偽りの王 ヴィルヘルムはデュエルマスターズの中でも屈指の制圧力を持つカードである。デッキによってはエースとしての採用が検討できるカードであるが、実はデュエルマスターズでも屈指の高額カードとしても知られている。ヤフオクなどのオークションサイトでどのくらいの価格で取引されているのか、その背景とともに紹介しよう。
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偽りの王 ヴィルヘルムはなぜ強力なのか
偽りの王 ヴィルヘルムはコスト9、パワー12,000の大型クリーチャーである。お互いを守る5枚のシールドを破壊しあうデュエルマスターズというゲームにおいて、1度の攻撃で3枚のシールドを破壊できるため、終盤以降の詰めの展開で頼りになるクリーチャーであることは間違いない。
だが、原則1ターンに1枚しかマナゾーンというコストにできるカード置き場にカードを置けないというデュエルマスターズでは、マナゾーンのカードを能動的に増やす以外で偽りの王 ヴィルヘルムを出すことができるのは9ターン目である。これでは序盤で偽りの王 ヴィルヘルムを手札に抱えた場合に使い道がほとんどなく、逆にこのカードがマナゾーンに置かれ、コストとして利用されることも少なくない。
相手だけ損をさせることが可能
そんな重量級アタッカーである偽りの王 ヴィルヘルムがエースカードとして採用されるのは、原則1ターンに1枚しかマナゾーンにカードを置けないデュエルマスターズにおいて強力な効果を持っているためである。それは相手のマナゾーンとバトルゾーンのカードを1枚ずつ破壊するという効果である。
相手のターン数だけ貯まったマナゾーンも、そんなマナをやりくりして出したエースカードも破壊してしまえることが魅力である。そして相手だけ損をさせることが可能という点が評価されている。
抑止力としての役回り
また、相手の墓地にカードが置かれた場合に、その枚数分だけ自分のマナゾーンのカードを増やすことができる効果も偽りの王 ヴィルヘルムは持っている。相手のカードを破壊する自身の効果に続いてマナゾーンのカードを増やせる効果は、次のターン以降の展開をより楽なものにするだろう。
相手には展開の邪魔をしておいて、自身は次の展開を楽にすることができるとあって、相手との差を確実に開かせる強力な1枚であることは疑いようがない。相手が墓地にカードを置くたびにマナゾーンにカードを増やすため、相手は使い切りで墓地に行く呪文カードなどを思い切って使いにくくなる。こういった抑止力としての役回りを期待されているのだ。
上級者向けのカード
自分の展開を楽にするカードであるために早いターンで出しておきたいカードであるため、偽りの王 ヴィルヘルムを主軸に据えたデッキは、そのためのギミックを採用することとなる。マナゾーンにカードを早く多く貯める、あるいはカードの効果でコストを支払わずに出してしまうというのが主であるが、採用ギミックとデッキのバランスを調整する必要があるのが多くのプレイヤーの悩みの種だ。
着実にアドバンテージを稼げる偽りの王 ヴィルヘルムは、何となく数枚採用しても真価を発揮しないカードである。そのため、デッキの構築の時点から工夫を要する上級者向けのカードなのである。
屈指の手に入りづらさ
偽りの王 ヴィルヘルムは2012年発売の「ゴールデン・ドラゴン」に初登場した。収録レアリティはスーパーレアであり、そもそも出づらいレアリティであるだけでなく、5種類もあるスーパーレアから偽りの王 ヴィルヘルムを手に入れられる可能性は非常に低かった。
デュエルマスターズはルール上4枚まで同名カードを採用することができる。しかしカジュアルプレイヤーには4枚の偽りの王 ヴィルヘルムを集めることは非常に難しかったこともあり、高額デッキの代名詞のように当初は扱われていた。
デュエルマスターズは過去の人気カードを後発のパックに再録することがままある。偽りの王 ヴィルヘルムも人気カードの一角であり、その再録を心待ちにしていたプレイヤーは少なからずいたようであるが、2015年まで再録は1度もされなかった。
スーパーレア100%パックに再録された
「スーパーレア100%パック」に再録された同カードであるが、このパックが実は1パックに1枚しかカードが入っていない異色のパックだ。そのうえ「強いから人気」のカードに加えて「古くて有名」なカードもたくさん再録されてしまっていた。
全てスーパーレアには変わりがないのだが、デッキには採用できない有名なだけのカードも一定数封入されているためにパックの売れ行きが良くなかった。それもあり、偽りの王 ヴィルヘルムの流通数はそれほど増加しなかったのである。
双極編第4弾に再録された
その後、2019年に双極編第4弾でウルトラゴールデンカードという特別なレアリティで再録された。このウルトラゴールデンカード、実は1カートンという仕入れの単位で1枚しか封入されていないことが知られている。1カートンは12箱なので、12箱開けて1枚に出会えるのだが偽りの王 ヴィルヘルムを含め5種がウルトラゴールデンカードで収録されている。
単純に確率で言えば60箱に1枚、偽りの王 ヴィルヘルムが封入されている程度の確率でしか無いのである。またしても封入率が低すぎる再販となったのである。パックを買い続けてあたるより、中古のカードを買ったほうが経済的、とまで言われていただけに完全にあたったらラッキーという立ち位置のカードでしかなかったのである。
つまり、偽りの王 ヴィルヘルムは再三の再録にもかかわらず、再録の度に出づらいレアリティに設定されたり、目あてを引きづらいパックに封入される。通常、再録を重ねれば流通する枚数が増加し、結果カードの中古市場価格は落ち着いていくものだ。
しかし偽りの王 ヴィルヘルムは再録の回数に見合わないほど流通数が横ばいであり、そのため中古市場価格が依然高額で手に入りづらいカードであり続けているのである。これが偽りの王 ヴィルヘルムが高額であり続けている理由である。
ヤフオクにおける相場
最初期に登場した2012年版の偽りの王 ヴィルヘルムは、キズアリの品であってもヤフオクで1枚3,000円～4,000円程度の値がつく。美品であれば5,000円も見込めるカードであるだけに、いかに人気の高いカードであるかが分かるだろう。
同じイラストを採用し、枠が金色に箔を押したようなウルトラゴールデンカードは、美品で1枚3,000円程度で取引されている。シンプルな最初期モデルのほうがファンには好まれていることもあり、ウルトラゴールデンカードの方が抑えた価格で取引されているが、1枚3,000円も決してカジュアルプレイヤーの手が届くカードでは無い。4枚採用するとすれば、偽りの王 ヴィルヘルムだけで1万円の出費を見込む必要があるのだ。
「スーパーレア100%パック」に収録された偽りの王 ヴィルヘルムはイラスト違いの1枚である。全身が写ったイラストを用いている最初期モデルとは異なり、向かってくるような迫力ある1枚であるが、ヤフオクでの取引価格相場は美品であれば1枚1万円程度にもなる。
キズアリの1枚であっても6,000円程度はするとあって、特に希少な1枚であることが分かるだろう。テキストにかかるほど身を乗り出した躍動感あるイラストは偽りの王 ヴィルヘルムの中でも特に人気なモデルである。
偽りの王 ヴィルヘルムは公式大会上位入賞賞品として配布されたこともある。こちらは悠然と構えるイラストを採用しており、パックから手に入る偽りの王 ヴィルヘルムとは雰囲気の異なる1枚であるが、パック産の流通数に比べ圧倒的に少ないこともあって、出品そのものを見かけることは滅多にない。
しかし、カードショップなどでは美品のプロモカード版偽りの王 ヴィルヘルムが1枚5万円以上の価格で取引されており、ヤフオクに出品された場合も同等の値がつけられると見られている。パック産より遥かに希少な偽りの王 ヴィルヘルムであることは間違いない。
高額カードを高額のままに売る
偽りの王 ヴィルヘルムを採用したデッキを組みたいプレイヤーのため、オークションサイトなどを利用して出品することも考えられるが、高額なカードを額面通りに買ってもらうのは非常に難しい。カードは非常に傷がつきやすく、紙なので折れやすく、湿気にも強いとは言えないうえに、日光に長時間あてていると印刷面が褪色してしまう。これらのトラブルを抱えたカードはB級品となり取引価格がぐっと下がってしまう。
どうせ出品するならば高額で買ってほしいところであり、高額でカードを取引するためにカードの保存方法を知っておいて損はないだろう。カードはプロテクターなどのキズや折れから守るものに入れる。パックから出したその瞬間からカードはキズのリスクに晒されているため、保護しなくてはならないが一般的にプレイ用のカードなどを入れるスリーブでは些末なキズしか防げない。
プロテクターを採用したくないのであれば複数枚のスリーブを重ねて強固に保護するといいだろう。そのうえで湿気の無い常温の暗所に保存すると、湿気による反りや印刷の褪色を防ぐことができる。これだけのことをすれば美品と胸を張って言うことができるだろう。
また、カードを売る方法はオークションサイトだけではない。フリマアプリは買い手が値段をつけるオークションサイトとは異なり、出品者が値段を決めることができるメリットがある。
ショップに売ればキズの状態などを特に注意して観察されるが買い手とのトラブルのリスク無く売買ができる。あるいは、これら全ての方法を一通り試せるなら試してみることで、各市場の相場が分かる可能性がある。その中でも特に高値をつけてくれる市場を見つけて出品しよう。
カードゲームに特化したmagi
magi（https://magi.camp/categories/20/items）はカードゲームに特化したフリーマーケットアプリである。デュエルマスターズに限らず、さまざまなカードが扱われているが、それぞれのカードについてカテゴライズされているので、検索結果に他のゲームが混ざらないことが買い手にとってのメリットである。
幅広い顧客層も特徴的だ。プレイ用のカードを求める客やコレクション用のレアカードを探す人も参加しているだけに、需要の幅が広いことも出品する側として嬉しいところである。
まとめ
説明した通り、偽りの王 ヴィルヘルムはデッキの中核となることができる強力なカードである。しかしながら、これまでの再録でも数が絞られてきたこともあり、入手しづらいカードの1枚となっており中古市場でも屈指の高額カードである。そんな特別なカードだけにカードの状態を気にする人も多いため、出品する際にはカードの状態に特に注意を払うといいだろう。
