錦絵の買取相場・骨董価値・査定情報を調べてみた

1774年頃に開発された錦絵は、歴史的価値と希少性、木版多色刷りの美しさによって普通の浮世絵以上に高価買取の狙える古美術品カテゴリだ。

人間国宝の岩野市兵衛の手でスターウォーズの浮世絵が作られた近頃では、世界中の錦絵・浮世絵ファン達が日本の伝統芸能である木版画の技術に魅了されつつある。

また東洲斎写楽、歌川広重、葛飾北斎、喜多川歌麿などの著名作家によって作られた錦絵は、木版画カテゴリの中でも注目されやすい特徴があるため、知名度とコレクターの多さが買取市場に好循環をもたらしていると考えて良いだろう。

今回は、売却のメリットが大変高い錦絵について、高価買取に繋げる良策や査定情報などを紹介していきたい。

Hotaru kago (LOC) / The Library of Congress

人気の高い錦絵作家と買取実績、買取相場

まずは、世界的にファンの多い錦絵作家ごとの買取実績を確認しながら、このカテゴリの古美術品がいくらで売却されているのかを紹介してみよう。

歌川広重

大胆な構図とともにジャパンブルー（ヒロシゲブルー）と呼ばれる青色の美しさが特徴的な歌川広重の作品は、欧米のコレクター達から多大な人気がある。

明治時代に活躍した三代目・歌川広重の木版画は、浮世絵・錦絵カテゴリに入らなくても200,000円～250,000円ほどの査定が期待できる。

歌川広重の代表作「富士三十六景」については、初摺りでなくともコンディションさえ良ければ1,000,000円～1,600,000円もの高額査定になることもあるようだ。

歌川国芳

斬新なデザインと高いデッサン力で知られる歌川国芳も、高価買取実績の多い作家だ。

歌川国芳の個性が活かされない七福神などのテーマの場合は、本物であっても20,000円～60,000円ほどの査定しかつかない。

これに対して、歌川国芳らしい大胆な構図の作品には、龍宮玉取姫之図で800,000円、鯨図で2,000,000円もの鑑定実績が存在する。

葛飾北斎

江戸時代後期の化政文化を代表する浮世絵師・葛飾北斎も、世界中のコレクターから注目されている。

北斎の名作「富嶽三十六景・武州千住」については、2～5回目の摺りと思われる作品にも1,000,000円～1,500,000円の鑑定額がつく。

同作品の初摺りの場合は4,500,000円以上の高額査定も見込めるため、錦絵や浮世絵購入の際には作家名やテーマだけでなく、「何回目の摺りか？復刻版ではないか？」といった部分も冷静に確認すべきと言えるだろう。

錦絵を売却する際の注意点

古美術品の中でも特に奥が深い錦絵や浮世絵は、これから紹介する4つのポイントを心掛けた上で売却に向けた行動を起こしてみてほしい。

不要なら早く売る

紫外線や湿気に大変弱い錦絵は、紙の劣化やコンディションが査定額に大きく影響する。

錦絵買取業者のサイトによると、18～20度の部屋で湿度を50～60%に保つことが浮世絵保管には最適な環境のようだ。

こういった条件を守らず閉めきった部屋に長期間保管しておくと、紙の伸縮やカビが生えやすくなるため、環境面で不安要素がある場合は早めに売却するのが理想と言えるだろう。

コレクターは「初摺り」を買い求める

1枚目に摺られた「初摺り」は、仕上がりの美しさにより100%高価買取の狙える存在だ。

これに対して数十～数百枚目の木版画作品は、色合いの滲みなどによって価値が下がってしまう。こういった特徴を持つ錦絵や浮世絵を購入する際には、「複製品ではない初摺りであること」にもこだわるべきだと言えるだろう。

オンライン査定・簡易査定を行なうメリットとは？

復刻版も多数存在する錦絵には、現物を査定士に見せなければ正しい査定額がわからないという難点がある。

しかしオンライン査定を通して錦絵の写真や情報をショップに送付すると、「自分の所有する作品に興味のある業者なのか？」を早い段階で判断できるようになるのだ。

また写真を送れば「初摺りだった場合の金額」なども聞き出しやすくなるため、参考情報の収集用としてオンライン査定を活用するメリットは非常に高いと考えて良いだろう。

出張査定サービスを活用しよう

出張査定サービスを利用すると、大事な錦絵をコンディションの良い状態で査定してもらえる。

大変薄くデリケートな紙でできている錦絵や浮世絵は、宅配買取や郵送買取時の梱包も難しい傾向があるため、出張査定サービスを利用することが賢い売り方に繋がると言えそうだ。

出張査定を通して業者スタッフに来てもらうなら、自宅に眠っている他の古美術品や和本、古文書なども一緒に査定をお願いしてみても良いだろう。

錦絵買取に積極的な業者 まとめ

錦絵の買取相場と売却のコツがわかったところで、最後にこの古美術品を積極的に買取る業者を紹介しておこう。

総合美術買取センター

http://www.sbkart.net/staffblog/cate/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5/

スタッフブログの中で浮世絵に関する基礎知識を紹介する総合美術買取センターでは、錦絵も査定可能だ。

ジャンルごとに専門の鑑定人のいる総合美術買取センターを利用すれば、リアルタイムの査定額だけでなく市場動向なども教えてもらえる。

また、査定額の返答は原則として24時間以内に行われているため、スピーディーな現金化を目指す人にも利用のメリットが高い業者と位置付けて良いだろう。

くまねこ堂

http://www.kumanekodou.com/japanese/

さまざまな紙もの資料の買取を行うくまねこ堂では、復刻版の錦絵も査定可能としている。

サイト内では浮世絵や錦絵の買取実績を写真付きで公開しているため、初めての査定依頼に挑戦する人たちでも良きイメージができることだろう。

くまねこ堂の実績を見ていると、コンディションの悪い錦絵でも十分に価値があることがわかる。

小川処堂

http://www.o-shodou.com/search/item/kottou/ukiyoe.html

個人商店の小川処堂では、経費をかけないことで錦絵作品の高価買取を実現している。

買取品目の中には、東京日日新聞や郵便報知新聞といった「錦絵新聞」も掲載されているため、浮世絵が描かれていれば木版画作品以外でも買取可能と考えて良いだろう。

資金力の高い小川処堂は、同業者やリサイクルショップなどからの錦絵買取も行っている。

ますけん

http://masuken.com/kottou/a_kaiga_ukiyoe.html

浮世絵買取に積極的なますけんでは、錦絵などの木版画だけでなく、絵師が1枚ずつ手描きで制作した肉筆浮世絵も大歓迎している。

多彩な買取品目を取り扱うますけんは、処分費用から浮世絵などの買取代金を差し引く遺品整理も行っている。

また、遺品整理などの出張査定サービス利用時にはその場で買取代金を支払ってくれるため、スピーディーな現金化を求めるユーザでも満足の対応が得られることだろう。

龍潭

http://antique-ryoutan.com/buy/list/mokuhan/

龍潭では、木版画全般を高価買取対象としている。

浮世絵、錦絵以外に明治版画なども積極的に買い取っているため、江戸時代という枠に囚われず持込可能な業者と考えて良いだろう。

また龍潭では、浮世絵や錦絵に関する専門書や豪華本なども大歓迎しているようだ。

モズブックス

http://d.hatena.ne.jp/mozubooks/20110731

錦絵買取に積極的なモズブックスは、その名のとおり古書・古本の専門業者だ。

江戸～明治にかけての浮世絵を歓迎するモズブックスでは、近畿一円で出張料無料の出張買取を行っている。

また、遺品整理や引っ越しに伴う浮世絵処分にも対応してくれるため、柔軟性の高いサービスを求める人には特におすすめ度の高い専門店になることだろう。

まとめ

世界中のコレクターから注目される錦絵は、浮世絵カテゴリの中でも群を抜いて需要の高い存在だ。

錦絵の査定額は業者のニーズによっても大きく変わると考えられる。販売ルートの少ない業者の場合は、不人気テーマを好まない傾向もあるため、複数のショップに問合せをしながら買取相場を把握することが必要不可欠だと言えるだろう。

錦絵を含む古書や古美術品買取業者がなかなか見つからない場合は、ショップの口コミや評価も確認できる当サイト・ヒカカク！も活用してみて欲しい。