質の良い美術品や骨董品が多く眠る日本には、中国美術・骨董オークション会社や日本事務所、代理店が非常にたくさん進出し始めている。また近頃では日本のオークション市場に目を向ける中国人富裕層も増え始めているため、<中国美術品による活況はまだ続くと捉えて良いだろう。今回は、確実に高値の付く絵画や書画、骨董品を所有するコレクターの皆さんに、国内で話題性の高い中国美術・骨董オークション会社を紹介していく。
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日本に中国美術・骨董オークション会社が多い理由とは?
会社情報を紹介する前に、日本国内に中国美術・骨董オークション会社が多い理由について少し触れておこう。
日本における鑑定力の高さ
日本に多くの中国オークション会社が集う理由は、日本人らしい鑑定力の高さによる信頼性が影響している。現在美術品オークションが活況を迎えている中国には、偽物が非常に多いという問題がある。これに対して日本では職人のような鑑定眼を持つスペシャリストによって鑑定や査定がきちんと行われているため、「信頼できる美術品や骨董品を収集したい」という海外オークション会社が目を向ける実情があるのだ。
中国人富裕層の勢いと資金力
景気が良いとは言えない日本では、美術品や骨董品への関心が低くなりつつある。またバブル時代に美術品収集をしていたコレクター達も高齢化によって所有品を処分や相続するしかない状況になっているため、国内市場には多くの作品が溢れている状態でもあるのだ。こういった動向に目を向けた中国人富裕層達は、国内需要の低迷を埋める上で欠かせない存在となっている。また富裕層の場合は景気問わず欲しい美術品を手に入れる傾向があるため、こういった人達に日本市場が支えられている部分は大きいと捉えて良いだろう。
未だに残る中国人の爆買い
デパートや家電量販店で収束しつつあると言われる中国人観光客による爆買いも、美術品オークション市場では未だに続いているようだ。例えば2016年11月に名古屋で開催された美術品オークションには、富裕層や画廊といったプロが観光バスに乗って30人ほど訪れている。また国を出られない中国公務員などは、代理人や電話を使って美術品を落札しているため、オークションに注目する外国人は日本を訪れた人に限らないと捉えて良いだろう。こうした形で現在でも密かに続く中国人による爆買いは、美術品市場とオークション市場の活況というダブルのメリットをもたらしてくれている。
3つの理由から日本における中国美術・骨董オークションの実態がわかったところで、ここからは、日本人でも気軽に利用できる会社を8つ紹介していきたい。
朶雲軒オークション
http://www.china-nichibi-auction.com/
日本美商株式会社は、朶雲軒オークションの日本窓口となっている。
日本美商が窓口になるメリットとは?
日本法人が窓口となっている朶雲軒オークションには、中国語が全くわからない人でもスムーズに出品手続きを進められるメリットがある。またリザーブや落札予想価格の調整についても、日本人スタッフとの相談になるため、国内オークションに参加するような感覚で参加ができると捉えて良いだろう。
朶雲軒オークションを利用するメリットとは?
中国美術品を所有しているなら、現地の画廊や富裕層が多く集う中国オークションの利用が最もおすすめとなる。その中でも日本美商では、高級オークション会社として知られる朶雲軒オークションへの出品代行を行っているのだ。朶雲軒オークションのサイトでは、トップクラス10件の落札価格や落札率、総売上なども全て公開している。こうした形で情報を開示できるのは、このオークション会社における自信のあらわれと捉えて良いだろう。
オークションツアーで朶雲軒オークションに参加できる
日本美商では、現地で落札状況を確認したいお客様向けに朶雲軒オークションのツアーを開催している。また競合方式オークションに欠かせない下見会についても、オークションツアーを通して日本人スタッフと一緒に参加できるため、「中国に行ったことがない」とか「中国語に不安がある」といった皆さんでもストレスなく美術品を高値に繋げられると言えるだろう。
中日オークション
http://chuunichi-auction.com/gaiyou/
中日オークションは、日本・中国両国の友好や文化交流を目的に2012年からスタートしている。
日本の会社による中国美術品・骨董品オークション
中日オークションのサイトを確認すると、日本の企業によって運営されているオークションであることがわかる。しかしトップページには中日友好といった言葉が並んでいるため、中国美術品を扱うことと中国人富裕層を対象としていることは間違いないと言えるだろう。
中国オークションで扱われる美術品の種類とは?
この会社のサイトでは、実際に出品された作品の写真がいくつか公開されている。2017年1月に開催のオークションでは、南宋で作られた21cmの花瓶や清の観音像、随の時代に作られた銅佛立像といった大変歴史的価値の高い作品が並んでいる。また中にはかなり大きな蒔絵家具なども見受けられるため、大きな骨董品や時代家具の扱いに悩む皆さんでも相談のしやすい会社と言えるだろう。
自社会場で行われるオークション
中日オークションは、愛知県名古屋市に自社会場を所有している。2階は下見会専用の展示場となっており、ガラスケースに多くの美術品が並べられている。3階の競り場については、かなり広々とした空間で行われるため、競合方式ならではの活気や迫力を求める人にも十分に満足できる自社会場と捉えて良いだろう。
北京カウンシル国際オークション
北京カウンシル国際オークションは、中国書画市場でナンバーワンの落札実績を誇る中国国内トップクラスのオークションハウスだ。
日本事務所の存在
このオークション会社では、窓口として東京都中央区日本橋に日本事務所を開設している。事務所の定休日は土日祝日が中心となっているため、代行でもなく、国内オークション会社を利用するような感覚で問い合わせや相談ができると捉えて良いだろう。
幅広い品目を取り扱う無料相談会
北京カウンシル国際オークションの無料鑑定会・相談会は、中国美術品や中国骨董に詳しい専門鑑定士を北京本社から呼んで行われる。募集品目の中には、当代水墨や中国近現代書画、中国古書画といった定番作品だけでなく、古書籍や拓本、国際現代アート、玉器、印材といった少し変わったものも並んでいる。また鑑定会については東京と京都で開催されるため、西日本で暮らすコレクターであっても参加のしやすい配慮がなされていると言えそうだ。
出品者手数料と支払いの仕組み
この企業の出品者手数料は、落札額の10%となっている。この他に、落札額の1%となる保険料、3%の中国政府への税金、1ページにつき1,000中国元の図録掲載料がかかる仕組みだ。美術作品の修繕費については、実費負担となっている。委託者への支払いは営業日起算で落札から35日後からスタートする。
ポーリーインターナショナル オークション
ポーリーインターナショナルオークションは、文化関連事業の一部門として2005年に発足した会社だ。
ポーリーグループとは?
中国北京に本社を置くポーリーグループは、不動産、貿易、博物館経営、文化関連事業などを展開する半国営企業だ。テレビ局の運営によって高い知名度のあるポーリーグループには、半国営企業ならでは資金力と信頼性も備わっているオークション会社と捉えて良いだろう。
オークション開催がとても多い企業
ポーリーインターナショナルオークションでは、北京で年6回、香港で年2回のオークションを開催している。この会社のオークションで最も大きなものは、毎年5月末~6月初めに1回、11月末~12月初めに1回行われているようだ。
募集会と募集品目
この会社の募集会は、日本国内だけでも年に3~4回行われている。中国美術の専門家が来日する募集会には、多くのコレクターが集まっているようだ。募集品目の中には、美術カタログや時計、宝飾品、中国切手といった少し変わったカテゴリも並んでいるため、「こんな物でも高く落札されるだろうか?」といった美術品があれば、積極的に相談をしてみると良いだろう。
不落札の場合は手数料がかからない
ポーリーインターナショナルのような大きな企業によって開催されるオークションは、不落札だった場合の手数料がかからないことでも知られている。これに対してめでたく落札された場合は、落札額の1%の保険金、10%の手数料、北京で3%・香港で0.5%となる中国国内税、図録掲載料などの諸費用を差し引いた金額が、落札後35日以降に振り込まれる仕組みとなっている。
中国嘉徳国際オークション 日本事務所
http://www.cguardian-japan.com/
中国嘉徳国際オークションでも、東京都千代田区に日本事務所を開設している。
取扱い品目の幅広さ
中国嘉徳国際オークションのサイトを見ていると、著名人写真や仏教典書籍、印刷物、ダイヤモンド、アクセサリー、郵趣アイテムといった形で大変幅広い中国に関するものを取り扱っていることに気付かされる。また中には、世界的に人気の高い現代アート作家・草間彌生の名前もあるため、この会社で受け付けられる作品は中国人作家によるものだけではないと捉えて良いだろう。
人気作品と落札結果を公開中
信頼性を第一にする中国嘉徳国際オークションでは、サイト内で部門別の人気作品と落札額を公開している。書画カテゴリの中には、王羲之の作品が59億円もの高値で落札された実績がある。また清乾隆による紫壇の椅子やテーブルについても、10億円~11億円もの高額で落札されているため、海外オークションに対して「本当に高く売れるのだろうか?」と不安を抱えている人でも安心して申し込める要素の多い会社と言えそうだ。
東京中央オークション
https://www.chuo-auction.co.jp/
東京中央オークションは、中国美術オークションの国内開催という試みに日本で初めて成功した会社だ。
季刊誌やカタログの閲覧は無料
東京中央オークションでは、オークションを高値に繋げる上で欠かせないカタログを、無料のオンラインで公開している。このような形で作品が多くの人の目に触れれば、落札額がアップする可能性も高まると捉えて良いだろう。またオンラインカタログはもちろん全ての人が閲覧可能となるため、東京中央オークションの利用を検討する皆さんにもより良い情報源となりそうだ。
中国でも下見会が開催される
高額が見込まれる美術品については、中国、香港、台湾の3ヶ所で開催される下見会にも出品される。また東京中央オークションは、専門誌への広告掲載といったプロモーションにも力を入れているため、本場中国開催のオークションと同じような結果が得られやすいと言えるだろう。
オークション登録に必要な保証金は1,000万円
信頼性を重視する東京中央オークションでは、電話および書面で入札を委託するお客様に対して1,000万円の保証金支払いを義務付けている。これだけ多くの保証金があるということは、資金面で余裕のある富裕層や画廊などのプロだけが集まるオークションと捉えて良いだろう。また注意事項の中には、当社が確認できる銀行残高証明書を提示することとも書かれているため、オークション終了後のトラブルも起こりにくいと言えそうだ。
美宝オークション
美宝オークションでも、日本と中国の2ヶ所でオークションが開催されている。
国内だけで月3回のオークション開催
この会社のオークションは、4日、21日、24日の毎月3回開催されている。4日と24日は、骨董芸術品が中心の会となる。これに対して21日は、斉白石などによって描かれた書画が中心となるため、美宝オークションを利用する場合は定例会(オークション)の開催日程を間違えないようにして欲しい。
現金決済が原則
美宝オークションの支払いは、当日の現金支払いが原則となっている。また定例会の場合は、買い手の手数料がかからない仕組みとなるため、一般の競売方式オークションとは少し違ったシステムと捉えて良いかもしれない。
横浜国際オークション
http://www.ykauction.com/greeting_jp.html
横浜国際オークションは、横浜中華街の中国骨董専門店によって運営されている。
多彩な宣伝方法
この会社に出品された美術品は、横浜国際オークションのサイトだけでなく、artfoxや易拍全球といった提携会社から中国全土にプロモーションされる仕組みとなっている。また中国大手の印刷会社で作成されたカタログについてもネット掲載されるため、「幅広い中国人富裕層に作品を見てもらいたい!」といった皆さんにも嬉しいサービス内容と言えるだろう。
柔軟な鑑定・査定対応
サイト内に問い合わせフォームを使えば、比較的かんたんに無料鑑定や買取相談の申込みができる。また場合によっては出張鑑定にも対応しているため、高額な中国美術品を大量に所有するコレクターにとっても横浜国際オークションは使い勝手の良い会社になることだろう。