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【専門家監修】古物商申請時の区分の選び方とは?あとから追加は簡単?

読了目安:10分
更新日:2021/04/12
公開日:2019/07/23
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古物商の許可申請は行政書士に作成をお願いすることも可能だが難しくはないため、きちんと注意事項に則って作成すれば自力で作成できる。しかし、古物申請書の書類を作成する際、「取り扱う古物の区分」つまり取り扱う古物の品目に関しては、迷う人もかなり多いのではなかろうか。

古物の品目は複雑で行政書士でもない限り、なかなか判断がつきにくいものが多い。また、「主として取り扱おうとする古物の区分」との違いがよくわからない人もいるだろう。

そこで、取り扱う古物の区分と主として取り扱おうとする古物の区分の違いを確認した上で、自分の扱う商品がどの区分(品目)に該当するか判断する方法を紹介する。また、取り扱う古物の区分を増やす場合についても、説明していく。

古物に関する2種類の記述の意味は?

古物商の許可を得るにあたって書く申請書で古物の区分を記入する欄は2つある。1つ目は「取り扱う古物の区分」、2つ目は「主として取り扱おうとする古物の区分」主として取り扱おうとする古物の区分だ。それぞれの意味を解説する。

取り扱う古物の区分

取り扱う古物の区分は、古物商許可を取得したら扱う予定の商品に該当するすべての項目を選択するものである。これは、警察署が開業するにあたって審査をするために使用する。そのため、とりあえずの間に合わせとして多く選択すると審査に時間がかかる可能性がある上、営業に関して警察から問い合わせが来る可能性が高い。

また、審査は専門性が高い区分に関しては時間を要する。例えば、自動車や自動二輪車・原動機付自転車などは商品の保管場所に関して証明などをおこなう必要はある。また、美術品に関しては、その知識や実務経験についても確認がおこなわれる。

迷うとすべて選択しようとする人もいるかもしれないが審査が困難を極めるため、自分があらかじめ扱う物の区分を吟味し、選択しておこなった方が良いだろう。そうしなければ、盗品の情報が入ったときに登録している区分の数だけ捜査協力をおこなう必要があるなどの影響も受けてしまう。

主として取り扱おうとする古物の区分

主として取り扱おうとする古物の区分とは、古物許可申請を取得して開業した際、主として扱う予定の品目を選ぶものである。営業するにあたって古物プレートを作成し、営業所に掲示する必要があるが、ここに記入することになる品目が主として取り扱おうとする古物の区分に該当する。この品目は1つしか選択してはならない

自分の取り扱う古物の区分(品目)を見分ける方法

扱う予定の商品がどの区分(品目)に該当するか迷うことが多いだろう。ここでは13区分(品目)に該当するものでわかりにくいものを紹介した上で業種別のサンプルを紹介する。

区分(品目)の選び方

ものによっては、どこに区分されるか分かりづらいものもある。そこで、とりわけ分かりづらいと思われるものも合わせて確認しておきたい。

  • ・1 美術品類…登録日本刀など
  • ・2 衣類…布団、敷物類、旗など
  • ・3 時計・宝飾品類…メガネ、コンタクトレンズ、模造小判、万歩計など
  • ・4 自動車類…タイヤ、バンパー、カーナビなど
  • ・5 自動二輪車・原付…タイヤ、サイドミラーなど
  • ・6 自転車類…空気入れ、カバーなど
  • ・7 写真機類…望遠鏡、双眼鏡、光学機器など
  • ・8 事務機機器類…シュレッダー、計算機、レジスター、タイプライターなど
  • ・9 機器工具類…家庭電化製品、家庭用ゲーム機、電話機など
  • ・10 道具類…家具、CD、フィギュア、模型、楽器など
  • ・11 皮革・ゴム製品類…化学製品(ビニール製、レザー製)など
  • ・12 書籍…コミック、雑誌など
  • ・13 金券類…郵便切手、収入印紙、乗車券、航空券など

自動二輪車と自転車の違いは、総排気量が50ccを超えるか否かにある。原付は一種は50cc以下の場合もあるため、ガソリンエンジンがついているか否かが判断基準になるだろう。

また、象牙及び象牙加工品ウミガメ科の背甲等の半加工品等は、種の保存法に基づいて「特定国際種事業届」を別途届け出る必要がある。また、日本刀や鉄砲は銃砲刀剣類所持等取締法に基づいて「鉄砲刀類登録証」を届け出る必要がある。

「特定国際種事業届」を出さずに売買した場合には50万円以下の罰金、「鉄砲刀剣登録証」を出さずに売買した場合には、6ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金に処される。

さらに絶滅の恐れがある野生動植物に関しては、ワシントン条約に基づいて原則買取をおこなうことは不可能である。もし違法に買取をおこなった場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される。関税を通さない場合には刑が重くなり、5年以下の懲役または500万円以下の罰金となる。

業務別の区分(品目)サンプル

特定のものしか販売しない場合に「取り扱う古物の区分」を1つだけ書こうとする人もいるだろう。しかし、関連性のあるものが別の区分(品目)に該当していることの方が多い。

開業した際に具体的にどんなものが売買されるか十分に想定して必要があるだろう。そこで主要の古物を扱う店についてサンプルを紹介する。もちろん、紹介したもの以外も扱うことがあると思うので、必要に応じて登録するものを増やしたり、行政書士に相談したりした方が良いだろう。

パソコンの買取ショップ

パソコン自体は事務機器類に該当する。しかし、多くの場合には、パソコン以外のものも売買をおこなうだろう。例えば、PCソフトを扱う場合には道具類の古物区分に入る。また、周辺機器のルーターやスマートフォンなどは機械工具類に該当する。パソコン以外のものを売買する場合には、こういったものも登録しておくべきだろう。

ゲームショップ

ゲーム機は当然、機器工具類に該当する。しかし、ゲームソフトは実は機器工具類ではなく道具類となっている。基本的にはソフトも合わせて販売するだろうから、道具類も合わせて登録しておくべきだろう。

ブランド品の買取ショップ

ブランド品の多くは時計・宝飾品類に該当するはずだ。しかし、ブランドバックは皮革ゴム製品類、服などは衣類の区分になる。営業するにあたって、どんなブランド品を買い取るのか十分に吟味していく必要はあるだろう。

古着屋

最も多くの買取をおこなうと考えられる服は衣類に該当する。しかし、カバンや靴は皮革ゴム製品、アクセサリーなどは道具類の区分に入る。合わせてこれらも登録しておくと良いだろう。

リサイクルショップ

家具などを扱う場合には、道具類に該当する。しかし、多くの場合には冷蔵庫などの家電製品も売買をおこなうだろう。これは機械工具類に該当するため、こちらも合わせて登録しておきたい。

区分(品目)に迷ったときの対処法

サンプルを見ても分かる通り、古物の区分(品目)は非常に複雑でわかりにくい。古物商の区分(品目)に関して、調べてもどうしてもわからない場合には、行政書士に相談することも可能だ。特に最近になってできた商品は、古物の区分が難しくなっており、警察でも判断が難しくなっている。

書かなかった区分(品目)の扱いはできないの?

古物商許可申請で書かなかった区分(品目)に関しては、売買をおこなうことができない。仮に警察署に申し出たもの以外を扱った場合には違法となる。詳しくは警察署のホームページで確認が可能だ。

抵触する法律は古物営業法7条

具体的に抵触するのは、古物営業法の第7条だ。7条には以下のような記載がある。

“第7条 古物商又は古物市場主は、第5条第1項各号に掲げる事項に変更(同項第2号の所在地の変更にあつては、同一の公安委員会の管轄区域内におけるものに限る。)があったときは、公安委員会に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。”(古物営業法)

ここに書かれている第5条の内容は以下が記載されている。

第5条 第3条の規定による許可を受けようとする者は、公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。この場合において、許可申請書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

  • 1.氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 2.営業所又は古物市場の名称及び所在地
  • 3.営業所又は古物市場ごとに取り扱おうとする古物に係る国家公安委員会規則で定める区分
  • 4.第13条第1項の管理者の氏名及び住所
  • 5.第2条第2項第1号に掲げる営業を営もうとする者にあっては、行商(仮設店舗(営業所以外の場所に仮に設けられる店舗であって、容易に移転することができるものをいう。以下同じ。)を出すことを含む。以下同じ。)をしようとする者であるかどうかの別
  • 6.第2条第2項第1号に掲げる営業を営もうとする者にあっては、その営業の方法として、取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。以下同じ。)により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いるかどうかの別に応じ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号又はこれに該当しない旨
  • 7.法人にあっては、その役員の氏名及び住所

(古物営業法)

買い取った14日以内に出せば大丈夫

もし買い取る場合には、変更届出手続きを所轄の警察署で許可を得た以外の区分(品目)を買い取った日から14日以内に提出する必要がある。この届け出を期日内におこなわなかった場合には、変更届出義務違反となり、10円以下の罰金に課せられる可能性がある。

仮に止むを得ず14日以内に提出できなかった場合には、変更届出に遅延理由書を添付することで罰則から逃れることができる場合もある。この遅延理由書は決められた書式のものは存在せず、自分で作成する必要がある。また、業務過多で提出が間に合いそうにない場合には行政書士などに代行依頼を頼むことも可能だ。

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後から追加する手順は?

区分(品目)の追加申請は難しくない。変更届は警察署でもらうか、ホームページからダウンロードする方法がある。また、書き方のサンプルも警察署のホームページで確認することが可能だ。それぞれ青文字のリンクからも飛ぶことができる。

書く書類は2枚になっており、1枚目は許可の種類、12桁の許可証番号、許可年月日、氏名、住所、変更区分を記入する。主として取り扱う古物の区分や代表者の欄は変更がない場合に記入する必要がない。

2枚目は許可の種類、12桁の許可証番号、許可年月日、氏名、変更区分、取り扱う古物の区分を記入する。取り扱う区分については、追加する区分だけ記入するのではなく、変更後に扱う予定の区分全てを記入する。営業所・古物市場、管理者の欄は変更がない場合に記入する必要がない。

手数料は不要で別途必要になる資料もない。しかし、場所を要する大型の古物品目を追加する場合に都道府県によっては保管できることの証明を求められることがある。また、印鑑を押す欄があるため、印鑑は忘れないように持っていきたい。

まとめ

「主として取り扱おうとする古物の区分」に記載するのは1つのみであるが「取り扱う古物の区分」は開業後取り扱う予定の古物を全て記載しなければならない。多くの場合に関連商品が別の区分(品目)に該当するため、注意が必要となる。場合によっては行政書士に相談しても良いだろう。

また、登録した古物以外を扱うことは違法となり、罰せられる可能性もあるため注意したい。仮に新たに買い取った場合には14日以内に所轄の警察署へ変更届を出せば、罰せられることはない。もちろん、買取前に変更届を出しても良いだろう。

もしどうしても14日以内の提出が間に合わない場合には、遅延理由書を自作で書くことで罰せられずに済むこともある。もし提出しない場合には最悪、許可を取り下げられる可能性もある

しかし、変更届自体は難しくないため、可能なかぎりにおいては期日内の提出を心がけるべきであろう。また、2度手間にならないために許可申請で書類を書く際には、十分に自分の扱う予定の区分(品目)を検討しておきたい。



この記事を監修した専門家

自身でアンティーク古物を扱うかたわら、古物査定士認定協会広報担当をしているフリーライター。現在は『手続きドットコム 古物商』『和樂web』等で執筆をしているほか、古物商系企業で出資を目的として投資家向けに動画原稿を作成している。国語(中高)、書道(高)、司書教諭、司書免許所有。「日本の伝統文化の保持」に関する論文で受賞経験あり。 古物査定士認定資格証会員番号:1179026007
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運営会社

会社名
株式会社ジラフ/ Jiraffe Inc.
設立
2014年10月29日
資本金
11.6億円(資本金・資本準備金含む)
株主
East Ventures、TLM、アドウェイズ、ドリームインキュベータ、アナグラム、ポケラボ創業者 佐々木俊介、アイ・マーキュリーキャピタル、GREE、アドベンチャー、メルカリ、hey代表取締役 佐藤裕介、Amazon Japan創業者 西野伸一郎、DGベンチャーズなど
E-mail
info@jiraffe.co.jp
代表者
代表取締役社長 麻生輝明
所在地
〒164-0001
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ218号
企業理念
2030年のスタンダードをつくる
事業内容
インターネットサービスの企画、開発、運営
従業員数
40名
古物商許可番号
東京都公安委員会 第303311606477号
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