Gmailなどの個人メアドを持たず、携帯電話のキャリアメールを使ってさまざまなサービス利用をしてきた人たちは、これからMVNO利用する場合においても同様の機能を求める傾向がある。またMVNO側で自社のメールアドレスを用意し始めた近頃では、これらのアドレスとキャリアメール、フリーメールとの違いに疑問や不安を感じるユーザも増えているようだ。
今回は、格安SIMを利用する上でキャリアメールを重視する皆さんと一緒に、この機能の特徴と納得できるサービスが受けられない場合の解決法などを確認していきたい。
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キャリアメールの定義によって選ぶMVNOが変わってくる
MVNO会社のキャリアメール比較をする場合、まずこのサービスの定義や条件について理解しておく必要がある。
一般的なキャリアメールの定義
ezweb.ne.jpやdocomo.ne.jp、softbank .ne.jpといった形で@マークの右側に各キャリア会社のアドレスが入ってサービスものを、一般的にキャリアメールと呼んでいる。またサイトによっては、「移動体通信サービスを行う通信事業者が自社のドメインで提供する電子メールサービスの総称」といった形で専門的な定義付けがなされることもあるようだ。
キャリアメール選びの最大の注意点
一般の皆さんでも理解しやすいこの定義は、キャリアメールの比較検討をする上で基本となる考え方だ。しかし独自ドメインのメールアドレスを提供するMVNO会社の中には、そのサービス内容がGmailなどのフリーメールとほぼ同じとなるケースも多く見受けられるため、注意が必要だ。
また中には、下記で紹介する4条件を満たしていない理由により、いくつかのMVNO会社で提供するキャリアメールに対して厳密にはフリーメールと位置づける情報サイトもあるようだ。
キャリアメールの厳密な条件1 メールがスマホ本体に保管される
厳密な定義に合うキャリアメールは、スマートフォンや携帯電話端末の本体にメールが保管される。これに対してフリーメールともとれるMVNOのメールサービスの場合は、メールの保管先がサーバとなるため、過去に届いたものを閲覧する際にもその場所へのアクセスしなければならない。
キャリアメールの厳密な条件2 絵文字やデコメが使える
大手キャリア会社のメールには、HTMLで作られているデコメや絵文字をそのまま表示できる特徴がある。これに対してMVNOのメールサービスの場合はパケット通信料が多くかかるなどの理由で、色鮮やかなデコメや絵文字の入ったメールも文字だけのテキスト表示になってしまう実態があるようだ。
キャリアメールの厳密な条件3 迷惑メールとして扱われることがない
ドコモ、au、SoftBankなどのキャリアメールは、相手方が特別なフィルターでもかけない限り、迷惑メールとしてサーバから弾かれることはない。これに対してフリーメールの場合は、人気の高いGmailやヤフーメールであっても迷惑メールフィルターに入る事例が増えているため注意が必要だ。
こうした形でウイルスソフトや各社プロバイダの迷惑メール対策が強化される今の時代に取引先や家族などとのメールのやり取りをする場合は、信頼性の高い位置づけとなるキャリアメールの利用が理想と言えるだろう。
キャリアメールの厳密な条件4 携帯向けサイトへの登録ができる
携帯電話のメアドで登録できるサイト利用時も、どちらかと言えばフリーメールに分類されるものよりも、キャリアメールの方が良いと言われている。特にサービスの不正利用を防ごうとする会社では、フリーメールでのサイト利用をNGとする傾向もあるため、注意をして欲しい。
キャリアメールの使えるMVNO 3選
厳密には2つの種類が存在するMVNO中でも、下記の3社についてはキャリアメールの機能や満足度が非常に高い実態がある。
UQモバイル
月額200円で利用できるUQモバイルのメールサービスは、キャリアメールと同じMMSに対応している。AndroidスマホのGoogleハングアウトやメッセンジャーを使って瞬時にやり取りのできるUQモバイルのメールは、送信者と受信者の間にタイムラグが生じにくいといった意味でもビジネスシーンでも活用可能な存在と位置づけて良いだろう。
また絵文字の送受信も可能となるため、フューチャーフォンからのデコメもそのままの状態で読むことができる。
Y!mobile
Y!mobileでMVNO契約を行うと、キャリアメールとして使える「@ymobile.ne.jp」と、フリーメールと似た感覚で使える「@yahoo.ne.jp」という2種類のメールアドレスがもらえる。Y!mobileのMMSメールには、特別な申込みや月額料金は必要ない。
しかしケータイプランSSのユーザに限っては、メールの送受信時に0.005パケットがかかる仕組みとなっているようだ。これに対して
スマホプラン、シェアプラン、データプランのユーザは、送受信についてもパケット通信料をかけずにメールの送受信ができる。
スマモバ
話題の格安SIMブランド・スマモバでは、2017年2月1日よりスマモバメールというキャリアメールサービスを開始している。公式ホームページのチャットより申込みを行うこのサービスは、月額100円で利用可能だ。設定方法のページには、Mac OS XやOutlook Expressといったさまざまなメーラーが並んでいるため、初めてパソコンやスマートフォンでメールクライアント設定を行う皆さんでも不安要素は少ないと捉えて良いだろう。
フリーメールに分類されるキャリアメールが付いてくるMVNO 4選
ここから紹介する4つのMVNOのメールは、厳密に言えばキャリアメールではなくフリーメールと判断されることの多い存在だ。しかし中にはこの内容でも十分満足と感じるユーザも見受けられるため、やはりキャリアメールについても他の機能と同様に複数社のサービスをじっくり比較検討する姿勢が必要だと言えるだろう。
mineo
フリーメールに近い存在となるmineoのメールアドレスは、SIMカードの申込みと同時にもらうことができる。しかしドコモやau、SoftBankといったキャリア会社では、@mineo.jpのアドレスで届いたメールを迷惑メールに判別することもあるため、このアドレスを入手したら友人や家族、取引先の人たちに知らせて受信拒否リストから外してもらう必要があると言えるだろう。
楽天モバイル
楽天モバイルの楽天メールも、無料で利用可能なサービスだ。楽天メールが推奨している専用アプリは、Androidスマホ用のみ用意されている。
iPhoneユーザが楽天メールを使う場合は、自分でiPhoneのメールアプリにアカウント追加や設定を行う必要がある。
楽天メールは最大容量が15GBということもあり、フリーメールを代表するGmailと比較されるケースが多いようだ。OCNモバイルONE
OCNモバイルONEの契約時にも、OCNメールのアドレスが1つもらえる。メールボックスの容量は、1GBと若干小さめだ。しかし保存期限は無制限となるため、添付ファイルのないテキストのみのメールを多くやり取りする皆さんにとっては十分に使える仕様と言えるだろう。OCN光やOCN ADSLなどでももらえるOCNメールは、スマホを使わないユーザ層にも利用者が多い実態がある。
まとめ
同じキャリアメールという呼称を使いながらも、その仕様が大きく異なるMVNOのメールは、今後の使い方をしっかりイメージした上で自分に合ったものを選ぶ必要があると言えるだろう。
また将来的に予定している他社への乗り換えによってメールアドレスが変わってしまうリスクが想定される場合は、友人や家族、取引先などに新たなアドレスを知らせる手間を省くためにも、最初からGmaiやプロバイダで用意するメールを使った方が良いケースもあると言えるだろう。