近年、日本では空前の“自転車ブーム”が起きている。オフィスに置いておけるようなミニベロ、折りたたみタイプの自転車も大人気で売り上げを順調に伸ばしている。しかし、ブームの中心にいるのはやはりロードバイクを中心としたスポーツタイプの自転車だ。
各ブランドが発売しているスポーツバイクだが、その値段はシティーバイクなどに比べると高い。そのため、中古市場での売買も非常に活発なのだ。
今回は、中古売買の際に役立つ型番・モデル名の調べ方を紹介していく。多数あるブランドの中でも、ここではTIME(タイム)に焦点をあてていこうと思う。
Le Time Scylon de HP BTP-Auber 93 - Thomas Maheux / Roland TISSIER 2017
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TIME(タイム) について
TIME(タイム)は、1987年にフランスのリヨンで設立した自転車ブランドだ。創立初期は、「理想のペダルを作る」という志のものと生まれた自転車の部品製造メーカーだった。
研究を重ねた結果、ビンディングペダルにおいての市場で成功を収め大きな利益を上げた。その後、カーボンフレームメーカーの「TVT」を買収。現在では、カーボン製フレームのマシンを作ることを得意とするブランドとして名を馳せている。
独自のカーボン技術
TIME(タイム)社が採用しているカーボンの製法は、「RTM製法」と呼ばれる独自技術。フレームを作る際のカーボンを繊維から編み上げるという高度な技術で、F1や航空機でも使用されている。この技術を自転車に活かしているのはTIME(タイム)社のみで、同ブランドがプロレーサーや玄人の間で支持を得ている大きな理由なのだ。
また、ペダリングの効率を完全に維持しながらも、各パーツからラーダーに伝わる振動を軽減する「アクティブ・フォーク・テクノロジー」という技術を導入するなど、革新的な技術開発を続けている。
現在でも進化を続ける人気のペダル
ビンディングペダルの生産から始まった会社なだけあり、現在でもビンディングペダルの評価が非常に高い。シンプルながら人体力学の理にかなったそのペダルは、他社のロードバイクを乗っているユーザーからも評価が高く「フレームは〇〇だけど、ペダルはTIME(タイム)を使っている」というユーザーもとても多いのだ。
実際に使用しているユーザーからは「膝への負担が少なく、痛みが減少した」といった称賛の声が多数聞かれた。
人気漫画の超人気キャラクターが愛用!漫画ファンもへの知名度も
上記のような理由から、ロードバイク愛好家や自転車ファンの中では人気が高いTIME(タイム)だが、一般層の知名度もそこそこ高い。これは、日本に自転車ブームを巻き起こした一因となった人気漫画「弱虫ペダル」のキャラクターが、TIME(タイム)のロードバイクを愛用しているからだ。
漫画の中でTIME(タイム)を愛用している「巻島裕介」は、主人公を差し置いて人気キャラクターランキングで1位をとってしまうほど。そのため、漫画ファンを中心にTIME(タイム)という自転車に対する認知度が高まったというわけだ。(もちろん、漫画を見ていない層は知らない可能性が高いが….)
人気シリーズ
高価買取が期待できるタイムの2つの人気シリーズについて、以下では詳しく紹介していく。
FIRST(ファースト)
このファーストシリーズは以前まではパーツのみ取り扱いのみだったようだが、最近では完成車も発売されるようになった。タイムのテクノロジーを駆使したフルカーボンフレームを使用しており、カーボンの糸を編む行程からペイントに至る細部まで、全てが自社工場で行っているこだわりのシリーズである。
完成車の買取価格の相場はおおよそ120,000円である。完成車が発売されるようになってからまだ年月が浅く、市場にもまだあまり出回っていないため買取価格が高価になっている。状態がいいものは買取価格が更に高くなる。
FLUIDITY FIRST(フルディティーファースト)シリーズ
衝撃吸収素材を使用していて、快適性を追求した人気シリーズ。1年に1度しか販売されないが、その度に進化を遂げレベルアップをしている。また、発売の度、新色の追加や変更と細かい仕様変更が行われている。
完成車の買取価格の相場はおおよそ140,000円(販売時価格の約半額)で高価買取価格であることがわかる。
高く売るには
以下ではおさえておくと高価買取に繋がりやすいコツについて紹介していく。
複数の買取店を比較する
買取査定額を聞くのは無料でその場で決める必要もないため、仮に一つの店舗に査定をしてもらっても別の店舗にまた査定をしてもらいに行くのは可能である。複数の買取店の査定額を比較した方が、一番高い買取金額で買い取ってもらえる可能性があるので一つの店舗で全て決めてしまわないようにしよう。
ただし、買取成立後に他店で査定額を出してもらったり、キャンセルすることはできないため、決める前にしっかり比較することが大事になってくる。
強化買取店で査定をしてもらう
タイムのロードバイクの強化買取しているといったことがホームページなどで掲載されている買取店は高価買取が期待できるため、できるだけそういった買取店だ査定をしてもらうと良いでしょう。タイム製品が品薄から、よく売れることがわかったからといった理由が買取を強化する理由なので、一度査定に出してみると高価買取の可能性が十分にあり得る。
ロードバイクを綺麗にしておく
自力で落とせる汚れを綺麗に落としてから買取に出すようにしておこう。簡単に落とせる汚れを放っておきがちだが少額でも査定額に響くものなので、見た目を綺麗にすることを怠らないのが重要である。
付属品を揃える
カスタマイズをしている人は特に、ロードバイクを買取に出す際は純正のタイム製品で元どおりにする必要がある。元どおりに戻した方がもちろん買取価格も上がり、買い取ってもらいやすくもなる。カスタムに使ったパーツは一緒に売ることもできる。
キャンペーンを活用する
多くの買取店は定期的にキャンペーンを実施しているため、これら逃さないことが大事である。複数の買取店を比較しても査定額の差があまり内容だったら、キャンペーンが行われていれば大きな差がつくこともあり得る。買取店のホームページ、フェイスブックまたはLINEでクーポンの発行ができるので、定期的にチェックしておくとお得に買取できる。
買取の際の注意点
ロードバイクを買取に出す際のいくつかの注意点があるため、それらについて紹介して行く。
防犯登録の解除
ロードバイクに限らず自転車を購入した時は防犯登録が義務付けられている。そのため、ロードバイクを買取に出す前に、防犯登録を事前に解除をすると取引がスムーズになる。
解除方法は簡単で、自転車を購入した店舗で登録解除用紙を発行し記入するだけでその場で手続きができる。手続きを終えたら解除した証明になる書類を査定の時に提示するとなお良いだろう。解除をしていないと買い取ってくれないという買取店も実際にあるので、必ずやっておくようにしよう。
身分証明書を用意する
ロードバイクを買取に出す際は、運転免許証、各種保険証、パスポート等、現在の住所が確認できる身分証明が必要になってくる。事前に用意をしておくと取引がスムーズに進む。
TIME(タイム) のモデル名・型番について
ロードバイクのモデル名や型番は、家電製品やパソコンなどとは違う特殊な成り立ちになっている。ロードバイク購入の際に勘違いしないように、確認しておこう。
モデル名はフレームにつけられる
ロードバイクは、大まかな作りとして「フレーム」と「コンポーネント(各種発)」の2つから成り立っている。そんな中、ロードバイクに対するモデル名はフレーム、もしくは完成車いずれにもつく可能性もある。以下、TIME(タイム) で販売しているロードバイクのモデル名の一例となる。
- ・SCYLON
- ・IZON
- ・Fluidty
以上がTIME(タイム)の代表的なロードバイクのモデルとなる。TIME(タイム)に関して言えば、同じフレーム名でも以下のような別バージョンがある。
- Scylon トランスリンク アクティブフォーク
- Scylon シートポスト アクティブフォーク
- Scylon トランスリンク クラシックフォーク
- Scylon シートポスト クラシックフォーク
このように、同じフレームモデルの中で4種類の別バージョンがあることをおさえておこう。
完成車にはコンポーネント名が入ったモデルも
TIME(タイム)のロードバイクに関してはこの限りではないが、モデル名に組み立てで使われているコンポーネントの名前が使われることもある。以下では、別ブランドの例を見てみよう。
COLNAGO(コルナゴ)のモデル名一例
- MONDO2.0 TIAGRA
- MONDO2.0 SORA
- C-RS ULTEGRA
- C-RS 105
上記は、COLNAGO(コルナゴ)の2つのロードバイクのモデル名だ。「MONDO2.0」「C-RS」というフレームにそれぞれ、「TIAGRA」「SORA」「ULTEGRA」「105」のコンポーネントが使われた完成車モデルなのだ。コンポーネントのグレードによって値段も上下するので、ライダーのレベルや求めているスピード・運転性によってどの完成車を購入するか選べるというわけだ。
中古購入の際は発売の年式に注意!
また、中古での購入を検討しているのであれば、モデル名に加えて“発売年式”にも気を配るべきだろう。公式取扱店にて、新品を買うのであればほぼすべてが最新年式のモデルになっているはずだが、中古店ではそうもいかない。店舗には様々な年式のモデルが並んでいるのだ。
ロードバイクは、同じモデル名であっても発売年式によってスペックが異なるのだ。そのため、購入時はモデル名に加えて発売年までしっかりと確認するようにしてほしい。
TIME(タイム)の型番・モデル名の調べ方
それでは、TIME(タイム)のロードバイクの型番・モデル名の調べ方を紹介していこう。型番などに加えて、もう一つ大切な番号「シリアルナンバー」に関しても言及していくので確認してみてほしい。
保証書に記入されているので確認
最も簡単に型番やモデル名を調べるためには、保証書を見るのがいい。購入時についてくる保証書には、ユーザーが必要とするであろう情報がほぼすべて記載されているといっても過言ではない。
購入日、購入店舗、型番・モデル名、シリアルナンバーとあらゆる情報が記入されている大切な書類なので、バイクを購入した際は一度情報を確認して、なくさないようにしっかりと保管しておこう。
ボディーに記載のあるシリアルナンバーにも注目
型番やモデル名に関してはフレームに正式なものが書かれていないことも多いが、シリアルナンバー(車体番号)はフレームに必ず記載がある。各ブランドによって記載の場所は異なるものの、TIME(タイム)に関してはチェーンステーの裏側にステッカーが貼ってあり、そこに記載があるはずだ。後輪側の裏側にあることが多いので、確認してみてほしい。
シリアルナンバーは、自転車の“マイナンバー”ともいえる大切な個人情報だ。修理の際や、中古売買の時などあらゆるシーンで提示を求められる可能性があるだろう。
まとめ
以上のように、TIME(タイム) のロードバイクの型番・モデル名を知りたい場合は保証書を確認するのが最も効率的だ。中古売買を行う際、修理依頼をする際などには「正規ルートで購入した」という証明書的な役割を果たす重要な書類なので、大切に保管しておいてほしい。
TIME(タイム)は、比較的値段が高く高級なブランドというイメージがあると思う。そのため、新品での購入だけではなく中古で探している人も多いだろう。そんな時は、上記で紹介した内容を参考にしっかりとしたバイク選びを行なってほしい。