多くの商品情報が日々更新されるメルカリでは、日用品・家電・車両などといった幅広い商品の取引が行われている。取扱商品の中には、iPhoneシリーズの海外版SIMフリーも含まれている。
総務省が平成29年に出した「SIMロック解除に関するガイドライン」により、既存キャリアの利点は必ずしも保証されず、国内・海外問わずSIMフリーを求めるユーザーが増えてきている。
今回は、iPhone7・7Plus海外版SIMフリーについて、メルカリではどのような売買相場となっているのかご紹介していきたい。
iPhone 7 / homethods
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iPhone7・7Plus海外版SIMフリー購入前の基礎知識
まず、iPhone7・7Plus海外版SIMフリーをメルカリで購入する前に、基礎知識を今一度確認しておきたい。
スマートフォンの取り扱いに慣れている方であれば、既にご承知の内容がほとんどだが、メルカリは個人間でのやり取りとなるため、商品ページ紹介において基本的な情報が抜けていたり、コメントをよく見ないと分かりにくい部分もあったりして、売り手と買い手との情報が一致していないこともあるからだ。
出品者に対する質問事項を精査する材料として、まずはご一読いただきたい。。
SIMロック・SIMフリーの機能説明
SIMの仕組みだが、基本的なことであるがゆえに意外と見落としもある、SIMロック・SIMフリーについてあえて取り上げてみる。
SIMカードの中には、回線契約や通信に必要な固有番号情報、携帯電話番号等が記載されている。 簡単に言えば、利用者の契約情報が書き込まれているカードであり、iPhoneをはじめとするスマートフォンで、通話・ネット利用を行う際に必要になる。
SIMロックというのは、この機能に対し一定の制約がかかったものを言い、通信事業者であるキャリアが指定したSIMカード以外は利用できないように設定された機能を指す。
スマートフォンの販売元と同じ通信会社のSIMカードのみが使えるように、ロックされているというわけだ。
しかし、海外で購入した機種など、もともとキャリアの制限を受けていない端末なら、SIMカードの種類を問わず、通話・ネット利用を自由におこなえる。 これが「SIMフリー」の端末だ。
iPhoneは世界中で販売されている機種のため、初期段階でSIMフリーのものを購入することも可能なのだ。
iPhone7・7Plusの国内版・海外版との違いは?
次に、iPhone7・7Plusの国内版・海外版との違いについて、機能面も含めて簡単にご紹介する。
まず最初に、モデル番号についての違いをお伝えしておく。 iPhone7・7Plusのモデル番号について、参考までに番号をお伝えすると、日本国内であればいずれのキャリアも、iPhone7であれば【A1779】を、7Plusであれば【Model A1785】を発売している。
もし、このモデル番号と異なる場合、海外版と判断する一助になる。
気を付けておきたいのは、型が違っていた場合、周波数・通信方法などが国内版と異なる可能性がある。 せっかく購入したのに、日常生活には使用できないというリスクもあるのだ。
それでは、モデル番号が同様であれば大丈夫かと言えばそうでもない。 SIMフリー・海外版という条件を満たしていても、日本国内で利用されている通信方式が異なっていたら、やはり使えない。
携帯電話の通信方式はGSM版とCDMA版の2つがあり、主に日本で用いられているのはCDMA版である。 海外主流のGSM版を用いていた場合、使えない端末もある。
なぜ、このようなリスクを冒してまで海外版を購入するのか。 その最大の理由の一つが「シャッター音」である。
海外版の場合、このシャッター音を無音にすることができるのだが、日本においては迷惑行為の防止のためにシャッター音は消せない仕組みになっている。
よって、インスタグラム・YouTubeへの動画投稿などのように、公共の場で何かを撮る必要があるユーザーからのニーズが一定数存在している。
海外版の査定額は、国内版のようにFelica機能が無いなどのデメリットから、安く扱われるケースもある、購入の際には注意したい。
日本国内で利用するなら技適マーク
日本で海外版のiPhone7・7Plusを利用する場合、通信方式もそうだが、技適マークが付いているかどうかもチェックする必要がある。
技適マークとは「技術認証をクリアし、国内での使用が公的に認められた機器」であることを示しているマークになる。
技適マークをチェックする理由としては、他者の通信を妨害するおそれがないかどうかになる。 簡単に言えば、日本国内で安全に使えるかどうかを示しているのだ。
日本国内でトラブルなく機器を利用したいなら、技術認証をクリアした技適マーク表示がある機器を使う必要がある。 放送業務用無線・防災無線などへの弊害を防ぐためだ。
技適マークは海外SIMフリー機種を購入する際には重要だが、メルカリでの個人取引の場合は。商品の多くが国内キャリアから販売されたものだったりする。
よって、出品者が技適マークについて知識を持っていない可能性は、ゼロとは言えない。
メルカリはフリマアプリであり、中古品のスマートフォン出品が前提だ。 出品者がスマートフォンについて疎ければ、技適マークの存在を知らない場合もあるだろう。
国内で販売されているスマートフォンは、主要代理店・製造メーカーが認定を受けたものを販売しているから、技適マークに注目する必要は無い。
しかし、海外版は原則日本向けに製造されておらず、機能面でも日本版とは異なるため、技適マーク表示のチェックは重要になる。
メルカリの場合、出品者にメッセージを送って質問することも可能なので、商品情報の中に十分な情報が載っていなければ、出品者に質問できる。
ただし、出品者が取り扱いに慣れていなければ、かえって時間を浪費することもあるし、確証を得られないことも十分考えられることは押さえておこう。
メルカリにおける、iPhone7・7Plus売買での注意点
メルカリを利用した個人取引は、iPhone7・7Plusを購入する際に、メリットは大きいのだろうか。 個人取引ということもあり、多くの購入者はそれなりに安い値段で購入できると考えがちだ。
しかし、個人の場合はどれくらいの値段なら売れるのか、あまりよく分かっていないことが多い。 結果的に、相場より高くなっていることも十分あり得るのだ。
メルカリの検索能力には、あまり期待しない方がよい
商品数が多いせいもあるかもしれないが、メルカリの検索機能は決して高性能とは言えない。 iPhone7・7Plusというキーワードで検索しても、必ずしも希望する機種が表示されないこともある。
検索の効率を上げるには、カテゴリを上手く使って条件を細分化すると分かりやすい。 メルカリでiPhoneを検索する場合は、以下の流れでカテゴリを選ぶのがスムーズだ。
- 【家電・スマホ・カメラ】
- ↓
- 【スマートフォン・携帯電話】
- ↓
- 【スマートフォン本体】
上記のように情報を絞りつつ、キーワードを入力して検索すると、単純にキーワードだけで検索するよりも早く商品情報を絞ることができる。
ここまで詳細に入力したとしても、時々周辺機器や直接関係ない商品が検索結果として表示されることもある。
そのため、その使い勝手の悪さにストレスを感じる方もいるだろう。 メルカリで商品検索をする場合、このあたりが面倒に感じられるユーザーが多いかもしれない。
目にする情報の多さゆえ、商品を特定できないネック
メルカリは出品数がたくさんあり、何のキーワードも用いずに検索すると、乱雑な画面にため息をつく場面に遭遇するだろう。 ただでさえリアルタイムで情報が更新されるうえ、その商品内容は千差万別で共通性が無いのだから、人間の目で負うのは至難の業だ。
それでは、カテゴリー・ブランド別に検索していけばよいのかというと、やはり一定数関係ないものが混ざっている。
これは、出品者側にも責任があることだが、充電器やスマホケースのような周辺機器のカテゴリを「スマートフォン本体」に分類して出品しているため、メルカリ側が商品をきちんと判別できないのだ。
メルカリ側が修正することはないため、一定のノイズが混ざった中で商品を選ばなければならない。 この過程を面倒に感じるユーザーも、少なからず存在しているようだ。
「~様専用」などのマイルールにも注意
商品検索時に商品ページを確認すると、商品名の前に特定のユーザー名が入っているものをよく見かける。
これは、いわゆる「~様専用」と呼ばれるもので、名前がついたユーザーだけに販売されている商品のことだ。 このようなルールはマイルールと呼ばれ、メルカリにおいては正式なルールではない。
メルカリを利用しているユーザーの多くは個人であり、それぞれが使い勝手のいいようにメルカリを利用している傾向がある。 マイルール自体をメルカリが規制していないため、多くの場合は暗黙の了解として、ユーザー間で共有されているようだ。
しかし、メルカリがシステム上保護していないことから、トラブルのもとになることもある。 専用商品として出品していても、現状売買が確定していない商品で条件が良ければ、横取りされることも過去にはあったようだ。
もし「~様専用」と書かれていた商品情報を、同じような名前のユーザーが見てしまったら、勘違いして購入したとしてもおかしくはない。システムに不慣れで、誤って購入してしまう場合もあるだろう。
タイトルや商品情報を見て、見慣れない表記がある商品は、事前に出品者にメッセージを送って内容を確認しよう。 もしくは、メルカリ内のやり取りにおける質問事項を聞ける「メルカリボックス」のサービスを使うのも手だ。
何度検索しても、商品が上手く絞れない方向けの方法
iPhoneシリーズは、世界的なシェアを持つ人気商品であることから、メルカリでも出品数は多い。 さすがに最新機種であれば取扱数は少ないが、1~2代前であれば結構な数の中から検索をかけることになる。 当然ながら、単純にキーワード検索だけで探していくと、条件がまったく絞れず苦労するわけだ。
この場合、価格帯を絞ることにより、自分の希望に見合った商品を選ぶことができる。 金額を入力せずに検索すると、最低額から最高額までが順不同で表示されるため、選別にストレスがかかる。
基準額は、自分が「この金額の範囲なら購入してもよい」と思う金額を入力して調べてもよいし、複数のモバイルショップの最低相場価格をチェックして入力するのもよいだろう。いずれにせよ、最安値を最初から選ぶよりは、ストレスが少なくなるはずだ。
iPhone7・7Plus海外版SIMフリー(香港版・米国版)の、メルカリの売買相場
メルカリについてご紹介してきたところで、ここからはメルカリの売買相場を紐解いていこう。 品数をある程度絞るために、極端に安いものは省いている。
海外版の販売数は非常に少ない
2018年8月現在で、iPhone7を【iPhone7 海外版 SIMフリー】のキーワードで検索してみたところ、検索結果はわずか1件であった。 iPhone7Plusとしても同様であり、海外版として紹介されている商品は非常に少ないと言わざるをえない。
そこで【海外版】という表記を除いて再度検索したところ、300件以上の数が検索結果にあがった。 このことから、国内キャリアから購入したものは数多く出品されていることが分かる。 金額幅としては、ジャンク扱いとなっている20,000円のものから、新品・未使用の80,000円のものまで幅広い。
ちなみに、わずか1件だった海外版は57,000円での出品となっている。 詳細をご紹介しよう。
【海外版】iPhone 7 Jet Black 128 GB SIMフリー
- 商品の状態
- やや傷や汚れあり
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 東京都
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 57,000円(送料込み)
台湾で購入されたもの。カメラのシャッター音は鳴らない設定となっているとの説明がある。条件としては妥当とも言えなくもないが、相場よりは高めと言えるかもしれない。
国内キャリアのiPhone7・7Plusを見てみよう
海外版が1件しか見つからない以上、メルカリに出品されている商品の質を見るには、国内キャリアの商品を丹念に見ていくしかない。 海外版であることをうたっていないことから、検索結果に表示されていないものも、中にはあるかもしれないからだ。
メルカリは基本的に個人取引の場であることから、ときに良くも悪くも相場観からかけ離れた価格設定が散見される。そこで、相場観との整合性を見るために、ゲオモバイルの通販サイトで販売されている金額との比較を行った。
iPhone7Plus海外版SIMフリーでの販売価格について調べてみると、ゲオモバイルでの最高価格は67,366円(256GB)で、最低価格は41,850(32GB)となっている。iPhone7海外版SIMフリーの場合は、最高価格は56,436円(256GB)で、最低価格は27,622円(32GB)だ。
メルカリでは、ジャンク品の20,000円を除いては、ゲオモバイルのiPhone7の最低価格に届いている商品は見当たらなかった。 30,000~40,000円の価格帯から、ようやく128MBの出品などが見られるようになってきている。
特段メルカリで購入するメリットがあるかと言えば、少なくとも価格面からは大きなメリットがあるようには見られない。
先ほどご紹介したとおり、海外版については1件しか検索結果に該当しておらず、見つけるのは至難の業である。ただし、まったく出品されていないというわけではないため、定期的にチェックしていれば希望の品が見つかることもあるかもしれない。
以下に、出品されている品で、相場価格に落ち着いているものをいくつか紹介する。参考までにご覧いただきたい。
iPhone 7 Plus Gold 128 GB SIMフリー
- 商品の状態
- やや傷や汚れあり
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- ゆうゆうメルカリ便
- 配送元地域
- 東京都
- 発送日の目安
- 4~7日で発送
- 金額
- 55,000円(送料込み)
auで購入しており、現在はSIMロック解除済みのもの。傷の状況などが簡単に説明されており、値下げ対応不可。ストレージは128GBとなっており、価格帯から考えれば大手相場観よりちょっと高い程度かもしれない。
iphone7 ジェットブラック 128GB SIMフリー
- 商品の状態
- 新品、未使用
- 商品の状態
- やや傷や汚れあり
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- クリックポスト
- 配送元地域
- 千葉県
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 42.000円(送料込み)
softbankで購入しており、現在はSIMロック解除済みのもの。基本的な機能に問題は無い旨が、こと細かく紹介されている。また、利用制限に問題が起こった場合、破損等の問題が無ければ全額返金を保証しているので、購入を検討している人には優しい配慮と言えるだろう
SOLD案件をチェックすると、どんな出品物が売れているか分かる
メルカリでは、既に売れた商品の情報も確認できる。既に販売が完了した商品を確認することで、成約している条件を調査することも、スムーズに取引を進めるうえで重要だ。
SOLDの傾向を調べてiPhone7・7Plusの場合、メルカリでは概ね28,000円が下限であることがわかる。また、海外版であれば、40,000~50,000円の価格で成約を決めているものが複数見られるようだ。
個人取引であれば、誰しも破格の値段を期待するものだが、出品者側は必ずしも値引きに応じてくれるわけではない。自分が手に入れた際の値段までとはいかなくとも、皆それなりの値段で販売したいという気持ちを持っている。また、海外版は希少という理解で出品しているユーザーが多いためか、思いのほか強気な価格設定だ。
メルカリで購入する場合は、このような出品者・購入者の価格に関する思惑を理解し、相場よりやや安い金額で提供することを心がけると良いだろう。以下に、主だった成約例をご紹介する。
iPhone7 Silver 256GB 海外版SIMフリー 美品 シルバー
- 商品の状態
- 未使用に近い
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- ゆうゆうメルカリ便
- 配送元地域
- 東京都
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 49,800円(送料込み)
サブ機として購入したもので、ほぼ未使用に近いものとして紹介されている。また、海外SIMであることや、カメラ・スクリーンショット音の無音化についても言及されている。ストレージ容量も256GBと高性能だ。写真を見る限り状態も良く、値下げをすることなく即決されていたようだ。
土日限定価格 海外版SIMフリーiphone7 plus ローズゴールド
- 商品の状態
- 目立った傷や汚れなし
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 千葉県
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 50,000円(送料込み)
中国版のiPhoneということで説明書きがあった。簡潔な説明で、本体のみでの販売価格となっている。複数回の交渉の後、購入となった様子がうかがえる。
相場観としては決して悪くない値段ではあったが、ここからの値引きを希望する購入者は少なくなかったようだ。メルカリで販売する場合、ある程度値引きを想定して金額を決めているユーザーも少なくないことが分かる。
まとめ
iPhone7・7Plusは、値段自体は手ごろなものもあったが、海外版を手に入れるのは厳しいかもしれない。もし、海外版を見つけたとしても、そもそもが品薄であることや人気の高さから、すぐSOLDになる可能性は高いだろう。
逆に言えば、売り手としては少々高値を付けたとしても、買い手がつくチャンスかもしれない。