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はじめに
ここ数年、MVNO(仮想移動体通信事業者)の契約数が爆発的に伸びている。数年前は、移動体通信全体の1%にも満たなかったシェアは、時間の経過とともに倍々ゲームで増えていき、ついにシェア10%超えが見えるところまで来たのである。
なぜ、ここまで増えたかと言えば、やはりNTTドコモ、au、ソフトバンクのいわゆる3大キャリアに比べ、利用料金が断トツに安いからであろう。
昔は、安かろう悪かろうという印象もあったが、3大キャリアがMVNOに通信回線を開放したことにより、通信回線の品質は飛躍的に向上し、さらに、イオンやLINEといった知名度の高い事業者がMVNOに参入したためにMVNOの知名度も向上し、それらが契約数の増加につながったのである。
そんな勢いのあるMVNOであるが、ここ最近は、参入するMVNOが増えたために、格安な利用料金だけでは他のMVNOとの違いが示せなくなってきた。そのため、各MVNOは、独特のサービスを実施することで、他のMVNOとの違いを示しつつ自身の存在をアピールするようになったのである。
MVNOが実施するサービスの中にはかなりお得なサービスもあり、MVNOをうまく活用するには、MVNOが実施するサービスをよく把握することが肝要であるといえる。
そこで、今回はMVNOの中からWonderlink(ワンダーリンク)を紹介する。
引用:https://ec-club.panasonic.jp/wonderlink/
Wonderlinkとは
Wonderlinkは、大手電機メーカーであるパナソニックが展開するインターネット接続サービス事業者で、その中の事業の1つとしてMVNOを展開している。
大手電機メーカーのパナソニックが展開しているということで、Wonderlinkは、パナソニック製パソコンやデジタルカメラ専用のプランがあるなど、他のMVNOにはない独特なサービスを展開している。
また、Wonderlinkは、NTTドコモのXi、FOMAの回線を利用したMVNOを展開しており、全国で高速で高品質な通信サービスを利用することができる。
Wonderlinkの特徴について
Wonderlinkの特徴について記載していく。
Wonderlinkの特徴としてまず挙げられるのは、低速通信時でも最大700kbpsという比較的高速で通信することが出来るプランがある点である。
通常、MVNOで低速通信時の通信速度は、最大200kbpsであることが多く、文字通り低速なのであるが、WonderlinkのLTE Fシリーズというプランの場合は、その3倍以上の最大700kbpsという速度で通信をすることが出来るのである。
もちろん、高速通信時の速度である最大375Mbpsに比べれば、かなり遅い速度ではあるが、ちょっとしたwebブラウジングやTwitter、Youtubeの低画質の動画であれば、ストレスなく使用することができる速度であるといえる。
しかも、LTE Fシリーズは、低速通信時のデータ通信量に上限がないので、データ通信の使い過ぎを気にすることなく使用することが可能である(ただし、1日で1GB使用時には通信制限が発生する)。
また、前述のようにWonderlinkには、パナソニック製のパソコンやデジタルカメラ用のプランがあることも特徴といえる。
LTE Aシリーズは、パナソニック製のパソコンであるレッツノート、タフブック、タフパッド専用のプランで、それらの製品を購入した人だけ加入することができる。
レッツノート、タフブック、タフパッドは、SIMを挿入することができることから、モバイルルーターのように別に通信機器を用意する必要はない。また、パソコンを起動するだけでネットと接続することができるほか、モバイルルーターのようにバッテリー切れを心配する必要はない、といったメリットがある。
LTE Lシリーズは、パナソニック製のデジタルカメラであるLIMIX CMシリーズ専用のプランで、LIMIX CMシリーズを購入した人だけ加入することができる。
LTE Lシリーズの特徴は、データ通信量の上限に達しても、上りの通信速度は高速のままであるということだろう。デジタルカメラでデータ通信を行う場合、撮影した画像や動画をサーバなどにアップする上りがメインとなると想定されることから、LTE Lシリーズは、デジタルカメラでのデータ通信をする場合にピッタリのプランとなるだろう。
Wonderlinkの月額利用料金について
Wonderlinkの月額利用料金について記載する。
Wonderlinkの月額利用料金は、前述のLTE Fシリーズ、LTE Aシリーズ、LTE Lシリーズのほか、データ通信量により費用が変わる定額プランのLTE Iシリーズがある。
LTE Fシリーズ
- データ通信量:1GB
- 月額料金:1,580円
【F-使い放題700】
- データ通信量:7GB
- 月額料金:2,480円
【F-7G】
LTE Iシリーズ
- データ通信量:3GB
- 月額料金:890円
【 I-3Gシングル】
- データ通信量:5GB
- 月額料金:1,460円
【 I-5Gシングル】
- データ通信量:7GB
- 月額料金:1,870円
【 I-7Gシングル】
LTE Aシリーズ
- データ通信量:3GB
- 月額料金:889円
【エントリーコース】
- データ通信量:7GB
- 月額料金:1,960円
【レギュラーコース】
- データ通信量:1GB/週
- 月額料金:1,000円
【ウィークリーコース】
LTE Lシリーズ
- データ通信量※:3GB
- 月額料金:1,480円
【L-3G】
- データ通信量※:5GB
- 月額料金:1,980円
- (料金は税別、※上り、下り合計)
【L-5G】
どのプランもデータ通信のみで、SMS機能、通話機能は、オプションにも存在しない。
LTE Aシリーズのウィークリーコースは、他のプランが月あたりのデータ通信量なのに対し、1週間で1GBのデータ通信量というプランとなっている。LTE Lシリーズのデータ転送量は、上りと下りの合計であり、他のプランとは仕様が異なっている。
LTE Fシリーズの月額利用料金は、単純に1GB、7GBのプランとみるとやや高めの設定となっているが、LTE Fシリーズの特徴は、低速通信時の速度が700kbpsと比較的高速で、しかも無制限に使える事なので、それをメリットが考えるのであれば、それほど高くはないと考えられる。
LTE Iシリーズ、LTE Aシリーズの月額利用料金は、MVNOの中でも比較的安い部類に入るので、MVNOを契約する時に選択肢の1つとして考えられる、といえるが、LTE Aシリーズは、パナソニック製パソコン専用のプランであるので、契約できる人は限られているともいえる。
LTE Lシリーズも、単純に3GB、5GBのプランと考えるとやや高めの設定となっているが、こちらもデータ転送量が上限に達しても、上りの通信速度は高速のまま、という特徴があるので、デジタルカメラにおけるデータ通信は、上りがメインとなる可能性が高いことから、それをメリットとして捉えるのであれば、それほど高くはないと考えられる。
Wonderlinkの通信速度について
Wonderlinkの通信速度についてのネットの書き込みなどを見ると、通信速度にはおおむね満足する書き込みであるので、通信速度は、MVNOとして問題はないようだ。
特に、LTE Fシリーズの特徴である低速通信時の速度も、安定して速度が出ているようで、YoutubeのHD画質動画のようなデータ通信量を大量に使うものはさすがに無理だが、スマートフォン向けの360p程度の動画であれば、ストレスなく利用できるようだ。
Wonderlinkを利用するうえで注意すること
Wonderlinkのプランは、データ通信専用で、通話機能はもちろんこと、SMS機能も利用することはできない。完全にデータ通信専用となるので、通話機能があるスマートフォンなどで利用する場合は、注意したほうがいいだろう。
通話アプリなどを利用すれば通話もすることができるが、LINEなどSMS認証が必要なアプリは、WonderlinkではSMS機能がなく認証できないので、こちらも注意したほうがいいだろう。
また、低速時のデータ通信量の上限がないLTE Fシリーズであるが、短期間に大量にデータ通信を行った場合、具体的には1日で1GB以上のデータ通信を行った場合、速度規制する可能性がある、とのことなので、動画視聴など短期間でデータ通信量を多く使用する場合は、注意したほうがいいだろう。
Wonderlinkは、前述のようにデータ通信プランのみで、他のMVNOのデータ通信プランと同様に最低利用期間は基本的にはないが、LTE Aシリーズのみ最低利用期間が6か月と設定されているので、LTE Aシリーズ利用者は、解約する時に利用期間に注意したほうがいいだろう。
まとめ
大手電機メーカーのパナソニックが展開しているMVNOであるWonderlinkは、低速時でも比較的高速で通信できるプランや、パナソニック製のパソコンやデジタルカメラ専用のプランなど、他のMVNOにはないユニークなプランが多いMVNOである。
データ通信量を気にせず使用したい人、プランの対象となっているパナソニック製のパソコンやデジタルカメラを持っている人などにお勧めのMVNOであるといえる。
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