デジカメ全盛の時代とはいえ120フィルム、俗に言うブローニーフィルムを使う中判カメラを愛用する人もまだまだ多く、最近はフィルムカメラの良さが見直されて人気も復活傾向にある。MAMIYA(マミヤ)のデジタル中判カメラは、MAMIYA ZDなどがある。またデジタルバックも発売していたので、同社のMAMIYA 645AFDIIIなどの中判カメラに装着してデジタル化もできる。
MAMIYAの製品は総じて高価だが、発売からだいぶ年数も経過している。現在の中古相場はいくらか気になる人もいるだろう。そこでMAMIYAのデジタル中判カメラ・フィルムカメラ・レンズの買取相場と査定情報をまとめてみた。
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MAMIYAデジタル中判カメラの基本情報
買取相場を見る前に、まずMAMIYAのデジタル中判カメラの基本的な情報をおさえておこう。MAMIYAは120フィルムを使用するマミヤシックスなどを開発・販売してきた歴史があり、中判カメラの雄と言って良いほど有名なメーカーであった。
しかし現在は光学機器事業全般からすでに撤退しているため、デジタル中判カメラも新品在庫が少なくなりつつある。そのため中古での売買も盛んだ。以下に製品や特徴を記した。
MAMIYA ZD
645サイズのフルフレームトランスファーCCDを搭載した、レンズ交換式の中判デジタル一眼レフカメラがMAMIYA ZDで有効画素は2130万である。CCDから出力される大容量データを最適化して画像と信号処理をするために、専用に開発されたICチップを搭載しておりリアルタイムで各種データ処理が可能なハイエンド機だ。
2005年に発売され、年間生産台数は4000台程度であった。実売価格は当時で130万円前後、現在でも110万円~120万円と非常に高価だ。なおこの価格はボディのみで、撮影には別売りのレンズもほぼ必須になる。MAMIYA 645AFD II用のレンズなども流用できる。
当時としては一眼レフカメラとして最高峰の性能を備えており、発売から年数が経過した今でも、デジタル中判カメラの中ではフラッグシップと言って良いほどだ。中古相場での価格も当然高く、買取査定でも使用状態の良い美品ならば数十万円の値が付く。
MAMIYA ZD BACK
MAMIYA ZD BACKはデジタルバックで、それ自体はカメラの機能を持たないため撮影はできない。しかし先のMAMIYA ZDと同等のイメージセンサーやICチップ、液晶モニターなどを持ちMAMIYA 645AFDIIIやMAMIYA RZ67PROIIDなどの同社のフィルム式の中判カメラを、高画質中判デジタルカメラとして使えるようになる。分かりやすく言うとMAMIYA製の一部の中判カメラをデジタル化させてMAMIYA ZDに近づけるためのオプションユニットだ。
部品の多くがMAMIYA ZDと共用されていることもあり、こちらも価格は高い。メーカー希望小売価格は110万円で実売価格も90万円前後だ。中古市場ではMAMIYA ZD BACK単体の他、同ユニットが装着された中判カメラのセットも売られているので価格を調べるときは注意をしよう。
MAMIYA 645DF
MAMIYA 645DFは645AFシリーズの6世代目にあたる。中判カメラとして、この6世代目で初めてデジタルカメラバック専用機となった。これによりフィルム使用機ではネックだったAF合焦スピードやシャッタータイムラグが解消され、大きくパフォーマンスが向上したモデルだ。
前出のMAMIYA ZD BACKなどのMAMIYA製のデジタルバックに対応しており、実売価格は60万円~70万円程度であった。この機種はPHASE ONEとMAMIYAの2つが併記されていることが多いが、MAMIYAがカメラ事業から撤退した際に、事業を買い取ったPHASE ONEに一部製品のサポートなどが移行したためだ。表記にズレがあっても中身はまったく同じものなので買取額にも違いはない。
中古の買取相場
ここからはMAMIYAのデジタル中判カメラの中古買取相場を紹介する。調査は2019年4月現在のものだが一部は最新の情報が得られなかったので、その際には査定価格の掲載日時を改めて記載した。MAMIYA ZDの買取価格は以下の通りであった。
- ・MAMIYA ZD ボディ:479,571円(買取マクサス)
- ・MAMIYA ZD ボディ:335,699円(いーあきんど)
- ・MAMIYA ZD ボディ:239,790円(買取Reミックス)
- ・MAMIYA ZD ボディ:198,120円(カウカウキング)
- ・MAMIYA ZD ボディ:127,870円(三日月堂)
ボディとはカメラ本体のみのことを指し、レンズは含めない。MAMIYA ZDは元々レンズが別売りなので、ここでの取引はすべてカメラ本体のみの価格である。査定額は買取マクサスの479,571円を筆頭に高値が並ぶ。理由としては実売で今だ100万円を超える新品価格であること、デジタル中判カメラの中ではハイエンド機種のため今でも需要があること、すでにメーカーが生産しておらず流通数が限られていることなどが考えられる。
ただし業者間の査定額の差も大きいので、買取サービス利用時は十分に鑑定を受けるお店を吟味しておきたい。ちょっとの汚れや傷、あるいは付属品が1つないだけでも大幅な減額をする業者もある。査定額の高さだけに囚われずに、自分の所有するMAMIYA ZDの状態と相談して持ち込む業者を決めたい。MAMIYA ZD BACKの買取価格は以下の通りであった。
- ・MAMIYA ZD BACK:53,130円(買取マクサス)2017年11月時点
- ・MAMIYA ZD BACK:48,080円(ボストン商会)2016年12月時点
- ・MAMIYA ZD BACK:35,000円(マップカメラ)
BACKはデジタルバックを意味するのは先に説明したとおりだ。MAMIYA ZDとほぼ共通のパーツを使うデジタルバックは、こちらも前者ほどではないが高額査定が並んでいる。MAMIYA 645DFの買取価格は以下の通りであった。
- ・MAMIYA 645DF ボディ:159,890円(買取マクサス)2017年11月時点
- ・MAMIYA 645DF ボディ 美品:45,000円(マップカメラ)
MAMIYA 645DFは先の製品紹介でも触れたように、645AFシリーズにおいてデジタルバックを用いることで初めて完全にデジタル専用となった中判カメラだ。2009年に発売された機種で、中古での実売価格が15万円~25万円程度であることを考えると、この査定額は妥当と言える。
オークションなどの相場
前段ではMAMIYAのデジタル中判カメラの業者の買取相場を見てきたが、オークションやフリマアプリでの相場も知りたいという人もいるだろう。カメラ買取では業者もこれらのサービスの取引価格を参考に値付けすることも少なくない。そのためオークションなどでの相場を知っておけば、買取利用時にも適正価格が分かりやすくなる。
ヤフオクでの過去120日間の落札価格を見ているといずれもMAMIYA ZD BACKの出品で中古動作品で15万円前後、ジャンク品で5万円での取引例がある。元が高価な品だけに、このようにジャンク品であっても高い値段が付きやすい。手元に壊れたMAMIYAの製品があっても、買取を諦めることはない。
- ・MAMIYA ZD BACK:160,000円
- ・MAMIYA ZD BACK:149,800円
- ・MAMIYA ZD BACK ジャンク品:50,000円
メルカリでの取引価格を見ているとデジタル中判カメラのボディの出品は無かったが、MAMIYA ZD用の付属品やアクセサリーの販売実績があった。こういった品もまずまずの価格で取引されていることから、買取時も付属品は欠品がないようにしておきたい。
- ・MAMIYA ZD デジタル用 LOW PASS FILTER:3,600円
- ・MAMIYA ZD フォーカシングスクリーン Type A4 SD301Checker:7,000円
査定のポイントと業者選び
これまで見てきた中古の買取相場やオークションなどの取引価格を見ても分かるように、MAMIYAのデジタル中判カメラは高い価格がつく。カメラの買取相場においても高額査定の常連だが、いつも業者が謳っている金額で買取をしてくれる訳ではない。向こうも商売である以上、商品の状態に対してはシビアな目を向けてくる。そこで査定で減額されないポイントを紹介するので参考にしてほしい。
手入れは念入りに
状態の悪いカメラは例外なく査定で減額されてしまう。高額なカメラだとその金額も大きくなるだけに、手入れをせずに査定に出すのは非常にもったいない。
カメラの手入れはブロワーでゴミやホコリを飛ばし、クリーニングペーパーやレンズペンで丁寧に汚れを落としていくのが基本だ。ボディの外装部分の汚れは無水エタノールを使って落とすのも良いだろう。またカメラクリーニングセットを用いるのも効果的だ。
付属品はそろえておく
カメラには付属品が多いが、MAMIYAの中判デジタルカメラも例外ではない。IRカットフィルターやリチウムイオンバッテリー、キャップ類など多数付属する。説明書や保証書、ソフトウェアが入ったディスクもある。付属品が足りないほど査定額は下がりやすいので、極力そろえたい。
注意をしたいのがバッテリーだ。最初から付属しているバッテリーを劣化などを理由で交換する人も多い。最近はどのメーカーのデジカメも社外品の互換バッテリーがあるので、それらを使っている人もいるかもしれない。
その際に最初から付いていたものを捨ててしまうと、査定で思わぬ減額をもらうことがある。もちろん査定に響かないこともあるが、それはお店次第なので付属の品は何であれ全て残しておくようにしよう。
レンズやアクセサリー類は一緒に査定に出す
その機種専用の別売りされているレンズやアクセサリーの類いは、別々に買取に出さずにカメラとまとめて査定を受けたほうが査定額も上がりやすい。MAMIYA ZDならば各種別売りのレンズや、AC使用を可能にするAC電源アダプターセットPA301などがある。
MAMIYA ZD BACKの場合はカメラへの取り付けのときに一部機種はデジタルバックアダプターが必要なるが、それもそろえておくと高額査定をもらいやすい。例えばMAMIYA RZ67PROIIDはデジタルバックアダプターのHX701を使って取り付ける。このような別売りアダプターは単体では買取を断られやすいが、カメラとセットで売るときは査定額のアップに一役買ってくれることがある。
業者選びは実績を考慮する
買取サービスの難しいところは、事前の仮査定で出た金額と実際の買取額が異なりやすいことだ。大幅な減額をされてしまうことも当然あり得る。しかし買取実績の多い店ならば、査定額に納得しているお客が多いという証拠の1つがあるためそういった心配も少ない。そこでMAMIYAのデジタル中判カメラを売る上でおすすめの業者を2つご紹介する。
買取マクサス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
1つは買取マクサスだ。先の相場調査でも機種ごとにトップの査定価格を提示しており、買取実績も多い。査定の早さもここの特長で、最短で30分での取引完了を謳っている。ビデオチャットを利用した査定を使って、自宅に居ながら即日で買取をできるのも優れた点だ。
トリオカメラ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
もう1つおすすめの業者はトリオカメラだ。ここは宅配買取をメインとしており全国に多数の利用者がいる。しかもカメラ買取を専門としているので、査定額も相場から大きくズレることがまずない。MAMIYAも買取強化しているメーカーの1つなので、高額査定が期待できる。
まとめ
MAMIYAは1940年代から多数の中判カメラを開発・販売してきたこともあり、ファンも多い。オールドなカメラファンからは、特に愛されてきたメーカーだ。しかし同社が2005年に威信をかけて売り出した最高級デジタル中判カメラMAMIYA-ZDは、デジタル一眼レフが全盛の時代において、残念ながら売上を伸ばせずに同社がカメラ事業から撤退する契機となってしまった。
新機種がもう販売されない以上、MAMIYAの中判デジタルカメラは現在市場に流通しているものが最後となる。もし手元に同社のデジタル中判カメラがあるのなら、定期的なメンテナンスを忘れずに実施して大切に取り扱いたい。買取で高額査定が期待でき、何より次の必要とするユーザーに喜ばれるためだ。