安田靫彦(やすだ ゆきひこ、本名:新三郎)は、東京府(現 東京都)生まれの日本画家である。
1884年(明治17年)に料亭の四男として生まれた安田靫彦は、法隆寺金堂壁画等の模写や横山大観らの絵画に魅了され、画家としての道を歩み始めた。小堀鞆音に師事し、紫紅会(のちの紅児会)の結成に参加、前田青邨らと共に日本画界に新風を吹き込んだ。その後、院展や再興された院展で長く活躍し、特に歴史画は特に有名で、歴史画と第一人者とも称されている。
また、安田靫彦は、能書家として知られ、さらに、江戸時代の歌人である良寛の書の研究家としても有名で、様々な分野で名を遺した人物である。
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安田靫彦の作品の価値は
様々な分野で活躍し日本画でも多くの傑作を残した安田靫彦の作品は人気が高く、高額で取引される傾向にある。
日本画の場合は、図柄や作品の状態にもよるが、数十万円から数百万円で取引されることが多い。特に人気作となると、1千万円を超えることもある。
安田靫彦の作品としては、他に木版画やシルクスクリーン、リトグラフなどがあるが、こちらも図柄や作品の状態にもよるが、数万円から数十万円で取引されているようだ。
安田靫彦の作品の価値を決める要素について
前述のように高額で取引されることも多い安田靫彦の作品であるが、作品の価値を決めるのは、作者のほかにも様々な要素があり、たとえ安田靫彦の作品であっても、ほかの作品を決める要素にマイナス要因があれば、期待したような価格で取引されない場合もある。
ここに安田靫彦の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は日本画の価値が高い
安田靫彦の作品としては、日本画のほか木版画やシルクスクリーン、リトグラフなどがあるが、作品の価値として一番高いのは日本画であり、前述のようにほとんどの場合で、木版画などの何十倍以上の価格で取引されている。
所有している安田靫彦の作品の技法か確認しておけば、ある程度の価値がわかるので、売却の際の参考になるだろう。
人気が高い図柄は他の図柄より取引価格は高くなる
同じ作家の作品でも、その作家が得意としている図柄、またはその作家の画風が良く表れている図柄は人気が高く、他の図柄より取引価格も高くなる傾向にある。
安田靫彦の場合は、歴史画の大家として知られていることもあり歴史画の人気が高く、モチーフによっては数百万円で取引されることもある。また、その他に富士山の図柄も人気も高く、こちらも数百万円から1千万円を超えた取引価格となることもある。
所有している安田靫彦の作品の図柄がどのようなものか把握しておけば、市場の価格もある程度わかるため、取引する際の取引価格の参考になるだろう。
安田靫彦の署名や落款がある作品は需要が高くなる
作中に安田靫彦の署名や落款がある作品は需要が高くなる傾向にあり、取引価格も高くなる可能性がある。
作品の中には署名や落款がない作品もあるが、鑑定証などで安田靫彦の作品であると証明されていれば、署名や落款がなくても作品の価値に影響を与えることはない。
ただ、署名や落款は、作品が完成した後に入れることが多いことから、署名や落款があることで、作品が完成したという考え方もできる。そのため、絵画を収集する収集家は、署名や落款がある作品を好む傾向にあり、署名や落款のない作品より需要が高くなることから、取引価格も高額となる可能性がでてくる。
所有している安田靫彦の作品に署名や落款があるか確認しておいたほうがいいだろう。
共箱や共シールがある作品は価値が高くなる場合が多い
作品の価値を決めるポイントとして、共箱、共シールがある事が挙げられる場合が多い。例えば、日本画の取引においても、共箱や共シールの有無は必ず確認される。それほど、共箱や共シールは作品の価値に大きな影響を与えるのである。
共箱とは、作者が署名や落款などを入れた作品を保管するための桐箱を指す。共箱は、作品毎に用意されるもので、その作品専用の箱という意味合いがある。そのため、作品と共箱が揃っていれば、作品の需要が高くなる傾向があり、取引価格も高くなるのである。
共シールとは、作品の裏に貼られている作者の署名や落款がある紙片を指す。この共シールが貼られていることで、作者がこの作品を制作したことを証明する、という見方もあり、そのため、共シールがあることで作品の価値が上がり、取引価格も高くなる傾向がある。
所有している安田靫彦の作品の共箱や共シールの有無について事前に確認をしておいたほうがいいだろう。
作品の状態が悪い場合は取引価格も下がる傾向がある
高額で取引されることが多い安田靫彦の作品であるが、状態が悪い場合は、たとえ安田靫彦の作品であっても、作品の価値は下がり、取引価格も下がる可能性が高い。作品の状態は、作品の価値に大きく影響するのである。
悪い状態としては、作品の破れや欠損、日光などがあたることにより色あせする日焼け、結露などで発生するカビやシミ、絵具のひび割れなどがある。制作されてから長く時間が経過したことにより発生したものもあるが、大部分が、作品を保管する環境や方法が、作品を保管するのに適していない場合が多い。
作品の状態を悪化させて作品の価値を下落させないよう、作品の保管には十分に注意したほうがいいだろう。
鑑定証は取引の際に用意しておいた方が良い
作品が高額で取引されるような作家となると、その作家の作品と偽って赤の他人が制作した贋作が流通することがある。贋作は、作品の価値としては無いに等しい。テレビの鑑定番組のなどで贋作と鑑定されると、鑑定額はかなり低い価格となってしまうことからも贋作の価値はないことがわかる。
もし、贋作を取引してしまえば、取引に費やした費用は丸々無駄になってしまうことから、取引の際には、鑑定証が必要となることが多い。鑑定証は、所定の鑑定機関が、これは安田靫彦が手掛けた作品である、と証明した証拠となるものである。
つまり、鑑定証があれば、安田靫彦が手掛けた作品ということで安心して取引ができるのである。そのため、鑑定証がない場合は、取引が成立しない場合もあり、取引の際には鑑定証が重要となってくる。
取引前に所有している安田靫彦の作品の鑑定証を確認しておいたほうがいいだろう。業者の中には鑑定証の代行所得を受け付けているところもあるので、必要に応じて相談してみるのもいいだろう。
安田靫彦の作品の作品を売却する場合について
安田靫彦の作品の作品を売却する場合についてであるが、価値が高く高額で取引されることも多いため、できるだけ専門家に依頼したほうがいいだろう。買取業者であれば、近代日本画家の作品の買取実績が豊富な業者、オークションであれば専門家が対応するアートオークション、もしくはオークションの出品代行を行う業者などである。
専門家に依頼することで費用が掛かる場合もあるが、面倒な手続きやトラブル対応など、一般人ではなかなか対応できない場合でもスムーズに対応してくれるため、安心して任せることができるといえる。