メルカリ人気の波を受けて、さまざまな商品を出品する個人が増えてきている。日用品・家電などは想像しやすいが、中にはオートバイ・車両などを取引するユーザーもいる。iPhoneシリーズの海外版SIMフリーも、取引商品の一種だ。
SIMフリーに対する日本国内のニーズは強く、総務省が平成29年に出した「SIMロック解除に関するガイドライン」の効果か、大手キャリアもSIMフリーを認めざるをえない状況だ。
今回は、iPhoneSE海外版SIMフリーについて、メルカリでの売買相場にどのような傾向があるのかご紹介していきたい。また、以下の情報は2018年8月時点になるため、タイミングによっては変動していることを留意してほしい。
CONTENTS
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iPhoneSE海外版SIMフリー購入前の基礎知識
まず。iPhoneSE海外版SIMフリーをメルカリで購入する前に、簡単にではあるが基礎知識をご紹介する。これは、買い手側というよりは、出品者側とのギャップを解消するためである。
メルカリは個人取引をおこなうフリマアプリであることから、売り手が必ずしも買い手を満足させる知識を持っているとは限らない。 また、基本的な知識を省略して記載しているケースも考えられる。
SIMロック・SIMフリーと動作確認
まずは、SIMロック・SIMフリーの違いや、動作確認における注意点についてご紹介する。
SIMカードとは、利用者の契約情報が書き込まれたカードで、回線契約や通信に必要な固有番号情報、携帯電話番号等が記載されている。 iPhone・Androidなど、スマートフォンで通話・ネット利用を行う際に用いられる。
そして、通信事業者であるキャリアが指定したSIMカード以外は利用できないよう、すなわち一定のキャリア専用に設定されたスマートフォンが存在する。 このような状態が、いわゆる「SIMロック」だ。
それでは海外ではどうかというと、SIMカードの種類を問わずに、通話・ネット利用を自由におこなえるスマートフォンが販売されている。 これを「SIMフリー」の端末と言う。
iPhoneは世界中で販売されており、海外の店舗・ネットショップなどでも手に入る。 そのため、最初からSIMフリーのiPhoneを購入できるのだ。
ちなみに、気になる動作確認だが、MVNOの格安SIMを利用することを想定しているのであれば、各社の公式サイトなどで、動作確認済み端末の情報を確認しておこう。
国内版に比べて、海外版は動作確認も含め、安心して使えるかどうか怪しいものもある。 事前にチェックを入れることで、無駄なお金を使わずに済む。
iPhoneSEの国内版・海外版との違いは?
次に、PhoneSEの国内版・海外版との違いについて、機能面も含めて簡単にご紹介する。
まず最初に、モデル番号についての違いをお伝えしておく。 iPhoneSEのモデル番号について、参考までに番号をお伝えすると、日本国内であれば【A1723】が発売されているようだ。 もし、このモデル番号と異なる番号が出品情報に載っていた場合、海外版の可能性がある。
型が違っていた場合、周波数・通信方法に問題があり、日本国内で利用できないリスクもあるのだ。 また、モデル番号が同様で、SIMフリーであったとしても、通信方式が違えば使えない。
携帯電話の通信方式はGSM版とCDMA版の2つがあり、主に日本で用いられているのはCDMA版である。 海外主流のGSM版に該当するiPhoneは、日本国内で使えないケースも考えられる。
日本版とは勝手が違う海外版だが、日本版との大きな違い・メリットは何なのだろうか。 多くのユーザーが望んでいるのは「シャッター音を消す」ことである。
海外版の場合、このシャッター音を無音にできるのだが、日本版・韓国版などは、迷惑行為防止の観点からか消えないようになっている。
公共の場でシャッター音が鳴ると、周囲の注意を引くだけでなく、日本であれば警戒心を与えてしまうおそれもある。 動画・画像を定期的に投稿するなどしている方であれば、やはり一定のニーズがあるだろう。
日本国内で利用するなら技適マーク
日本で海外版のiPhoneSEを利用する場合に気を付けておきたいのは、技適マークの確認である。 技適マークとは「技術認証をクリアし、国内での使用が公的に認められた機器」であることを示しているマークだ。 日本国内で安心して使える機器であることを証明してくれる。
メルカリでの個人取引の場合は、商品の多くが国内キャリアから販売されたものである。 従って、基本的には技適マークについて注意するのは「海外版」だけだ。
海外版は原則日本向けに製造されておらず、機能面でも日本版とは異なる。 購入したものが技適マーク表示のない機器であったとしても、何ら不思議はないのだ。 国内版の取り扱いしか知らないユーザーの中には、技適マークを理解していない出品者もいるはずだ。
メルカリはフリマアプリであり、基本的には誰かの手を経た品物が取り扱われている。 出品者に問い合わせはできるので、不安であれば気軽に質問できる。 多くの場合回答は迅速のようだが、中には時間がかかったり、聞きたい項目の確認ができなかったりする場合がある。
メルカリにおいて、iPhoneSEを売買する際の注意点
iPhoneSEをメルカリで取引する場合、どのような注意点があるのだろうか。 出品者と購入者でそれぞれ注意すべき点は異なるが、共通している部分はいくつかある。 主に、価格面やシステムの使い勝手に注視してご紹介する。
メルカリは、商品数の多さに検索機能が追い付いていない傾向がある
iPhoneSEに限った話ではないが、人気機種の場合、キーワードだけで検索すると、路頭に迷うほどの商品数が検索結果にのぼる。 そのため、メルカリでiPhoneを検索する場合は、以下のカテゴリ・条件で検索してある程度商品数を絞るとよい。
- 【家電・スマホ・カメラ】
- ↓
- 【スマートフォン・携帯電話】
- ↓
- 【スマートフォン本体】
ただ、上記条件で検索しても、本体以外の品・iPhoneとは直接関係ない品が表示されることもよくある。 これは、出品者側で、周辺機器などのカテゴリを「スマートフォン本体」として投稿することから起こる問題だ。 当然ながら、メルカリで自動修正はしてくれない。
情報量を絞るためには
iPhoneシリーズは、過去に発売された全ての機種で考えると、膨大な量が検索結果に表示されることになる。 周辺機器が検索結果にかかることを想定すると、キーワードだけでの検索にはどうしても無理が生じる。
数量を減らす場合、価格帯を限定して検索すると、自分が欲しいと思う金額での検索結果が表示される。 金額をどう決めるかだが、最安値で選ぶなら上限となる金額を入力し、一定の範囲や相場観で探すのであれば、10,000~20,000円までといったように入力するとスムーズだ。
「~様専用」って何?
商品紹介ページを見ると、タイトルになぜかユーザー名が入っているものがある。これはメルカリにおけるマイルールであり、通称「~様専用」と呼ばれる。ちなみに、メルカリ内で正式なルールとして推奨されている方法ではない。
特定の相手向けに用意した商品は、購入しようと思えば対象者にかかわらず誰でも購入できるが、思わぬトラブルを招く可能性がある。 現状売買が確定していない商品で条件が良いと判断した他のユーザーが、横取りするケースも過去にはあったようだ。
このほかにも、タイトルや商品情報を見て見慣れない表記がある場合、それはひょっとしたらマイルールかもしれない。あまりメルカリを利用したことがなく、利用の際に不安な部分がある方は、メルカリ内のやり取りにおける質問事項を確認できる「メルカリボックス」というサービスがあるので、気軽に使ってみよう。
iPhoneSE海外版SIMフリー(香港版・米国版)の、メルカリの売買相場
ここからは、メルカリの売買相場や販売されている機器にスポットを当ててご紹介する。自分が今後購入する際の参考にしてもらえれば幸いである。
海外版は他のiPhoneシリーズ同様に少量である
2018年8月現在で、iPhoneSEを【iPhoneSE 海外版 SIMフリー】のキーワードで検索してみたところ、検索結果は8件となった。海外版として紹介されている商品は少ないが、全く比較対象がない状況とは言えない。金額の幅としては、22,000~34,000円といったところだ。
【海外版】という表記を除いて再度検索したところ、280件程度の検索結果だった。やはり、メルカリで取り扱われているiPhoneは、国内キャリアのものが圧倒的に多いと言えそうだ。それでは、海外版についていくつか詳細をご紹介しよう。
iPhoneSE 64GB (海外版SIMフリー)
- 商品の状態
- 目立った傷や汚れなし
- 配送料の負担
- 着払い(購入者負担)
- 配送の方法
- クロネコヤマト
- 配送元地域
- 東京都
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 34,000円(着払い)
台湾版として紹介されており、充電ケーブル・ACアダプター・説明書・箱・イヤホンなどの付属品がそろっている。カメラのシャッター音は鳴らない仕様である。
店舗にもよるが、状態が良いものであれば、中古市場での販売価格相場とそれほど変わらないと言える。
【未開封】iPhone SE 新品 シャッター音なし SIMフリー 値下げ
- 商品の状態
- 新品、未使用
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- 未定
- 配送元地域
- 東京都
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 32,000円(送料込み)
新品未開封の香港版。型はA1723で、日本で発売されているものと同様のようだ。シャッター音については詳細の記載がない。
コメントはいくつか削除されているものがあり、何度か交渉があったようだ。
新品同様SIMフリー iPhone SE グレー32GBシャッター音無
- 商品の状態
- 未使用に近い
- 配送料の負担
- 着払い(購入者負担)
- 配送の方法
- ゆうパック
- 配送元地域
- 神奈川県
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 32,000円(着払い)
未使用商品で、シャッター音はない旨が紹介されている。米国版であるという表記がコメントから確認できる。付属品は純正品とのこと。
期間限定で値下げした形跡がある。将来的に値崩れを起こすか。
新品 iPhone SE Rose Gold 16 GB SIMフリー 海外製
- 商品の状態
- 新品、未使用
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 静岡県
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 22,000円(送料込み)
新品未使用品で、写真を見る限り箱から出した形成もない。非常にお値打ちな印象だ。しかし、使用しているわけではないため、シャッター音や機能面については詳細情報がない。
おそらく出品者も詳細が分からないことから、値段のわりに買い手がつかないものと思われる。このことから、情報の精度はメルカリで出品をする際に重要な要素だと言える。
SOLD出品を見て金額や商品情報の傾向をつかむ
メルカリの検索条件には「販売状況」というものがあり、SOLDとなった情報も検索できる。既に販売が完了した商品情報をチェックすることで、メルカリ内でこれから販売する品物の相場や販売条件などを知る手がかりになる。
iPhoneSEの場合、海外版ではSOLDの総件数は20件程度が確認でき、16,800~43,000円の価格帯であった。
個人取引で品物を購入する側としては、出品者に対し、市場よりも安い値段であること・希少性が高いことを求める傾向がある。これに対して出品者側は、定価とはいかなくとも、自分が納得のいく価格で購入してもらいたいという気持ちが強い。
このようなお互いのニーズ・気持ちの違いが、ミスマッチを生んでしまうことは決して少なくない。特に、海外版の場合は取得に手間がかかっている場合もあることから、その分を価格に乗せた強気な価格設定も比較的多く見られる。
お互いのニーズの「間」を取れるかどうかが、良い取引となるかどうかの分かれめと言えるだろう。以下に、主だった成約例をご紹介する。
iPhoneSE海外版SIMフリー
- 商品の状態
- やや傷や汚れあり
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 宮城県
- 発送日の目安
- 2~3日で発送
- 金額
- 19,000円(送料込み)
状態がそれほど良くないのか、金額は安い。操作に慣れなかったのが手放した理由だと言う。機能面での詳細説明はなし。
数回の交渉の後、購入の運びとなったようだ。
ほぼ新品☆iphoneSE 16GB 海外版 simフリー☆シャッター音無し
- 商品の状態
- 未使用に近い
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 新潟県
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 23,999円(送料込み)
海外版のiPhoneということだが、どの国で購入されたものかは不明。apple正規品のSIMフリー。購入後に利用したことはほとんどないとのことだが、シャッター音はしない旨の記載はある。
コメントにて技適マークがあることを確認。値下げ交渉の後、スムーズに成約となったようだ。
iphonese 16GB シャッター音無!SIMフリー 海外版
- 商品の状態
- 目立った傷や汚れなし
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- らくらくメルカリ便
- 配送元地域
- 神奈川県
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 26,000円(送料込み)
北米版のiPhoneである。シャッター音の消去や、docomo・auのSIMカードで動作確認をおこなった旨が紹介されている。本体のみで付属品はないが、比較的高値での出品だったことがうかがえる。
iPhoneSE 64GB SIMフリー 海外版
- 商品の状態
- 未使用に近い
- 配送料の負担
- 送料込み(出品者負担)
- 配送の方法
- ゆうゆうメルカリ便
- 配送元地域
- 福島県
- 発送日の目安
- 1~2日で発送
- 金額
- 36,000円(送料込み)
海外版のiPhoneだが、どの国で購入したかについては、出品情報・コメントともに言及されていない。比較的価格は高めだが、シャッター音は消去・付属品あり・技適マークについて説明書きがなされている。コメントも活発だった。
まとめ
iPhoneSEは、通販サイトなどの中古品と比べても、それほど大きな値崩れを起こしていない印象だった。海外版の個数もそれなりに多く、将来的に出品されるかどうかは別として、2018年8月現在では、メルカリで手ごろなものを見つけることも十分可能と言える。
国内版の有無に言及する必要がないほど出品数があったことから、iPhoneシリーズの中では比較的狙い目の機種かもしれない。SOLDも概ね半年~1年前程度の期間における情報なので、まだまだ販売・購入のチャンスはあると言えそうだ。