小泉淳作は、神奈川県生まれの日本画家である。1924年(大正13年)に政治家小泉策太郎の七男として生まれた小泉淳作は、1943年(昭和18年)に東京美術学校(現東京芸術大学)日本画科に入学して山本丘人に師事し、日本画を学んだ。卒業後は、日本画も制作したが、どちらかというと、デザインや陶芸の分野で注目を集めた。
日本画家として注目されはじめたのは小泉淳作が40半ばをすぎたころで、唐宋画の影響を受けて水墨画を制作するようになり、どこの画壇にも属さない独特の画風が高く評価され、数々の賞を受賞した。水墨画のほか、往年は、東大寺 襖絵、建長寺 雲龍図、建仁寺 双龍図なども手掛けた。
どこの画壇にも属さず独特の画風を切り開いてきたことから、「孤高の画家」としても知られている。
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小泉淳作の作品の価値は
独特の画風で多くの日本画を制作し、またデザイン、陶芸の世界でも才能を発揮した小泉淳作の作品は、人気が高く、高額で取引される場合もある。
日本画は、作品の内容や状態にもよるが、数十万円から2百万円で取引されており、人気作となると、数百万円で取引されることもある。
また、小泉淳作は、日本画のほかにも、水彩画、リトグラフ、エッチングといった版画も制作しているが、こちらは、作品の内容や状態にもよるが、数万円から数十万円で取引されているようだ。
小泉淳作の作品の価値を決めるポイントについて
どの画壇に属さない孤高の画家としてその独特の画風が人気となっている小泉淳作の作品は、前述のように高額で取引される場合もあるが、小泉淳作の作品であっても、場合によっては、期待通りの価格で売却できない場合もある。絵画の価値を決める要素は色々あり、たとえ小泉淳作の作品であっても、価値がマイナスとなる要素があると、高額で売却できない場合もある。
ここに小泉淳作の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は日本画のほうが高額となる
前述のように、日本画から水彩画、版画など様々な技法の作品を制作してきた小泉淳作であるが、価値としては、日本画が一番高く、価格も高額となる傾向にある。複数制作できる版画と違い日本画は一点ものであること、絵画の耐用年数としては、水彩画より日本画のほうが長いこと、など、いろいろな理由が考えられるが、所有している小泉淳作の作品が日本画である場合は、より高額で売却できる可能性がある、ということになる。
サイズが大きい作品の方が価値は高い
日本画、洋画に限らず、サイズが大きい作品のほうが価値は高い傾向にある。希少価値が高い作品など例外もあるが、一般的にそう考えて間違いないだろう。また、作家によっては、大きさにより価値が決まっている場合もあるので、売却を検討する場合に参考になるだろう。
人気の作品は高額となる
同じ作家の作品でも、その作家が得意としている作品、評価が高い作品は、それ以外の作品よりも人気があり、需要も高くなることから、取引価格も高額となる傾向にある。
小泉淳作は、水墨画、特に花や南瓜、西瓜など身近な静物を描いた作品の人気が高く、これらの作品は、取引価格が高額となる可能性もある。自分が所有してる小泉淳作の作品は、どういうもので、市場でどのような評価を受けているか、事前に調べると、売却時の参考になるだろう。
小泉淳作の署名や落款がある作品の価値は高くなる
作中に小泉淳作の署名や落款がある作品は、需要が高く、高額となることもある。
小泉淳作の作品であることが証明されていれば、小泉淳作の署名や落款の有無は、真贋判定など、作品の価値を決めるにあたりそれほど重要な項目ではない場合が多い。
しかし、署名や落款は、作品が完成した時に書かれたり押されたりするものなので、署名や落款があることで、この作品ははじめて完成した、と見る向きもあり、収集家は、署名や落款がある作品を好むことから、取引価格も署名や落款がない作品よりも高額となる可能性がある。
署名などについては、作中だけでなく、作品の裏や作品が入っている箱にあることもあるので、所有している小泉淳作の作品のどこに署名があるか確認しておいたほうがいいだろう。
共箱、共シールがある作品の価値は高くなる
日本画は、吸湿性、通気性などに優れた桐箱に収納する場合が多い。実は、この桐箱に作者が署名や作品名などを記載する場合があり、それらは共箱(ともばこ)と呼ばれ、作者がこの作品を自分が手掛けた作品と認めた証拠とみなされることもある。そのため、作品と一緒に共箱があると、作品の価値がより高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。
また、箱に収められない作品については、作品の裏側に作者が署名や作品名などを記載した紙片を貼ることがある。これは、共シール(ともしーる)と呼ばれ、前述した共箱同様に、作者がこの作品を自分が手掛けた作品と認めた証拠とみなされることがあり、共シールがある作品も、価値がより高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。
作品の状態は作品の価値に大きく影響する
高額で取引されることもある小泉淳作の作品であるが、作品の状態が悪ければ、作品の価値は下がってしまうことから、取引価格も下がる場合が多い。
作品の状態が悪い例としては、作品上にあらわれるシミやカビ、作品に日光が当たったことにより色が落ちる日焼け、作品の破けや亀裂、作品の欠損などがある。これらは、作品を保管する方法や環境が悪いことのより発生した可能性が高い。つまり、作品の保管方法や保管する環境が悪い場合は、作品の状態も悪くなり、作品の価値は下落するのである。
作品の保管方法や保管する環境に注意して、作品の価値が下落しないようにしたほうがいいだろう。
取引の際には鑑定証が重要となる
人気の作家ともなると、その作家の画風を真似て描いて、その作家の作品と偽る作品、いわゆる贋作が出回る事がある。贋作は、作品の価値は皆無に等しく、もし、贋作を小泉淳作の作品として取引した場合、取引に費やした費用が丸々損となる事すらあり得るのである。
それを防ぐために、取引の際には、所定の鑑定機関が小泉淳作の作品と証明した鑑定証が必要となる場合もあり、鑑定証は、取引のおいて重要な役割を果たすものといえる。
小泉淳作の作品を売却する場合について
小泉淳作の作品を売却する場合は、オークションに出品する、買取業者に売却する場合などがある。それぞれ、一長一短があり、どちらの方法が良い、と言うことはできない。
オークションは、相場以上で売却できる可能性もあるが、入札がなかったり、低く落札されたりした場合は、期待の価格で売却できないこともある。
また、すべての処理を一人でやらねばならず、また、入札者とのやり取りでは、美術品に対する豊富な知識が必要であることも多いことから、美術品の売買に慣れていない場合は、売却までのハードルが高いといえる。
買取業者に売却する場合は、相場以上で売却できることはあまりないとはいえるが、買取業者毎に買取価格が異なる場合もあり、他社より高額で買取をする買取業者に売却できれば、より高額で売却できることもある。
また、作品の価値は買取業者が査定し、売却までの手続きも買取業者が対応することから、売却までのハードルは低いといえる。
小泉淳作の作品を売却する場合、収集家ではなく、何らかの都合で売却するような人については、買取業者に売却までを任せた方が、負担も少なく確実に売却できるものと思われる。