古物市場は一般人が目にすることのない市場だからこそ慣れるまで時間がかかる。初心者だからと言って、マナー違反やトラブルを起こして迷惑をかけることがないように、ある程度知識を身につけてから出かける必要がある。
自分の信頼を落とさないためにも、事前知識を身につけておくことは必要不可欠だ。ここでは、博多の古物市場と仕組みやマナー、古物市場を利用するメリットなど、基本的な情報について紹介していく。
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古物市場とは
古物市場とは古物商同士で売買を行う場所なので、一般人にしてみれば聞き慣れない言葉だろう。中古品を扱う古物商は、利益を得るために品物を安く仕入れる必要があるが、その際に役立つのがこの古物市場になる。
古物市場を利用するメリット
リサイクルショップの場合、客から品物を買い取りして売ることもできるが、大量に仕入れて大きな利益を得ることも難しくなる。日によって仕入数や品目に違いがあるため、安定性も低い。一般人からの買い取りは大手業者が有利になるため、小規模な業者には品揃えに苦労してしまうデメリットもある。
しかし、古物市場には一般の市場に出回っている中古品と比べて、安い中古品が数多く売買されているため、古物商にとって御用達の場所になっているのだ。
安い価格で中古品を購入できる
古物市場を利用する最大のメリットは、一般の市場に比べてかなり安い価格で中古品を購入できる点だ。少しでも利益を出したい古物商にしてみれば、これほど便利な場所はないだろう。
安定性の高い仕入れルートを確保できる
その点、古物市場は全国各地で定期的に開催されているため、安定性の高い仕入れルートを確保できるメリットもある。大量仕入れが可能になるため、うまく仕入れれば小規模な業者でも大きな利益を出すことが可能になる。
一度に大量の在庫を処分することができる
古物市場は店の在庫処分をする際にも役立つメリットがある。店じまいや売れ残りを処分をする際、古物市場を利用すれば一度に大量の在庫を処分することができるので手間がかからない。仕入れと同時に大量の在庫を処分できるのは、古物市場の大きな魅力だといえる。
古物市場を利用する際の注意点
経験がないと古物市場をうまく活用できない場合がある。というのも、古物市場で品物を落札するには相場感が必要になるため、初心者には難しいといえる。相場感のないうちから大量に仕入れてしまうと、損をしてしまうこともあるので注意しなければならない。
リスクを抑えるためにも、最初のうちはあまり大量に取引せず、ある程度経験を積んでから大量取引を始めた方がいいだろう。初心者のうちは勉強させてもらう気持ちで出かけた方がいい。
古物市場の仕組み
古物市場によって形式が異なる
一口に古物市場といっても、それぞれ採用している形式が異なるので注意しなければならない。
「平場」と「競り上がり」
初心者が一番参加しやすいのが「平場」と「競り上がり」だ。平場は新人とベテランが一同に集い競り合う方式のため、新人はベテランの値段を参考にしながら適正価格で落札することができる。競り上がりの場合、最初は安い値から始まり、徐々に値段が競り上がっていく方式で、一番高い値をつけた業者が入手することができるため、初心者も利用しやすいといえる。
「大会」と「本ヤリ」
初心者にとって落札が難しくなるのが、「大会」と「本ヤリ」という方式だ。まず、大会は、金額の記載がない出品商品のリストが事前に提示され、現物確認後に落札を行う方式だ。大量仕入れに向いている一方で、相場感がないと入札が難しくなるデメリットがある。そして、本ヤリは、一斉に皆が落札購入額を言い、一番高い値をつけた業者が入手する方式になる。競り上がりと違って一発勝負になるため、相場感のない初心者には難しいだろう。
関東と関西で主流の方式が異なる
それぞれの形式で得られるメリットが異なるため、古物市場へ行く際は慎重な判断が必要になる。また、地域によっても形式が異なるため、事前に確かめておく必要がある。一般的に関東は競り上がり方式が主流で、関西は本ヤリ方式が主流となっている。まずは初心者でも比較的参加しやすい形式を見つけて、最終的には上級者の形式に対応できるように力をつけていくといいだろう。
古物市場に参加する方法
古物市場には誰でも自由に参加できるわけではない。「古物商許可証」を持っていることが、基本的な参加条件となる。
古物商許可証とは
古物商許可証とは、古物の売買を行う際に必要になる許可証のことで、警察署で発行してもらうことができる。所定の書類とともに、古物商許可証の発行代金19,000円を支払えば発行してもらうことができるので、特に難しい手続きは必要ない。
申請の流れ
古物商許可証を発行してもらう際に、審査などが必要になるわけでもないので、比較的簡単に入手することができる。ただし、許可がおりるまでに40日〜60日ほどかかるため、古物市場の開催日に間に合うように早めに申請したほうがいい。
参加する際の注意
当日は入口などで古物商許可証を提示すれば会場の中に入ることができるが、主催者が参加条件を設けている場合もあるので注意が必要だ。
古物商許可証を持っていても、参加条件を満たしていない場合は古物市場に参加することができなくなってしまう。古物市場に参加する際は、前もって主催者側に参加申し込みをしておいたほうがいいだろう。
古物市場情報が入手できる場所
古物市場情報の情報開示請求は、都道府県の警察本部の広報課、または情報公開課などで受け付けているため、知りたいジャンル別の古物市場情報を入手する際に便利だ。遠方の都道府県の古物市場情報を知りたい場合は、郵便での情報開示請求をすることができる。
インターネット上で古物市場情報を入手することもできるが、ウェブサイトで公開されている情報は必ずしも正しいとはいえないため、情報開示制度を利用して正確な情報を入手したほうがいい。
博多の古物市場情報
福岡市博多区で開催されている古物市場の一覧を記載する。ただし、民間企業の場合は予告なしに閉鎖されてしまうこともあるため、現在も存続している保証はない。
また、情報の一部が公開されていない場合もあるため、正確な情報を知りたい場合は、直接古物市場主に問い合わせをするか、情報開示制度を利用して確かめたほうがいいだろう。
- 名称
- 福岡競商会
- 住所
- 福岡市博多区博多駅前1-18-4
- TEL
- 092-431-5767
- 名称
- 福岡美術刀剣会
- 住所
- 福岡市博多区博多駅前4-9-2 八百治博多ホテル
- 区分
- 美術品類
- 名称
- 原鶴会
- 住所
- 福岡市博多区博多駅東1-18-33 博多スターレーン
- TEL
- 093-961-2689
- 区分
- 美術品類
- 名称
- 福岡リサイクル市場
- 住所
- 福岡市博多区大井町2-13-34
- 区分
- 道具類
通常、古物市場に参加する際は入会金や参加料などがかかるため、事前に問い合わせをして確認しておいたほうがいい。また、開催日や参加条件などもそれぞれ異なるため、合わせて確認しておくといいだろう。
古物市場へ行く際のマナー
古物市場で手っ取り早く品物を仕入れるためにも、最低限のマナーは守る必要がある。古物市場は素人が入ることができない場所なので、プロしか知らない言葉や常識もある。そのため、最初のうちは戸惑うかもしれない。
古物市場に慣れるには経験を積むしかないが、事前に基本的なマナーなどを身につけておけば、早い段階でスムーズに慣れることができるだろう。
事前に入念なリサーチをしておく
古物市場は閉鎖的で情報が少ないため、事前に入念なリサーチが必要になる。特に福岡を含めた九州地方の古物市場は、情報が少ないものが多いため、注意しなければならない。
ネットの情報には限界がある
ネットに公開されていても、電話番号やホームページのURLまで公開されていないことが多いため、詳しい情報を得るには苦労するだろう。ネットの情報には限界があることを心得て、自ら問い合わせをするなど積極的に行動したほうがいい。
最低限の情報は事前に調べておく
年会費や開催日など最低限の情報は事前に調べてから参加したほうがいいだろう。どの古物市場でも古物商許可証と主催者の承認が必要となるが、他にも古物市場によって細かなルールが異なるため、注意しなければならない。事前の連絡が必要になっているケースや、業歴で参加が制限されるケースなど様々だ。入会金や保証料が別途必要になる場合もあるので、トータル費用を確認してから参加するかどうか判断したほうがいいだろう。
細かな参加条件を調べる
古物市場は主催者が細かな参加条件を設けているケースがあるため、入場できない可能性もある。古物商としての業績や、他の古物商からの紹介が必要になるケースもあるため、事前にしっかり調べておいたほうがいい。参加条件を知らずに出かけてしまうと、入場の際に断られることもある。そのような事態を避けるためにも、あらかじめ細かな参加条件を調べてから参加を申し込むべきだ。
相場感を掴む
古物市場で役立つのは相場感だ。相場感がないと高い金額で落札してしまい、赤字になってしまうこともある。相場感をつけるためには、何度か古物市場に足を運んで勉強するしかない。まずは古物市場の独特の雰囲気に慣れることから始めるといいだろう。最初のうちはなかなか落札できないかもしれないが、早めに古物市場のシステムに慣れることが大事だ。参加する古物市場を広げて経験を積んでいけば、相場を理解していくことができるだろう。
トラブルを避ける
古物市場は古物を扱うプロの集まりなので、自己管理をしっかり行い、トラブルを未然に防ぐ努力が必要になる。くれぐれも他人の落札品を誤って持ち帰って、信頼を失うようなことは避けるべきだ。「慣れていないから」「初めてだから」という言い訳は通用しない。
信頼関係で成り立つ世界だからこそ、全体の迷惑にならないようにしっかり自己管理をしなければならない。トラブルを避けるためには、人間関係を築くことが大事だ。しっかり人間関係を築いて、先輩にノウハウを教えてもらうことができれば、トラブルを未然に避けることができるとともに、成長も早くなるだろう。
まとめ
今回は、博多の古物市場一覧と古物市場へ参加する際に必要なマナーや心がけ、仕組みについてご紹介した。古物市場へ参加する際は、ルールやマナー等、トラブルにならないよう事前に調べておく必要がある。
また、古物市場は信頼関係で成り立つ世界であることを念頭に置いていただき、人間関係を築くことも忘れないようにしたいところである。