ネットオークションで自動車を売買する人が増えており、代表的な存在がYahoo!オークションだ。ヤフオクは個人同士の直接取引であるため、業者による中間マージンが発生しないという特徴がある。「高く売る」「安く買う」ことの両立が可能になるわけだが、実態はどうなのだろうか。
この記事では、ヤフオクでの外車・スポーツカーの落札相場情報を紹介していく。外車・スポーツカーをお得に売買したいという人は、ぜひ参考にしてほしい。
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取引の多い外車は
ヤフオクでは、非常に多くの外車が取引されている。なかでも圧倒的に多いのがドイツ車である。2018年10月現在の出品数のトップはメルセデス・ベンツとBMWで、それぞれ約1,400件である。これは国産のレクサスよりも多いことを考えると、いかにドイツ車が人気であるのかがわかる数字だ。次いで多いのがフォルクスワーゲンの約850件、アウディの約600件で、こちらもやはりドイツ車である。
メルセデス・ベンツ
高級車が多いこともヤフオクの外車取引の特徴だ。メルセデス・ベンツは高級車の代名詞であるが、実際は手頃な価格帯の小型車もラインアップされている。実際、新車の販売ではエントリーモデルのCクラスが主力となっている。
しかし、ヤフオクをみると大型のSクラスやミディアムクラスのEクラスの出品がCクラス並みに多い。ネットオークションというと、安い価格帯の車を気軽に取引するような印象があるが、実際は高額の外車も盛んに出品されているのである。
ヤフオクで何百万円もする取引をするのは心配だという人も少なくない。しかし、逆の見方をすれば、高い車ほど中間マージンのない個人売買が有利ともいえるのだ。良い出品に出会うことができれば、中古車販売店よりも100万円以上安く買うことも可能だからである。
BMW
メルセデス・ベンツと違い、BMWはエントリーモデルの3シリーズがもっとも多く出品されている。5シリーズ、7シリーズと、上級クラスになるにつれて出品数は減少する。そのため、上級モデルをお得に手に入れたいという人には、ヤフオクはよい環境とはいえないかもしれない。
しかし、3シリーズの出品数は300件を超えているため、安いBMWを探している人にとっては、非常に幅広い選択肢が用意されているといえる。
アメリカ車
ドイツ車に次いで出品数が多いのがアメリカ車だ。シボレーが約350件、クライスラーが約200件、フォードが約170件という出品数である。シボレーでもっとも多いのがアストロであることからわかるように、アメ車はSUVが人気である。しかし、あまりにもボディが大きいため、日本の道路事情や車庫事情を考えると手を出しにくいのも事実である。
そのため、ドイツ車に比べるとかなり人気が低くなってしまっている。これはヤフオクに限らず、新車から中古車市場までの全てにいえることだ。その分、中古車の値段はかなり安くなる。国産車並みの予算で外車を楽しみたい人にとっては、逆に好都合ということができる。
出品価格と落札価格の違い
ヤフオクの落札相場を知ろうとする場合、いくらヤフオクの出品価格をみても全く参考にならないので注意が必要だ。ヤフオクに出品されている中古車には、最低落札価格が設定されていることが非常に多いためである。
ヤフオクに慣れていない人や、自動車の以外のカテゴリーしか使ったことのない人が「ベンツが1円スタート」という出品をみて驚いてしまうかもしれないが、実際は最低落札価格が300万円に設定されていたりすることがほとんどである。
そこで、以下の出品者に注意しながら取引をしてほしい。
中古車販売業者
こういったケースの出品者にはいくつかのタイプが存在し、もっとも多いのが中古車販売業者である。特に、独自の販売網を持たない小さな業者が多い。ヤフオクは非常にアクセスが多いため、クリックしてもらうだけで宣伝になるためである。
もちろん、出品されている車が気に入ったのであれば入札しても何の問題もない。ただし、一般の中古車相場とあまりかわらない価格になってしまうことが多く、わざわざヤフオクを利用するメリットはあまりないかもしれない。
個人の出品者
次に多いのは、早急に車を手放す必要のない個人の出品者だ。こういった出品者は、業者などの買取相場などを知っていることが多く、「高く売れるのなら売ってもよい」というスタンスであるのが特徴である。
そのため、最低落札価格が高めに設定されており、いつまでたってもオークションが成立せずに出品され続けている。こういった出品もあまり熱心にフォローする必要はないといえる。
逆に自分が出品する場合は、こういった出品の仕方をしてもうまくいかないため注意が必要である。最低落札価格を高めに設定して長期に渡って出品している案件は、ユーザーに飽きられてしまう可能性が高い。何か問題があるのではないかと疑われてしまうこともあり、いざ本気で売り切ろうと思っても安く買い叩かれてしまう恐れがある。
実際の落札事例をみてみよう
ここでは、実際にヤフオクで売買が成立した案件をみてみよう。
古いモデル
実際にヤフオクで売買が成立した案件をみてみると、古いモデルの取引が非常に多い。やはり高額な最新のモデルとなると、保証がしっかりとした大手やディーラー系の中古車販売店が有利となる。
しかし、新しいモデルの取引も全くないわけではない。特に、安く新しい外車に乗りたいという人にとっては、またとない掘り出し物に遭遇することもある。
例えば2018年9月のメルセデス・ベンツEクラスでは、次のような落札事例がある。「メルセデス・ベンツE300セダン・年式2013年3月・走行距離40,110km」で落札価格が1,980,000円というものだ。2013年式のメルセデス・ベンツEクラスは、中古車相場がおよそ250万円から350万円である。走行距離などを考えると、かなりお得な案件だったといえよう。色も人気のダイアモンドホワイトである。
ネックのある車
唯一のネックが車検なしであるが、機関に問題がなければ別途取得すればよいだけである。こういったちょっとしたネックのある車を安くかえるのがヤフオクの魅力である。出品者が業者なのか個人なのかは不明であるが、個人であったのなら下取りに出すよりもかなり高い値段で売却できたことになる。出品者・落札者の双方にメリットがあるといえる取引である。
価格帯
2018年9月のヤフオク落札相場を調べると、前述の車以外に、メルセデス・ベンツEクラスが立て続けに3台落札されている。注目すべきはその価格帯で、30万円台から50万円台となっているのである。1台目が「メルセデス・ベンツE300ステーションワゴン・年式2007年6月・走行距離81,900 km」で、落札価格が380,000円というものだ。
次が「メルセデス・ベンツE240ステーションワゴン・年式2003年9月・走行距離113,354 km 」で、落札価格が444,445円である。最後が「車種メルセデス・ベンツE320アバンギャルドステーションワゴン・年式2006年11月・走行距離144,126 km」で、落札価格は553,221円であった。
低年式の車は激しく値落ちする
実際の写真を確認しても非常にきれいな外観であり、道を走っていても、まさか30万円台から50万円台の車と思う人はいないだろう。これら3台のEクラスが安いのにはさまざまな理由がある。共通しているのは、どれも10年落ち以上の年式ということである。
メルセデス・ベンツなどの高級外車のユーザーは、新型が出るたびに買い替えることが多い。そのため、低年式で2代も前の型のメルセデス・ベンツともなると、意外なほど激しく値落ちしてしまうのである。
走行距離の数字が大きい車も激安
走行距離の数字が大きいのも激安の理由である。よほど希少価値のある車でない限り、走行距離が10万kmになると過走行として扱われ、査定が非常に低くなってしまうのである。
しかし、3台目の「E320アバンギャルド」は、14万kmを超える走行距離にもかかわらず、もっとも高い落札価格になっている。これは、この車がディーラー整備、記録簿付きだからである。ディーラーできちんと整備をすれば問題なく走れるために、事情を知っている人からはこのように高い値段で落札してもらえるのである。
スポーツカーの落札相場
ヤフオクには、一般の中古車販売店では見つけにくいスポーツカーが出品されていることも多い。スポーツカーの専門店にもないようなレアな車が出品されていることもあり、マニアにとっては非常に魅力的なネットオークションといえる。
2018年10月には、なんと「フェラーリ612スカリエッティ」が落札されている。「フェラーリ612スカリエッティ F1・年式2005年2月・走行距離不明」という内容で、落札価格は6,121,000円であった。
改造車
フェラーリ612は、V12エンジンをフロントに搭載した4人乗りという非常にレアなモデルである。出品された車はマッドブラックのラッピングや社外マフラー、20インチホイールなど非常に多くのカスタマイズがされている。かなりの改造費がかかっているが、改造車はディーラーなどは扱ってもらえないことが多い。買い取ってもらえても、二束三文で買い叩かれてしまう恐れがある。
そのため、ネットオークションに出して車の価値がわかる人に買い取ってもらった方がよいという結論になる。
こういった出品は、購入する側にとっても都合がよい。フェラーリ612の中古車相場は、800万円から1,000万円程度である。ヤフオクであれば、非常に安くフェラーリを手に入れることができるのだ。
特に車のカスタマイズを考えている人にとって、こういった改造車は非常にお得である。自分でカスタムしようとすると、部品代だけでも200万円を超えてしまうからだ。フェラーリに限らず、スポーツカーの出品はこういった事情によるものが多い。興味のある人は、こまめにヤフオクをチェックしておくとよいだろう。
まとめ
このように、ヤフオクを利用すれば外車やスポーツカーを高く売って安く買うということが可能になる。特にメルセデス・ベンツなどの高級外車の主要な落札相場が50万円未満に集中しているため、一度高級外車の雰囲気を味わってみたいという人はぜひヤフオクを利用すべきである。
しかし、ヤフオクは誰でも気軽に利用できるわけではないので注意が必要である。なぜなら、ヤフオクでの自動車売買は自己責任が前提だからである。出品をする場合は自動車の状態を明確に説明する義務があり、引渡した後で不具合が発覚した場合はトラブルになる可能性が高い。
購入する場合も同様だ。自分で納得して購入した以上、保証などがないことを覚悟する必要がある。
たしかにヤフオクは魅力的であるが、自分で車の状態を把握するような知識がない場合は、プロの業者に依頼するのもひとつの方法である。特にガリバーのような大手の車買取業者であれば、かなりの高い査定を期待することができる。まずは気軽に相談してみることをおすすめしたい。