ユンハンス(JUNGHANS)は、1861年創業の、ドイツを代表する時計メーカーである。その技術力には定評があり、1970年にはドイツ発のクォーツ式腕時計を開発。1972年のミュンヘン五輪では、公式タイムキーパーとして史上初のカラー写真判定による1/100秒計測を実現させている。さらに1990年には世界初の電波式腕時計を開発し、世界にその存在を知らしめた。
また、1962年に発表された、ドイツの造形学校バウハウス出身の最後の巨匠マックス・ビルがデザインしたその名も「マックス・ビル」コレクションは名作として知られており、今なお買い求めるファンが後を絶たない。
ここでは、このユンハンスの型番とモデルとの関係性、型番の読み解き方などについて調べてみたので説明していきたい。
尚、ユンハンスの型番=リファレンスナンバーは、ユンハンスの総輸入代理店である、ユーロパッション社の運営するウェブサイト(http://www.europassion.co.jp/junghans/)に掲載の「品番」を参照した。
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ユンハンスの型番について
まず最初に、ユンハンスの型番の構造を調べていこう。ユンハンスは、「フォーム」、「マックス・ビル バイ ユンハンス」、「マイスター」、そして「パフォーマンス」の4つのコレクションに分かれている。この4つのコレクションから、いくつかのモデルをピックアップのうえ、その型番を比べてみよう。
「フォーム」コレクションの型番
「フォーム」コレクションは、古典的な時計のフォルムと現代デザインを組み合わせたシリーズである。傷に強いサファイアクリスタルを採用しているため、実用性も高いのが特徴だ。
- フォームA:027 4730 00
- フォームC:041 4770 00
「フォーム」コレクションは上記AとCが4モデルずつあるのみ。その型番は3つのユニットに分かれ、トータルで9ケタの数字によって構成されている。
フォームAは「027」スタートで共通しており、同じ自動巻ムーブメントを使用。フォームCは「041」スタートで共通しており、同じクオーツムーブメント使用ということで共通している。
さらに、Aの4つのモデルは型番の2ユニット目が「473×」でということでも共通しており、同じようにCの4つのモデルも「477×」で共通している。
「マックス・ビル バイ ユンハンス」コレクションの型番
「マックス・ビル バイ ユンハンス」コレクションは、幅を最小限に抑えたベゼルや、ケースのギリギリまで広がる文字盤など、非常にシンプルなデザインが特徴である。機能を数多く備えているのではなく、最小限の機能におさえたシンプルさが魅力である。
- ハンドワインド:027 3600 44 / 027 3700 00 / 027 5703 00
- オートマティック:027 3400 00 / 027 4002 44m / 027 7700 00
- クロノスコープ:027 4500 45 / 027 4800 00b / 027 7800 00
- クオーツ:041 4763 00 / 041 4461 00m / 041 4465 00
- レディ:047 4657 00 / 047 4355 00 / 047 4252 00m
人気モデルだけあって、多数のバリエーションがある「マックス・ビル バイ ユンハンス」。それぞれのシリーズから3つの製品の型番をピックアップしている。
「027」始まりは機械式、「041」始まりがクオーツは前項と同様で、「レディ」で出てきた「047」もクオーツモデルである。「ハンドワインド」はまさしく手巻ムーブメントで「オートマティック」は自動巻ムーブメント。「クロノスコープ」はクロノグラフのモデルだ。なお、それぞれのモデルで使用しているムーブメントはモデル名毎に共通している。
ここで注目したいのが、3ユニット目の構成だ。末尾「00」がレザーバンド(ほとんどがカーフ素材)で、「45」および「44」がスティールブレスレットという分類が成り立つのだが、一方で末尾「00」に加えてアルファベット「m」がつくとスティール(メタル)ブレスレットで、「b」がレザーストラップ(バンド)という型番になっているものもある。
それぞれの例を見る限り、末尾「00」でストラップのバリエーションがある場合は「00」にアルファベットが加えられ、バリエーションがない場合は「45」(または44)になるとも考えられるが、上記には「44m」という型番も見られる。ステンレススティール製のブレスレットのモデルであることに変わりはないが、その真意は不明である。
「マイスター」コレクションの型番
「マイスター」コレクションは、レトロなデザインと着け心地の良さが特徴である。
- ドライバー ハンドワインド:027 3607 00
- ドライバー クロノスコープ:027 3684 00
- パイロット:027 3591 00
- ハンドワインド:027 3504 00
- テレメーター:027 3380 44
- クロノスコープ:027 4526 01
- カレンダー:027 4505 45
- クラシック:027 7513 00
- クロノメーター:027 7333 00
- アジェンダ:027 7366 01
- レディ:047 4566 00
ファーストユニットとサードユニットの法則性はここでも変わらない。
末尾「01」の場合、ストラップの素材はホーススキンかアリゲーターになっていた。セカンドユニットの4ケタの数字にはモデル毎の法則性は見えなかったものの、ケースの素材がステンレススティールの場合には3000番台か4000番台で、これが5000番台や7000番台になると、ケース素材はゴールドPVD加工が施されたステンレススティールになっている。
上記にピックアップした型番のセカンドユニットが7000番台の型番のモデルは、すべてそうなっているようだ。
「パフォーマンス」の型番
伝統技巧と最新の技術、刺激的なデザインが融合された腕時計のシリーズである。
- フォース:018 1132 44 / 018 1133 44
このコレクションに属するモデルは2つしかないが、これまでのものとは明らかに異質な型番となっている。
ファーストユニットの型番は「018」。ムーブメントはクオーツだが、使用されているキャリバーJ615.84はマルチフリークエンシー電波ムーブメント。つまり電波時計である。セカンドユニットの型番1000番台も初出だが、これはセラミックのケースだからであろう。サードユニット「44」でブレスレット仕様とわかるが、素材はやはりセラミックだ。
ユンハンスの型番の特徴
前章でユンハンス腕時計の型番を、各コレクションからピックアップして検証したところ、いくつかの特徴が見つけられた。以下でまとめている。
ユンハンスの型番のファーストユニットの3ケタの数字はムーブメントを示す
なぜこの数字なのかは不明だが、ユンハンスの冒頭=ファーストユニットの3ケタの数字は、それぞれムーブメントの種類を示していた。
- 機械式:027
- クオーツ:041 / 047
- クオーツ(電波ムーブメント):018
機械式のムーブメントのうち、自動巻きタイプと手巻きタイプの違いは型番からは見えない。ただし、「ハンドワインド」と名付けられたモデルは全て手巻き式で、それ以外は全て自動巻き式となっている。
ユンハンスの型番の末尾2ケタ(サードユニット)の数字はストラップの種類を示す
ユンハンスの型番の末尾2ケタ(=サードユニット)は、ほとんどが「00」。たまに「44」や「45」、あるいは「01」という数字が出てくるぐらいだ。「00」はほとんどの場合カーフスキンのストラップを意味している。加工法や色はここでは問われない。稀なケースとして、「フェルト構造レザー」という素材のストラップもあった。また「01」の場合には、同じレザーでもホーススキンかアリゲーターという素材の変化は見られた。
一方「44」や「45」の場合には、ストラップはステンレススティールのブレスレットとなる。この場合でも素材までは問われておらず、セラミックのブレスレットでも型番は同様だった。
なお、末尾にアルファベット「m」や「b」が付加されるケースもみられ、この場合は「m」がブレスレットで「b」がレザーストラップを意味している。この数字とアルファベットの使い分けの根拠は不明だったが、アルファベットが使われていたのは「マックス・ビル バイ ユンハンス」のコレクションのみ。モデル数の多い「マイスター」では、末尾は数字で使い分けられていた。
ユンハンスの型番のセカンドユニットの4ケタの数字はケースの型番
ユンハンスの型番のセカンドユニットの4ケタの数字は、ケースの素材や文字盤の色、表示、インデックスの色や種類などの組み合わせによって4ケタの数字を当てはめた、いわゆるケースナンバーである。その特徴は以下のようにまとめられる。
- ケース素材がステンレススティールの場合は3000番台と4000番台。ステンレススティールにゴールドPVD加工されたモデルの場合は5000番台、7000番台になる。つまり、この4ケタの数字のうち、最初の数字が素材を示しているとも考えられる。セラミックの場合は1000番台。この他の素材をケースに使用した例は見られなかった。
- 各モデルのバリエーションモデルの型番は似通った数字になる。たとえば「マックス・ビル バイ ユンハンス」コレクションの「オートマティック」のケースナンバーは、3400、3500、4000、4700の番号のモデルが集まっている。バリエーションが少ないモデルは、さらに限定される。
型番・モデル名を知ることは買取の際にも役立つ
ここまで、ユンハンスの型番・モデル名の調べ方について紹介してきたが、自分が持っている時計の型番やモデル名を知ることで、買取の際にすぐに査定額を調べてもらえるのだ。適正価格を知りたい場合は、一度上記の調べ方を参考にしてみると良いだろう。
ユンハンスの時計を高く売るためには
型番とモデル名の調べ方が分かり、実際に買取に出そうとなった場合、より高く売るためにはどうしたら良いのだろうか。ここではより高く売るための方法を紹介したい。
購入時の付属品を持参するようにする
購入の際についてきた箱やケース、保証書などの購入時の付属品は、全て持参するようにしよう。これらの付属品を持参することで、本物であることの証明になり、高額で買い取ってもらえる可能性が高まるのだ。
できる限り綺麗な状態を保つ
買取を依頼する前に、時計をできる限り綺麗な状態にしておくことが重要だ。メガネ拭きなどの乾いた布で拭いておくようにしよう。また、正規店でオーバーホール(分解掃除)をすると査定額が高くなるが、オーバーホール自体の金額が非常に高いため、結果的に高くつかないように注意したい。
複数の買取店に査定を依頼する
買取を依頼する際は、複数の買取店に査定を依頼するようにしよう。そうすることで、自分が持っている時計の適正価格を知ることができるし、買取店同士で査定額を競わせることができるため、最終的に自分の納得がいく価格が提示されやすい。
ユンハンスを売るのにおすすめの買取店
ユンハンスを売る際に、おすすめの買取店をいくつか紹介する。ぜひ買取に出す際に、参考にして欲しい。
おたからや
全国に店舗を持つ買取店。出張買取は全国に対応しているため、地方にお住まいの方でも気軽に利用できる。また、出張買取の場合、その場で現金を渡してもらえるため、すぐにお金に換えて欲しい方にはおすすめと言えるだろう。また、他社で一度断られたものでも積極的に買取してもらえるため、傷がついていたり故障している時計も、一度買取をお願いしてみると良いだろう。
スピード買取.jp
とにかくスピードにこだわりたい方におすすめの買取店が、スピード買取.jpである。出張買取も対応しており、依頼後最短30分で出張してもらえるというスピードの速さが強みだ。また、出張査定後はすぐに現金化してくれるため、すぐに現金が欲しい方には嬉しいサービスと言えるだろう。
ブランディア
CMで有名な買取店。ブランディアは、買取実績が多い買取店にお願いしたいという方におすすめだ。年間査定品数は、200万点以上と非常に多いのだ。実績のある買取店と言えるだろう。
時計買取.biz
時計買取に特化している買取店。時計買取に関しては、20年の実績がある。時計買取.bizに査定を依頼すると、最大で10社に一気に査定を依頼してもらえる。高額買取を狙う場合には、複数の買取店に査定を依頼することが大事になってくるが、その手間を省きたい場合に非常におすすめと言えるだろう。また、査定後は最短で即日振込が可能であったり、スピード感も好評である。
まとめ
ここまで説明してきたように、3つのユニットに分かれているユンハンスの型番の法則性から、使用されているムーブメントの種類やケースの素材、あるいはストラップかブレスレットの違い等は、ある程度わかるようになった。モデル名と型番を合わせることである程度のモデルの方向性は理解できそうだ。ただ、ケースの種類を示している型番のセカンドユニット=ケースナンバーから文字盤の色やデザインまではわからないので、そこは型番と照合しながら、実際のモデルを見比べていくしかないだろう。
ユンハンスのデザインは極めてシンプルかつ視認性の高いモデルばかりであり、カラーバリエーションも白(もしくはシルバー)系が大半を占め、次に黒(もしくは濃いグレー)系、ごくわずかにベージュ系があるだけの潔さだ。シンプルさを求めるならバウハウスデザインでもある「マックス・ビル バイ ユンハンス」から、機械式腕時計を楽しみたいなら「マイスター」から選んでおけば、間違いないだろう。
ユンハンスの腕時計は、素材もほとんどステンレススティール製であり、コンプリケーションを伴った機械式腕時計であっても、実にリーズナブルな価格で購入できるのは、非常に魅力的だ。そして、ユンハンスのモデルバリエーションを区別しているのは型番(品番)しかないので、気に入ったモデル、欲しいモデルを見つけた際には、モデル名と型番をしっかり確認のうえで、ショップに問い合わせていただきたい。