石踊達哉は平成の琳派とも称され、日本だけでなく海外でも評価の高い日本画画家である。晩年になっても精力的に創作活動を行っており、作品の価値は高まるばかりである。そこで、石踊達哉の作品の買取相場や査定の基準とともに、高く売るコツなどを紹介する。
石踊達哉の作品に興味があったり、買取に出す予定があったりするなら一読してほしい。
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石踊達哉について
まずは、石踊達哉がどのような人生を歩んだのか見ていこう。
創世記
石踊達哉は1945年に満州で生まれ幼少期を過ごし、終戦後は日本に戻り18歳まで鹿児島で過ごした。その後、東京藝術大学から大学院に進み、1970年に卒業後は日本画画家として活躍するようになった。世界にもいち早く目を向け、日本だけでなく中国やイタリア、フランスで作品を次々と発表した。
成長期
1988年にパリにアトリエを構えると、フランスの文化に触れることにより日本の素晴らしさを再認識するようになる。それまでは人物画にこだわり人物の特徴や心の動きまでも描き出すと定評があったが、日本らしさをテーマにした作風へと変遷した。花鳥風月をモチーフとした絵画を描くようになり、「日本画でしか表現できないものを描いてこそ、国際性を持つ美が生まれる 」と述べている。
円熟期
1998年には、瀬戸内寂聴現代語訳「源氏物語」全五十四帖の装幀画を任されることになり、その名を世界的に知らしめることとなった。最終的に「源氏物語」は250万部のベストセラーとなり、石踊達哉の装幀画も源氏物語ブームに大きく貢献した。また、2007年には金閣寺方丈の杉戸絵や客殿格天井画を描いたり、2017年に北京国際美術ビエンナーレに招待出品されたりと、精力的な活動を続けている。
石踊達哉の作風と代表作
数々の作品を残している石踊達哉の作品のなかでも、代表作とも言える品を紹介する。
石踊達哉の作風
石踊達哉の作風は、1988年にパリにアトリエを構える前と構えてからでは大きく異なる。初期の頃の作風はシュールな人物画で、高い技術に裏付けされた繊細な描写が特徴であった。パリにアトリエを構えた後は、日本らしさを体現する花鳥風月をモチーフにした風景画を多く描くようになる。
ただ、日本の伝統的な技法を模倣するのではなく、現代的な感覚も取り入れたモダンアートへと昇華させている。日本画という枠にとどまらず、常に新しいものを取り入れた斬新なスタイルで世界中の人々の心をひきつけている。
源氏物語
石踊達哉の名を世界的に知らしめたのは、源氏物語の装幀画を仕上げたことも大きい。それまでは美術界では名の知れた画家であったものの、源氏物語以降は芸術にはあまり興味がない人々にも知られることになった。そういう意味では、源氏物語の装幀画は石踊達哉の代表作の一つに数えられる。
全五十四帖の装幀画では海をモチーフにしたものが多く、小学校の頃に過ごした枕崎の空と海のイメージの鮮明さに誘発されたと語っている。
秋野
秋野は、桔梗や南天、女郎花など、秋の美しい植物を題材にした絵画で、日本の最も美しい季節を見事に描き切った秀作である。丘を彩る白い萩と燃えるような紅葉や南天とのコントラスト、愁いを帯びた秋の儚さなど、花鳥風月の世界観とともに独自のスタイルを作り出している。石踊達哉の作品の中でも人気が高い。
石踊達哉の作品の査定ポイント
絵画の査定を受ける際は、おさえておきたいポイントがあるので、詳しく見ていこう。
作品の状態
石踊達哉の査定では、作品の状態が重要視される。石踊達哉の作品は人物画や風景画などがあるが、汚れやシミ、色あせ、破損などがあると減額の対象となる。人物画では顔に汚れやシミがあるのは、大きな減額対象となるため注意が必要だ。紫外線やたばこの煙、湿気などは、作品の状態を劣化させてしまう。
作品の保管は直射日光が当たらず風通しの良い場所にするなど、普段から気を付けておくとよいだろう。
作品の種類
日本画の査定においては、作品の種類も大きく関係してくる。肉筆の日本画の場合は査定の価値が高くなるが、リトグラフや複製の掛け軸などは肉筆の絵画よりも査定金額が大幅に下がる。また、本物であるのか贋作であるのかでも、査定の価値に大きな開きがある。
贋作の場合は、全く価値がなくなるため査定が0円となることもある。
作品のサイズ
石踊達哉は日本画や屏風絵、掛け軸などいろいろな作品を手掛けているが、サイズが大きいものほど査定の価値が高くなる。大きいサイズのものほど、1枚を書き上げるのに多大な時間がかかるためだ。
付属品の有無
石館達也の作品では、日本画には共シール、掛け軸には共箱が付いているはずである。作品が本物であるか偽物であるかの判断の基準ともなるため、査定では重要視される。それらがあると、査定での価値はアップする。
そのほか、鑑定書がある場合は、査定の時に一緒に出すと査定金額が上がるだろう。
石踊達哉の作品の買取相場
では、石踊達哉の作品は、実際にどれくらいの金額で取引されているのか見ていこう。
美術品専門の買取業者
石踊達哉の作品を買取に出す場合、一番の選択肢となるのが美術品の買取業者である。専門の鑑定士が在籍しており、きちんと作品の価値を鑑定したうえで査定金額を算出してくれる。作品の価値に見合った買取をしてくれるのが魅力だ。
店舗まで直接持ち込むだけでなく、出張査定や宅配査定などにも対応してくれるので簡単に利用できる。石踊達哉の作品の買取相場は、複製の掛け軸なら数千円から10,000円、肉筆の日本画なら100,000円から250,000円ほどである。
総合買取業者
総合買取業者は美術品専門ではないが、美術品の知識がある鑑定士が在籍している業者もあるため、きちんと選べば市場価値に見合った金額で買取してもらえる。店舗に直接持ち込んだり、出張査定や宅配査定も可能で利用しやすい。石踊達哉の作品の買取相場は、複数の掛け軸なら数千円から10,000円、肉筆の日本画なら100,000円から200,000円ほどである。
リサイクルショップ
リサイクルショップは、絵画に限らず家にある不用品を買い取ってくれる業者である。美術の専門知識を付けたスタッフは在籍しないため、市場価値よりも低い買取金額になることが多い。出張査定にも対応してくれるのは、美術品専門買取業者や総合買取業者と同じである。
石踊達哉の作品の買取相場は、2,000円から30,000円である。
ネットオークション
ネットオークションは、出品すると作品を欲しい人が入札していくシステムである。商品を探している人ニーズにぴったりはまった場合、予想以上の金額で落札されることもある。石踊達哉の作品はネットオークションでも活発に取引されており、高額で落札される可能性が高い。
肉筆の作品なら小さなサイズでも30,000円から50,000円、大きなサイズなら200,000円前後で落札されている。
フリマアプリ
フリマアプリは自分で商品の値段を決めて出品し、欲しい人が買取るシステムである。人気の商品は高い金額でも即売できる。送料は負担しなければならないが、自分が納得できる金額で売れるのが特徴である。
ただし、石踊達哉の肉筆の作品は出品されておらず、複製品や源氏物語の文庫本のセットなどが多い。買取金額の相場は、数百円から3,000円が相場である。
石踊達哉の作品を高く売るためには
ここでは、石踊達哉の作品を高く売るコツを解説していく。
買取に出す前にきれいにする
絵画を買取に出す時には、倉庫から取り出してそのままの状態で買取に出すのは禁物である。額縁などにたまったホコリを払ったり、汚れを拭いたりするのは必須である。作品の見た目は査定に大きく影響するので、できるだけきれいな状態で出すのが正解だ。
宅配買取を利用する場合
宅配買取は絵画を梱包して業者に送り、見積もりをしてもらうシステムである。しかし、梱包をしっかり行わないと、配送中に傷がついたり破損したりして価値を著しく下げてしまうことがある。絵画を購入した時のダンボール箱が残っているなら、その箱に入れて配送し、残っていない場合は額縁の角を傷つけないように、気泡緩衝材を入れて梱包するのがベストである。
また、ダンボールは2重にして梱包するのが良い。
業者の評判を調べる
買取業者は大小合わせてたくさんの数があり、メールやLINEだけで査定してもらえるので全国どこにいても利用できる。しかし、明らかに相場よりも高すぎる査定額を出す業者は怪しい業者である可能性も否めないため、口コミやレビューで業者の評判を調べることも大事である。長年買い取り業務を行っていたり、利用者との金銭トラブルがないなど、評価の高い買取業者を選ぶのが無難だ。
まとめ
山本倉丘は京都画壇を語るうえでは欠かすことのできないような人物だが、その作品自体は作品数が多いということもあって、比較的入手しやすい価格で取引されている。とはいえ、今後は作品の価値が大幅にアップする可能性もあるため、コレクションとして収集するのもよいだろう。
絵画の売却は、総合美術買取センターのような専門業者に査定してもらうのが無難である。