権威ある賞を獲得し、海外メディアにも取り上げられるなど、近年世界的に知名度を増している高級シャンパーニュ、コレ。そのプレステージ（最高級）クラスに位置付けられるシャンパーニュが、コレ エスプリ・クチュールである。日本には2015年に初上陸したため、新興シャンパーニュと勘違いされがちだが、実のところその始まりは100年以上もの昔に遡る。
この記事では、コレの歴史と魅力に迫りつつ、コレ エスプリ・クチュールを売る場合の買取相場・査定情報について解説していく。
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コレ（COLLET）とは
コレ（COLLET）とは、シャンパーニュ地方で最も古いコオペラティヴ・ド・マニピュラシオン（生産者協同組合）、コジェヴィ（シャンパーニュ域内生産者協同組合）のトップブランドであり、およびそれを醸造しているシャンパーニュ・メゾン（シャンパン会社）の名である。
コレの成り立ち
20世紀初頭、フランス各地で偽造品シャンパーニュや、産地偽装シャンパーニュが横行していた。その結果シャンパーニュ地方では、ブドウ農家が農業だけで生計を立てることができなくなり、シャンパーニュの生産をシャンパーニュ地方だけでしか行わないようにすることを求めた反乱に発展するなど、混乱の極みにあった。
1921年、それらから生産者の利益を保護するために作られた組織がコジェヴィである。コジェヴィは厳格なAOC（高級シャンパーニュを生産するための規格）を定め、シャンパーニュ産シャンパーニュの威容を守ろうと動き始めた。コレはコジェヴィの創立メンバーの一人、コレ氏のメゾン（コレ社）で造り出されたシャンパーニュである。
シャンパーニュ市場のメインプレーヤーへ
コジェヴィはその大胆な試み、熱意によって、短い間に勢力を拡大していった。原点に立ち返り、シャンパーニュ愛好家を満足させる優雅で繊細なシャンパーニュを送り出すことを目的としたコジェヴィの理念は、多くのメゾンの共感を呼び、コジェヴィが創立した5年後には会員数は200を超え、10年後にはシャンパーニュ市場のメインプレーヤーへと成長することとなる。
発展してゆくコジェヴィとコレ社
ダイナミックかつ革新的な広告戦略、メゾン同士の協力により勢力を増したコジェヴィだったが、1929年、世界恐慌による社会情勢の悪化が、シャンパーニュ業界にも打撃を与える。
しかし、コジェヴィはコレをはじめとする基幹ブランドの元、新たな主要ブランドを立ち上げるなど、すぐに対策を取り始める。見本市や展示会への参加も続け、1931年、1938年にパリ国際植民地博覧会で金メダルを取るなど、そのブランド価値を高め続けた。
協同組合の活動
やがて第二次世界大戦が勃発し、コレ社の拠点であるアイ村がドイツ軍によって侵略されるなど、コジェヴィも大きな打撃を受けるが、その間も協同組合の活動は行われた。1941年には、フランス国内外でシャンパーニュを推進保護することを目的にシャンパーニュ委員会を設立するなど、シャンパーニュの発展に寄与し続けた。
新たな挑戦
戦後、コジェヴィは組織内の不動産資産の統合を行っていった。やがてオーヴィエに新しいセラーを購入すると、以後は、アイ村の工場に澱抜きの半自動化システムを採用するなど、生産工程の近代化を図っていくこととなる。1970年には、セラーの統合と近代化された生産設備により、135万本ものシャンパーニュが出荷され、販売本数を飛躍的に伸ばしていった。
そして現代。2001年に創立80周年を迎えたコジェヴィとコレは、新たな挑戦を始めた。コレ社が新本社をアイ村に建設したのを皮切りに、2004年にはオジェに新セラーを開設。2011年に更に拡張されたセラーは、2700万本を収容可能とされ、世界的なシャンパーニュの需要を見越したものである。
21世紀以後、新たに獲得した賞も今や数十を越えた。今や十分な準備を終えたコジェヴィとコレ社は、日本を含めた全世界へ向け、そのブランドと味わいを広げていこうとしている。
コレ エスプリ・クチュールの味わい
コレ エスプリ・クチュール（COLLET ESPRIT COUTURE）は、コレ社のシャンパーニュの中でもプレステージ・クラスに位置づけられる逸品である。原料には全て手摘みされた最高品質のブドウが用いられており、それらを職人が、昔ながらの伝統的な手作業によって5年間以上熟成させることで完成する。女性的な、ふんわりとしたシルエットのボトルに詰められた逸品は、艶めかしい金色の輝きを持ち、口に入れた瞬間チェリーやイエロープラムを彷彿とさせるフレグランスが薫る。
繊細な泡に包まれた味わいは、柑橘系のフルーティなアロマを持ち、エレガントさとミネラリーさを両立させた程よい緊張感。後には花々のフローラルな香りとバニラの残り香が追いかけて来る。まさに貴婦人の高貴さを持つシャンパーニュといえるだろう。
コレ エスプリ・クチュールの買取相場・査定情報
厳選された素材と、熟練した職人の手作業によって造られるコレ エスプリ・クチュールは、昔ながらの伝統製法にこだわって造られていることもあり、生産量が極めて少ないシャンパーニュである。さらに日本で発売されてからまだ日が浅く数が出回っていないこともあり、市場に出回る際はかなりの高値で取引されている。
ネットショップでの販売価格
例として、楽天市場などネットショップでの販売価格を挙げると、54,000円～55,500円くらいの価格帯で販売されており、これは他の伝統的な高級シャンパーニュの販売価格と比べてみても、かなり高めの水準といえよう。もちろんそれは自分が売り手となった場合も同様で、コレ エスプリ・クチュールはかなりの高値で買取されている。
次に、買取業者がネットで公表している買取価格、ネットオークションでの落札価格を見てみよう。
コレ エスプリ・クチュールの買取価格
酒類買取業者が自社サイトなどで公表しているコレ エスプリ・クチュールの買取価格を見ると、15,000円～18,000円程度で買取されているようだ。コレ エスプリ・クチュールの買取価格を公表している酒類買取業者は極めて少なく、ほとんどの業者が要見積もりだった。海外で数多くの受賞歴を持つ一方、日本においてコレは最近知名度が上昇し始めたシャンパーニュであるため、まだまだ買取実績は少ないようだ。
コレ エスプリ・クチュールの落札価格
ヤフオクでコレ エスプリ・クチュールの落札価格を調べると、14,250円～15,000円で落札されていた。日本においてコレは、最近知名度が上昇し始めたシャンパーニュであるため、まだまだ盛んに取引される状況とは言いがたいようだ。現在出品されているコレ エスプリ・クチュールの最低落札価格を見ると、30,000円くらいで出品されるケースが多い。
コレ エスプリ・クチュールを高く売るためのコツ
ここでは、コレ エスプリ・クチュールを高く売るためのコツを解説するので参考にしてほしい。
品物は新品・未開封であることが大前提
まず酒類を高値で買い取ってもらう際の大前提が、新品・未開封であることだ。中には開封済みの酒類を買い取ってくれる業者もあるが、その場合の買取価格は著しく下がる。そもそもコレ エスプリ・クチュールの場合、シャンパーニュ、即ち発泡性の酒であるため、開封済みの品物を買い取ってくれる業者はまずない。
当然のことだが、コレ エスプリ・クチュールを高値で売りたいのなら、間違っても開封しないようにしよう。
付属品の欠落や汚れはマイナス評価に繋がる
コレ エスプリ・クチュールのような希少酒は、贈答品としてもよく用いられることに留意しておく必要がある。例えば、品物に汚れがあったり、箱や説明書など付属品に欠落があると、「贈答品としては不適格である」として買取価格が下がってしまう。査定を出す前には品物に汚れが無いか、また付属品に欠落が無いかをよく確認し、自分で掃除できる汚れなら、あらかじめ掃除するなどしておくことが大切だ。
希少酒の買取では、汚れの有無、付属品の欠落などによって査定額が万単位で変わることがよくある。少しでも高く売るために、あらかじめできることはしておきたい。
査定依頼は複数の業者に出す
酒類買取業者に査定依頼を出す際には、面倒臭がらず複数の業者に依頼を出すことが大切だ。複数の業者に依頼を出すことで、品物を不当に安い価格で買い叩かれることを防止できるほか、査定額に納得がいかなかった場合の価格交渉をしやすくなる。
業者の中には「出張買取」のサービスを行っているところや、「〇本以上の同時買取で、買い取り査定額〇円アップ」など、特別なキャンペーンを行っているところも多い。複数の業者に依頼を出せば、単純な買取価格だけでなく、そういった別の側面での比較もできるだろう。
自分が売りたい酒の種類や本数などによっては、買取業者が公表している買取価格を越える値で買い取ってもらうことも可能だ。様々な要素を吟味した上で、自分が最も必要なサービスを提供してくれる業者を選びたい。
査定結果が気に入らなかった場合は急いで売らない
返ってきた査定額が安く感じられた場合は一旦買取を断り、納得のいく買取相場になった頃に改めて売りに出すのも、高く売るための一つの工夫といえるだろう。コレ エスプリ・クチュールのような希少酒の場合、市場に出回る絶対数自体が少ないため、大きな値崩れが起こる可能性は低く、だんだんと買取価格が高くなっていく傾向がある。
ただ、手元に置いたことで品物が傷んでしまっては意味が無い。そういったことが無いよう、保管する際にはきちんと環境を整える必要がある。
ネットオークションを利用するのも一つの手
落札者とのやり取りや、品物の発送手続きが面倒臭くない場合は、ヤフオクやメルカリなど、ネットオークションサイト・アプリを利用するのも良い。一般的に、ネットオークションを利用する場合、業者に買い取ってもらうより高く売れる傾向がある。
ただコレ エスプリ・クチュールの場合、最近知名度が上がり始めたシャンパーニュのため、オークションの参加者が少なくなりがちということには気を付けたい。きちんと最低落札価格を設定しておかなければ、相場から逸脱した安値で落札されてしまうリスクがある。
またオークションを利用する場合、品物が落札者の手元に届くまでは、商品管理の責任は自分にあることをよく理解しておかなければならない。配送中に品物が傷んだりしないよう、細心の注意を払って梱包を行う必要がある。トラブルを避けるためにも、準備・出品は慎重に行いたい。
まとめ
今回はシャンパンラバーの方におすすめの、コレの歴史と魅力に迫りつつ、コレ エスプリ・クチュールを売る場合の買取相場・査定情報を紹介した。コレ エスプリ・クチュールを高値で売るためには、新品・未開封の状態で保管しておくことが一番である。すでに開封済の場合でも、商品の管理を徹底し、付属品一式と一緒に売りに出せば高価買取が期待できるだろう。
シャンパンは年齢を重ねても長く楽しめる趣味なので、歴を重ねるごとにアイテムが増えていくもの。ぜひ買取をうまく利用しながら、コレクションを楽しんでいただきたい。
