UD社が製造するウイスキーの中でも市場に流通する量が少ないことから、ウイスキー好きの間で高値で取引されている。そんなマノックモアとはどんな特徴を持ったウイスキーなのだろうか。そこでこの記事では、マノックモアとはどんなウイスキーなのか、マノックモアを売ろうと思っている場合、大体どれくらいの価格で売れるのかなどについて解説する。
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UD社とは
マノックモアをはじめ、ウイスキーの銘柄の前に「UD」という文字が書かれていることもあるだろう。このUDとは、ウイスキー業界において最大規模の企業と言われている「ユナイテッド・ディスティラリーズ社」の略称である。ウイスキーの大量生産による価格暴落の際にスコットランドの大手の蒸留所を大量に買い取ったため、UD社の傘下にある蒸留所はマノックモアやグレンデュランなどかなり多い。
そして、UD社で取り扱っているウイスキーの中でも特に有名なのが「花と動物シリーズ」と「レアモルトセレクション」だ。花と動物シリーズは、その蒸留所にちなんだ花や動物がラベルに印刷されているのが特徴である。こちらは大手蒸留所の原酒を楽しめるため、蒸留所ごとのウイスキーの風味の違いを楽しみたい層から人気が高い。シリーズの大半が終売となっていることから、基本的には高値で取引されている。
次にレアモルトセレクションは、通常のUD社のウイスキーよりも熟成期間を長期化させたもので、こちらも手に入りにくい商品である。UD社が買い取った蒸留所の中でも閉鎖された蒸留所のものを中心に取り扱っており、全ての商品が終売となっているため、プレミア価格が付くことが多い。
マノックモアの特徴
マノックモアは1971年創業開始とスコットランドのウイスキー蒸留所の中では比較的新しめの蒸留所である。1980年代まではかなり規模の大きな蒸留所だったが、1980年代半ばに入ってウイスキー不況に陥ったために、1985年に一度蒸留所を閉鎖し、1989年までウイスキーの製造を中止している。しかし、1992年に入って製造を再開し、現在まで世界各国のウイスキー愛好家から愛されている。
マノックモアは、蒸留所のウイスキーの製造規模がかなり大きいのに対し、ヘイグやディンプルなどといったスコッチウイスキーの原料として使われるものが大半であるために市場に流通する量がかなり少ない。したがって、マノックモアが販売されているなら値段に関係なくすぐに手に入れておくべきと言えるだろう。
マノックモアは色が薄く、ワインのような見た目をしていると言われている。風味もフレッシュで甘みが強く、ウイスキーの中でもユニークな風味であるのが特徴だ。UD社から発売されているマノックモアには、花と動物シリーズとレアモルトセレクションの2種類が存在する。
花と動物シリーズ
花と動物シリーズの物に関してはラベルにキツツキの一種であるグレイト・スポッテッド・ウッドペッカーが描かれているのが特徴である。元々マノックモア蒸留所の近辺は野鳥が多い緑豊かな土地として知られており、その中でも代表的な動物がグレイト・スポッテッド・ウッドペッカーと言われている。
そんな花と動物シリーズのマノックモアの中身は12年熟成のウイスキーである。白ワインのような透き通った見た目が特徴的であり、ウイスキーの中でもウイスキー独特の癖があまりないことから飲みやすいと言われることが多い。花のようなフレッシュさだけでなく、後味にコーヒーやシナモンのような風味も残るため、個性的な風味が好きなウイスキー愛好家から特に高い支持を得ている。
レアモルトセレクション
また、レアモルトセレクションで発売されたマノックモアは1974年製造、22年熟成のものである。レアモルトセレクションはマノックモアが持つフレッシュな風味やシナモン・コーヒーのような後味を残しつつも、花と動物シリーズとは真逆で内側を焦がしたオーク樽を使っているためにウイスキーにしては黒い見た目が特徴と言われている。
UD マノックモアの買取相場
それでは、UD マノックモアはいくら程度で取引されているのだろうか。花と動物シリーズであるマノックモア12年は定価が1,100円なのに対し、ヤフオクでは7,000円程度で売られている。酒屋でも大体この程度で売られているので、相場は7,000円程度と考えて良いだろう。
ただ、花と動物シリーズの中でもマノックモアは製造が終了していないため、インターネットで比較的容易に手に入れることができる。したがって、終売している他の花と動物シリーズと比べると査定相場が安めなので売る際には注意が必要だ。
また、レアモルトセレクションのマノックモア22年に関しては、基本的に売りに出す人が少なく、実際にヤフオクやメルカリなどで売られた履歴が存在しない。したがって、売りに出せば基本的にはかなり高値で売れる可能性が高いと言えるだろう。
楽天市場やヤフオク、メルカリでの他のUD レアモルトセレクションの価格相場を見てみると、大体200,000～250,000円程度で取引されている。したがって、マノックモアに関してもこの程度で売れるものと思って良いだろう。
UD マノックモアを高く売るコツ
UD マノックモアは流通量が少ない貴重なウイスキーであるが、風味が独特であるために需要が限られている。そこでUD マノックモアを少しでも高く売りたい場合に注意すべき点をチェックしよう。
シリーズをそろえて売る
先ほどはUD マノックモアには花と動物シリーズとレアモルトセレクションの2種類があることを紹介した。この花と動物シリーズとレアモルトセレクションは他の蒸留所のものも存在している。
花と動物シリーズに関しては1992年に販売が開始されてからマノックモアを含めて計26種類が存在している。しかし、大半の製造が終了し、製造・販売がおこなわれているものはマノックモア・インチガワー・グレンエルギン・ストラスミル・グレンスペイ・クライヌリオッシュの計6種類だけだ。
したがって、花と動物シリーズをすべてそろえることはかなり難しく、特に製造が終製造・販売が現在でもおこなわれているものに関しては価格が大幅に上がることがあまり期待できない。そのため、少しでも高値で売りたいと思っているなら全てそろえて売るもしくは終売したものとセットで売るなどすると良いだろう。
また、レアモルトセレクションに関しては基本的に20年以上熟成されたものを厳選しているうえに、全ての商品の製造が終了しているため、なかなか手に入れにくく、どれも高値で取引されている。したがって、UD マノックモアでも手元にあるのがレアモルトセレクションなら1本だけでも高値で売れる可能性が高いだろう。
全18種類が存在しており、どれも基本的に相場より高めで売った場合でもすぐに売れるウイスキーだが、レアモルトセレクションも花と動物シリーズ同様飲み比べを楽しむ人が多い。したがって、こちらも複数本セットで売った方が高値で売れる可能性が高いと言えるだろう。
飲み切ってしまっても瓶だけをきれいに保管しておく
DIYが流行し、ウイスキーの空き瓶をDIYしてインテリアにする人が増えていることから、特にオシャレに見える高級ウイスキーの空き瓶は年々高くなっている。特に自然や動物がラベルに印刷された花と動物シリーズはウイスキーの瓶でも珍しいデザインであることから需要がある。したがって空き瓶を保管しているならラベルに傷が入らないように保管し、なるべく他のウイスキーの瓶とまとめてオークションなどで売ると良いだろう。
複数の店に査定を依頼する
査定は人間がおこなうものであるため、店によって査定額が変動して当然である。特にUD マノックモアのような高値で取引されるウイスキーは悪質な業者に査定を依頼してしまうと相場より安い値段で買取られてしまうことがある。したがって、複数の店に査定を依頼し、最も高値で買い取ってくれる店で売るのが良いだろう。
また、店に査定を依頼するだけでなく、ヤフオクやメルカリなどインターネットでの相場もチェックしておくべきだ。UDマノックモアは流通量があまり多くないため、インターネット通販などで売り切れ状態になってしまっていることも少なくない。そんなときはヤフオクなどをチェックする人が多いことから、時期によっては酒屋などで売られている価格よりもインターネットで売った方が高値で売れることがある。
それに、レアモルトセレクションに関しては所持している人が少なすぎて流通することが少なく、ヤフオクのようなオークション形式のサイトだと価格が相場以上に跳ね上がる可能性も0ではない。したがって、インターネットでの需要もしっかり調べたうえで売り方を決めるべきと言えるだろう。
細心の注意を払って保管する
ウイスキーは涼しくて暗い場所で保管するのが基本だ。万が一日あたりが良い場所や湿気の多い場所などウイスキーにとって悪い環境で保管した場合、ウイスキーの風味が落ちたり、色が悪くなったりする可能性がある。
それにUD マノックモアはボトルにも価値があるウイスキーであり、傷が入ってしまうと価値が下がってしまうだろう。そのため、ウイスキーの中身だけでなくボトルも傷まないように保管しよう。
ウイスキーを一般家庭で保管する場合は紙などにくるんで冷蔵庫に保管するのが風味が落ちなくて良いと言われている。しかし、一般家庭の冷蔵庫だと野菜などの風味がウイスキーに移ってしまう可能性もあり、注意が必要だ。
そこで最もベストなのはワインセラーで保管する方法だろう。ワインセラーはワインを保管する場所というイメージを持たれがちだが、もちろんウイスキーを保管する場所としてもベストな環境が整っている。ワインセラーがある家庭はなかなか無いだろう。そんな場合は1本単位で保管してくれるレンタルワインセラーを活用すると良い。
まとめ
UD マノックモアは手に入れにくいウイスキーであり、購入時より高い値段で売れる可能性が圧倒的に高い。しかし、保管方法が悪かったり、査定を依頼する業者があまりウイスキーに関する知識を持っていなかったりすると査定額が下がってしまう。そうならないようにするためにもしっかり傷まないように保管し、少しでも高い値段で売ろう。
