故人の遺産を相続するとなると、様々な手続が必要になる。その手続において、必要な手続きや書類の名前だけを聞いたところでどんな内容をいつ手続するのかもわからずに困る人もいるだろう。誰だって忙しい中手続きをするのは大変なものである。
また、故人の遺産を相続した場合「確定申告」は必要になるのか？そもそも「所得税」、「相続税」などどんな税金がかかるのかわからず、悩んでいる方も多いのではないだろうか。
こういった相談は弁護士や司法書士など近くに頼れる存在がいれば問題なくできる。しかし、自分たちですべての作業を行う必要がある場合は、そうもいかないものになる。手探り状態で準備して、なにか申告が漏れていれば「ペナルティ」の対象になることもあるので、抜けなくしっかりと手続を行う必要がある。
そこで今回当コラムでは、遺産を相続するにあたりどうしても生じてしまう疑問や不明点をできるだけ解消するべく、遺産相続をする際のポイントをまとめて紹介していく。誰もが必ずと言っていいほど通らなければならないものなので、しっかりとチェックして見て欲しい。
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遺産分割はどのように行う必要があるのだろうか？
「遺産分割」とは、誰で残された遺産を分割するかという際に用いる言葉だ。実際に遺産分割でトラブルになることはよくあることなので、十分に理解しておきたいところだ。
一番平和的なのは遺言書や公正証書を用いて遺産を分割するのが一般的だ。しかし、遺言書や公正証書がない場合ももちろんある。そう言った遺言書や公正証書が無い場合には「法定相続人」で遺産を分割をすることになる。
「遺産分割協議」とは
しかしここで問題になってくるのが数いる法定相続人の間でどう遺産を分けるのかということだ。こう言った際に行うのが「遺産分割協議」というものだ。
この「遺産分割協議」には「法定相続人」が一人残らず全ての人が参加する必要がある。もし一人でも参加しないとなってしまうと話が進まず、最悪破談となってしまうため、最新の注意があると言える。
「遺産分割協議書」とは
その後「遺産分割協議書」という遺産分割協議で話し合いされでた結論をまとめた書類を提出する。そしたら「法定相続人」人数分の書類を作成し、全員分の捺印をもらうと正式な書類となるものだ。
これは全員分の捺印が必要で、全員分揃っていない場合には提出できない。しかも、何らかの不正が発生した場合、全員の法定相続人が遺産を相続することができなくなる。
「遺産分割協議書」は厄介で、正しい書き方がしっかりと存在する。正しい書き方や手順を追わないと正式な書類として受理してもらえない。そのため、最新の注を払って書類を作成する必要がある。
「遺産分割協議」を行なっても話し合いが完結せず、遺産相続の在り方で納得を得られなかった場合、遺産相続をするための手続きは次のステップへと移行する。それが「遺産分割調停」だ。
「遺産分割調停」とは
「遺産分割調停」とはどのようなものなのであろうか？この「遺産分割調停」は、話し合いでトラブルが起きた際、また、遺産を独り占めしてしまい話し合いをしてくれない人がいる場合に行われるものだ。
「遺産分割調停」を通し、再度遺産分割・相続についての話し合いが法定相続人の間で再び行われるのだ。この「遺産分割調停」の目的はただ話し合いをするのではなく、法定相続人全員の意見を尊重しつつ話し合いを行うということと、法定相続人全員に必要書類を提出してもらうことだ。
この「遺産分割調停」は一回だけではなく、長期に渡り何度か行われる。基本的には半年から一年くらいの間で行われているようだ。
この「遺産分割調停」でも話し合いがこじれると裁判まで持ち越すことになる。こうなってしまうと弁護士を雇うと言ったことにもなりかねないため、余計な出費が発生してきてしまう。
しかし、ここまで持ち越してしまうと弁護士を雇うなどお金が発生してくるので、さらに相続に関して話し合いが熱くなうことは間違い無いだろう。こうなると、なるべく自分に有利な相続を成功させるために、頑張った方がいいと言える。
遺産相続の手続は二種類ある！
遺産相続が行われた後、大きくわけて二つの手続が必要となる。
一つ目は、故人が所有していた土地や建物、車やバイクなどの遺産を相続した場合は「名義人の変更手続」を行うことになる。
もう一つが、「確定申告」、「所得税」、「相続税」などの「税金に関する手続」になり、いずれも大切な手続きとなっている。
確定申告を行うケース
そもそも、「確定申告」を3月に行わなくてはいけなくなる場合のケースとはどのようなものなのだろうか？
それは、故人からマンションや駐車場などの相続したものから収入を生むような資産を相続した場合は確定申告が必要になる。その年間分のマンションや駐車場の受け取った収入に対して、「確定申告」を行うのだ。
確定申告と凖確定申告の違い
故人が亡くなる前に得ていた収入と、相続後の収入は別々で計算する必要があり、 故人の収入に関する確定申告は「凖確定申告」と呼ばれている。
この「凖確定申告」は故人が亡くなり4ヶ月以内に必ず行うものとされ、この期限が過ぎてしまうと後々トラブルになりかねない。そのため、故人の遺産で収入ができるものを得た時は早めに手続をしておくことが重要になる。
例えば故人が亡くなった日付が8/1だった場合、故人の収入は1/1～7/31までとなり「凖確定申告」を行う。8/1~相続した場合、12/31迄の分を翌年の3月の確定申告の時期に申請することになる。
「凖確定申告」とはどんなもの？
「凖確定申告」の場合、納税地の税務署にて提出する必要がある。その際に必要となるのは「各相続人の指名」、「住所」、「被相続人との続柄」などを申請書に添付する。
税務署では確認漏れや記入が間違えていると手続ができない場合もあるので、なるべく損をすることがないように十分に注意しながら行うことをおすすめする。
また相続人が2人いる場合は各相続人が連署により申告書を税務署に提出することになる。時間が合わない、住んでいる場所が全く違うなどの理由で別々に提出する場合もあるのだが、その場合は申告した内容をもうひとりの相続人に正しく伝える義務が生じる。
「凖確定申告」の場合、所得控除になるものもあるので、事前に確認するようにしたい。故人の「凖確定申告」を行う場合、死亡した日までに支払った「医療費控除」「健康保険料」「生命保険」「国民年金」などは控除の対象になる。そのため、どのぐらいの支払がされているのか確認して損なく「凖確定申告」を行いたいものである。
また、相続人が翌年の3月に確定申告を行う場合、相続したといっても別途手続が必要になる。
事業の場合は「青色申告」になる。そのような場合は相続人が青色申告者になる場合税務署などの窓口やインターネットから「青色申告申し込み」の用紙を印刷できるので、必要事項を記入の上、税務署の窓口に直接持っていく、もしくは郵送で送るかを選択し4ヶ月以内に送るようにしよう。
不備があると受理されず、再度送り直しになることもあるので、期限のギリギリではなく早めに行うようにすると安心して手続を進めることができる。
相続した分の確定申告を行う際の注意点とは？
相続した翌年の3月に、前年度の所得税を確定申告する必要があるのではじめての人は確定申告のやり方すら知らない人もいるのではないだろうか。確定申告は「自分で申告する」方法と「専門家に依頼して申告する」方法の2種類がある。
自分で確定申告を行う場合
自分で確定申告を行う場合、専門家に依頼するよりも格段に安く行うことができる。税務署で確定申告の相談窓口が2月に設けられ、中には特設会場のように確定申告を行うこともできる。相談窓口になるのではじめての確定申告でわからないこと、不安なことがあれば相談するといいだろう。
足を運ぶ手間はかかるが専門家に相談するいいチャンスになる。3月まであとすこしの日数になると混み合うので、確定申告は早めに手続を行うようにしておくと順序よく手続を進めることができる。
税務署で確定申告の申請書など必要に応じた書類をもらえるので、それが必要か確認した上で書類を持ち帰るのを忘れずにしたいものだ。
また、国税庁のHPからも電子申告を行うことができる。確定申告の作業に慣れている人なら問題ないかもしれない。しかし、はじめての確定申告の場合はこの方法を行うと間違った金額や計算で申請することになるので、余計なお金がかかることになる。
確定申告は間違えた申請や虚無の記載はペナルティ対象になるのでできるだけ正しい金額で一回で終わらせるようにしよう。
所得税の支払い
確定申告が終わると、後日所得税の支払を行うことになる。銀行の窓口にて支払をする方法もあれば、振替納税の方法を行うこともできる。
所得税の支払が義務とはわかっていても銀行まで出向いている時間もないし・・・。そんな人にオススメの納税方法は所定の手続を行うとクレジットカード支払か、銀行キャッシュカードからの引き落としをしてもらえるようになる。
確定申告と一緒に申し込みをするのが一番いいのだが後からでも申し込みを行うことができる。そのため、確定申告と別々に郵送した場合は納税地の税務署に電話で連絡しておき、別々に届く旨を伝えておくと非常に便利だ。
また、遺産相続後しばらくして住所の変更があったり、結婚して名前が変わった場合は税務署にて所定の手続が必要な場合もあるので一度相談してみると、抜けがなく申請できるのでおすすめだ。
「相続税」は原則支払う必要はない？
遺産相続後の「相続税」についても詳しく説明していきたいと思う。
そもそも「相続税」とは必ずしも全員が支払をする義務のあるものではなく、一定額以上の遺産がある場合にのみ申請を行う必要がある。その一定額とは「基礎排除」を除いた上で計算されるものとなるので覚えておこう。
「基礎排除」とは一定の金額までは「相続税」の申告を行わなくていいですよという税金のボーダーラインのことをいう。
遺産の総額に対し、基礎控除をひいてプラス分が出れば「相続税」の申告が必要になる。逆に、基礎控除をひいてマイナスになれば相続税の申告をする必要がないということになる。
「相続税」を考える上で重要になるのは「故人が所有していた財産を、お亡くなりなった日時点で換金したらいくらになるのか」という相続税の考え方になる。故人が所持していた貯金や不動産、有価証券などのすべてを含めた総額になるので、遺産の総額といわれても自分では把握するのも意外と難しいものになるのだ。
そもそも故人と生活を共にしていないと、細かなお金の動きなんて知ることもなく、故人が亡くなってはじめてどの程度の遺産があり、「遺産の総額」がどのぐらいになるのか詳しく調べたり知ることになるだろう。そのため、故人の遺産の総額についてまずははっきりさせることから始めていきたいと思う。
預貯金
こういった金融関係の手続の場合、あなたが「相続人」とわかれば情報の開示をしてくれるので、故人の死亡届や、故人との関係性が証明できるもの、例えば戸籍謄本などを持ち金融機関の窓口に出向くようにしよう。
故人がなくなり1週間程度でそのデータが反映されるようになるので、反映されてから手続を行うようにするとスマートだろう。
保険金
保険金の場合は、保険証券で受け取り額を確認するかもしくは生命保険の会社に連絡して、保険の受け取りについて確認するようにしよう。
生命保険は他の手続よりも方法が簡単なものになり、保険金の受取人であればすぐに手続を行ってくれる場合もあるので対応は早いほうだろう。故人との関係性が証拠として提示できるようにしておくと、手続も簡単になる。
他にも「株式証券」の確認や「不動産」などもあるが、計算式が面倒な場合や株式の知識がないとわからないようなものはできるだけ専門家に相談し確認してもらえる方がいいだろう。間違えた価値で損をすることにもなり得るので十分に注意したい。
「相続税」の支払い手続き
では「相続税」が「基礎控除」を超えてしまい支払が必要になった時はどのような手続を行う必要があるのだろうか。
「相続税」の支払には専用の用紙が必要になるので、まずは最寄りの税務署に出向き、申し込み用紙をもらおう。その上で必要事項を慎重に記入し最寄りの銀行や郵便局、信用金庫などの窓口にて支払が必要になる。
ATMやクレジットカードなどの支払は「相続税」ではできないので間違えないようにしよう。「相続税」は相続が発生した日から10ヶ月以内の期限であればいつ提出してもいいことになっているので、期限内に忘れることなく申し込みを行うようにしよう。
遺産相続をする際に注意したいポイント
遺産相続時の「確定申告」、「所得税」、「相続税」について説明したが、あなたの場合はどうだろうか。それぞれの家庭で相続するものも違えば家庭状況も違うので、遺産を相続した時は正しく書類を申請できるように、申告漏れがないように確認しながら行うようにしよう。
手続の方法さえ覚えてしまえば、大変な手続ではないので申告の必要がある場合は忘れないように行うのを強くおすすめする。「基礎控除」などの税金対策になるものもしっかりと把握しておこう。
