中古車一括査定サイトはデメリットが無い？なぜ無料で利用できるのか

「車を売りたい！」。そんな時は1つの業者ではなく複数の業者に買取査定をしてもらい、一番高いところを選ぶのが最も損のない方法である。しかし、車に限ったことでもないが、どこが最も高く買い取ってくれるのかいちいち尋ねて回ったり、一つひとつ問い合わせたりするのははっきりいって手間がかかる。そんなことで貴重な時間や労力を費やしてしまうのは実にもったいない。

しかし、最近では「中古車一括査定サイト」という便利なサービスができた。このようなサイトを利用することで、いちいち手間をかけることなく、どの業者が一番高く中古車を買い取ってくれるのかを手軽に調べることができるのだ。

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買取価格を比較するときに役立つ「中古車一括査定サイト」とは

中古車一括査定サイトは、ウェブサイト上のフォームに売りたい車の情報（メーカー、車種、年式、走行距離、特記事項など）や自分の情報を入力することで、ウェブサイトに登録されている中古車買取業者に対して一括して査定依頼ができるウェブサイトのことである。従来は、それぞれの中古車買取業者に対していちいち同じ情報を何度も伝えなければならず、手間も時間もかかっていた。しかし、中古車一括査定サイトを使うことで、情報を伝えるのは基本的に1回で済むようになり、手軽に査定額を比較することができるようになった。

中古車一括査定サイトは、車を売りたいと思っている人にとって有益なものである割に、基本的には「無料」で利用できることがほとんどだ。無料で利用できるとなると、きな臭く感じる人もいるかもしれないが、決して怪しいものではないので安心してほしい。中古車一括査定サイトの運営は、しっかりとしたビジネスモデルが既に出来上がっている、健全なビジネスであると言っても差支えないだろう。

サイト利用者にデメリットのないビジネスモデル

中古車一括査定サイトは、何も非営利の慈善事業なわけではなく、企業が運営している。例えば、中古車情報サイトとして有名な「カーセンサー」でも中古車一括査定を行っており、こちらは大企業のリクルートグループが運営している。

中古車一括サイトを運営する企業は、基本的に提携する中古車買取業者と取引を行っている。簡単にいうと、サイト側で見込み客を集めて紹介する代わりに、何かしらの形で「見返り」（サービス料金）をもらうという構造だ。単純に登録料を支払ったり、買取が成約に至ったら成功報酬を支払ったり、紹介数に応じた手数料を支払ったりと、形はさまざまであるが、基本的な構造は変わらない。中古車買取業者は、サイト運営者に一定の見返りを払えば、自ら営業することなく、見込み客に直接アプローチすることができることになる。

では、サイト運営者は、サイト利用者から利用料金などを取らなくてもよいのだろうか。サイト運営者にとっての商材は「見込み客」となるので、当然多くの人にサイトを使ってもらえるというのが、このビジネスモデルの前提となる。そのため、サイトからの査定依頼を有料にしてしまえば、当然、利用者は減ってしまい、「商材」が少なくなってしまう。商材が少なければ、サイト運営者はクライアントである中古車買取業者に対して、魅力的なサービスとして提案することができなくなってしまうのだ。

サイト利用者にとってはメリットだらけ

中古車一括査定サイトには、先に説明したようなビジネスモデルがすでに成り立っているため、ほとんどの場合、サイト利用者にとって使用料や登録料といった金銭的な負担はない。

それだけではなく、何より注目すべき点なのは、数多くの中古車一括査定サイトでは、中古車を売りたいと思っている人を一人でも多く集めたがっているため、サイト利用者にとってメリットとなるようなことばかりを打ち出していて、デメリットが無いということだ。

例えば、楽天も自社の強力なインターネット・プラットフォームを利用し、中古車一括査定サービスを提供している。無料で使えるのはもちろん、見積もり査定を申し込むだけで楽天スーパーポイントが5ポイントもらえ、さらには成約に至れば1,500ポイントももらえるという特典を付けている（2016年5月現在）。仮に、同じ中古車買取業者に依頼する場合でも、楽天を通さなければこれらのポイントをもらう機会にあずかれないことになる。

今や中古車一括査定サイトは非常にたくさんあり、各サイト、有益な情報を掲載したり、サイト利用者の使い勝手の良さを向上させたり、ポイントを付与したりと、あの手この手で「商材」を確保しようと画策している。この状況においては、サイト利用者の売りてはメリットばかりを享受することができるのだ。

中古車一括査定サイトのビジネスモデルはネットビジネスの王道

サイト利用者が無料で便利な機能を利用できるというのは、インターネットの世界では決して珍しくはない。例えば、ポータルサイトでおなじみのYahoo!を見てみればわかるとおり、その優れた機能はほぼ全て無料で利用できる。しかし、Yahoo!を経由して、サイト利用者に何かしらのサービスを提供しようとしている業者は、Yahoo!に利用料を支払っているのだ。

また、検索エンジンとして世界一のGoogleも同様だ。サイト利用者は、検索エンジンや有益な機能を無料で使えるが、そこかしこに広告が現れる。この広告主こそ、Googleのクライアントになる。余談ながら、Googleは、Yahoo! Japanに検索エンジンの機能を提供することで、システム利用料を得ている。いずれにしても、サイト利用者に「見えないところ」で稼ぐようなビジネスモデルが成り立っているのだ。よって、使用者は無料で利用することが出来る。

このように、Yahoo!もGoogleも、サイト利用者から料金を取ることはない。中古車一括サイトと同様、サイト利用者は重要な「商材」になるからだ。したがって、中古車一括査定サイトに対して「タダより高いものはない」と勘ぐる必要はないだろう。

中古車を1円でも高く売りたいと思っているのなら、中古車一括査定サイトはとても役に立つのでおすすめだ。大切な愛車を二束三文で引き渡すことのないよう、ぜひじっくりと吟味してほしい。