ファッションに興味がある人はセレクトショップを利用したことはあるだろう。興味がない人も聞いたことはあるかもしれない。ファッションが好きな人にありがちな悩みに、洋服やバッグ、靴などがどんどん溜まってしまうことが挙げられる。
同じようなものを買ってしまったり、着用せずにしまいっぱなし、ということもあるだろう。そんな時は売ってしまうのが良策だ。最近は古着買取や中古市場が拡大しており、セレクトショップの古着は高値がつく場合が多いのだ。
そこでセレクトショップの古着の買取相場や売買相場について紹介しよう。
Tokyo : 12 Mar 2012 / chinnian
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セレクトショップにはどんなブランドがあるか
セレクトショップとはオリジナルブランド以外に、国内外のブランドの商品を扱う店舗のことである。その店舗独自のコンセプトのもと、ブランドや商品を選んで販売している。複数のブランドが販売されるため、ブランドのオーナーやバイヤーのセンスが店舗の売り上げや雰囲気作りに重要となってくる。有名ブランドだけでなく、まだ新しいブランド、これから活躍するであろうデザイナーの商品など、他の人とかぶらない品物をいち早く手に入れることができる。そのため、おしゃれな人や業界の人はセレクトショップを利用することが多い。
とはいえ、日本ではブランドにとらわれない販売形態のショップがほとんどである。違いは取り扱う商品の価格帯、コンセプトである。そこで特に人気のあるセレクトショップをいくつか挙げてみよう。
トラッドが得意なSHIPS
1975年創業で、銀座に1号店がオープンした。現在はキッズラインの取り扱いもあるが、大人向けの商品がメインとなっている。後にも触れるがBEAMSやUNITED ARROWSと共に三大セレクトショップとも呼ばれる。他の2ショップと比べると顧客の年齢層はやや高めとなっている。
セレクトショップというと流行りを取り入れた商品が多いが、SHIPSはどちらかというと流行りは抑えめでトラディショナルなイメージが強い。メンズはスーツやジャケットの取り扱いも多く、長年愛用している人も多い。他のセレクトショップがオリジナルブランドに力をいれている中で、SHIPSは依然としてインポートの取り扱いが多いのも特徴だ。特に靴やジャケット類は海外ブランド、とりわけマイナーなブランドが揃っている。ブランドのネームバリューよりも品物そのもののデザインや価値を重視している人にはぴったりなショップだろう。
カジュアルからフォーマルまで揃うBEAMS
1976年創業のBEAMSは原宿が始まりである。約6坪の店内にはアメリカの大学生をイメージしたTシャツ、チノパンなどが並び、ほかにも雑貨が充実していた。ちなみにこの1号店の店長は現在UNITED ARROWSの社長を務めている。
BEAMSはそのレーベルの多さが特徴で、BEAMS F、BEAMS BOY、BEAMS LIGHTSなど多数派生している。BEAMSはアパレルに限らず、家具や生活用品、アウトドア、音楽など文化を作るブランドとして、様々なライフスタイルを提案している。
カジュアルなイメージが強く、価格帯もセレクトショップの中ではリーズナブルなこともあり、比較的若年層に支持されるショップである。
国内外のブランドを多く扱うUNITED ARROWS
最後にUNITED ARROWSだが、前述の通りBEAMS1号店の店長を中心としたメンバーが離脱し作ったブランドショップである。大手のワールドの支援を受け立ち上げられたが、セレクトショップでは唯一東証一部上場企業となり、アパレル業界では売上高でも上位に位置する。BEAMS同様多くのレーベルを所有しており、それぞれにコンセプトが異なる。
UNITED ARROWSは上質な素材、伝統と革新性を持ったデザインが特徴的なドレッシーなレーベルで、ジャケット、ドレスなどフォーマルなラインである。一方、beauty&youthは精神的な美しさ、永続的な若さがコンセプトとなっている。程よく流行を取り入れ、自由な着こなしを提案しているレーベルである。価格帯も比較的安価で20~30代に絶大な人気がある。green label relaxingはシンプルなデザインが多く価格帯もリーズナブルで、キッズラインがあるためファミリー層に人気が高い。このようにそれぞれのレーベルでターゲットとする客層が明確なのもUNITED ARROWSの特徴だろう。
セレクトショップブランドの中古での売買相場
セレクトショップの洋服は定価が高いため、ブランドやアイテムによっては元値と同じくらいで売れる場合もある。特に先程挙げたショップは人気も高く、定価では手が出せない層や、安くブランドを手にしたい人に需要が高い。中古市場には様々なものがあるが、利用者が多く一般的になっているのはフリマアプリ、買取業者、オークションの3つだろう。それぞれで古着を売買する時の相場は以下のようになっている。
できるだけ高く売るならメルカリ
メルカリはフリマアプリで、出品者と購入者が直にやり取りし値段交渉できるのがメリットである。出品者の多くはブランドや定価から販売価格を決めていることが多い。前述したセレクトショップの古着がいくらで売買されているかというと、アイテムや性別によって差が出てくる。
SHIPSの商品では流行り廃りがないデザインが多いため、購入時期関係なく比較的相場は高めである。レディースとメンズで相場にやや差がある。
レディース古着の相場はトップス類は1,500円~8,000円、ボトムスは2,000円~5,000円となり、メンズではトップス類2,000円~5,000円でボトムスの売買はあまり見られない。しかしメンズではジャケットやネクタイ、靴の売買が多く、ジャケットは5,000円前後、ネクタイは2,000円前後、靴は7,000円前後が相場となっている。
BEAMSのなかでは代名詞とも言えるTシャツやチノパン、ニットの出品が多く見られる。相場はTシャツやシャツは状態によるが2,000円~5,000円、コラボものや限定ものなどはもっと高い金額で売買されている。チノパンは3,000円前後の相場で、状態の良いものやインポートなどは7,000円~9,000円で売買されている。ニットはメンズよりもレディースの方が多く、相場は4,000円前後となる。ニットは材質に左右されるため、アクリルやコットンは安く、ウールやカシミヤは高い値段がついている。毛玉や虫食いの有無も値段に影響している。
BEAMSは元がそこまで高くないため、メルカリにおいてもセレクトショップではあるが比較的安価な相場となっているようだ。
UNITED ARROWSではbeauty&youth、green label relaxingの商品の売買が目立つ。ネームバリューがあるのでストールやベルト、靴などの小物からキーホルダーや食器などまで様々な商品が取引されている。
古着の相場はBEAMS同様レーベルによって差が大きい。beauty&youthのトップスは2,000円~5,000円、ボトムスは3,000円前後、アウターは5,000円~10,000円の相場となっている。一方green label relaxingはトップスは1,000円~3,000円、ボトムスは2,000~4,000円、アウターは3,000円~6,000円が相場となり比較的安価である。
古着買取業者の相場
次に古着買取業者の相場だが、多くの業者でこれらのセレクトショップのアイテムは人気があり高額買取している。
SHIPSは使用頻度が少なければ定価の2~3割、使用感があれば1~2割の相場である。購入して間もないものや未使用品などはもっと高額な買取価格がつく。平均するとニットやカーディガンは約2,000円、アウターは3,000円~5,000円、セットアップスーツは5,000円~8,000円ほどの相場となっている。
BEAMSは量産型のTシャツやチノパン、ニットなどは比較的安く、数百円~2,000円ほどの買取相場となっている。しかしコラボものや数量限定などの場合は高値で買取されている。ダウンジャケットやレザーアイテム、腕時計は高額買取されていることも多く、数万円の値がつくものもある。
UNITED ARROWSの商品は総じて人気が高いため、買取相場も比較的高く安定している。コートやジャケット、ワンピース、靴は特に需要が高く、相場も高めである。アウター類の相場は5,000円~15,000円、ワンピースは3,000円前後、靴は3,000円~6,000円の相場となっている。もちろん状態の良し悪しや販売時期によっても相場は変動する。
オークション大手のヤフオクでの相場
ヤフオクではオークション形式と定額出品があるが、相場はどちらもあまり差がない。また、ショップによる落札相場の差もあまり見られない。
SHIPSは約5,000点出品されており、平均相場は2,800円となる。アウターや靴、スーツは高値で落札されていることが多い。
BEAMSではオリジナルよりもコラボものやインポートの高額落札が目立つ。約25,000点出品されており、平均落札額は7,000円となっている。相場が高いのはある特定の商品に約760,000円の落札額がついているからで、それを除くと約2,500円の落札相場となる。
UNITED ARROWSは約20,000点出品されており、平均相場は約3,200円である。とはいえ、アウターやインポートのニット、バッグなどは高額落札されているものもあり、オリジナルだけではもう少し低い落札相場となるだろう。
売買時のポイント
愛用してきたものや手離しがたいものなど少しでも高く売りたい、と思う人は多いだろう。相場よりも高く売るためには各市場によってポイントがある。
メルカリは写真が命
メルカリではいかに写真を綺麗に撮るか、魅力的に写すかが売買の値段に大きく関わるようだ。サイトの画像や着用している画像がトップにきているものは目を引きやすく、総じて高値で売買されているのが見受けられる。実物の写真を撮るなら背景や光の加減に気を付けるのがポイントだ。
買取業者はタイミングを見極める
買取業者では購入時期や状態、シーズンによって買取価格に変動がある。そのため、高く売りたいならできるだけ早めに、そして季節を見越して売るアイテムを選ぶべきだろう。真夏にコートやマフラーなどは売れないため買取価格は安くなる。しかし秋頃になると冬支度を始める人の需要があるため、高値で買い取ってくれるのだ。同じ理由でTシャツやリネン素材の洋服などは春先に売る方が高く売れる。
ヤフオクは終了時を週末に合わせる
オークションは入札が増えればそれだけ値段も上がる。多くの人は土日が休みなので、オークションをチェックする人も増える。見る人が増えるということはそれだけ入札してもらえる確率も上がるため、落札額が上がる可能性があるのだ。