国民生活センターでは2017年4月13日、MVNO格安スマホに関する苦情、クレームが急増していることを発表した。この記事を見たネットユーザの中には、こうした事例に対して「当たり前でしょ?」といったかなり厳しい意見を発信する方々も非常に多く見受けられる。
しかし格安スマホの利用者と従来のキャリア利用者には客層が必ずしも一致しないと判断する専門家も存在するため、MVNOなどのサービスを提供する側だけでなく、購入者や契約者自身にも注意すべきポイントが多数あると捉えた方が良いだろう。
今回は、MVNOや格安スマホに関する苦情やクレームが急増する実態について、その理由と具体的なトラブル事例について皆さんと一緒に見ていきたい。
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格安スマホやMVNOに関する苦情、クレームが急増する理由とは?
国民生活センターの発表に対してさまざまな分析を行う専門家の意見を総合すると、下記3つの理由により格安スマホや格安SIM関連のトラブルが急増する実態が見えてくる。
コストを抑えるためにサービス内容を落としている
格安スマホやMVNOに関するトラブルの多くは、ユーザの多くが今まで使っていたドコモやau、SoftBankのスマホと格安スマホ、MVNOのサービスを同じであると勘違いしていることで起こると考えられる。携帯電話端末を使って通話やデータ通信ができるといった点では、これらのサービスは類似の存在と考えられる。
しかし料金をかなり下げているMVNOの場合は、ドコモやauといった大手キャリアの回線を借りるなどの形で、かなり設備やサービスにお金をかけない実態が存在するのである。
ユーザの勉強不足
ネット申込みが主流のMVNOを利用する場合、ショップの店頭で至れり尽くせりとも言えるサービスが受けられる従来型のキャリアと違って、ユーザ自身がプラン内容や端末選びのポイントについて知識を持つ必要がある。
MVNOと従来型キャリアのこうした違いを知らず、同じ姿勢で契約などを行えば、ユーザ自身の知識不足によってプラン選択や端末購入の失敗を招きやすい実態があるのだ。
スマホやSIMカード購入先の多様化
従来のキャリア会社では、各社が発売する携帯電話やスマートフォンに合うSIMカードがセット販売されていた。これに対してネット通販などでSIMカードの単品購入のできるMVNO場合は、ユーザが自分でSIMフリースマホを買うという選択肢も存在するのだ。
こうした形で少しでも安くスマホを持ちたいという人々に高いメリットをもたらすMVNOや格安スマホの特徴は、場合によっては買い物の失敗というリスクを招くと考えられている。
相談事例の多い格安スマホ・MVNOのトラブルの内容とは?
格安スマホやMVNO利用のトラブルを防ぐためには、これから紹介する相談事例に目を通しておくことも必要だ。MVNO利用で生じた具体的な問題を理解していれば、商品知識の把握や購入方法の検討といった段階で予防策を講じやすくなる。
また前述の通り格安スマホ利用のトラブルの原因にはユーザの勉強不足という理由も大きいと言われているため、MVNOを深く知るためにも下記のトラブル事例に目を通しておいた方が良いと言えるだろう。
ネットワーク利用制限のかかった中古端末を買ってしまった
メルカリやヤフオクなどのアプリを使って個人から中古スマホを買う場合、ネットワーク利用制限のかかった赤ロム端末を販売する悪徳業者の罠にはまるトラブルも存在する。こうしたトラブルを問題視するメルカリやヤフオクでは、スマホや携帯電話端末の出品ルールを厳しくしている。
しかし中には出品ルールを知らずに残債の支払い中スマホを販売する素人も存在しているため、メルカリやヤフオク利用時のトラブルがゼロになることは難しい実態があると捉えて良いだろう。
今までのスマホでは新しいMVNOが使用できない
MVNOの仕組みを知らない場合、スマートフォンとSIMカードの相性に関するトラブルにも生じやすくなる。例えば、ドコモ回線のMVNOプランを選んだ場合、SIMロック解除を行なっていないauやSoftBankのスマートフォンでは通信通話ができない。
また中には、誤った大きさのSIMカードを購入したことにより、3,000円の手数料を払ってサイズ変更を行うユーザも少なくない実態があるようだ。
おサイフケータイが使えない
日本の従来キャリアでは大半の端末に搭載されているおサイフケータイ機能も、リーズナブルな価格で購入できるSIMフリースマホの海外機種には基本的に付いていない。この実態を知らずに価格や知名度だけで格安スマホを買ってしまうと、おサイフケータイが使えないことによりSuicaや楽天Edyといった電子マネーの利用に支障が出ることもある。
またApple PayやiDについてもSIMフリースマホへの乗り換え時に多くの注意点があるため、自分の使っている電子決済サービスに詳しくなることも必要だと言えるだろう。
キャリアメールがない
MVNO会社で提供するメールサービスには、大きく分けてキャリアメールとフリーメールの2種類がある。SIMカードの申込み時にもらえるメールアドレスは、基本的にその会社のドメイン名が入った内容となる。
しかしMMS対応のキャリアメールではない場合は、友人や取引先の携帯電話に送信した時に迷惑メールとして判断されることもあるため、注意が必要だ。こうしたトラブルなく利用可能なキャリアメールは、Y!mobile、UQモバイル、スマモバの3社でサービス提供を行っている。
料金システムが理解できない
自宅に居ながらにして便利に使えるWEB申込みには、料金システムやオプションサービスの内容が理解しにくい実態もある。申込み前に生じた不明点や疑問点をそのままにしておくと、自分にとって不必要とも言える巨大なデータ通信容量のプランに入ってしまうリスクも高まる。
またMVNOの場合は、データ通信専用SIM、SMS付きデータSIM、通話機能付きSIMの3種類があるため、その違いが明確にならない時には必ずコールセンターなどに問い合わせをするようにして欲しい。
設定方法がわからない
WEB申込みで格安SIMが届いた後、カードセットや各種設定の方法に悩むユーザも大変多く見受けられる。特に店頭スタッフが端末にSIMカードを入れてくれる従来キャリアを使っていたユーザの場合、スマホの中に自分でカードを入れる作業に不安や違和感を覚えることもあるようだ。
また初めてスマートフォンを使う人の中には、格安SIMの購入に伴って生じるLINEやApple IDなどの設定に悪戦苦闘する方々も大変多い傾向がある。
使用開始までにスマホが不通の期間が生じる
従来キャリアからMNPを使って乗り換えを行う場合、不通期間が生じるケースがあることも頭に入れておく必要がある。またWEB申込みの場合は、自宅にSIMカードが届くまで最短でも2~3日かかってしまうため、転出元と転入先それぞれの諸条件をしっかり確認した上でMNPのスケジュールを立てるようにして欲しい。
自分の暮らす地域に店舗がない
WEBを使った申込みや手続きにより販売コストを下げるMVNOには、ドコモ、au、SoftBankといった従来キャリアと比べて実店舗が少ない実態がある。特にまだ出店数の少ない地方都市の場合、何らかのトラブルが生じた時に駆け込み寺的な形で相談できる場所が存在しないことにより、多くのユーザが不安を感じる傾向があるようだ。
こうした状況を問題視するMVNOの中には現在、地方都市への出店に力を入れているところもある。また近頃では家電量販店と提携するMVNOも増えているため、格安SIMならではとも言える実店舗が少ない問題は解消されつつあると言えるだろう。
電話窓口が繋がりにくい
実店舗が少ないことにより多くのユーザが利用するMVNOのコールセンターに対して、大手キャリアと比べるとかなり繋がりにくいという厳しい意見もある。こうした状況を改善するために、MVNO各社ではチャットを使った相談窓口を開設している。
このサービスに力を入れる業者では、24時過ぎまでチャットを使った問い合わせができるため、仕事などにより日中の来店や電話相談が難しい皆さんにも利用のしやすいサービスになると言えそうだ。
修理期間中の代替え機貸出サービスがない
リーズナブルな価格で購入できるSIMフリースマホの場合、万が一壊れた時の交換や代替え機の利用といった部分でも、大手キャリアと比べると若干サービスが弱くなる。mineoやUQモバイルで端末補償サービスに入った場合、各社の条件に合ったトラブルであれば交換品の発送や代用機の利用ができる。
これに対して中古スマホ販売店で買ったSIMフリー端末が壊れた場合は、初期不良であっても保証期間は1ヵ月~3ヵ月ほどとなり、代替え機についても当然借りることができないと捉えた方が良いだろう。
通話やデータ通信の品質
多くの人がMVNOを利用する都心部では、データ通信の速度や品質に違和感を覚えるユーザも少なくない。また安い月額料金で利用可能なIP電話の場合、朝・昼・夕方といった回線が混雑する時間帯は、通話のタイムラグや音声の途切れといったトラブルが生じることもあるようだ。050から始まるIP電話ならではとも言える問題を避けるためには、料金が多少高くても音声通話機能付きSIMを選ぶのが理想となる。
まとめ
ここまで紹介した格安スマホやMVNOのトラブルを防ぐためには、契約する皆さん自身が購入商品の知識に詳しくなる必要がある。また豊富な知識があれば、それだけ比較検討もスムーズになるため、より良いSIMフリースマホや格安SIMに出会うといった意味でも商品知識の勉強は無駄にならないと捉えて良いだろう。
不安や疑問点をそのままにしない
各社のサイトやMVNOの情報ブログなどを見て少しでも不明点が生じた時には、その事項を放置しない心掛けも必要だ。特に全国に店舗数の少ないMVNO会社の場合はユーザサポートに力を入れ始めている実態もあるため、チャットやメール、電話サポートなどを使って全てのモヤモヤをクリアにした上で格安SIMの契約に移るのが理想と言えるだろう。
怪しい販売店は避ける
1円でも安くSIMフリー端末が欲しいという想いだけで買い物をすると、赤ロム販売を行う悪徳業者の罠にかかりやすくなる。しかし中古市場が活況状態の近頃では、ゲオモバイルやイオシス、じゃんぱらといった中古スマホの専門店も増えているため、こうした赤ロム保証の充実したショップを利用することもトラブル防止に欠かせない心掛けだと言えるだろう。
スマホを買うならスママ
格安スマホの購入なら、中古スマホの売買に特化したフリマサイトであるスマホのマーケット(スママ)がおすすめだ。
スママでは動作保証サービスを提供しており、購入後万が一初期不良等があった場合には、返金対応を受ける事ができるため安心だ。また、格安SIM診断サービスを利用することができるため、欲しい端末や普段の携帯電話の使用性向に適した、自分に合った格安スマホをすぐに使い始めることができる。