様々な家電製品の中でも、個人情報の塊であるパソコンは処分に手間がかかるものである。住所氏名はもちろんのこと、クレジットカード情報・電話番号・マイナンバー・各アカウントのパスワードなど、一台分の情報が漏洩しただけでも精神的・金銭的な被害は相当なものになる。しかも一度漏れてしまったデータは回収不可能だ。
知人への譲渡やフリマアプリ・メルカリ等での個人販売の際は、特に自らの個人データが残っていないかどうかに注意する必要がある。故障していて廃棄したい場合でも、そのまま不燃ごみに出してしまうことは避けたい。セキュリティのためにパソコン内のデータをすべて消してしまいたい時、以下のようなやり方がある。
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データ消去の方法いろいろ
譲渡・販売や廃棄のためにパソコンのデータを丸ごと消したい場合は、インストールされているソフトやOSまで含めたすべてのドライブを専用のソフトで消去する必要がある。これはデータやフォルダを逐一消していく普段の作業とは別物と考えたほうがわかりやすい。
専用ソフトを使って自分で行う
自分でデータ消去を行う場合に使用するのは、
- 1.フリーソフト
- 2.パソコンの付属ソフト
- 3.有料ソフト
のいずれかとなる。
どれもデータを完全に消去するにはかなりの時間がかかる。フリーソフトと付属ソフトは無料だが、使用するにはある程度のパソコンの知識が必要となる。有料ソフトは操作が簡単だが、もちろんいくらかの支出が必要になる。またどのソフトを使用しても、データが完全に消去できたか否かを自力で確認できるくらいの知識はあったほうがいい。
物理的に破壊する
データの入ったハードディスクをパソコンから取り出して、直接壊してしまう方法である。ねじをはずしてディスクを取り外し、ドリルなどで破壊する。ただ、本当にデータが入った部分をすべて破壊できたかどうかを確認することが難しい上、最近のディスクはかなり頑丈なケースで守られているので壊せない場合もあるかもしれない。
また、壊してしまうので譲渡や販売の際は使えない方法である。飛び散った部品による手や目の怪我のおそれもある。
業者に依頼する
忙しくて時間がとれない、もしくはパソコン知識に自信がない、そもそも面倒くさくて自分ではやりたくない場合は、専門の業者に依頼することもできる。宅配買取に対応していて、宅急便で送るだけで済むでところが多いので、仕事や引っ越しで時間のない方には特におすすめの方法といえる。
おすすめのフリーソフトはこちら
なるべくお金をかけたくない人には強い味方になってくれるフリーソフト。ソフト名で検索をかけるか、または窓の杜・Vectorなどのフリーソフト配布サイトでダウンロードすることができる。
DESTROY、 wipe-out
無料のソフトでは定番の2つ。どちらも無料だが個人利用の範囲ではデータ消去はきちんと行うことが可能で、信頼性は高い。しかしソフトをダウンロードすることに加えて、空のCD-Rかフロッピーなどのメディアを用意しなければならない。パソコンのデータを丸ごと消去する場合、普段使っているソフトを動作させているOSも消去する。
そのため、データ消去ソフトは独立したOSで動作し、パソコンに働きかける必要があるためである。ソフトを検索してダウンロード、さらにメディアを準備してそこにフリーソフトをインストール、そこから実際のデータ消去にはかなりの時間がかかる。実は空きメディアを用意しなければならない時点でトータルでみると無料ではなくなるという面もある。
ディスク消去ユーティリティ
こちらはインストールが不要で、windows上から各ドライブのデータ消去が可能なソフトである。上記2つのソフトには必要だったソフトのインストールとメディアの準備がいらない。インターフェイスも使いやすいものとなっている。
ただOSドライブを消去するためには、Microsoftの公式サイトから専用のファイルをダウンロードしたうえで追加の作業をしなければならない。費用は0円で済むが、DESTROYやwipe-outよりもさらに、パソコンを使い慣れた人でないと挫折してしまうかもしれない。
このような無料で使用できるソフトを入手する際には、公式サイトでダウンロードした方が無難である。非公式のサイトでコンピュータウィルスに感染したり、ダミー広告をクリックして無関係なサイトに飛ばされたりしないように注意する必要がある。
パソコンの付属ソフト
比較的新しいパソコンならばメーカーと機種によっては、データ消去ソフトがプリインストールされているものがある。メーカー側が出荷時に搭載しているソフトなので、動作には問題がないし消去能力も確実だ。
だがこの種類のソフトは、OS上で動作するものがほとんどなので、個人情報の入ったハードディスクのデータを消すことはできるが、OSドライブの変更はできない。そのため、方法によってはデータを復元できる可能性が残ってしまうので、セキュリティ対策としては完全ではない。
有料ソフトの紹介と、自力で消去する際の注意点
フリーソフトでデータ消去を行おうとすると、ソフトのダウンロードに加えてディスクを作成するなどの手間がかかる。データ消去ソフトをパッケージ版で購入してしまえば、この手間を省くことができる。
ターミネーター10プラスデータ抹消、完全ハードディスク抹消
有料ソフトの場合、購入したディスクを入れて、指示通りに操作していけば簡単にパソコンのデータ消去を行うことができる。無料で配布されているものに比べると、インターフェイスがシンプルかつ分かりやすくなっているので、普段パソコンをメールやウェブサーフィンにしか使っていない方でも扱いやすい。
無料のソフトよりは消去速度が上がるとはいえ、それでも1日仕事になることは覚悟したほうがいい。有料ソフトなのでもちろん費用が発生することは言うまでもない。3000円台から購入することができる。
自力でデータ消去を行う時は
無料・有料どちらのソフトを使用する場合でも、かなりの時間がかかることは避けられない。更にフリーソフトの場合はある程度のパソコンの知識とメディア代が、有料ソフトの場合は何千円かの費用が掛かることになる。またどちらの手段を選ぶ場合でも、一日かけてデータを消し終えた後に「本当にデータが消去されているか」を自ら確認する必要がある。
ここまでで紹介した各種ソフトを使用したデータ消去の方法は、壊れて起動できない又は正常に動作しないパソコンには、当然ながら適応することができない。
初期化(フォーマット)とデータ消去の違い
データ消去と混同しがちなのが、ハードディスク内のデータの「初期化」である。データやファイルシステムを初期化すると、一見パソコンの中が空っぽになったように見える。
だが実はハードディスク内部の電子的なデータは残ったままになっているので、専用のリカバリソフトを使用すると簡単にデータを復元することができる。初期化のみでパソコンを譲渡・個人販売することは大きなトラブルにつながりかねない危険な行為である。
専門の業者に依頼する
専用のソフトを使ってのデータ消去は、時間・費用・パソコンの知識など簡単手軽にとはいかないようだ。そのような時には専門の業者に依頼することもできる。仕事で忙しくて時間もないし、データ消去を確実に行う知識も無いとなると、代行してくれる業者に依頼する方が安心である。
おすすめのリサイクル業者
パソコンのリサイクル業者は、利用者から買い取りした商品のデータ消去を行った上で、本体のリユースや部品のリサイクル販売を行っている。そのため、パソコンの処分ではなく買取という形になり、利用者は何千円もの費用を請求されることがない。また、宅配買取を実施している業者が多いので、申し込みをして送るだけで済み、店舗を訪れる時間と手間をかける必要もなくなる。
依頼する買い取り業者を選ぶ際は、検索をかけて適当に選ぶよりも、各社の実績や提携先、実際の買取価格を比較して決めることができるとよい。店舗数が多くパソコン電子機器の買い取りを幅広く行っている「じゃんぱら」は、メーカーや機種別の買取価格検索にも対応しており、安心して依頼することができる。もちろん業者側での完全データ消去にも対応している。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
パソコンメーカー、不用品回収業者では
処分希望の場合、各メーカーでもパソコンの回収を行っているが、リサイクルマークがついていないものは3000円から5000円の処分費用を請求されてしまう。また、メーカー側は個人情報保護の責任を負うことになっていないため、データ消去は自分で行う必要があり、データ消去と本体の処分を同時に希望している人には向かない。
不用品回収業者では有料での引き取りが多く、データ消去も依頼できない上に費用がかかることになる。無料訪問で行われる不用品回収などは費用は発生しないが、商品がそのまま海外に流れてしまうこともあるため、更にセキュリティ上の危険が増すことになる。
もっとも安全・迅速なデータ消去の方法とは
どの方法でデータ消去を行うことが適しているかは、消去を行いたいパソコンの状態と、消去後の利用目的によって判断することができる。
譲渡、個人販売したい場合
他人に譲渡したい時、フリマアプリ・メルカリやネットオークション・ヤフオクで販売したい時は、自力でデータ消去を行う必要があるので、専用のフリーソフトか有料ソフトを使用することになる。先にも述べた通りこの方法を選択するならば、かなりの時間と多少の費用、それに加えてある程度のパソコンの知識が必要である。
自分でデータが完全消去されていることを確認できるだけの知識がなければ、個人情報の入ったパソコンを見ず知らずの他人に売り渡すことは相当のセキュリティ上のリスクを伴うことになる。
リサイクル、廃棄処分したい場合
特に譲渡・販売の予定がないならば、データ消去と本体の処分は専門知識のある業者に依頼したほうが確実である。なかでも送料無料で宅配買取を行っているリサイクル業者ならば、時間も手間も安全性もオールクリアである。また、そもそもパソコンが壊れていて電源が入らないならば、ソフトを用いたデータ消去は行えないので、自力での処分はあきらめた方が賢明かもしれない。
まとめ
パソコンデータ消去のおすすめのフリーソフト、またその他の消去法についてご紹介した。パソコンは大切な個人データの詰まった機器であることを意識して、無造作に他人に渡すことのないよう、自分の手を離れる時こそ気を付けたいものである。
パソコンに使い慣れた人であればフリーソフトでも良いが、そうでない人は、専門の業者やパソコンメーカーなどに依頼するという選択肢もある。費用や時間・日数などを考慮して自分に合った最適な消去法を見つけ出そう。