F1開幕戦での戦略や市販ハイブリッド車の登場といったニュースの多いフェラーリは、日本国内で高額査定が期待できるイタリア車の代表とも言える存在である。
メーカー側で消耗品の性能や耐久性を高めている近年では、イタリア車特有の「壊れやすい」というネガティブなイメージも解消されつつある。そのため、慎重派の日本ユーザ達の中にもフェラーリの魅力に興味を示す人が増えるようになってきたのだ。
今回当コラムでは、F1、性能、マーケティング戦略といった多方面で話題性を維持し続けるフェラーリについて、日本国内で高く売れる理由について考えていきたいと思う。ぜひ、今後の参考にしてほしい。
ferrari / darrenprice187
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なぜフェラーリは日本で高額査定されているのか
フェラーリが中古車市場でも人気が高い理由には、下記4つの魅力が関係している。
1. 上昇志向の高い男性が好む車
フェラーリミュージックと呼ばれる獰猛なエンジン音と、女性のような官能的なデザインを兼ね備えたフェラーリは、扱いにくい車に好奇心を抱く上昇志向の高い男性たちにファンが多い傾向がある。
フェラーリによって演出される男らしさは、日本の国産車では再現が難しい。そのため、多少の扱いにくさがあってもそれを楽しみと捉えるプラス思考のユーザが多いことが他メーカーとは全く異なる国内需要に繋がっていると言えるだろう。
明確すぎるターゲット
フェラーリのマーケティングターゲットは、「個性的な趣向を持つ、一部の富裕層だけ」である。一般ユーザに見向きもしないフェラーリは、その差別化によって富裕層達の心をしっかり掴んでいる。また、上昇志向の高い男性たちは車の購入資金に糸目を付けない傾向もあるため、高価買取した車をより高い価格で再販売できる好循環も日本の中古車市場内に広がっているようだ。
希少性を高め続ける戦略
ブランドの価値を高め続けるフェラーリは、出荷台数をコントロールすることで希少性を上げている。またフェラーリでは、主力モデルの価格を過去25年間で2倍まで上昇させている。
※ 1990年当時のフェラーリモデル「348tb」の日本国内価格が1600万円台であったのに対して、2015年現在の488GTBはなんと3000万円を超えている。
これらの戦略によって中古車市場にも「高く買い取って良い車」というイメージが浸透しているのだ。
芸能人愛好者も多いメーカー
日本国内でフェラーリ需要が高い背景には、本田圭佑やビートたけし、堂本光一、石田純一といった著名人の愛好者が多いことも大きく関係している。
特に世界的に成功している本田圭佑が乗るフェラーリ458などは、彼のネームバリューによって「成功者が乗る車」という良いイメージが先行している。そのため、事業の成功や会社設立のご褒美として中古のフェラーリを購入する経営者の急増が日本の中古車市場に好循環をもたらしていると考えて良いだろう。
フェラーリには右ハンドルもある
フェラーリの右ハンドルは、国内需要の高さによってかなりの高額査定が期待できる存在である。右ハンドル車に乗れば、パーキングや高速道路などの発券にも苦戦が生じないため、格好良くデートをしたいと考えるユーザを中心に高い人気を維持し続ける装備なのである。
まだまだある高額査定を保つ要因
加えて、高額査定を保つには以下の要因も関係している。フェラーリの2015年ニューモデルの『488GTB』ベース価格約3100万円が発表されるという噂が出るやいなや、その買い替えのために前モデルの2009年発表の「458イタリア」や2004年発表の「F430」が売りへと出された。
これは
また、フェラーリのマーケティングターゲットである富裕層は車を購入する際、「嗜好」のみならず、「投資」の観点から選択する場合が多い。例えば、高級車の代名詞とも言える、「メルセデス・ベンツ」。
この中古車とフェラーリの中古車を選ぶ際に見るべきポイントは何か。「投資」という観点から見た場合、世界中で人気のあるメルセデスは生産台数が多いために、将来的にその売値は大きく下落してしまうことが容易に予想される。
一方、フェラーリは前述の通り、希少性を保つ戦略を取っているために、売値が大幅に下落することが考えられにくい。このことから中古車市場でも高額の査定を保つことができる。
上記の「投資」という観点から特に注目されるのは、クラシックカー市場である。現在、その取引価格は10億ユーロ約1200億円を超える大きな市場となっている。これは1990年代初頭と比較すると、約25倍にも膨れ上がっているのだ。
その市場の拡大を引っ張っているのは、創業者であるエンツォ・フェラーリの伝説と、モータースポーツの頂点でもあるF1での歴史を背景にした、フェラーリの徹底的なブランディング戦略である。
フェラーリが「価値あるクラシックカーとしての認定制度 フェラーリ・クラシケ」クラシケクラシックの伊語を設けたのは2006年。その認定を受けるためには、クルマごとに決められているポイントがチェックされ、そのクルマが生産された時と同じ状態のオリジナルを保ち、かつ、各部が正常に機能しているかが判断される。
そしてそれらがフェラーリ・クラシケの基準に達していれば、フェラーリ社はその車が「ホンモノ」であることを証明するのだ。
また、車の素性的には問題なくても、改造されていたり、コンディションが悪かったりする場合には、フェラーリ・クラシケが、オリジナルの状態に復元することを引き受ける。これはビジネスとしてもかなり利益率が高い。なぜなら、ほとんどフェラーリ・クラシケの「言い値」で作業は行われるからである。
このようなフェラーリの取り組みによって、元々高かったフェラーリのクラシックカーの価値はさらに上がる。価値が上がれば、それに気を良くしてさらに所有者は車の状態をよくするために整備やレストア復元に力を入れるから、市場にある車の状態もますます良くなる。そして、それまであまり人気のなかったモデルのフェラーリの相場も引っ張られて上がって行く。
以上のように、フェラーリの持つつの魅力とフェラーリ社の徹底的なブランディング戦略によって、フェラーリは価格を保つことができるのだ。
人気シリーズと買取相場を調査してみた
フェラーリの買取実績を調べてみると、人気車種であれば古くても400万円以上の高額査定が期待できることがわかる。
下記にフェラーリのいくつかのモデルの買取実績をまとめて見たので、もし買取してもらいたいモデルと一致するものがあれば参考にしてほしい。
フェラーリ 360 参考買取相場420万円900万円
1999年2005年に製造されていたフェラーリ360は、フェラーリの黄金期を支えた銘車である。史上最多の販売数を記録したこの車種も、生産終了から10年以上経った近年では「状態の良い車が残っていない」という希少価値によって400万円以上の高額査定が期待できるようになった。
参考カーセンサー 360モデナフェラーリの買取・査定相場情報
フェラーリ F430 参考買取相場845万円1,454万円
アメリカ仕様、右ハンドル仕様といった多彩なモデルで知られる、世界的な大人気車種である。F1参戦によって培われた技術やノウハウが詰まった車としても定評があるため、フェラーリらしい本格的な走行を求めるユーザに特におすすめのシリーズと位置づけて良いだろう。
フェラーリ 458 参考買取相場1,452万円2,333万円
本田圭佑やビートたけしといった日本人愛好者の多い、人気シリーズである。高度な空気力学によって設計されたデザインは、高速走行時に生じるストレスを大きく解消している。また内装のデザインにはミハエル・シューマッハの助言が取り入れられているため、「ただ速いだけではない」というセンスの良さも安定した人気に繋がっていると言えるだろう。
ラ・フェラーリ 買取実績なし
新車購入価格が1億6000万円とも言われる、フェラーリ唯一のハイブリッド車である。世界限定499台のみの限定生産となっているため、希少価値と話題性の両面で将来的なプレミアが期待できる車種としてさまざまなメディアで紹介されている。発売から3年ほどしか経っていない2016年時点では、日本国内における買取実績データは存在しない。
中古のフェラーリを高く買取してもらうためには
超高級車のフェラーリは、スポーツカー専門店への査定依頼がおすすめの車種である。また複数ショップで査定をしてもらった方が「納得の価格」と出会いやすくなるため、妥協をせずに売却準備をするのが理想と言えるだろう。