ここ数年、格安の利用料金を武器に、急成長をしているMVNO(仮想移動体通信事業者)。その勢いはいまだ衰えを知らず、大手移動体事業者もMVNOの勢いとその影響を認めるほどである。
そんな急成長を遂げるMVNOには、現在数百もの事業者が参入して通信サービスを実施していると言われている。しかし、あまりにMVNOの数が多くなってことから、昨今は、格安な利用料金だけではMVNOとしての特色を出しにくくなってきており、各MVNOは、利用料金以外に様々なオプションや特典を設定することで、MVNOとしての独自の魅力をアピールするようになってきた。
そのため、MVNOを選択する場合は、利用料金だけでなくオプションや特典などが自分の使用シーンにマッチしているかも検討すべきであり、各MVNOの特徴などを契約前に確認しておく必要があるといえる。
そこで、今回は、MVNOの中の1つであるnuroモバイルの利用料金や特徴などについて紹介する。
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nuroモバイルとは
nuroモバイルは、インターネットプロバイダであるソニーネットワークコミュニケーションズが展開するMVNOである。
サービス開始は2016年10月1日と、開始日だけみれば比較的新しいMVNOとなるが、nuroモバイルは、サービス開始前に展開していたMVNO事業であるSo-net モバイル LTEとPLAY SIMを統合して誕生した経緯があり、MVNOとしての実績は十分にあるといえる。
nuroモバイルは、NTTドコモの「Xi」および「FOMA」のネットワークを利用してMVNO事業を行っているので、高品質な通信を全国のほぼ全域で行うことが出来る。
nuroモバイルの特徴について
nuroモバイルの特徴としてまず挙げられるのは、1日5時間まで無制限でデータ通信を行うことが出来る「時間プラン」である。使用時間が5時間以内であれば、いくらでもデータ通信が行えるというプランで、これまでのプランが、3GBや7GBなどのデータ通信量を元に設定されたものに対し、時間プランは、通信時間を元に設定されたプランとなる。
なお、高速通信を開始するタイミングは、nuroモバイルで自動的に判断され開始される仕組みで、ユーザーで高速通信に切り替えるなどの手間は必要ない。
昼はLINE程度にしか使用しないが、夜は動画の視聴を行うなど、一定時間だけ大量のデータ通信を行うような人には、大容量プランを選択するより時間プランを選択したほうが安く利用できる可能性はある。
また、データ通信量が500MBまで無料に使用できる「0SIM」もnuroモバイルの大きな特徴の1つだろう。0SIMは、データ通信量が500MBまで無料で、以降、2GBまで、100MB増える毎に100円加算され、2GB以降は、1,600円で固定され、データ通信量の上限である5GBまで高速通信可能、のように使った分だけ支払う従量制の面もあるプランである(SMSプランは150円(税別)、音声プランは700円(税別)が別途必要)。
月によってデータ通信量に差があるような人に向いているプランといえる。
SIMと一緒にスマートフォンを購入すると、セキュリティアプリである「スマートフォンセキュリティ」を無料で使用することができる特典がある。近年は、不正アプリや端末の乗っ取りなどスマートフォンに対する攻撃も増え、セキュリティ対策も不可欠な状況となってきており、セキュリティアプリを無料で使用できるのは、嬉しいサービスといえる。
最近どのMVNOでも導入している通話かけ放題プランであるが、nuroモバイルでも月額800円(税別)で、通話時間5分以内であれば何回かけても無料という5分かけ放題オプションがある。「nuroモバイルでんわ」というアプリ経由で通話する場合に適用される。
nuroモバイルの月額利用料金について
nuroモバイルの月額利用料金は、データ容量毎に金額が設定されているプランと時間プラン、0SIMの3種類がある。
【データ通信】
- データ容量毎
- 2GB:700円
- 3GB:900円
- 4GB:1,100円
- 5GB:1,300円
- 6GB:1,500円
- 7GB:1,700円
- 8GB:1,900円
- 9GB:2,100円
- 10GB:2,300円
- 時間プラン:2,500円
- 0SIM:0円〜1,600円
【データ通信+SMS】
- データ容量毎
- 2GB:850円
- 3GB:1,050円
- 4GB:1,250円
- 5GB:1,450円
- 6GB:1,650円
- 7GB:1,850円
- 8GB:2,050円
- 9GB:2,250円
- 10GB:2,450円
- 時間プラン:2,650円
- 0SIM:150円〜1,750円
【データ通信+SMS+通話】
- データ容量毎
- 2GB:1,400円
- 3GB:1,600円
- 4GB:1,800円
- 5GB:2,000円
- 6GB:2,200円
- 7GB:2,400円
- 8GB:2,600円
- 9GB:2,800円
- 10GB:3,000円
- 時間プラン:3,200円
- 0SIM:700円〜2,300円
データ容量に金額が設定されているプランは、2GBから10GBまで1GB毎に設定されていて、その人に最適なプランを選択しやすくなっている。金額的には、MVNOの中では安い方になり、オトクといえるだろう。また、8GBや9GBのプランは、他のMVNOにはあまりなく、nuroモバイル独特のプランといえるだろう。
時間プランは、前述のように1日5時間まで無制限に高速データ通信を使用できるプランである。定額のプランと比較すると、10GBより高い設定となっており、1か月のデータ通信量が10G未満であれば、定額のプランの方がいいかもしれない。
しかし、時間プランは、データ通信量に制限はなく、さらに定額のプランにはある三日間のデータ通信量超過による速度制限もないので、時間的制約はあるがデータ通信量や速度制限を気にせず使用することが出来るというメリットがある。
大量のデータ通信を使用する予定の人は、自分の使用シーンにおいて、定額のプランと時間プランのどちらがいいか、検討したほうがいいだろう。
0SIMは、前述のようにデータ通信量が500MBまで無料で、以降は上限2GB、1,600円まで100MB毎に100円課金されるプランである(データ通信量の上限は5GB)。
定額のプランと比較すると、0SIMは、データ通信量が1.1GB未満であれば定額のプランの最安プランである2GB(700円)より安く、1.2GB以上データ通信量を使用すると、0SIMのほうが高くなる。
0SIMは、データ通信をまったく使用しない時期がある人やLINEやメール、Webブラウジングなどデータ通信を普段からあまり使用しない人向けのプランといえるだろう。
nuroモバイルの通信速度について
nuroモバイルの通信速度についてだが、ネットの書き込みを見ると、通信速度に満足している書き込みもあるものの、不満を持つ書き込みのほうがかなり多い印象をうける。
特に0SIMの通信速度に関しては、ほぼすべての口コミが通信速度の遅さについて不満を書いているように見受けられる。
もちろん、MVNOは、場所や時間帯によって通信速度が変わってくるために、一概にnuroモバイルや0SIMの通信速度は遅いと断言することはできないが、これだけ不満の書き込みが多いということは、nuroモバイル、特に0SIMの通信速度については、過度の期待を持たない方がいいかもしれない。
nuroモバイルを利用する上での注意点について
nuroモバイルを利用する上での注意点について記載していく。
データ専用は、解約金は必要ないが、通話プランは、利用を開始してから12か月以内に解約する場合は、解約金が必要となる。解約金は、利用開始してから1か月以内は、12,000円、そこから1か月経過するごとに1,000円引かれ、12か月が経過すると0円となる仕組みである。つまり、早期に解約するほど解約金は高くなるので、解約する前に契約などを確認したほうがいいだろう。
データ通信量が上限に到達して速度制限が実施される場合、データ通信量をチャージすることで速度制限を解除することができるが、nuroモバイルのチャージ料金は、100MBで400円、500MBで600円、1GBで1,000円と、他のMVNOに比べて高額となる。そのため、データ通信量に注意して、チャージしないようにしたほうがいいだろう。
また、nuroモバイルは、契約する時は、本人名義のクレジットカードが必要で、支払いもクレジットカードでの支払いのみとなる。nuroモバイルを利用したい場合は、事前に本人名義のクレジットカードを用意したほうがいいだろう。
nuroモバイル対応スマホを格安で手に入れる方法
MVNOによって通信料金は安くなったが、スマホ本体の価格も今より安価に手に入れたいと思う方が多いのではないだろうか。そこで注目するのがスマホのマーケット(スママ)だ。スマホのマーケットは、中古のスマートフォン専用のフリマサイトで、売買をする個人の間にスマホのマーケットが立ち、動作チェックや端末内データ削除、除菌、無料修理サービスなどを施し、フリマ特有のトラブルを回避できる、ユーザーが安心して取引できる仲介型のサービスだ。スマホ買い替えの際には中古スマホも視野に入れてみてはどうだろうか。
https://smama.jp/sims/18まとめ
インターネットプロバイダであるソニーネットワークコミュニケーションズが展開するMVNOであるnuroモバイルは、時間プランや0SIMなど他のユニークなプランを設定するMVNOである。
利用料金を安く抑えたい人、データ通信をあまり使用しない人、大量のデータ通信を使用したい人の向いているMVNOと言えるだろう。