えるとiPad airと一緒にデータを第三者に手渡さない心掛けが理想となるだろう。
データ削除前にバックアップをする方法もおすすめ
売却などの理由でデータ削除をする際には、その準備としてバックアップも一緒に行うのがおすすめだ。
他のデバイスやオンラインストレージへのデータ退避とも言えるバックアップを行うと、売却によって自分の手元からiPad air端末がなくなっても、新しいiPadやパソコンなどを使って復元することができる。
また売却したタブレットに「どんなデータが入っていたのか?」を把握する上でも、バックアップをするメリットは非常に高いといえるだろう。
iPad air のデータ削除・フォーマットは、売却時以外にも行われている
売却時に生じるさまざまなリスクを防ぐ効果のあるフォーマットは、iPad air使用中に生じる下記のシーンでも行われる処理となっている。
iPad airを捨てる時
不要になったiPad airを捨てる時には、不燃ごみではなく小型家電リサイクル法に基づく回収ボックスに入れるのが現行ルールとなっている。このボックスを使ってiPadの処分をする際には、多くの人がなるべく手間をかけずに捨ててしまいたいと感じる実態がある。
しかし小売店などに設置されたボックスから第三者が容易にiPadなどの取り出しができてしまうことを考えると、データ流出などの危険性を防ぐために初期化をする必要があると言えるだろう。
他人にiPad airをあげる時
仲の良い友人や家族に中古のiPad airをあげるときにも、その相手にデータが渡ってしまう危険性を想定しなければならない。
また厳しい取り扱いルールなどのない個人間取引の場合は、受贈者が特殊なソフトウェアを使って行うデータ復元も自由にできる形となるため、注意が必要だと言えるだろう。
こうした形で自分の大事なデータが見られる、どこかに流されるといったリスクを考えると、友人知人との取引であっても必ずフォーマットはするようにしてほしい。
他人からiPad airをもらった時
友人知人や親戚などからiPad airを譲り受けた場合も、必ずフォーマットをしてから使い始めるのが理想となる。
それなりにコンピュータ関連に詳しいユーザからもらった場合、「あの人が使っていたiPad airなのだから、わざわざ自分が初期化をしなくても問題ないだろう」といった想いに陥る人が多く見受けられる。
しかしその中にスパムウェアなどが潜んでいる可能性がゼロではないと考えれば、初期化の必要性は明らかだと言えそうだ。
iPad airがウイルス感染した時
たくさんのアイコンが並ぶiPad airの場合、ユーザ自身もウイルスやスパムウェアの感染に気づきにくい実態がある。しかし本人が怪しいアイコンと気付いているものを放置しておくと、そこからiPad airのソフトウェア障害やデータ流出といったトラブルに見舞われることもあるため、注意が必要だ。
またその端末内に入ったスパムウェアやウイルスの種類や数を素人目線で確認できない実態から考えると、動作面などで怪しい症状が起きたら早めにフォーマットをするのが理想となるだろう。
iPad airの調子が悪い時
動作が重くてサクサク動かない、突然フリーズする・・・。こんな状況に陥ったときにも、端末内の整理とリセットを兼ねてフォーマットをするユーザが非常に多い実態がある。
この方法を実践しても症状が改善しない場合は、ハードウェアなどに障害が生じている疑いなども特定しやすくなる。また初期化によって症状改善すれば修理費用もかからなくなるため、専門店に相談する前にフォーマットする習慣は節約というメリットももたらすだろう。
最もシンプルなiPad air のデータ削除・フォーマット方法
何の問題もなく普通にホーム画面を起動できるiPad airの場合、歯車マークの「設定」から「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」の流れでフォーマットを行う方法がおすすめだ。
ちなみにiPad airの設定メニューの中では、下記のように多彩な情報の初期化やリセットができる仕組みとなっている。
- ・すべての設定
- ・すべての設定とコンテンツ
- ・ネットワーク設定
- ・ホーム画面のレイアウト
- ・キーボードの変換学習
- ・プライバシーと位置情報
これだけ幅広い項目のリセットやデータ削除のできるこのメニューは、iPad air使用中に起こるさまざまなトラブル時に役立たせやすい存在となるだろう。
この方法でiPad airのフォーマットを行うメリット
この手段を用いる最大のメリットは、初心者や忙しい方々でも簡単にフォーマットができることだ。
iPad airの扱いに慣れている人であれば1分もかからず処理を開始できるこの方法なら、急な入り用により今日中に買取店に端末を持ち込もうとする方々でも問題なくデータ削除を終えられることだろう。
また幅広いシーンでの活用がおすすめとなるフォーマットは、こうしたシンプルなメニューにより面倒臭さや苦手意識を持たずに作業可能なことも重要となる。
設定からiPad airのデータ削除を行うときに必要な準備
この方法でiPad airのフォーマットをする時には、前準備としてデータのバックアップと「iPadを探す」機能のオフを行う必要がある。
特に「iPadを探す」のアンロックは、ユーザと同じように再販売前の初期化をする買取店側でも求める作業となるため、宅配買取サービスなどを利用する時には注意をして欲しい。
またこの機能をオンのままでiPad airを送った場合は、買取不可の返答により着払いで返送されてくる可能性もあるようだ。
iTunesのリカバリモードを使ったデータ削除・フォーマット方法
上記の方法でiPad airの初期化ができない場合における次の手段となるのが、リカバリモードと呼ばれる手段だ。
リカバリモードと設定から行うフォーマットにおける違いとは?
リカバリモードと設定からできる初期化の大きな違いは、前者がiTunesの入ったパソコンを使用することだ。そのため、この方法でフォーマットをする際には、必ずコンピュータとの接続を行わなければならない。
しかしiTunesにはiPad airのバックアップ機能も備わっているため、バックアップとフォーマットを一連の流れの中で行えるといった意味でも、その使い勝手は意外と良いと捉えて良いだろう。
リカバリモードはどんなシーンで選択される処理なの?
リカバリモードは、下記のような問題が生じた時に選択されることの多い処理となっている。
- ・iPad airのパスコードを忘れてしまった
- ・充電しても電源がつかない
- ・ホーム画面が表示されない
ユーザ間では強制初期化とも言われるリカバリモードは、基本的に上記のように何らかのトラブルが生じた時のみで使われる。
リカバリモードによるフォーマットの流れとは?
下記のように処理を進めていくリカバリモードは、iTunesの入ったコンピュータさえあれば、誰もが簡単にできるフォーマットの方法だ。
- 1. iPad airの電源をオフにする
- 2.ホームボタンを押したままの状態で、iTunesの入ったパソコンにiPad airを接続する
- 3. iPad airの画面にLightningケーブルとiTunesと書かれたアイコンが表示されたら、ホームボタンから指を離す
- 4.パソコン上でiTunesが自動で起動される
- 5.「工場出荷前の状態に戻しますか?」といった表示が出たら、復元をクリック
- 6.次のポップアップ画面内で「復元とアップデート(Macの場合)」、「復元と更新(Windowsの場合)」を選択する
- 7.「次へ」→「同意する」の後にiOSのダウンロードと復元作業が始まる
リカバリモードと自動同期
リカバリモードを使う時には、iTunes側の同期設定をオフにしておく必要がある。この機能がオンのままになっていると、iPad airをパソコンと繋げた時点でiTunesとの同期が始まってしまう。
またリカバリモードやバックアップなどを効率よく行うためには、iTunesを最新版にしておくこともおすすめとなるだろう。
Wi-Fi接続を使ってリカバリモードの処理は行える?
強制初期化とも言われるリカバリモードは、非常にデリケートな状態で行う処理と考えられている。そのため、この方法で初期化をする際には基本的にパソコンとiPad airをLightningケーブルによって物理的に繋げるのが理想となる。
リカバリモードが失敗した時はDFUモードからフォーマットをする
Apple側が推奨する強制初期化のリカバリモードでトラブルが生じた時には、DFUモードという裏技を使ってフォーマットを済ませるユーザも僅かに存在している。
DFUモードとは?
「Device Firmware Upgrade」という英語名を持つDFUモードは、デバイスのファームウェア更新のできる特殊なモードだ。ブートローダーもしくはiOSの読み込みが行われないこの処理を使用すると、iOSのバージョンチェンジを目的としたファームウェア変更もできるとされている。
DFUモードはどんなシーンで使われる処理?
DFUモードによる初期化は、リカバリモード中にケーブルが抜けた、iTunesを終わらせてしまった、コンピュータの電源が切れたなどのトラブル時に用いる処理となっている。
そのため何の問題もなくリカバリモードでフォーマットができる場合は、わざわざDFUモードを立ち上げる必要はないと言えるだろう。
DFUモードへの入り方
DFUモードは、下記の流れで起動する
- 1.パソコン側でiTunesを起動する
- 2.USBケーブルを使ってコンピュータにiPad airを接続する
- 3. iPad airの電源をオフにする
- 4. iPad airの電源ボタンを3秒間押し続ける
- 5.更にiPad airでホームボタン+電源ボタンを押し続ける
- 6. iPad airの電源ボタンのみを離し、ホームボタンだけをそのまま押し続けると、iTunesがリカバリモードでiPad airを検出できたというメッセージが表示される
- 7.何の問題もなくDFUモードに突入した場合は、iPad air側の画面に何も表示されない
- 8.この後の処理は、iTunes上に表示される案内に従う形となる。
DFUモードは完全自己責任で行うべき存在
何らかのトラブルにより途中で落ちてしまったリカバリモードを再び復元させるDFUモードは、SIMアンロックや脱獄などもできてしまう危険な処理でもある。一般的な買取専門店では脱獄スマホや脱獄タブレットに対して、買取NGの返答を出す傾向がある。
またこの方法はApple側でも推奨していないため、もしDFUモードを使って初期化をする時には完全自己責任の処理であることを頭に入れておくようにして欲しい。
完全自己責任のDFUモードをやるのが怖い時には?
DFUモードをやる必要性に迫られた時には、その状況をAppleサポートに相談をするという選択肢もある。
iPad airなどの初期化処理を知り尽くしたAppleサポートにアドバイスを仰げば、リスクの高いDFUモードを選択しなくてもトラブルを解消できる良策を教えてもらえるかもしれない。
また特にiPad airが保証期間内の場合は、無理矢理DFUモードをやる前に、Apple側に無料で相談した方が大事なタブレット端末に更なるトラブルが起こりにくくなると言えるだろう。
まとめ
設定メニューやリカバリモードを使って行うiPad airのフォーマットは、自分の保存していたデータを守る上で欠かせない処理となる。またiPad airに何らかのトラブルが生じた時に正しい方法でデータ削除を行う習慣をつけると、大事な端末を長く安全に使い続けられるようになると言えそうだ。