毛皮は見た目の豪華さがあるだけではなく、天然素材ゆえの保温性と通気性にも優れている。いわばデザインと実用性を兼ね備えているため、古くから冬物衣料として多くの人に親しまれてきた。ところが近年はより手入れが楽で価格も手ごろ、機能性にも優れている素材の開発などもあり以前のように毛皮を楽しむ機会は少なくなってきている。
ずっと昔に購入した毛皮を処分したいと考えている人もいるかもしれない。ここでは高級毛皮ブランド、アメリカンウルトラの買取相場などについてまとめたので売却予定の人は参考にしてほしい。
Fur Beaver Coat / HousingWorksPhotos
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
ミンクの毛皮の特徴
ミンクは毛皮としての知名度は非常に高いがどのような動物かというのは、意外と知られていないのではないだろうか。イタチ科の哺乳動物がミンクである。別名アメリカンミンクと言われるように、原産地はアメリカの北部だ。
体長は30cm~50cmと非常に小さく、毛の色は基本的には暗褐色やグレー色をしている。一度の出産で10頭近くもの子供を産み、繁殖が容易であるため現在では毛皮用に養殖生産されている。養殖されたものは本来の暗褐色やグレー色だけではなく、極淡いグレー色や乳白色、黒色など毛色のバリエーションが多い。サファイア、バイオレット、プラチナ、パステルなどミンク毛皮特有の色の呼び名もついている。
毛皮として使用されたときの印象や毛質は、オスとメスでは異なる。ミンクのオスはメスよりも身体が大きくボリュームがあり、華やかさを演出できるため、ショールやマフラーなどの装飾品に使用されることが多い。メスはオスよりも身体が小さい分一頭から得られる毛量も少なくなってしまうが、軽く非常に滑らかな毛質であるため、主にコートやジャケットなど婦人用のアウター製品に用いられる。
ミンクの中でも特に高級な製品となると、表側にオス、肌に触れる裏側にメスと使い分けられていることもある。オスかメスいずれのミンク毛皮であっても、刺し毛部分はしなやかで柔らかく光沢に優れていることが特徴である。また、綿毛は密集していて保温性がある。そして薄く軽量でありながら縫製にも耐えられる丈夫さがあることも、毛皮として多く使用されてきた理由である。
アメリカンウルトラとは
ミンク毛皮と一口に言っても、生産している会社やブランドはいろいろとある。基本的にはミンクを養殖している国がそれぞれ団体を組織し、独自のブランドを作った上で流通させる形となっている。アメリカンウルトラもそうしたブランドの一つで、アメリカを産地とした養殖ミンクの登録商標の総称を指している。
アメリカはそもそもミンクの原産地なので、ミンク毛皮の品質や価値にも高い評価がついているが、アメリカンウルトラはその中でも最高級に分類されるブランドである。星の数で毛皮に独自のランク付けをしており、最高ランクは星5つだ。以降に星4つ、3つと続く。
前述したように養殖のミンク毛皮は本来のグレー色や暗褐色だけではなく、色のバリエーションが豊富だ。アメリカンウルトラの場合だと黒色や茶色のものが、通称ブラックやマホガニーなどと呼ばれて、他の色味よりも価値が高く人気もある。
アメリカンウルトラ買取相場
アメリカンウルトラのミンク製品は、どのくらいの価格で買い取ってもらえるのだろうか。以下より、いくつか買取例を紹介していく。まず、アメリカンウルトラのミンクショートコートで5つ星の製品には、買取業者で65,000円弱という価格がついている。これは、未使用品のケースである。
オークションサイトでは、アメリカンウルトラ5つ星のミンクコートが105,000円程度、同じく5つ星でアメリカンウルトラのミンクのロングコートは、130,000円弱で売買が成立している。
これらのことより、アメリカンウルトラのミンク製品は、状態がよほど悪いものではない限り、ショート丈コートは70,000円前後、ロング丈のコートは大体100,000円前後というのが買取相場と言えそうだ。ちなみに、価格はいずれも2019年4月時点でのものである。
もともと非常に高額で希少なアメリカンウルトラの製品はそれほど頻繁に中古市場に出回るわけではないので、もし保有しているのであれば売却すると結構な高値がつくことが期待できるだろう。
アメリカンウルトラ高額売却のコツ
アメリカンウルトラのミンク製品をより高値で売るためのコツを、以下より紹介していく。
買取業者は複数あたるようにする
複数の買取業者の査定額を比較することが、高値で売却するためのポイントだ。お店によって在庫状況や客層なども違うため、買取額にはやはり差が出る。また、独自の販売網を確保しているお店は需要が見込めるため、他の業者よりも高く買い取ってもらえることが多い。
そういった意味でおすすめなのは毛皮専門店である。専門店であれば鑑定士の知識や経験が豊富なので、製品を適正に評価してもらえるだろう。さらに毛皮を購入したいという人はまず、毛皮専門店を訪れることが多い。つまり需要があるため、高額査定が出やすいのだ。
ただし、特に毛皮の専門店と銘打っていなくても、毛皮の買取に力を入れている業者もある。例えば、ブランド品買取業者のおたからやも、その一つである。こうした業者をいくつか利用して鑑定額を比較すると、高値売却が狙いやすいだろう。
近くに毛皮専門店やおたからやなどがないという人もいるかもしれないが、最近はお店を直接訪れなくても買取査定をしてもらえる。出張買取や宅配買取サービスを利用すれば、家に居ながらにして遠方の業者にも査定を依頼できるのだ。近所にお店がないからと諦める前に、このようなサービスも使ってみよう。
個人売買を利用する
オークションサイトやフリマアプリなどの個人売買サイトを利用してみるのも高値売却には有効だ。代表的なものとしてヤフオクやメルカリなどが挙げられる。こうしたサイトは利用者も多いため、潜在的な購入希望者の目に留まる確率が高く需給がマッチすれば、買取業者での相場よりも高値がつくことも期待できる。
自分自身で相手とやり取りする必要がある、売買が成立するまでに時間がかかることがあるなどの注意点もあるが、特に売却を急いでいるのではない限り、出品してみる価値はあるだろう。
売りどきを把握する
売るタイミングを把握するということも、重要なポイントである。毛皮は冬物衣料のため、基本的にはシーズン到来前の秋に需要が増えて価格も高くなる。逆にシーズンが終わってからだと、需要は減る。鑑定額も若干低めになる傾向があるので、覚えておくと良いだろう。
海外などにも販売網を持っている業者だと、シーズン関係なく需要が望めるケースもある。シーズンによる需要の変動が価格にどの程度影響するのかについては、査定に出した際に鑑定士に直接聞いてみるのが確かだろう。しっかりとした業者であれば、質問にも丁寧に答えてくれるはずだ。
保管と手入れ方法
毛皮を良い状態に保つということも、高値売却の大前提である。生きた素材である毛皮は、着用後のお手入れと保管方法が非常に重要だ。方法が間違っていると毛抜けや色あせにつながり、せっかくの高級なアメリカンウルトラが台無しということにもなりかねない。
まず、着用後のお手入れである。帰宅したらすぐに軽く振ってから、ハンガーにかけて風通しの良いところに干しておこう。毛皮の大敵であるホコリと汗などによる湿気を取り除くのが目的だ。このとき、よく乾くからといって日の光のあたる所に干すと、皮の硬化や変色、毛抜けにつながってしまうので厳禁である。
もし雨に濡れた場合は毛並みに沿ってタオルで拭き、水分を取ってからハンガーにかけて自然乾燥する。ジュースやコーヒーなどをこぼしたときにも、濡らして固く絞ったタオルなどで優しく拭き取るようにしよう。
毛並みを整えるときには、軽くブラッシングするのが良い。ホコリも落ちるため一石二鳥である。保管するときは型崩れを防ぐために、肩に合った太めの木製ハンガーにかけるようにしよう。
また、他の洋服とは必ず間隔を空けて毛がつぶれないようにしよう。天然素材の毛皮は、虫やカビの大好物でもあるので、防虫剤も使用した方が良いだろう。ただし使うのは一種類だけにして、薬剤同士が化学反応を起こし毛皮が変色してしまうのを防ごう。
アメリカンウルトラを売るときの注意点
アメリカンウルトラを売るときには偽物を売らないように気をつけなければならない。アメリカンウルトラの製品はタグ部分にAMERICAN ULTRAの表記があり、その下に独自の毛皮ランクである星が描かれている。つまり、星5つの商品であれば星が5つ、星4つであれば4つの星が並んでいるという具合だ。
通常であればこのタグが本物の証となるが、高級品であるアメリカンウルトラは残念ながらタグだけ本物に付け替えた偽物商品も、数多く出回っている。タグだけでは確かな判断はできないので信頼できるお店で、できる限り現物を見てもらい売却しよう。また、アメリカンウルトラの商品にフェイクファーが使われていることは基本的にはないことも覚えておいてほしい。
フェイクファーとリアルファーの見分け方はどうするのかと言うと、毛の先端が自然と細く尖っているのはリアルファーである。フェイクファーは根本から先端までが同じ太さで、先端が断ち切られたようになっている。
また、一房の毛をつまんで根本から先端まで手を滑らせたときにスルスルとスムーズに滑るものはリアルファーである。フェイクファーであれば、滑らかではなく引っ掛かりを感じる。参考にすると良いだろう。
まとめ
アメリカンウルトラは、星の数で毛皮に独自のランク付けをしていることが大きな特徴である。この星の数のよって毛皮の大体の価値がわかるが、星の数が少ないからといって売却を諦めてはもったいない。保管状態が良ければ、星の数が多いがあまり状態が良くない毛皮よりも高い金額で取引できることもある。
買取業者に査定を依頼する際は、必ず複数の買取業者で相見積もりをとるようにしてほしい。また、買取業者のホームページをチェックして、キャンペーンやイベントをおこなっているところがないか確認することも大切だ。より良い売りどきを逃さないように、後悔しない取引を実現できるようにしよう。