フォクトレンダーはオーストラリアで創業した光学機器メーカーであり、カメラやレンズのブランドとしても知られている。独自の構造によりつくられたカメラが特徴で、カメラマニアにとってはとても魅力的なメーカーの一つだと言えるだろう。プロミネントはそんなフォクトレンダーから販売されたカメラの名称である。
マニアに人気のフォクトレンダー プロミネントだが、さまざまな事情から売却を考えているという方もいるはずだ。今回はフォクトレンダー プロミネントをピックアップし、メーカーとしての歴史やプロミネントの特徴、買取相場や査定情報について詳しく紹介していく。
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フォクトレンダーの歴史
フォクトレンダーは1756年にオーストラリアで創業された光学機器メーカーだ。創業者はヨハン・クリストフ・フォクトレンダーという人物であるため、自身の名前をそのままメーカーの名称に用いたことがわかる。1962年にドイツに完全に移転するまでは、ウィーンで光学機器のメーカーとして小規模な事業を展開していた。
光学機器というのはその名前の通り光の作用や原理などを活かしてつくられた機器のことで、名前だけ聞くと難しい機器のように感じるが、カメラや望遠鏡、双眼鏡などが光学機器に該当するということを知れば、容易にイメージしやすいのではないだろうか。ちなみに、顕微鏡などレンズを使用したほとんどの機器が光学機器としてあてはまる。
初代フォクトレンダーは創業から41年後の1797年に生涯の幕を閉じることになったが、息子のヨハン・フリードリッヒ・フォクトレンダーが跡を継ぎ、フォクトレンダー父子商会として事業を続けた。その後、1823年に世界初のオペラグラスを発売し、強い人気を集めた。このことがきっかけでフォクトレンダーの名は世界に知られることになる。
双眼鏡と同一のものとして紹介される場面の多いオペラグラスだが実際はそうではなく、劇場などでの鑑賞に用いるためにつくられた双眼鏡の一種である。現代ではライブやコンサート、スポーツ観戦などでも使用される。通常の双眼鏡と比較すると倍率が低く、長時間使用できるよう軽量化された構造になっている。
3代目のペーター・ウィルヘルム・フリードリッヒ・リッター・フォン・フォクトレンダーはドイツのブラウンシュヴァイクに支店を設立し、1862年には完全にドイツへ移転した。その後も代表者が変わり、1999年には日本の企業である株式会社コシナが商標使用権を獲得した。
フォクトレンダーの製品
フォクトレンダーの製品と言えばやはりカメラが有名だが、光学機器メーカーであることや世界初のオペラグラスを開発したということもあり、ほかにも有名な製品は存在する。カメラ以外の製品はカメラ用レンズ、望遠鏡や双眼鏡、顕微鏡などが代表として挙げられる。
また、プロミネント以外にも数多くのカメラを販売している。プロミネントと同じレンジファインダーカメラを例に挙げると、ヴィテッサというカメラが発売されている。このカメラはシリーズ化されており、ヴィテッサI・ヴィテッサII・ヴィテッサIII・ヴィテッサL・ヴィテッサTの計5種類のラインナップが登場している。
1999年に株式会社コシナが商標使用権を獲得してからもベッサと呼ばれるレンジファインダーカメラが同年に登場している。こちらもシリーズ化されており、全部で10種類以上が発売された人気シリーズとなった。2006年に登場したベッサR4Mが発売されて以降は発売されていない。
フォクトレンダーの買取情報
フォクトレンダーの買取情報を調査してみたところ、買取がおこなわれているのはカメラやレンズなどが中心のようだ。メーカー紹介としてオペラグラスを用いられることはあるものの、残念ながら双眼鏡や望遠鏡を取り扱っている買取業者を見つけることはできなかった。
フォクトレンダー プロミネントとは
次に紹介するのは、今回の本題であるフォクトレンダー プロミネントについてだ。せっかくなので、プロミネントがどんなカメラなのか、どのような種類がこれまでに登場したのかを紹介していきたい。
プロミネントとはフォクトレンダーが開発したレンジファインダーカメラだ。実はこのプロミネントは大きくわけて2種類登場しているということをご存知だろうか。フォクトレンダーは、戦前と戦後に同じ名称で構造が異なるカメラを発売しているのだ。プロミネントの種類について以下にまとめてみた。
プロミネント花魁
プロミネント花魁は最初に発売されたプロミネントシリーズだ。今から約90年前、戦前に発売されたカメラで、以降のプロミネントがレンジファインダーカメラなのに対し、スプリング式カメラとして発売された唯一のカメラだ。
花魁という名称は日本でのみ呼ばれており、ボディ上部にある左右に出た突起が芸者の頭飾りに似ていたことが名称の由来とされている。このプロミネント花魁が、大きくわけた2種類のうちの1つだ。名称こそ同じであるものの、以降のプロミネントとの共通点はないと言えるだろう。
プロミネントI
プロミネントIは1951年に発売されたレンジファインダーカメラだ。以降のシリーズはすべてレンジファインダーカメラとなっている。プロミネントにはスプリング式カメラとレンジファインダーカメラの2つが存在するのだ。これが大きくわけて2種類あると紹介した理由だ。
プロミネント普及型
プロミネント普及型はプロミネントIが登場してから3年後の1954年に発売された。このカメラはレンズ交換ができないタイプのカメラとなっている。それ以外はプロミネントIとの大きな違いはないようだ。
プロミネントIa
プロミネントIaはプロミネント普及型の登場からわずか2年後に発売された。35mm・50mm・100mmの枠が組み込まれたり、フィルム巻き上げにダブルストロークのレバーが取り入れられるなど、これまでのプロミネントシリーズから大きな変化を遂げた。
プロミネントII
プロミネントIIも、プロミネントIaの発売からわずか2年後の1958年に発売された。プロミネントIIはファインダーが等倍になっている。それ以外の変更点や改良は特に見られないようだ。プロミネントシリーズとしては最後に発売されたカメラになる。
買取相場と査定情報
フォクトレンダー プロミネントはマニアの間でも人気が高く、高値での買取になることが予想される。実際にフォクトレンダー プロミネントの買取業者を調査したところ、買取をおこなっている業者は多数見受けられるものの、残念ながら買取相場を公表している業者はほとんど見あたらなかった。
しかし全種類のフォクトレンダー プロミネントとはいかないものの、いくつかの買取業者で査定情報を見つけることができたため、以下にまとめてみた。ほかのプロミネントを所有している場合や以下に該当するプロミネントを所有している場合でも、価格が変動する可能性があるため、一度査定することをおすすめする。
- ・フォクトレンダー プロミネントIa…6,800円
- ・フォクトレンダー プロミネントI…6,800~27,000円
- ・フォクトレンダー プロミネントII…7,700~35,000円
買取価格に大きな差が生まれているのは、フォクトレンダー プロミネントが古いカメラであり、所有者によってカメラの状態が大きく異なっていることが理由として考えられる。場合によっては今回紹介した価格を大幅に上回る形での買取になる可能性もあるだろう。
買取相場を公表している買取業者こそ少なかったものの、フォクトレンダー プロミネントの買取をおこなっている業者は多数存在する。そこでおすすめの買取業者をいくつかまとめてみた。また、メルカリやヤフオクでも出品情報が確認できたため後ほど詳しく紹介していく。
カイトリNO.1
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カイトリNO.1は大阪府を拠点に事業を展開している買取業者だが、フォクトレンダー プロミネントIIの買取相場が掲載されていたため今回ピックアップした。ブランド用品を中心に買取をおこなっており主にカメラや時計、記念硬貨、ブランドバッグ、アクセサリーなどを取り扱っている。
大阪府を拠点としているものの、宅配での買取が可能なため全国どこからでも申し込むことができる。送料や査定料、入金手数料、返送料などがすべて無料となっている。出張買取もおこなっているが、対応地域が不明なため出張買取を希望する場合は問い合わせてみてほしい。
ナニワグループオンライン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ナニワグループオンラインはナニワグループが展開するカメラ専門のオンライン通販だ。専門店というだけあり、取り扱っているカメラの種類が豊富で、フォクトレンダー プロミネントIの買取相場が掲載されていたためピックアップしている。
検索機能ではプロミネントIしか見つけることができなかったが、ナニワグループでは取り扱っているカメラの参考買取価格を検索するだけで簡単に知ることができる。キャンセル料が無料となっているため、参考価格が掲載されていないプロミネントシリーズでも宅配買取を利用して一度査定を依頼してみると良いだろう。
Map Camera
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
Map Cameraは主に郵送による買取をおこなっている買取業者だ。取り扱っている製品は主にカメラやレンズとなっている。買取価格はほかの買取業者と比較すると若干低いが、取り扱いが多いため他社で買取不可だったプロミネントを売却できる可能性がある。
Map Cameraで買取をおこなっているカメラはプロミネントI・プロミネントIa・プロミネントIIとなっていたが、プロミネント用のレンズも多く取り扱っているため、掲載されていないカメラを買い取ってもらえる可能性も十分にあるだろう。
メルカリ
メルカリでもカメラの出品は多くおこなわれている。実際にフォクトレンダーの製品も多く出品されているようだ。メルカリでは個人に対して個人が販売をおこなうため、買取業者を挟むよりも高値で売却できる可能性が高い。
プロミネントシリーズの出品は残念ながらプロミネントIIしか確認することができなかったが、買取業者に依頼した場合の買取相場が7,700~35,000円なのに対し、倍近い60,000円という高価格で購入された履歴を確認することができた。
ヤフオク
ヤフオクは落札希望者が多ければ、メルカリよりもさらに高値で売却できる可能性を秘めているオークションサイトだ。メルカリと同様にカメラが数多く出品されており、フォクトレンダー プロミネントの出品も多く確認することができた。プロミネントシリーズの買取価格は以下の通りだ。
- ・フォクトレンダー プロミネントI…約16,000~80,000円
- ・フォクトレンダー プロミネントII…約60,000円
- ・フォクトレンダー プロミネント 花魁…約80,000~100,000円
ヤフオクではプロミネント花魁も出品されており、高価格での落札を確認することができた。プロミネントIとプロミネントIIに関しても買取業者に依頼するより遥かに高価格で売却することができそうだ。カメラ本体でなくボディのみの出品も多く見受けられた。
売却のコツ
フォクトレンダー プロミネントは古いカメラというだけあり、場合によっては買取価格に大きな差が生じてしまう可能性がある。せっかくプロミネントを売却するのであれば、できるだけ高価格で売却したいはずだ。そこで、プロミネントを高値で売却するコツについてまとめてみた。
保管状態
フォクトレンダー プロミネントは花魁が1930年代、以降が1950年代に発売された非常に古いカメラだ。年代物ということもあり、査定時には保管状態が重視されることになるだろう。反対に言えば、保管状態が良ければ高価格で売却できる可能性が高いということだ。所有している場合は保管状態に気を配るよう心がけると良いだろう。
買取価格の比較
フォクトレンダー プロミネントは古いカメラということで所有者によって保管状態が異なるケースが多いため、価格の差が大きくなりやすい。その分、買取業者による査定結果も大きく変わってくる可能性が高いと言えるだろう。そのため一社で決めてしまうのではなく、複数の業者で買取価格の比較をおこなうことをおすすめする。
まとめ
フォクトレンダー プロミネントの特徴や買取相場、査定情報について紹介した。古いカメラだけあって買取情報は少なかったが、高価格で買取されていることがわかった。
ヤフオクで出品すれば最高価格で売却しやすいが、出品が面倒な場合は買取業者に依頼すると良いだろう。その際は是非、今回紹介した買取業者を参考にしていただきたい。