2017年3月15日より携帯電話の出品ルールを厳格化したヤフオクは、他のオークションサイトやフリマアプリと比べて中古スマホ本体における購入トラブルの起こりにくい存在だ。しかしこうしたルールを掻い潜って出品を行う悪質業者が後を絶たない今の時代は、念には念を入れるといった意味でも入札者側で可能な限りのチェックをする心掛けが必要だと言えるだろう。
今回は、中古スマホ購入におけるヤフオク利用で、失敗や詐欺被害に遭わないために欠かせない注意点と完全チェックポイントを徹底解説していく。
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ヤフオクで中古スマホ本体を買う上で避けたいトラブル
メルカリと比べて参加ユーザの年齢層の高いヤフオクは、中古スマホ本体などの高額商品の売買に適したWEBサービスだ。しかし他ユーザとの競り合いによって冷静な判断ができなくなるケースも多いヤフオクには、下記4事例のような中古携帯電話ショップ利用では起こり得ないトラブルに見舞われる可能性もある。
想定外の高値で中古スマホを落札する
希望商品を手に入れるために他ユーザとの競り合いをするヤフオクには、「気が付いたら予算以上の価格で落札者になっていた!」というトラブルが大変多く見受けられる。
特に負けず嫌いな性格の入札者は、いつの間にか中古スマホ購入における優先順位をすっかり忘れて、競り合いを続けるうちに「他ユーザから勝つこと」へと目的が変わってしまう傾向があるようだ。
またヤフオクには、価格の釣り上げ目的で業者のサクラアカウントも多く登録されているため、冷静に取引する心掛けも必要だと言えるだろう。
赤ロムの中古スマホを落札する
ヤフオクで行った出品ルールの改定は、赤ロム端末売買による被害を防ぐ内容といっても過言ではない。詐欺や窃盗による不正入手や不正契約、残債の支払いが滞ることにより、キャリア会社側でネットワーク通信のロックをした端末のことを赤ロムと呼ぶ。
ヤフオクなどから赤ロムの中古スマホを購入すると、どんな手を尽くしても通話や通信ができないトラブルに見舞われる。また近頃では、落札者が商品を入手してからしばらく経った後で残債の支払いをストップさせる悪質業者も増えているため、ヤフオクの出品ルールに依存するのではなく購入する側でも入念なチェックを行う必要があると言えるだろう。
自分の希望と違う中古スマホ端末を落札する
店頭購入と違って商品に関するアドバイスのないヤフオクでは、ユーザのミスによる買い物の失敗も生じやすい。特にiPhone、Galaxy、Xperiaといった多彩な種類が存在するスマートフォンは、ガラケーと比べて遥かに商品選択が難しい存在だ。
また初めて中古スマホを買う人にとっては、「どの機種が自分に合っているのかわからない!」といった戸惑いや焦りによる勘違いも生じやすいため、なるべく時間をかけて機種やキャリア会社を選択する余裕も必要となるだろう。
出品者本人とトラブル
出品者への直接支払いとなるヤフオクでは、運営者側で一旦お金を預かるメルカリと比べて入金や振込時のトラブルも起こりやすい傾向がある。また商品説明では完動品と書かれていても、到着したら全く電源も入らないといった事例もあるため、出品者の評価などを見ながら中古スマホの梱包や発送に慣れている人を探すことも心掛けるようにして欲しい。
中古スマホの機種を決める際の注意点
たくさんの商品が出品されているヤフオクを利用する際には、最初に自分が欲しい機種やメーカー、これから契約する携帯電話のキャリア会社を絞っておくことをおすすめする。
SIMフリー版?キャリア端末?
今現在ドコモやSoftBank、au、SoftBankの回線を契約している人には、安定的な環境で通信のできるキャリア会社の中古スマホ本体購入がおすすめとなる。これに対してリーズナブルな通信料で知られる格安SIMを使う予定があるなら、端末との相性をしっかり調べた上でSIMフリー端末を選択すると良いだろう。
SIMロック解除済とSIMフリー版との違いとは?
SIMロック解除済と書かれた中古スマホは、出品者や過去の契約者によってキャリア会社の店頭でアンロックの手続きが行われた端末だ。これに対してiPhoneなどのメーカーでは、最初からSIMフリー版として購入者が自由に好きなSIMを入れられるラインナップを設けている。
ヤフオク出品者の中にはこの両者の違いがわからず、自身がロック解除の手続きした端末にSIMフリー版と記載しているユーザもいるため、格安SIMなどの利用を考えているなら入念に商品説明をチェックする必要があると言えそうだ。
中古スマホ本体の販売価格相場を把握するメリット
前述のとおりユーザ同士の競り合いを目的に作られたヤフオクでは、勝ち負けにこだわりすぎることで、想定外の高値で中古スマホを落札するトラブルが増えている。
ヤフオクならではとも言えるこうした失敗を防ぐためには、入札前に自分の欲しい中古スマホの販売価格相場を調べておくことをおすすめする。相場のわかっているユーザは、万が一自分の参加中のオークションに値を吊り上げるサクラが混ざっていても、「50,000円を超えたら諦める」といったブレーキがききやすくなる。
中古スマホの販売価格相場調査の方法とは?
ヤフオク内の相場を見たい人には、オークファンというサイトの活用がおすすめとなる。また出品者の中には中古携帯ショップも多く参入しているため、幅広い市場の相場を確認したい場合は、価格.com、モノレートなども参考にすると良いだろう。XperiaやiPhoneといった人気機種の相場は新製品の発表によっても大きく変動するため、なるべく入札直前に価格調査を行うようにして欲しい。
フリマモードの活用もおすすめ
相場を調べても他の入札者の勢いに流されてしまう不安のある人は、メルカリと同じように即決価格で買い物のできるフリマモードを使ってみよう。即決価格での落札となるこのモードには、オークションと違って運が良ければ安く買えるメリットはない。しかしその分、サクラなどの影響を受けにくい利点もあるため、オークションと比べると遥かに価格面でのリスクが低いと捉えて良いだろう。
ヤフオクでは携帯電話端末の出品ルールを変えたばかり
中古スマホの転売詐欺業者によるトラブルを問題視したヤフオクでは、赤ロム端末に関する出品ルール変更を行った。ここからは、具体的な規約の変更内容を確認しながら、入札する側が注意すべきことを整理していこう。
製造番号の記載の義務付け
ヤフオクでは以前から、中古スマホの製造番号を商品説明に記載することを義務付けていた。14~15桁で構成される端末固有の製造番号は、IMEI(端末識別情報)と呼ばれることもある。
ヤフオクの商品ページを開いた時にこの情報が記載されていない場合は、出品規約違反と捉えて「質問欄からの番号確認」もしくは、「トラブルを防ぐために別な商品を探す」のいずれかを選択するようにして欲しい。
購入希望者が製造番号を確認できるメリットとは?
製造番号がわかると、各キャリア会社のサイトからネットワーク利用制限と呼ばれる情報を調べられるようになる。入札前にネットワーク利用制限のチェックを行うと、残債の支払い中や盗難品といったネガティブな事情を抱えた中古スマホ端末を購入希望者自ら確認できる。
またiPhoneの場合は、Appleのサイトから保証状況も調べられるため、より安全な中古スマホ本体を探しやすくなるといった意味でも製造番号を入手するメリットは非常に大きいと言えるだろう。
中古スマホは「○」のみ販売可能
ヤフオクでは、SoftBankとドコモの中古スマホ本体について、ネットワーク利用制限が「○」だったものだけ出品可能としている。「○」が出ている中古スマホについては、一括購入により残債がなく、また盗難や紛失などの届け出もないことにより、ネットワーク利用が正常にできると捉えて良い。
「△」の中古スマホ出品はストア出店者のみ可能
中古スマホ販売店などのストア出店者については、ネットワーク利用制限で「△」が表示される分割購入代金の支払い中の端末も出品可能としている。過去の利用実績においてヤフオク側の条件をクリアしたストア出店者は、安全性の高い中古スマホを買い求めようとする皆さんにとっておすすめ度の高い存在だ。
これに対してストアではない一般個人が「△」のスマホを出品した場合は、商品到着後に突然支払いが滞ることによりネットワーク通信不能になるトラブルに見舞われる可能性もある。
購入希望者側でも製造番号を使った確認がおすすめ
ヤフオク側でこうした厳しい出品ルールを設けた近頃では、中古スマホ商品のタイトルに「○判定」とわかりやすく記載するユーザが大変多くなった。しかし悪質な転売業者においては虚偽の情報を商品説明に書く可能性もあるため、こうした罠を避けるためには下記の方法で入札者自身がチェックをするべきだと言えるだろう。
ネットワーク利用制限を調べる方法とは?
ネットワーク利用制限の確認は、各キャリア会社で設けた下記サイトに前述の製造番号(IMEI(端末識別情報))を入力するだけで良い。
- SoftBank https://ct11.my.softbank.jp/WBF/icv
- docomo http://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/top.php
- au https://au-cs0.kddi.com/FtHome
格安スマホの場合はどこでネットワーク利用制限を調べるの?
ネットワーク利用制限の確認サイトを設けているのは、残念ながら上記の大手キャリア3社が中心となる。これ以外の格安スマホ会社については、その多くがネットワーク利用制限の確認ができない実態があるのだ。こうした抜け穴のある格安スマホについては、転売詐欺の対象になりやすい。
「○」、「△」、「×」、「-」の意味とは?
ヤフオクでも出品可としている「○」は、一括購入により残債のない端末と考えられる。これに対してネットワーク利用制限により通信のできない「×」については、最も問題の大きい赤ロム端末となるため、絶対に購入してはいけない。「-」は、キャリア会社との契約のないSIMフリーやAppleで修理交換を行った端末に表示されることが多い。
「×」や「-」のキャリア端末を買うとどうなる?
盗難や残債などのトラブルにより赤ロムになった「×」の中古スマホ本体は、キャリア会社に持ち込んでも使用できる状態にはならない。
これに対してAppleでの修理交換によって「-」となったiPhoneについては、契約者の方からキャリア会社に連絡すれば「○」に変わることもあるようだが、ヤフオク側で出品禁止としている実態を考えると避けるべき存在だと言えるだろう。
iPhoneの場合は製造番号から保証状況も調べられる
下記サイトにiPhoneのIMEI番号を入力すると、保証範囲や無償電話サポートの有効性などの確認ができる。
https://checkcoverage.apple.com/jp/ja/
保証の残った中古スマホ本体の入札がおすすめ
素人による扱いによって壊れる可能性の高い中古スマホを買う時には、なるべく保証が残っているものを選ぶと良い。保証付きスマホを購入すれば、万が一輸送中に故障などがあってもすぐに修理に出せる理由で、出品者との間にトラブルが起こりにくくなる。
これに対して保証のない商品の場合は、お金をかけずに修理できないことにより「本当は完動品だったのではないか?」とか「詐欺だったのではないか?」といった疑念から問題が大きくなりやすいため、万が一に備える余裕といった意味でも保証のメリットは非常に大きいと言えるだろう。
コンディションの確認も忘れずに
今後、安心して使える中古スマホ本体を入札するためには、コンディション面のチェックも重要ポイントとなる。
不明点は何でも質問する
掲載枚数に上限のあるヤフオクでは、写真だけで商品コンディションの全てを把握しきれない実態がある。また出品初心者は前面の写真だけしか投稿しないこともあるため、少しでも不安要素が生じた場合はどんな内容でもきちんと確認しておく心掛けを持つようにして欲しい。
返答内容から出品者のチェックをする
ヤフオク取引を慎重に行うためには、質問に対する返答内容やレスポンスから出品者のチェックをする方法もおすすめだ。またヤフオクにはメルカリよりも細かい5段階の評価機能があるため、過去の取引実績から出品者のチェックをする心掛けが、想定外のトラブルから自身を守る良策に繋がると言えるだろう。
バッテリー残量も確認しておくと良い
自宅に到着した中古スマホ本体をすぐに使いたい場合は、これまでの使用期間やバッテリー残量についても確認をしておこう。特にSIMフリー端末の場合はキャリア会社に行かずにネットワーク利用をする可能性もあるため、「いざ使おうと思った時にバッテリーが無い!」などのトラブルに見舞われやすい傾向があるのだ。
またバッテリー交換が必要な場合は別途費用がかかるため、やはり保証期間内の中古スマホ本体を買った方が想定外の出費も抑えられると言えるだろう。