シャトー・ラフィット・ロートシルトはフランスのボルドー地方にあるシャトー(フランス語で城、ボルドー地方ではワイン醸造所を指す)の名称、および同シャトーが生産する赤ワインの名称である。世界中のワイン愛好家から世界最高峰の赤ワインと認められ、当たり年のワインは数十万円という高額で取引されることも少なくない。今回はそのなかでも1989年についてワインの特徴や買取業者、買取価格などを紹介しよう。
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ロートシルト1989年の特徴
1989年のフランスは、気温が30度以上になった日数が24日間という記録的な猛暑の年だった。このような年はブドウが早く熟成して水分量が低くなる分、ブドウの糖度が高まるのでワインの出来が良くなることが多い。幸い8月後半からは天気も落ち着き、ブドウの収穫量は過去最大の年になった。
収穫量だけでなくブドウの品質も極めて良かったため、ワインも良質のものがたくさん生産された。1989年はフランスワインやシャンパンだけでなく、ドイツ、イタリアワインも高く評価されている。こうしてできたシャトー・ラフィット・ロートシルト1989年は、1980年代~90年代のシャトー・ラフィット・ロートシルトのなかでも秀逸な年のワインとして市場でも高値で売買されている。
味わいはタンニン(ワインの渋みの主成分。ワインの風味を作り出すポリフェノールと結合しやすい)がかなり強く、芳醇で男性的。タンニンの質が悪いと荒々しく粗野なワインになりがちだが、1989年の場合はラフィットの特徴であるエレガントさがあり、その複雑な風味から評価がほとんど不可能なワインと評されたこともある。
ワインの評価基準として著名なパーカーポイント(アメリカのワイン評論家・ロバート・パーカー氏が始めた採点方法でPPと略されることが多い。ワインを色や外見、香り、味わい、熟成での将来性などから100点満点で採点)では、90点+を獲得。パーカー氏が出版したワイン評価誌Wine Advocateのボルドー第4版では鼻の中にオークの新樽の香りが漂い、フィニッシュはスパイシー。
ラフィットらしい、控えめでエレガントな味わい と評されている。評価ランクは100点~96点で格別、95点~90点で傑出、とされているので、1989年はまさに傑出したヴィンテージワインといえるだろう。
ロートシルトの歴史
ボルドー地方では中世のころからワインの生産がおこなわれ、イギリスなどのヨーロッパ各国に輸出されていた。シャトー・ラフィットがフランス全土で有名になったのは意外にもルイ15世の時代である。ルイ15世の愛妾・ポンパドゥール夫人が晩餐会でかならずシャトー・ラフィットを供したことから、それまで人気のあったブルゴーニュワインに代わってボルドーワインが脚光を浴びるようになる。
そしてシャトー・ラフィットは次第に王のワインと呼ばれるようになった。19世紀後半、パリ・ロチルド(ロスチャイルド)家の祖にあたるジャコブ・マイエール・ド・ロチルドが競売に出ていたシャトー・ラフィットを競り落として新たな所有者になると、シャトー・ラフィットはシャトー・ラフィット・ロートシルト(ロートシルトはロスチャイルドのドイツ語読み)と改名された。
第二次大戦によってフランスがドイツ軍によって占領されるとシャトー・ラフィット・ロートシルトはいったん解散させられるが、1945年末にロチルド家が所有権を取り戻し再生事業に着手。その後、一旦は盛り返したものの、1960年代~70年代前半にかけてまた停滞してしまう。しかし1974年にエリック・ド・ロチルドがオーナーになると、ワインの品質の向上のためブドウの選別プロセスから樽の熟成期間まで大幅な見直しがおこなわれた。
改革は成功し、最高の当たり年と呼ばれる1982年を筆頭にパーカーポイントで100点満点がつけられた。1986年、1996年、2003年など数々の秀逸なヴィンテージワインが誕生した。
また1980年代に生産されたシャトー・ラフィット・ロートシルトは2020年~2040年代ぐらいまでが飲み頃とされているので、これらのワインにもう一度注目が集まっている(2019年8月の時点)。長い歴史の中で育まれてきたシャトー・ラフィット・ロートシルトは、長期間にわたって楽しむことができる貴重なワインの一つであると言えるだろう。
買取業者や買取相場
シャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の買取と聞いてまず思いつくのが買取業者に買取を依頼する方法だろう。買取業者数社と各社が公表している買取価格を紹介する。
大黒屋
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は全国に210店舗以上ある大手の買取業者で、シャトー・ラフィット・ロートシルトをはじめとするボルドーワインの買取も積極的におこなっている。1989年の買取価格は2019年8月1日の時点では51,000円である。参考までに、シャトー・ラフィット・ロートシルト最高の当たり年とされている1982年の買取価格は195,000円、1989年と同じ猛暑の年2003年の買取価格は72,000円である。
スパナ
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
スパナは東京都新宿区に本社がある酒類専門の買取・販売業者で、ワインをはじめブランデーやウイスキーといった洋酒や管理の難しさから一般の買取業者があまり買い取らない日本酒まで幅広いジャンルの酒類を買い取っている。1989年の買取価格は公表されていないが、猛暑の年2003年の買取価格は50,000円である。
ファイブニーズ
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
ファイブニーズは東京都墨田区に本社がある酒類専門の買取・販売業者で、全国に店舗を展開している(札幌店、仙台店、歌舞伎町店、千葉店、横浜店、名古屋店、大阪心斎橋店、神戸店、広島店、福岡博多店)。元ソムリエや元ワインインポーターなど、酒類の専門家が丁寧に査定し適正価格をつけているので、場合によってはネットオークションに出品するより高額な値段がつくこともある。
1989年の買取価格は公表されていない。しかしシャトー・ラフィット・ロートシルトの平均買取価格は57,500円と公式サイトに記載されている。
ワイン買取コンシェルジュ
買取価格
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対策
ワイン買取コンシェルジュは東京都墨田区にある酒類のなかでもワインの買取に特化した買取・販売業者だ(錦糸町本店ほか、仙台店、歌舞伎町店、横浜店、名古屋店、大阪心斎橋店、博多店)。ソムリエ資格保有者をはじめワインのプロフェッショナルが適正な査定をおこない、かつ海外販路や多数の飲食店とのパイプがあるので高額買取につながりやすい。買取価格は公表されていないが、公式サイトの買取リストにシャトー・ラフィット・ロートシルトが掲載されている。
ネオプライス
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ネオプライスは大阪に本社がある買取・販売業者である。社内に酒類の買取専門部署があり、専属の鑑定士が査定をおこなっているので買取価格が高額になりやすい。1989年の買取価格は公表されていないが、最高の当たり年1982年の買取価格は280,000円、猛暑の年2003年の買取価格は60,000円と公式サイトに記載されている。
買取業者のメリットとデメリット
買取業者、特に酒類専門または酒類の買取に積極的な業者について紹介したが、買取業者に買取を依頼する場合にはメリット、デメリットの両方が存在する。それぞれみていこう。
買取業者を利用するメリット
買取業者に買取を依頼する最大のメリットは梱包などの手間がかからないことだ。店頭買取や出張買取の場合、商品を持ち込んだり自宅に来てもらったりするだけで買取が完了する。遠方でも多くの買取業者では宅配キットに商品を詰めて配送するだけの宅配買取(配送料無料)をおこなっているので便利である。酒類専門の買取業者であれば鑑定士やソムリエといったプロが査定するので安心して取引をおこなうことができるのもメリットの一つだ。
買取業者を利用するデメリット
買取業者を利用した場合、フリマに出品するよりも価格が安くなりやすいことがデメリットだ。買取価格が適正な分、ネットオークションのように価格が高騰するといったこともあまりない。また、酒類専門または酒類の買取を積極的におこなっている買取業者ではない場合、買取価格が半額以下になることもあるので注意が必要だ。
フリマに出品した場合の買取相場
シャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の買取方法としてはネットオークションやフリマに出品するという方法もある。これらを利用した場合の買取相場を紹介する。
ヤフオク
ヤフオクにおけるシャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の買取相場は、2019年4月~7月15日までの時点で1本(700ミリリットル)あたり56,555~70,000円だった。買取相場を調べるにあたって対象にした件数は6件で、平均落札価格は66,450円である。
いずれも未開栓だが、最高価格の70,000円のものは新品でラベルやキャップの状態が良かった。最低価格の56,555円は新古品でキャップ部分の色がかなりはがれているという違いがあった。
メルカリ
フリマアプリを利用した場合のシャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の買取価格について、ダウンロード数が多いメルカリで調査をおこなったが、検索できる期間内での出品数はゼロだった。参考としてパーカーポイントが92点だった1997年は61,280円、98点という高得点を出した1998年は73,000円、猛暑の年2003年(PP100点)は75,000円で売買が成立していた。
フリマのメリットとデメリット
ネットオークションやフリマに出品した場合でも、買取業者に買取を依頼するのと同じくメリットやデメリットがある。
ネットオークションやフリマを利用するメリット
ヤフオクなどネットオークションに出品する場合、シャトー・ラフィット・ロートシルトのような人気が高い商品であれば入札者が殺到するので値段が高騰するというメリットがある。ただし、ラベルやキャップの状態によって値段が大きく異なるので、出品を予定しているならきれいな状態のまま保管するように心がけよう。
逆にラベルやキャップの状態が悪くて買取業者で買い取られなかった商品でも、場合によっては落札者が出る可能性がある。メルカリなどのフリマアプリに出品する場合には、価格を自分で自由に設定できるので、あえて高い値段をつけてみるという手もある。
ネットオークションやフリマを利用するデメリット
ネットオークションやフリマの場合、取引成立した際に商品代金の10%程度の販売手数料がかかることがデメリットだ。たとえばヤフオクのシャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の平均落札価格66,450円で落札されたのであれば6,645円の販売手数料がかかることになり、差し引き59,805円が入金される。
さらに配送する際は、エアークッションなどの緩衝材を入れてワインを保護しなければならないが、ワイン用の緩衝材は物にもよるがかなり高価である。場合によっては買取業者に買取を依頼した方が手取りが高かったということもあるので、この点に注意すべきだろう。
高額買取してもらうためには
シャトー・ラフィット・ロートシルト1989年をはじめワインを高額で買取してもらうためには、まず外見がきれいなことが絶対条件だ。ラベルやキャップの色が剥がれていたり、瓶に汚れや埃がついていたりするとどうしても減額されてしまう。ワインセラーで大事に保管し、買取前には一度瓶を磨いてきれいにしておこう。
また、ワインは直射日光を当てたり高温(または低温)の場所に置いておいたりすると、品質がたちまち劣化する。一般の家庭ではワインを長期間にわたって保管するのはなかなか難しいので、飲む予定がなければ早めに買取に出すのも一つの方法だ。
まとめ
Wine Advocateのボルドー第4版によるとシャトー・ラフィット・ロートシルト1989年の飲み頃は2025年ぐらいまでとされており、買取業者も買取に力をいれている(2019年8月の時点)。ワインは本来、飲んで楽しむものだが、飲む予定がなければ早めに買取に出すことをおすすめする。買取価格を一括で比較できる買取査定無料サイトもあるので利用してみるといいだろう。