Otto Berning(オットー・ベルニング)は、ハンス・ハインリッヒ・ベルニングによって1934年に創立された機械仕掛けのカメラを製造する会社の名前である。本稿では、Otto Berningが製造するカメラの中古買取相場や査定情報、おすすめの買取業者をまとめて紹介していきたい。
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Otto Berningとは
Otto Berningは主にゼンマイ巻き上げ式連続撮影カメラとして知られるRobot(ロボット)シリーズを製作していることで知られる。同社の拠点はオランダやベルギーと隣接するドイツのヴェストファーレン州シュヴァルムにあり、製造工場の拠点はデュッセルドルフである。
初代のRobot Iを発表した1934年以降から1960年代までの間、連続撮影技術を扱う会社がほかに存在しなかったことから、記録用カメラとしてOtto BerningのRobotはほぼ独占状態にあった。フィルムの自動巻き上げも可能なRobotは、第二次世界大戦においてはドイツ空軍の戦闘機内で爆撃の記録を収めるカメラとして扱われていたとされている。戦後は監視カメラやスピード違反取締用カメラの製造へとシフト変更をしていった。
Otto BerningはRobotシリーズの成功によってロボット・フォト&エレクトロニック(ROBOT Foto Und Electronic)への名称変更を経て、現在の商号はロボット・ヴィジュアル・システムズ(ROBOT Visual Systems GmbH)となっている。Otto Berningのカメラは、その特殊な構造や手ごたえ十分な重さ、そして軍事記録用に使われていたという歴史や希少性も踏まえて、ヴィンテージやクラシックカメラファンの間で根強い人気を誇っている。
Otto Berningカメラの種類
Otto Berningのカメラには、バラエティーに富んだ多数のモデルが存在する。この章では、同社のカメラのなかでも買取市場で取引されることの多いモデルを中心に、それぞれにどのような特徴があるのかを見ていきたい。
ROBOT I
Otto BerningのROBOT Iは、1930年前後に時計職人兼カメラなど光学製品の発案や設計を手掛けていたハインツ・キルフィット製作のプロトタイプを基に、Otto Berningが小型化して開発した35mmフィルムのカメラである。フォーマットは24×24mmの正方形フレームとなっており、通常フィルム1本のロールにつき36枚撮影ができるところを、50枚以上の撮影を可能にした。
ステンレス製の本体に、1秒間で4コマ撮れるゼンマイ式のスプリングドライブなど、機械時計のような仕掛けが詰まったROBOT I。そのシンプルなつくりとデザインには多くのコレクターが熱い視線を注いでいる。
ROBOT RECORDER 24
Otto Berningが製作したROBOT RECORDER 24は、その名の通り戦争の記録用に開発されたカメラである。ROBOT RECORDER 24も24×24mmの正方形のフォーマットで、ファンの間ではロボットサイズと呼ばれる、携帯性に優れるコンパクトなサイズだ。戦時中に製作されたという希少性もあり、中古カメラ市場でも注目のモデルとなっている。
RobotのRecorderシリーズにはROBOT RECORDERやROBOT RECORDER 36があるが、いずれも特殊な構造となっており、ファインダーが付いていないことが大きな特徴である。
ROBOT II
24×24mmの正方形フォーマット、スプリングモーターによる自動巻き上げで小型カメラに革命を起こしたといわれたOtto BerningのRobotだが、そのなかでもROBOT IIの製造台数とバリエーションの豊富さは群を抜いている。
1938年に発売された初期モデルから、戦後より生産終了時まで製造されたモデルまで、ROBOT IIには計5種類のバージョンがある。軍事記録用としてドイツ空軍に公式採用されたカメラともいわれており、Robotカメラファンの間で人気の高いモデルでもある。
ROBOT ROYAL mod. III
1953年に初期モデルが発売されたOtto BerningのROBOT ROYAL mod. III(ロボット ロイヤルモデル 3)は、コンパクトなボディに太めのダイヤルが2本備わった外観が特徴的なレンジファインダーカメラである。それまでのスクリュー式マウントから、このモデルから8種類ものレンズとの交換を容易にしたバヨネットマウントが採用された。
本体の前面左側にあるダイヤル(メインスプリング)を締め付けると5~6枚の連続撮影が可能となり、ゼンマイ式というシンプルな構造は残しつつ、撮影性能は確実に進化したモデルであるといえる。
ROBOT ROYAL 36
Otto BerningのROBOT ROYAL 36は1955年に発売されたモデルで、スプリングの巻き上げ1回につき16枚の連写が可能なレンジファインダーカメラだ。ROBOT ROYAL mod. IIIと同じくレンズの着脱が簡単で、カール・ツァイスやシュナイダー・クロイツナッハ製のレンズと交換ができる。
ROBOT ROYAL 36の最大の特徴としては、これまでのRobotシリーズのカメラフォーマットが24×24mmだったことに対し、現在スタンダードになっている24×36mmの35mm版(ライカ版とも呼ばれる)を採用していることにある。
元々の由来が軍事用カメラだったことから、Otto Berningの正方形フォーマットのカメラには画面を縦位置か横位置かで選ぶという概念は存在しなかった。絵画的ともたとえられる24×36mmの画面サイズはライカが最初に採用したフォーマットであり、Robotシリーズに初めて取り入れられた形となる。
ROBOT ROYAL 36B
1959年発売のOtto BerningカメラROBOT ROYAL 36Bは、世界で90台前後しか生産されておらず、その存在すらほとんど知られていない幻のカメラだ。1950年代からマイナーチェンジを経て1970年初頭まで生産が続いたROBOT ROYAL 36シリーズのなかでも、特に希少性の高いモデルとされている。
このモデルの特徴は、スプリングの巻き上げ1回につき24枚もの連写が可能になっていることで、機能面での進化がうかがえる。しかし生産台数が極めて少ないモデルであることから、中古市場で見かけることはほぼないと考えてもよいだろう。
ROBOT ROYAL 36S
Otto BerningのROBOT ROYAL 36Sは、ROBOT ROYAL 36のマイナーチェンジによって誕生したモデルで、ROYAL mod.IIIの後継機との位置付けで1950年代に発表された。Robotシリーズの重厚感はそのままで、やや丸みを帯びたボディが特徴的だ。
本体に付いているレバーでシングルショットか連写ショットかを選べるようになっており、1秒につき5コマ、また16枚もの連続撮影が可能になっている。被写体のディティールや色合いなどの再現度も優れていると評価されているモデルでもある。
ROBOT STAR
同じく1950年代に発売されたOtto Berningカメラのモデルには、ROBOT STARもある。主に1950年代から1960年代にかけて生産され、1990年代後半まで生産され続けた。ドライブやシャッターが改善され、コンパクトなサイズであることから冷戦時代にはスパイ用カメラとしても活躍したとされている。
Otto Berningカメラの中古買取相場
デジタルカメラが主流の昨今においても、フィルムカメラの根強いファンは一定数存在する。Otto Berningカメラの特徴であるゼンマイ式の巻き上げ音にも同じことがいえるが、フィルムカメラの操作にはある程度の知識が必要なこともあり、決して市場が大きいとはいえないのが現状だ。
Otto Berningカメラは骨とう品またはヴィンテージの扱いとなり、査定価格は業者によってかなりのバラツキがある。Otto BerningのカメラやRobotシリーズの買取価格を公表している買取業者はいないが、ニコンなどの国産有名ブランドやライカなど海外有名ブランドのフィルムカメラの買取相場は10,000円前後~数十万円までと幅広い。
Otto BerningブランドやRobotシリーズにおいては、カメラ本体の状態や査定士によっても査定額は変わってくる。過去にヤフオクで取引されたOtto Berningカメラの各モデルの取引価格は以下のようになっているので参考にしてほしい。
- ・ROBOT RECORDER…27,500円
- ・ROBOT RECORDER 24…20,500円~50,000円
- ・ROBOT STAR…16,500円~38,800円
- ・ROBOT STAR 25…18,000円
- ・ROBOT ROYAL mod. III…31,000円~53,800円
- ・ROBOT ROYAL mod. III 本体のみ…16,100円
- ・ROBOT II…70,000円
- ・ROBOT ROYAL 36…50,000円~60,000円
Otto Berningカメラの査定でチェックされるポイント
Otto Berningカメラの中古買取に積極的な業者であれば、カメラの状態によっては高額買取を目指すことも可能だ。そこで査定依頼へ出す前にチェックしておきたいポイントをここで確認しておきたい。
付属品の有無
Otto Berningのような海外のブランドで現在生産されていない機種となるとなかなか難しいものがあるが、取扱説明書や購入時の箱、または保証書がそろっていれば査定額に大きく影響することは間違いないだろう。但しこれらの付属品がなくても諦めずに相談してみることをおすすめする。その際には中古のフィルムカメラの査定に精通している業者を選ぶことが大切だ。
汚れの付着や傷の具合
中古カメラを査定に出す前には、ホコリが溜まりやすい箇所やレンズ、本体の汚れを乾いた布で丁寧にふき取り、しっかりとクリーニングをしておこう。その理由は、大事に扱われてきたカメラとして確実に印象がよくなるからである。
またヴィンテージものとはいっても、外観についた傷や剥がれ、へこみの具合は念入りに確認しておくことをおすすめする。傷があまりにも多いと査定価格減額の可能性もあることは覚悟しておきたいところだろう。
正常に動作するかどうか
シャッターがきれるか、ゼンマイの巻き上げに難がないかなどの動作確認は、カメラの外観と並び査定チェックの重要ポイントとなる。そしてレンズや交換レンズの有無、レンズの着脱に問題はないかも確認できたらしておこう。レンズだけでも買い取る業者は存在するので、そのレンズにカビなどが生えていないことも併せてチェックしておきたいものだ。
おすすめの買取業者
Otto Berningカメラは、カメラの買取をおこなっているすべての業者で取り扱われているとは限らないので注意が必要だ。そこでOtto Berningカメラの買取を表明している買取業者をこちらで紹介したい。
カメラのリサマイ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カメラ買取専門のカメラのリサマイは、Otto Berning社の中古カメラ買取強化を表明している数少ない業者のひとつである。買取価格は公表していないものの、クラシックカメラ愛好者の間でOtto Berningの人気は高く、高値で取引されることが多いメーカーと認識している買取業者である。
カメラのリサマイで買取対象となっているのは、以下のモデルだ。もし該当するカメラが手元にあるなら、メールや電話で問い合わせてみてはいかがだろう。
- ・ROBOT RECORDER
- ・ROBOT RECORDER 24
- ・ROBOT ROYAL mod. III
- ・ROBOT ROYAL 36
- ・ROBOT ROYAL 36B
- ・ROBOT ROYAL 36S
- 会社名
- 株式会社リサイクルマイスター
- 住所
- 〒171-0014 東京都豊島区池袋2-11-2
- 営業時間・定休日
- 店舗(予約制)9:00~18:00 電話受付(年中無休)9:15~20:30
- 査定方法
- 電話査定、メール査定
- 買取方法
- 出張買取、店頭買取、宅配買取
カメラの買取屋さん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カメラの買取屋さんは、カメラ買取のスペシャリストとしてプロの視点で査定をおこなうだけでなく、壊れたカメラの買取もしてくれる買取業者だ。Otto Berningのカメラが手元にあるが、正常に作動しない、傷や破損があって買取に出すのを躊躇しているような場合でも、LINEやWeb上で気軽に相談できるので利用したい。
カメラの買取屋さんで買取リストに挙がっているモデルには、以下のものがある。関東または関西エリアに住まいがあるなら、電話1本での即日買取も可能だ。電話を受けてから最短30分というスピード出張買取を売りとしている。
- ・ROBOT II
- ・ROBOT ROYAL mod. III
- ・ROBOT ROYAL 36
- 会社名
- 株式会社GRACE
- 住所
- 〒232-0051 神奈川県横浜市南区井土ケ谷上町15-5-1F
- 営業時間・定休日
- 10:00~19:00 不定休
- 査定方法
- LINE査定、Web査定
- 買取方法
- 出張買取、店頭買取、宅配買取
エコランド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
鹿児島県鹿児島市を拠点とするエコランドは、業務用機械から高級文具、アンティークまでと幅広いジャンルの買取をおこなうリユース業者である。長年地元密着型の事業を展開してきたが、現在は全国を対象にした宅配買取サービスも取り組んでいる。
Otto Berningからロボット・フォト&エレクトロニックへと商号変更したRobotシリーズの買取対応モデルとして、同社ではROBOT RECORDER 24とROBOT RECORDER 36の2機種を挙げている。
- 会社名
- 株式会社 エコランド Eco Land co., ltd.
- 住所
- 〒899-2701 鹿児島県鹿児島市石谷町松元インター出口左折
- 営業時間・定休日
- 9:00~18:00 土日祝日
- 査定方法
- 電話査定、メール査定
- 買取方法
- 宅配買取、店頭買取(要予約)、出張買取(エリア限定)
monobank
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
山口県下関市に本店を持つmonobankは、ブランド品に金やプラチナのほか、骨とう品やカメラの買取もおこなっている買取業者だ。同社のカメラ・レンズ買取扱いメーカーの中にOtto Berningも含まれている。
各店舗には個室ブースも備えられており、初めての買取持込でも人目を気にする必要はない。配送保険にも加入しているので、宅配買取も安心して任せられるだろう。
- 会社名
- 株式会社 ものばんく
- 住所
- 〒750-0004 山口県下関市中之町11-7(monobank下関店)
- 営業時間・定休日
- 8:00~21:00 日曜・祝日
- 査定方法
- LINE査定、携帯査定
- 買取方法
- 出張買取、来店買取、宅配買取
まとめ
Otto Berningカメラのなかでも買取市場で目にする機会のあるRobotシリーズを取り上げ、中古カメラの買取相場や査定情報について見てきた。軍事用やスパイ用としても活躍したRobotカメラにはマニアなファンも多く、モデルによっては高額取引されることもある。
もし遺品整理などでOtto Berning製のカメラを見つけたら、無料の査定相談に出してみることをおすすめする。その場合、ヴィンテージやクラシックなフィルムカメラ事情に詳しい複数の買取業者に依頼を出し、正当な評価を査定価格に反映してくれるところを見つけてもらいたい。そしてこの記事が高額買取の手助けとなれば幸いだ。