スマホで動画を見てしまうと、どうしても通信量が気になってしまう。Docomoやau、ソフトバンクといったキャリアで契約すると、基本的な通信量は「5GB」となっており、それより少ない「2GB」「1GB」といった契約を行うことで通信料を下げることは可能である。
しかし、スマホで動画を見ると考えた場合、1GBや2GBはもちろんのこと、5GBでも非常に厳しい容量となってしまう。もし、1か月の間にこれらの制限を超えてしまうと、webサイトを開くのにも長い時間待たないといけないような、超低速モードに切り替わってしまい、それを解除するためにはお金を払わなければならない。
切り替えのタイミングになるとTwitterなどで低速であることを嘆く人もたくさんいる。低速であることは非常にストレスとなるだろう。各通信キャリアを利用していたとしても、そのような制限がかけられてしまうため、格安SIMを利用している方は、もっと厳しい制限があると思われがちであるが、契約内容によっては、そうではない。
そこで、今回はスマホで動画を見る場合の、おすすめの格安SIMについて紹介する。
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動画を見るために必須な通信速度
格安SIMは各通信キャリアの4G(LTE)と違って、通信が不安定で速度も遅いと言われている。では、実際に動画を見るためには、どの程度の通信速度が必要なのだろうか。
低画質の場合
おおよそにはなるが、スマホで「低画質」の動画を視聴する場合は、1分間に4MB~5MB必要とされている。計算しやすいように、1分間で6MBの通信量が必要と考えた場合、1秒間では60分の1である100KBのデータを受信できなければならないということになる。
一般的に通信速度は「bps(bits per second)」で表示されており、通信速度を計算するにあたっては、Bitという単位に変換しなければならない。100KBをBitという単位に変換した場合は、800Kb(約0.8Mb)となる。そのため、通信速度が1Mbps以上あれば、低画質の動画を視聴するのに苦はないと考えられる。
では、実際に格安SIMでの通信速度を見てみると、ほとんどの格安SIMで朝・昼・夕方のいつでも1Mbpsは超えていることが確認できた。しかし、一部の格安SIMでは昼、もしくは夕方の通信速度が1Mbpsを下回るところがある。そのため、契約する格安SIMの会社には注意しなければ、そもそもスマホで動画そのものを見ることができないということになってしまうのである。
中画質の場合
さらに、画質にこだわるのであれば、中画質、高画質での視聴を行うという選択になる。そのため、中画質、高画質で動画を視聴するためには、どの程度の通信速度が必要なのかについても計算してみる。
まずは中画質であるが、こちらは1分間に7MB~10MBの通信量が必要となる。そのため、低画質の1.5倍~2倍程度の通信速度が必要となる。同じように1秒間当たりの通信量に換算すると、10MBの場合で1秒当たり167KBの通信量が必要となる。Bitに換算すると1.33Mbitとなるため、1Mbpsだと、やや厳しいという状況になる。この計算上では、1.5Mbpsあれば問題なく視聴できるということになるが、1.5Mbps以上の通信速度を確保しようと思うと、格安SIMの選択がかなり限定されてしまう。
最も通信速度が遅くなる日中の時間帯で確認してみると、UQ mobileや楽天モバイル、イオンモバイル、LINEモバイルなど、格安SIMの中の大手でしか1.5Mbpsの通信速度を確保できていないことがわかる。
高画質の場合
最後に高画質の場合であるが、こちらは1分間に12MB~18MBの通信量が必要となる。そのため、低画質の3倍~4倍程度の通信速度が必要ということになる。低画質、中画質と同じように1秒間当たりの通信量に換算すると、最大の18MBの場合で1秒当たり300KBの通信量が必要となる。Bitに換算すると2.4Mbitとなるため、2Mbpsでも、視聴するのが困難という状況になる。
3Mbpsあれば問題なく視聴できるが、3Mbps以上の通信速度を確保できるのは、通信速度が遅くなる日中の時間帯だと、UQ mobile、楽天モバイル、イオンモバイル、NifMOの4社のみとなってしまう。
動画を見るために必要な通信量
通信速度が満たしていたとしても、それは低速モードになっていない状態のときであって、格安SIMも契約によっては低速モードになるまでの通信量が定められていることが多々ある。そのため、快適に見られるからと言って動画ばかりを見ていると、すぐに通信量の上限を超えてしまうこととなってしまう。そのため、動画を見られる時間にも注意しなければならない。では、画質によって、どの程度の動画の視聴が可能なのだろうか。
低画質の場合
はじめに「低画質」の動画を視聴する場合であるが、「低画質」の動画は1分間に4MB~5MB必要とされている。1分間で5MB必要であるということは、1GBで視聴できる時間は、およそ200分(3時間20分)程度となる(計算しやすいように1GB=1,000MBで計算)。つまり、制限がかかるまで2GBの契約であれば6時間40分、5GBの契約であれば16時間40分が、それぞれ月間で視聴できる最大時間となる。
低画質でも動画の内容はわかるだろうが、きれいな風景の動画などを見るのには向かないだろう。映画などもおすすめできない。途中で止まる可能性があるからだ。
中画質の場合
次に中画質であるが、こちらは1分間に7MB~10MBの通信量が必要となる。1分間で10MB必要であるということは、1GBで視聴できる時間は、およそ100分(1時間40分)程度となる。つまり、制限がかかるまで2GBの契約であれば3時間20分、5GBの契約であれば8時間20分が、それぞれ月間で視聴できる最大時間となる。
高画質の場合
最後に高画質の場合であるが、こちらは1分間に12MB~18MBの通信量が必要となる。1分間1分間で18MB必要であるということは、1GBで視聴できる時間は、およそ55分程度となる。つまり、制限がかかるまで2GBの契約であれば1時間50分、5GBの契約であれば4時間35分が、それぞれ月間で視聴できる最大時間となる。あまり長時間視聴できるとはいいがたい。
画質が気にならない人は、低画質、中画質程度で見るのがちょうどいいだろう。
おすすめの格安SIM
では、これらの条件を満たす格安SIMを紹介する。
DTI SIM
DTI SIMDTI SIMは株式会社ドリーム・トレイン・インターネットが提供するサービス。 2011年4月1日からサービスを開始し、NTTドコモとワイヤ・アンド・ワイヤレスの公衆無線LANを使ったサービスを提供している。
「DTI SIM」では、データプラン、データSMSプラン、音声プランという3つの標準プランが用意されている。最も安いデータプランの場合、通信量は1GBで600円、5GBで1,220円、10GBで2,100円、20GBで4,850円となっている。また、最も高額なでんわプランの場合は、通信量が1GBで1,200円、5GBで1,920円、10GBで2,800円、20GBで5,550円となっている(その他のプランもあり)。
ここまでの料金は、他の格安SIMと大きく変わりはないが、「DTI SIM」では、ほかにも「DTI見放題SIM」というプランが用意されている。このプランは、月間の通信量が7GBとなっているが、月額が2,430円とデータプランの10GBよりも少し高い。その理由は、「You Tube」と「Twitter」で使った通信量は、この7GBという通信量には含まれないという特徴がある。つまり、1か月間、どれだけ「You Tube」で動画を視聴しても、通信速度制限がかかることはないということである。
自分の持っているスマホにSIMカードをセットして使いたい場合は、データ容量7GBのSIMカードのみの契約で月額2430円。
ユーチューバーが提携で紹介していたので見たことがある人もいるのではないだろうか。
公式アプリ、ブラウザ以外での利用はすべて通信量にカウントされる。
BIGLOBE SIM
BIGLOBE SIMビッグローブ株式会社が運営するサービス。NTTdocomoの回線を利用した高速モバイルデータ通信サービスを行っている。
2017年9月にサービス名称を「BIGLOBE LTE・3G」から「BIGLOBE mobile」に変更した。
「BIGLOBE SIM」でも、「DTI SIM」と同じようなサービスが用意されている。「BIGLOBE SIM」の場合は、「エンタメフリーオプション」として、標準の料金から+980円で加入できるオプションサービスとして用意されており、特定のアプリ以外の通信量を3GB、6GB、12GB、20GB、30GBから選択することができる。
「BIGLOBE SIM」で通信量を気にせずに通信することができるアプリは、「You Tube」の他に、「Abema TV」「Amazon Music」「Apple Music」「AWA」「Google Play」などがある。ただし、「BIGLOBE SIM」でこれらのオプションフリー対象のアプリで動画を視聴する場合、通信速度があまり高くないというデメリットがある。そのため、視聴する場合は低画質となってしまうため、画質にこだわる方にはおすすめできないプランとなっている。
動画や音楽を思う存分楽しみたい人におすすめだ。
エンタメフリー・オプション同時申し込み特典がある。「BIGLOBEモバイル」エンタメフリー・オプション同時申し込み特典。BIGLOBEモバイルを申し込むときに、エンタメフリー・オプションを同時に申し込んだ場合、エンタメフリー・オプションの月額料金から値引きがされる。
サービス開始月は480円の値引き。その後24カ月は100円の値引き。 途中でエンタメフリー・オプションを解約した場合、残月分は特典適用外となる。
J:COM MOBILE
J:COM MOBILE日本通信株式会社が運営する個人向けデータ通信事業、法人向けワイヤレスデータ通信を行うブランドを展開している。
「J:COM MOBILE」では、J:COMが提供する「J:COMオンデマンドアプリ」のみが通信量を気にせずに利用できるプランが用意されている。「J:COMオンデマンドアプリ」は、月額933円のオプションサービスであるため、月額933円を追加することで、海外ドラマやアニメといった番組を自由に視聴することができるため、「You Tube」のような動画投稿ではなく、動画配信サービスを利用したい方にとっては、おすすめのプランといえる。
動画はメガパックVIDEOは約8000本以上が月額933円で見放題だ。 メガパックとは映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメ、エンターテイメント、バラエティなどの様々なジャンルを総合編成されているコンテンツ見放題のパック。
テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレットなどの好きなデバイスで楽しむことができる。
多チャンネルを自由自在に楽しめる3つのコースがある。
- スタンダードプラス 92ch以上
- スタンダード 80ch以上
- セレクト 32ch以上
- 0.5GB 1130円
- 1GB 1280円
- 2GB 1380円
- 4GB 1580円
- 6GB 1980円
- 8GB 2680円
- 12GB 3280円
- 20GB 4680円
- 30GB 6080円
- 40GB 7980円
- 50GB 10800円
- 1GB 480円
- 2GB 780円
- 4GB 980円
- 6GB 1480円
- 8GB 1980円
- 12GB 2680円
- 20GB 3980円
- 30GB 5380円
- 40GB 7480円
- 50GB 10300円
- 4GB 1780円
- 6GB 2280円
- 8GB 2980円
- 12GB 3580円
- 20GB 4980円
- 30GB 6380円
- 40GB 8280円
- 50GB 11100円
しかし、HuluやNetflixといった他の動画配信サービスよりも視聴できる動画は少なくなっているため、それらをすでに契約中であれば、おすすめすることはできない。
楽天モバイル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズがNTTdocomoの回線を利用してMVONを立ち上げたもの。運営元がフュージョン・コミュニケーションズから楽天へと移籍し、楽天モバイルとなった。現在はFREETELを買収した。
楽天モバイルのスーパーホーダイは月額1480円で1Mbpsの低速モードが使い放題となっている。1MbpsはYouTubeでいうと480pを止まらずに見続けることができる程度の通信量だ。
スーパーホーダイは高速通信容量が2GBで、通信が混み合う12:00~13:00、18:00~19:00までは最大300kbpsとなっている。
プランMは1年目2980円で高速通信容量が月々6GBで、2年目以降は月額3980円となる。ダイヤモンド会員割適用時は2480円。
プランLは1年目4980円で高速通信容量が月々14GBで、2年目以降は月額5980円となる。ダイヤモンド会員割適用時は4480円。
余ったデータ通信量は翌月に繰り越すことができるので、利用しやすいだろう。
UQ mobile
UQmobileUQコミュニケーションズという無線データ通信事業を行うKDDIグループの会社が運営するUQモバイル。
WiMAX実証実験をもとに、無線データ通信の事業化を目的として立ち上がった会社で、無線データ通信のサービスは「UQ WiMAX」のサービスの名称で試験サービスを開始し、その後正式サービスとして提供を行っている。
社名の由来はUniversal Qualityから名付けられた。
データ無制限プランがおすすめ。利用できるのは500kbpsだが、3日間で6GB利用できる。通信速度は普通画質の動画がたまに止まる程度な速度。
データ通信専用のプランは月額1980円で利用できる。音声通話付きのプランは月額2680円。
通信量を気にせずに利用できるのは非常に使いやすいだろう。データ通信の残容量をこまめにチェックすることもなく、ストレスがなく使える。
UQ mobileの他の会社と違う点は、メールサービスが利用できる点だ。月額200円で独自のドメインのメールアカウントを利用できる。
気になる点は通信速度が低速な点だ。データ無制限ではあるものの、動画がサクサクと見れるかというと難しいところだろう。
nuroモバイル nuroモバイル
ソニーネットワークコミュニケーションズが提供のdocomo系列の格安SIM。
月額料金が安いのが特徴で、2GB以上は1GB刻みでデータ量が選択することができる。 コストパフォーマンスの高さでナンバーワンを獲得している。
ユニークなプランとして時間プランなどがあげられる。
毎日5時間だけ使い放題の「毎日5時間」と深夜1時から6時まで使い放題の「深夜割」がある。
「毎日5時間」は月々のデータ通信量が2500円。SMSは+150円、音声は+700円となる。
「深夜割」は月々のデータ通信量が1500円。SMSは+150円、音声は+700円となる。 一般的なデータ通信プランは以下のとおりである。
2GBで月々700円、3GBで月々900円、4GBで月々1100円…10GBで月々2300円。1GBごとに値段が月々200円ずつあがるようになっている。
端末も色々なものから選ぶことができる。SIMのみの契約も可能で、自分に合ったプランをカスタマイズできるような細かな設定がある。
イオンモバイル
イオンモバイルイオンリテール株式会社が運営するイオンモバイル。イオンリテール株式会社は、イオングループに属し、スーパーマーケットのイオンなどの運営を行っている。
2014年から「イオンモバイル」を開始し、2016年にMVNO事業者となった。
イオンで買うことができるスマホということで、非常に身近な存在となっているイオンモバイル。全国のイオンの店頭で申し込みが可能なので、気軽に訪れることができる。SIMカード、端末も当日受け渡しなのですぐに使い始めることができる。
また、アフターサービスも充実しており、サポートもイオンの店頭で行ってくれる。故障・修理の受付はもちろん、料金プランの変更の手続きなども行える。
また、契約期間の縛りがなく、契約解除金も発生しない。非常に手を出しやすいだろう。 ウェブ契約もできるので、あらゆるニーズにこたえた格安SIMのサービスだ。 料金通信プランは通信量を多くの中から選ぶことができる。
音声通話プランの月額利用料金
データ通信プランの月額基本料金
シェアプラン・3回線(音声通信1枚・データ通信2枚)セットの月額基本料金
まとめ
このように、最近の格安SIMでは、特定のアプリのみ通信量を気にせずに使用することができる「カウントフリー」というオプションが、様々な会社で用意されている。そのため、これまでのように、通信速度と通信量だけで判断することができず、利用するアプリによってはカウントフリーについてもしっかりと確認しておかなければならない。
しかし、最も重要な部分は「通信速度」である。通信速度が遅ければ、カウントフリーであったとしても快適に動画を視聴することはできず、カウントフリーを有効活用することはできない。そのため、動画視聴のために格安SIMを契約する場合は、初めにしっかりとした通信速度が出るかどうかを確認したうえで、カウントフリーで視聴したい動画が対応しているかをチェックするのがおすすめといえる。
今回は格安SIMというくくりの中でのオススメだったが、動画を快適に見たいならポケットWi-Fiを利用するのが一番いいのではないかと思う。どうしても制限がかかりやすい格安SIMは動画をずっと見るのには向いていないのではないだろうか。