持ち運びがしやすく場所も取らない電子書籍。皆さんはどんなツールで楽しんでいるだろうか。今回のテーマは電子書籍の専用端末。iPadやAndroidタブレットで電子書籍が読めるようになった昨今、電子書籍端末を買う必要性はあるのか。必要ならばどれを買えばいいのか。良くも悪くも電子書籍業界が落ち着きをみせた今だからこその、個人の価値観に合わせた選び方を紹介する。
Kobo v Kindle / Antony Bennison
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
電子書籍端末とタブレットの相違点は何か
タブレットで電子書籍が読めるようになった昨今、電子書籍端末を買う理由はあるのか。まずは電子書籍端末特有のメリット・デメリットを確認しておこう。
電子書籍端末のメリット
- ・高い視認性・目に優しい
- ・価格が安い
- ・バッテリーが長持ちする
- ・太陽光のもとでも読める
- ・小さくて持ち運びしやすい
電子書籍端末のデメリット
- ・特定のストアの本しか読めない
- ・雑誌やカラーコミックに不向き
- ・文字通り電子書籍専用なので、汎用性が低い
最大の違いは読む際の視覚的な負荷
タブレットとの最大の違いが、その高い視認性であろう。電子インクで紙に近い見た目を実現した電子ペーパーは、反射光で読めるため目にも優しい。白黒表示のため雑誌などを読むのには向かないが、文字主体の本にはぴったりといえる。一方、タブレットのブルーライトは、長時間読み続けるとどうしても目に負担をかけてしまう。分量の多い本を読む方には、電子書籍端末がおすすめだ。
電子書籍端末には、Kindle FireシリーズやKobo Arcシリーズといったカラー対応の機種(タブレット版)もある。雑誌やカラーコミックを読むことができ、ネットやゲーム、動画鑑賞もできる。感覚的にはタブレットというより、「専用リーダーとタブレットの中間のような存在」に近い。
一見便利だが、電子インクの恩恵を受けられぬうえ、性能はタブレットに劣る点で人気はそこそこである。ほどほどの性能で、ほどほど目にいいタブレットを安く手に入れたい人におすすめだ。
専用の電子書籍ストアによる束縛
また、注意しなければいけないのは、専用端末の場合「使えるストアが限られてしまう」ということだ。ここが最大の問題点ともいえる。例えばKindleならamazon、Koboなら楽天で販売されている電子書籍しか読めない。値段や品揃えによって複数のストアを行き来しているユーザーには不向きである。一応PCを介して他ストアの本を取り込む方法もあるが、その煩雑さからおすすめはできない。
タブレットならば、スマホでも配信されているような無料アプリをインストールするだけで、複数のストアの本を読める。BookLiveやhontoなど、スマートフォンでもタブレットでも、あらゆるジャンルの電子書籍が楽しめる。そのため自身のストアの利用状況と併せて考える必要がある。
結局、電子書籍用の専用端末は必要なのか?
Tablets / Martin Voltri
上述のとおり、両者は一長一短であり、個人のニーズによって必要性も異なってくる。価格や目の疲労緩和を考えれば専用端末に軍配があがるが、高いなりに汎用性のあるタブレットも十分に魅力的だ。活字をじっくり読みたい人には電子書籍端末がうってつけだが、カラーコミックや雑誌がほとんどの人には向かないだろう。つまり専用端末は一部の需要にしっかり応えており、ハマる人にはハマる比較的ニッチな商品であるといえる。あなたが自他共に認める読書家ならば、買って損はないだろう。
買うならどれ?後悔しない電子書籍端末選びを
Kindle v Kobo / Antony Bennison
タブレットとの違いが分かったところで、沢山の専用端末の中からどれを選べばいいのだろうか? 国内シェアはKindleとKoboの二つが圧倒的である。まずは同価格帯の定番機種を比較してみよう。バッテリーの持ち時間は、ともにワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合だ。
Kindle Paperwhite(¥10,280~)
- ディスプレイ:6インチ
- サイズ:169 mm x 117 mm x 9.1 mm
- 解像度:212ppi
- メモリ拡張:なし
- 重さ:206g
- バッテリー:最長8週間
Kobo Aura(¥13,165)
- ディスプレイ:6インチ
- サイズ:114mm×150mm×8.1mm
- 解像度:265 ppi
- メモリ拡張:microSD
- 重さ:174g
- バッテリー:最長8週間
スペックはややKoboが優勢
Kobo Aura HD / ActuaLitté
上記のとおり、スペックに大きな違いは見られない。大人気のkindleよりも、解像度や重さにおいてKoboの方がやや秀でているのが意外である。やはり後発の方が機能性は良いのだろうか。
ウェブブラウジングは両者とも対応しているが、モノクロなうえに操作がかなり制限され、申し訳程度についているといった印象だ。最大の違いはKoboのメモリ拡張機能で、自宅の本をスキャンする「自炊」派との相性も抜群だ。
操作性ではKindleか
Kindle 3 / kodomut
反応速度などの操作性もさほど変わらず、個人の好みによるだろう。しかし検索機能やしおりなど、専用端末ならではの機能はkindleの方が使いやすいと評判だ。そして、やはりamazonの安心感も大きい。
たくさんの商品ラインナップ
上記以外にも、Kindle VoyageやKobo aura H2O(2月末発売予定)など高価格帯の商品も見逃せない。更に美麗でハイスペックなので、ヘビーユーザーにおすすめの一品である。大きな違いはKobo aura H2Oに搭載された防水機能だ。濡れた指での操作性、ユーザーのニーズとうまくマッチするかが勝負の分かれ道となるだろう。
また、amazonで一番売れているKindleはKindle Paperwhite Wi-Fi なので、これも要チェック。
こだわらない人はストアで見極めよう
上述のとおり、両者の端末にさほど大きな違いはない。触ってみて違和感がない限り、品ぞろえやサービス面で使いたい電子書籍ストアを選ぶ方が賢明な選択といえる。安定性のあるKindle(Amazon運営)か、常時クーポンを配布し、安さでは群を抜くKobo(楽天運営)か。自分の欲しい本がどちらのストアにあるのか。それを見極めてから端末を選んでみるのも手である。また、中古タブレットの選び方を以下のコラムでも紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。