毛皮ブームのときに買って当時は重宝していたものの流行が過ぎ去ってからは着る機会がなくなり、クローゼットの奥で眠らせているセーブルのコートはないだろうか。決して安くはない代物だけに、捨てるにはかなりの勇気を要することだろう。
そんな高級品の毛皮のコートを持てあましているのであれば、需要があるうちに売って現金化するのが得策だ。この記事ではセーブルのコートの買取相場や査定時に役立つ情報などを紹介しよう。
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セーブルの毛皮が珍重される理由
毛皮の王様とも称されるセーブルの毛皮は、新品のコートが数百万円で販売されることも珍しくない。ここではセーブルの毛皮が珍重されている理由について詳しくみていこう。
セーブルの毛皮の特徴
セーブルはイタチ科の動物で日本ではクロテンと呼ばれることもある。主にロシアやカナダなどの寒い地域に生息しており、黄褐色から黒褐色までと毛色はさまざまだ。
セーブルの毛はやや長めでシルクのように柔らかく、抜群の保温性を誇っている。そして上質な光沢をまとっていて非常に軽い。セーブルは毛皮の中で最も高級な素材の一つとされ、富裕層を中心に古くから親しまれてきた。セーブルのコートは気軽には購入しづらい高額商品ではあるが、耐久性に優れているため、きちんと手入れをしていけば長く愛用できるものだ。
セーブルの種類
セーブルと一口に言ってもその種類によって毛色や肌触りは大きく異なる。カナダや北米を中心に生息しているカナディアンセーブルや、ロシアに生息しているロシアンセーブルが代表的である。ロシアンセーブルはセーブルの中でも特に価値が高く、最高級品として取り扱われている。
セーブルの毛皮は養殖か野生かによってもその価値が変わってくる。養殖されたセーブルの毛皮は濃い茶色が多いのに対し、野生のセーブルの毛皮は色が豊富に存在するのが特徴だ。野生のセーブルの中でも、シルバータイプという白い毛が入り混じったものは1千万円以上の金額で取引されることもあるほど希少価値が高い。
セーブルの毛皮は手に入りにくい
極寒のロシアでは動物の毛皮を衣料品に用いることは古くからおこなわれていたそうだ。ただしフォックスやウサギなどの毛皮が一般的で、捕獲量の少ないセーブルの毛皮はその品質の良さからも高級素材として扱われてきた。
日本で毛皮製品が注目を集めたのは、いわゆるバブルの頃で防寒目的というよりは高級感のあるファッションとして広まっていった。その頃の日本でもセーブルの毛皮は手に入りにくい高級品であったが、現代では野生のセーブルが減少しているためさらに希少価値が高くなっている。
現在流通しているセーブルの毛皮は、養殖ものがほとんどだ。そのため野生のセーブルの毛皮製品は特に、中古品でも高値で取引される傾向にある。
セーブルのコートの買取相場
そもそもの流通量が少ないセーブルの毛皮は高価買取が期待できる商品である。ただし、毛皮の状態の良し悪しやクオリティ、コートのデザインによっても査定価格は変わる。ここでは一般的に美品と呼ばれる二次販売が可能な状態のセーブルのコートを対象にその買取相場をまとめた。
コートの長さによって買取価格は変わる
まったく同じ品質のセーブルの毛皮を使用していても、コートに使われている範囲が大きければ大きいほど価格は上昇するのが一般的だ。コートを長さ別に区分すると、ショート・ハーフ・ロングの大きく3タイプになる。
ショートコートは腰までの長さ(50cm~70cm程度)のデザインで、若年層を中心に人気が高い。ハーフコートはヒップが隠れるくらいの長さ(70cm~90cm程度)で、幅広いファッションに合わせやすいため万人に受け入れられやすいといえる。ロングコートは膝が隠れるくらいの長さ(90cm~110cm程度)で、3タイプの中では毛皮の使用量が最も多いことから買取相場は単純に高くなる。
ブランド品は価値が倍増する
最高品質の証として知られるSOBOL(ソボル)のタグがあるロシアンセーブルは、通常のセーブルに比べて高値で取引されている。SOBOLの皮製品は、国内外を問わず多くの人々を魅了し続けており、中古市場でも非常にニーズが高い。自宅に眠っていたセーブルのコートにSOBOLのタグがついているのであれば、高価買取される可能性が大いにある。
そしてEMBA(エンバ)も愛好家が多い毛皮ブランドの一つである。EMBAはセーブル以外の毛皮も取り扱っており、上質な毛皮を販売することで広く知られている。中古市場でも取引実績は多く、相場は比較的安定しているようだ。
セーブルの毛皮コートの買取実績
セーブルのコートの買取相場はデザインやクオリティによっても異なるため一概には言えないが、10万円~30万円前後が目安となる。中古品でも10万円を超える金額で買取されていることから、セーブルの毛皮がいかに価値が高いのか伺い知れるだろう。
ある買取業者では、以下のような価格でセーブルのコートが買取されていた。やはりSOBOLやEMBAは高値がつくようだ。
- ・カナディアンセーブルハーフコート:8万円
- ・セーブルロングコート:10万円
- ・SOBOLロシアンセーブルハーフコート:16万円
- ・SOBOLロシアンセーブルロングコート:26万円
- ・EMBAロシアンセーブル:23万円
セーブルの高価買取のポイント
希少価値の高いセーブルのコートを少しでも高い金額で買い取ってもらうためには、どのような点に注意すると良いのだろうか。ここでは高価査定のポイントをまとめた。
保証書や付属品をつける
先にも説明したが、セーブルの品質を証明できるブランドタグがついている毛皮のコートは高価買取されやすい。査定の際には、SOBOLやEMBAなどのブランドタグは必ずつけて出すようにしよう。
たとえそのコートが高品質なブランド品であったとしても、それを明確に証明できるものが存在しない場合は鑑定する業者側も判断に迷ってしまう。保証書や付属品がないというだけで減額される可能性もあるため注意が必要なのだ。
まとめて複数の品を売る
買取業者側の手間を考えたら、1点のみ査定依頼されるよりは、複数の品をまとめて査定に出されるほうが効率は良いとされている。宅配買取や出張買取の場合配送料や出張費用がかかるため、複数点まとめて査定することでコスト削減にも繋がるわけだ。
コスト削減できた分の金額を、査定額アップというサービスで還元してくれる買取業者も実際に存在する。ショールやストールなどセーブルの小物類も需要は高いので、コートと合わせて査定に出すと良いだろう。
保管状態
査定時に必ずチェックされるのが毛皮の状態である。鑑定員は毛皮の表面を触ったり毛並みを確認したりしながら、劣化の度合いもチェックしている。劣化した毛皮は毛が抜けたり硬くなったりしているため、価値が大きく下がってしまう。
また、臭いや汚れがついていないかも査定時の重要なポイントとなる。タバコの臭いがついていたり裏地にシミがついていたりすると、マイナス要因とされやすい。陰干しして臭いやホコリを取り除くなどできる限りきれいな状態にして査定に出すようにしよう。
毛皮製品の保管時の注意点
天然の毛皮は非常にデリケートなので毛皮製品の保管には細心の注意を払う必要がある。最高級品といわれるロシアンセーブルのコートでも、手入れを怠っていたり保管状態が悪かったりすると、品質が良くないと判断されて買取価格が大幅に下がりかねない。ここでは毛皮製品を保管する際に注意すべきポイントを紹介する。
白い毛皮は日焼けに気をつける
毛皮の色には茶系や黒っぽいものから白に近い淡い色のものまでさまざまな種類がみられる。なかでも白に近い色の毛皮は、日焼けをしないように注意すべきだろう。
万が一日焼けをしてしまったら見た目の美しさが大きく損われてしまうため、査定時の減額対象になりかねない。白い毛皮に限らず毛皮製品を保管するときは、日の光が直接あたらない場所に保管するようにしよう。
毛皮にはカビが生えやすい
毛皮は湿気に弱く、カビが生えやすいという特徴も持っている。一度カビが生えてしまった毛皮は残念ながら修復できないケースがほとんどだ。また、毛皮にカビが生えてしまったことで、異臭を放つようになることも少なくない。中古品でも数十万円の値がつくこともあるセーブルのコートを、みすみす無駄にしてしまわないためにも湿気のない風通しの良い場所を選んで保管するようにしよう。
経年変化でも毛皮は劣化する
毛皮製品には、言うまでもないが動物の毛皮が使われている。どんなに保管状態に気をつけていたとしても、年数が経過するにつれてある程度劣化してしまうことは避けられない。したがって今後も着用する予定がないのであれば、少しでも状態の良いうちに査定に出して現金にしよう。
また毛皮の状態が良くないからといって、売るのを諦めるのは早計ともいえる。買取業者によっては傷んだ毛皮をリフォームしてから販売するところもある。そのまま販売するのは困難な状態の毛皮のコートでも、リフォームによって新たな価値が生まれるのだ。
まとめ
まったく同じセーブルのコートを査定してもらったとしても、それを鑑定する業者によって査定額はまちまちである。各業者ごとに買取基準が異なるからだ。
買い取ったセーブルのコートを二次販売するルートの違いも査定額には影響する。日本国内にのみ販売ルートを持つ業者と、世界中に販売ルートを持っている業者であれば、後者のほうが買取価格を高めに設定できることは明らかだろう。たいていの買取業者ではウェブサイトで無料見積もりをおこなっているので、複数の業者に見積もりを出してもらい、一番高い査定額を提示したところに買取を依頼しよう。