着物の買取は聞いたことあるけど、簪(かんざし)のような和装小物は買取業者や質屋で引き取ってもらえるのか心配に思う人が多いことだろう。簪のような着物に関係する和装小物を査定対象とする買取業者はたくさんある。今回は、銀製葵簪(ぎんせいあおいかんざし)と呼ばれる江戸時代後期に流行した和装小物の売却方法、高額買取のコツやおすすめの買取業者について紹介しよう。
自宅や祖父母の遺品整理をおこなっていて銀製葵簪の処分に困っている人は要チェックだ。
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江戸時代後期に流行した銀製葵簪
銀製葵簪とは、江戸時代後期の天保7・8(1837~1838)年に流行した簪のことである。うすい円形のかざりに1本または2本足がついた平打簪を銀製にしたものだ。平打簪のかざりに小さな二葉の葵がついていたことから、銀製葵簪という名前がついたといわれている。
一口に簪といっても種類はさまざまで時代や年代により流行があったといわれている。銀製葵簪は天保7・8年ごろの若い未婚女性や遊女たちに流行したものだ。2019年現在では、ほとんど見かけることがないため、レアアイテムといってよいだろう。
銀製葵簪の売却方法
銀製葵簪の売却方法を4つある。それぞれのメリット、デメリットと一番おすすめの売却方法を紹介しよう。
フリマアプリ
メルカリやラクマなどフリマアプリは予想以上に和装小物の出品が多い。銀製葵簪も出品すれば売れる可能性はあるだろう。フリマアプリで銀製葵簪を売却するメリットとデメリットに次のようなものがある。
メリット
スマホで商品の写真を撮影すればすぐに出品できるので、パソコンの操作が苦手な人でも気軽に使える点が最大のメリットといえる。自分が売りたいと思った値段で売れるところもフリマアプリならではメリットといってよいだろう。メルカリやラクマに出品されている簪の売値の相場は1,000~1万円前後だ。
アンティーク品は3,000円以上から出品する人が多い傾向にある。
デメリット
フリマアプリを使うデメリットは、商品の売却から発送まで個人でやり取りするためトラブルが多い点だ。特に商品購入後は購入者側と出品者側の両方でトラブルが続出している。フリマアプリに出品したからといって必ず売れるとは限らない。
魅力的な商品写真や商品説明を掲載しなければいつまでたっても売れないのだ。
オークションサイト
ヤフオクなどオークションサイトで銀製葵簪を売るのも1つの手段だ。オークションサイトで銀製葵簪を売却するメリットとデメリットを紹介しよう。
メリット
オークションサイトを使う最大のメリットは、自分が設定した落札価格より高値で落札される可能性があることだ。特に希少価値が高いものや人気のアイテムは出品者が設定した落札価格の倍以上の値段で落札されることも珍しい話ではない。ヤフオクで銀製葵簪のようなアンティーク物の落札価格は1,000円からスタートする場合が多い。
作家物や真珠、本サンゴ、ヒスイなど石が装飾されたもの、らでん細工の簪の落札価格はだいたい1万円前後からだ。なかには5万円からと強気の価格設定をする人もいた。
デメリット
オークションサイトを使うデメリットは、出品したからといって必ず売れるとはかぎらない点だ。フリマアプリと同じで見栄えのよい商品写真と詳しい説明文を掲載しなければなかなか売れないというきびしい現実がある。そもそもオークションサイトは女性ユーザーよりも男性ユーザーが多いといわれている。
調査会社のニールセンが2016年にオークションとフリマサービスの実態調査をおこなった結果、ヤフオク利用者のメインユーザーは40代男性であることが判明した。簪を使う女性ユーザーがヤフオクには少ないので出品しても、すぐには落札されないだろう。現にスマホやパソコンなど家電の落札者が多いのに対して、簪など和装小物の落札者はあまりいなかった。
銀製葵簪をオークションサイトに出品しても自分で設定した落札価格より高値で売れる可能性は低いといえる。
質屋
質屋で銀製葵簪を売却する方法もある。質屋で売却するメリットとデメリットに次のようなものがある。
メリット
質屋を使うメリットは専門の鑑定士から適正価格で査定してもらえるところだ。特に和服や骨董品をあずかるような老舗の質屋は目利きにすぐれている人が多い。質屋では持ち込まれた商品を査定して、その価値に応じた現金を融資する仕組みを質入れと呼ぶ。
質入れできる期間は原則3ヶ月間だ。有効期限内に借りたお金(利息も含む)を返済すれば持ち込んだ商品が自分の手元に戻ってくる。そのため、売却を迷っている人、ほかに高額買取できる業者がないか探したい人におすすめだ。
デメリット
フリマアプリやオークションサイトとちがい自分の希望する値段で売却できない点がデメリットである。質屋は基本的に持ち込まれた商品を担保にして期限内にお金を融資するサービス。査定額から商品の保管料が差し引かれるため、買取業者と比べて売値は2~3割下がる傾向にある。
買取業者
買取業者も銀製葵簪を売却する手段の1つだ。今回、紹介した売却手段で一番おすすめするのが買取業者での売却だ。メリット、デメリットを紹介するのでしっかりチェックしてほしい。
メリット
和装小物やアンティーク品に詳しい専門の鑑定士が在籍しているところが多いため、適正価格で査定してもらえる。質屋とちがって買取価格が2~3割高いのでお得な値段で売却可能だ。買取方法も店頭買取、出張買取、宅配買取と3種類用意している買取業者が多い。
各種手数料が無料なところがほとんど。近くに買取業者がない人でも気軽に査定が頼みやすい点もメリットである。メール査定やLINE査定をおこなう買取業者が多いため、買取に出す前におおよその査定額を知ることも可能である。
デメリット
質屋と同様に自分が希望する値段で売れない点がデメリット。買取業者により和装小物の買取実績が豊富なところとそうでない業者がある。そのため、和装小物の買取実績が少ない買取業者に査定を依頼すると買取額が相場より安くなる可能性も否定できない。
買取業者で銀製葵簪を売却するのであれば、和服や和装小物の買取実績が豊富なところを選ぶようにしよう。
銀製葵簪を高値で売却する方法
少しでも銀製葵簪が高値で売却できるよう査定依頼の前にやるべきことを紹介する。売却を検討している人はぜひチェックしてほしい。
着物やほかの和装小物と一緒に売る
自宅にもう使わない着物や以下の和装小物がある人は、銀製葵簪と一緒に売却するとよいだろう。
- 和装小物
- ・帯/帯留め/帯飾り/帯締め
- ・着付け小物(衿芯、帯板、帯枕、腰ひも、伊達締め、肌じゅばんなど)
- ・髪かざり/くし/笄/根掛け
- ・印籠/数珠/値付
- ・半衿/衿ししゅう/手差ししゅう
- ・伝統工芸織物(風呂敷、信玄袋など)
- ・アンティークジュエリー(サンゴ、ヒスイ、象牙、ベッコウなど)
銀製葵簪1本でも査定してくれる買取業者はあるが、場合により簪のみの査定は断られるケースもある。買取業者のなかには査定に持ち込んだ点数が多いと、その分査定額を上乗せするところも少なくない。少しでも高値で売却できるよう銀製葵簪と一緒に着物や和装小物を査定に出すことをおすすめする。
作家物は証書や付属品もそえて出す
有名な作家が作った銀製葵簪なら証書や箱・ケースなどの付属品も査定依頼の際に提出しよう。ブランド品の買取と同じで証書があれば著名な作家が手がけた銀製葵簪であることの証明となるので、買取価格が上がる可能性がある。簪のような和装小物にかぎらず買い取った中古品は買取業者の店頭やほかの販売会社で再販するケースがほとんど。
箱やケースがあるとそのまま再販しやすいので査定額が高くなるケースが多い。
銀製葵簪についた汚れをふく
中古品は商品の状態が悪いと査定額が低くなるのが一般的だ。あまりにも商品の汚れがひどいと買取自体を拒否されるケースもゼロではない。簪は髪かざりなので頭皮や皮脂の汚れがべったり付着していることだろう。
査定前に乾いたやわらかい布で銀製葵簪の汚れをふき、キレイな状態で査定依頼をしよう。
銀製葵簪の売却におすすめの買取業者
買取業者の簪の買取相場は1,000~5,000円ぐらいといわれている。作家物や素材に純銀、サンゴなどで装飾された簪は1万円以上となるケースが多い。和装小物の買取実績が豊富で銀製葵簪が売却できる可能性が高いおすすめの買取業者を6社紹介する。
BUYSELL(バイセル)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
着物や古銭など和物の買取実績が豊富なBUYSELLは銀製葵簪の査定依頼におすすめの買取業者である。特に着物の買取実績が豊富だ。買取対象は作家物や大島紬など高価な着物だけではない。
ノーブランドや汚れの目立つ着物も積極的に買取している。着物と一緒にもっていければ銀製葵簪も買取してもらえる可能性が高いだろう。BUYSELLの買取方法は出張買取・宅配買取・持込み買取の3種類。
すべて全国対応しているので地方在住でも査定依頼が可能だ。女性の査定員もいるので出張買取で自宅に見知らぬ男性を入れることに抵抗のある女性でも安心だ。
和装小物買取専門店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
和装小物買取専門店は着物や帯、和装小物、骨董品専門の買取業者だ。専門店ならではのプロの目でしっかり査定してもらえるので安心して銀製葵簪の買取依頼に出せる。小さな和装小物1点だけでも買取可能なので、査定に出すものが銀製葵簪しかない人におすすめの買取業者である。
主な買取方法は宅配買取と出張買取で両方とも全国対応だ。依頼前におおよその買取額を知りたい人のためにLINE査定もおこなっている。とりあえず銀製葵簪の買取額が知りたい人は試してみるとよいだろう。
TOP堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
TOP堂は着物・和装専門の買取業者。簪の高価買取を積極的におこなっている。銀製葵簪の査定依頼も歓迎されることだろう。買取方法は店頭買取・出張買取・宅配買取の3種類。
それぞれの対応エリアは次のようになっている。
- ・店頭買取:京都府、大阪府、滋賀県、北海道
- ・出張買取:京都府、大阪府、滋賀県、奈良県、北海道
- ・宅配買取:全国対応
査定料、出張料、送料は無料なので、対応エリアを確認したうえで好きな買取方法で依頼しよう。
道具屋たまはし
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
道具屋たまはしは骨董品や古道具専門の買取業者である。公式サイトを見ると査定対象に銀製葵簪と明記されているので安心して査定依頼がおこなえる。出張買取の対応エリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県は1都4県のみ。宅配買取は全国対応だ。
査定料や査定額が満足できなかったときの返品手数料は無料なので気軽に相談してみるとよいだろう。
アオイ商会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アオイ商会は、遺品買取や生前整理専門の買取業者。年代物の帯留めや簪の高価買取もおこなっている。祖父母の家から出てきた入手経路がよくわからない銀製葵簪が手元にある人におすすめの買取業者である。
買取方法は出張買取と宅配買取の2種類でどちらも出張料と送料は無料。出張買取は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県の1都6県のみ。宅配買取は全国対応だ。
買取依頼の前におおよその買取額が知りたい人は無料のLINE査定もある。スマホで撮影した写真を送るだけの簡単操作なので、さっそく銀製葵簪の査定依頼をおこなってみよう。
福ちゃん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
福ちゃんも着物や和装小物の買取実績が豊富な買取業者の1つである。簪は素材次第で高価格で買取する方針だ。純銀の銀製葵簪なら高額買取が実現するだろう。
買取方法は店頭買取・出張買取・宅配買取の3種類。店舗は東京都、神奈川県、大阪府のみ。ほかのエリアに住んでいる人は各種手数料が無料の出張買取と宅配買取で買取依頼をおこなうとよいだろう。
まとめ
銀製葵簪の売却方法はフリマアプリ、オークションサイト、質屋、買取業者と4つある。一番おすすめなのが買取業者だ。そのなかでも着物や和装小物、骨董品の査定を得意とする買取業者にもっていくことをおすすめする。
簪の買取額の相場は1,000~5,000円だ。作家物や純銀製、サンゴなど宝飾品を使ったものだと1万円前後となる場合もある。銀製葵簪もだいたい同じくらいの査定額になることだろう。
今回、着物や和装小物の買取実績が豊富な買取業者を6社紹介した。記事を読んで気になる買取業者があればさっそく依頼してみてほしい。