玉簪(たまかんざし)などの女性用の装身具には、さまざまな素材が使われてきた。こういったアイテムには、価値が高いものもある。古い玉簪がタンスのなかなどから出てきたときには、試しに買取査定に出してみるとよいかもしれない。
ここでは、玉簪の買取相場や査定情報について解説していく。玉簪が売れるお店や玉簪と一緒に売りやすいアイテムなども簡単に紹介しよう。
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日本女性が愛用してきた玉簪
玉簪は、買取店では和装小物の1つとして扱われている。着物を着るのが習慣だったかつての日本では、身分や職業などによっていろいろな簪(かんざし)が使用されていた。玉簪は、さまざまな身分の女性たちが愛用していた簪だ。
丸い飾り玉が付いた簪
玉簪は、銀やべっ甲などで作られた棒状の素材に丸い飾り玉が付いているのが特徴になっている。飾り玉の大きさはさまざまだが、いずれのタイプもデザインはシンプルだ。女性用の簪には、武家の女性や花柳界の女性が好んだと言われる平打ち簪(ひらうちかんざし)、金属製の装飾が華やかなビラカンなどがある。
玉簪は、商家の女性などの庶民の間でも広く使用されてきた歴史がある。シンプルなデザインの玉簪は、いろいろなスタイルの日本髪とマッチするため、使いやすいのも魅力だ。
サンゴや翡翠などが用いられた品もある
この簪は、飾り玉の部分にさまざまな素材が使われている。やや高級なものになるとサンゴや翡翠(ひすい)などが使用されているケースもある。江戸時代には、ギヤマンやセルロイドなどが使われた飾り玉も登場した。
棒の部分には、銀やべっ甲のほかにも18金などが使用されている。ちなみに玉簪は棒の部分が1本になっているタイプや2本にわかれているタイプなどがある。また、飾り玉が2個以上付いていたり、飾り玉の周りに装飾が施されていたりする玉簪もあり、デザインは千差万別だ。
玉簪には実用品としての一面もあった
簪の先が耳かきの形になっているところは、玉簪ならではの特徴と言える。江戸時代、庶民は華美なファッションをすることが禁じられていた。当時は身分によって服装に決まりがあったため、現代のように自由に好きなファッションを楽しむことが難しかった。
玉簪などの装飾品は下手をすると取り締まりの対象になりかねない。そのため、実用品としての役割を加えたのが、こういった耳かき型の簪が多い1つの理由と考えられている。
玉簪の買取相場
玉簪の買取価格は、一部の買取店が買取実績で公表している。こういった実績を見ておくと似たような品を売るときに役立つかもしれない。ただ、買取店での売買価格は商談の結果次第といった場合もある。売却の相談をする前には、ヤフオクやメルカリの取引状況などを見て相場をチェックしておこう。
素材の質が良い玉簪の買取価格
価値が高い素材が使われている玉簪は、7,000円~10,000円ほどで買取してもらえる可能性がある。例えば、和装小物を買取しているある業者では、18金の素材にサンゴの飾り玉がついた玉簪に10,000円という金額をつけている。
金が用いられている玉簪は、和装小物としての価値だけでなく18金の価値も評価されるのが一般的だ。こういった品は、その時点の金の取引相場なども考慮して金額が提示されているようだ。サンゴの玉簪の場合、飾り玉に赤色が濃い血サンゴなどが使われていると高く評価されるかもしれない。
保存状態によっても玉簪の買取価格は前後する
玉簪の買取価格に大きな影響を及ぼすのが、品物の保存状態だ。古い玉簪などは、状態のよしあしで買取価格が前後するケースもある。飾り玉の部分にキズがついていたり、棒の部分の素材が変色していたりすると本来の査定額よりも減額されてしまうため注意をしよう。
減額されないためにも、玉簪は付属の箱などに入れて保管するのが賢明だ。タンスのなかなどに長期間しまいこまず、ときどき箱を開けて状態をチェックしておくと価値を下げないような対処ができるだろう。査定に出す前に柔らかい布なので軽くクリーニングをしておくと印象がよくなるかもしれない。
飾り玉が取れていても買取してもらえるケースがある
帯留めや簪などの和装小物の場合、装飾に使われているサンゴや翡翠といった素材が長い間、使っていると取れてしまうこともある。買取店によっては、こういった品も買取をしてくれる。
例えば、ある業者では足がない帯留めや飾り玉が取れてしまった玉簪も買取している。この手の品は多少の減額は予想されるが、飾り玉などの素材がすべてそろっていれば、ある程度の金額がつく可能性がでてくる。買取品の対象はお店によって変わるため、ダメージが見られる品でも諦めずに売れる買取店を探してみよう。
プラスチック製の玉簪には価格がつかないことが多い
対象になる買取品が多いお店でも、プラスチックなどが素材に使われている玉簪については買取の対象外にしていることが多い。例えば、棒の部分などにべっ甲のデザインを模したプラスチックが用いられていると見た目が美しくても値段がつかないかもしれない。
サンゴや翡翠をマネたフェイクの飾り玉も評価の対象にならないのが一般的だ。買取に出す前には、飾り玉や棒の部分に使われている素材の種類もしっかりと確認しておこう。
玉簪と一緒に売りやすいアイテム
玉簪は、1点だけで売るよりもほかのアイテムと一緒に売ったほうが高い値段がつく可能性がある。玉簪と一緒に売却しやすいのが、次のようなアイテムだ。
- ・ほかの簪や髪飾り
- ・櫛(くし)
- ・帯留め
- ・着物や帯
平打ち簪やビラカンなど
平打ち簪やビラカンといった簪は玉簪と一緒に売りやすい。実際、買取店ではさまざまな種類の簪をまとめて買取している。使われている素材がそれぞれ違うときには、査定士が1点ずつ価値を見極めて査定額の合計を提示するケースが多い。
玉簪だけではあまり高い金額がつかなくても、ほかの簪の価値が高ければ査定額はアップする。根掛けなどの髪飾りとセットで売るのもよい方法になるだろう
。櫛や帯留め
櫛や帯留めといった和装小物も簪と一緒に売りやすいアイテムだ。簪を買取するお店は、こういった和装小物をひととおり取り扱っていることが多いため、まとめ売りをすることはさほど難しくはない。櫛や帯留めには、螺鈿などの装飾が施された品や有名作家が手掛けた品などもある。このような品なら査定額も上がる可能性が高い。
着物や帯
不用になった着物や帯も玉簪と一緒に売るのにもってこいのアイテムと言える。友禅染や江戸小紋といった着物は1点だけでも高価買取されることがある。また、作家ものや伝統工芸品の帯なども高く評価されやすい。
帯締めや帯揚げも一緒に売れるお店ならタンスのなかを一掃しながら、玉簪を高値で売却できるだろう。まとめ売りを希望するときは、まんがく屋や福ちゃんなどの買取対象品の種類が多いお店を選ぶようにすると、メリットが大きくなるかもしれない。
オークションでの取引価格が高い玉簪
ヤフオクなどのオークションサイトに出品されている玉簪には、高い金額で落札される品も見られる。品物によっては、100,000円を超える金額がついた玉簪もある。
サンゴの玉簪セット
棒の部分にK18が用いられた玉簪のセットは、150,000円台の高値で落札されている。この玉簪の飾り玉には、約18ミリの大玉の赤サンゴが使われている。玉簪とセットになっているのは約13ミリのサンゴが7個ついた髪飾りだ。
この2つのアイテムは、IWATAYAのロゴが入った専用ケース入りで出品された。オークションの開始価格は1,000円ほど。60件以上の入札があり、最終的には157,000円で落札されている。変色などのダメージが見られない点が、こちらのセットの特徴だった。
翡翠の玉簪セット
翡翠の玉簪と髪飾りがセットになったある品は、80,000円台で落札された。こちらの品もDAIMRUのロゴが入った専用のケースに2つのアイテムが入っている。
K18などの素材に関するコメントはないが、飾り玉の状態がチェックできる画像がアップされているため、購入する前に品物の状態などをある程度確認することが可能だった。このセットも出品時の価格はわずか1円だ。オークションの開始後、50件以上の入札があったことから80,000円台まで価格が上がっている。
ヤフオクではサンゴや翡翠が人気を得ている
2019年の時点でヤフオクで人気を得ているのはサンゴや翡翠を使った玉簪だ。このような品は出品数、入札数のいずれも多くなっている。サンゴの玉簪には1点が50,000円前後の価格で落札されている品もある。
コーラルピンクのサンゴや涼し気なグリーンの翡翠は、いろいろなデザインの着物に合わせやすい。また、アンティーク品の雰囲気があることなども人気の一因になっている可能性が高い。ヤフオクでの出品数や入札数が増えている品は、買取店でも比較的売りやすいかもしれない。
タイプによって高く売れる方法が変わる
玉簪は、品物がどのようなタイプかによって高く売れるアプローチが少し変わってくる。ちなみに玉簪を売る方法には以下のようなアプローチがある。
- ・買取店に売る
- ・ヤフオクに出品する
- ・メルカリで売却する
買取店で高く売れるのは質のよいサンゴや翡翠、べっ甲などが使われている玉簪だ。このようなお店では、品質の高いものを高く評価する傾向がある。取引相場が別に決まっている18金などを使った品も買取店で売ったほうが高い金額がつく可能性が高い。また、専用ケース入りの玉簪なども買取店では高く評価している。
ヤフオクでは、その時点で人気がある玉簪が高く売れることが考えられる。アンティーク品の落札価格がいくぶん高いところは、ヤフオクの1つの特徴と言えるだろう。メルカリの場合は、トレンドアイテムの玉簪が高く売れることが予想される。ガラス製のとんぼ玉がついた玉簪なども一定の価格で出品されている。
ガラスの飾り玉がついた玉簪は、買取店やヤフオクではさほど高い金額がつかないケースが多い。買取店によっては、このような玉簪を買取していないこともある。ガラスの飾り玉がついた玉簪を売るときはメルカリを利用するのも1つの方法になるだろう。
まとめ
玉簪を売るときは、品物のタイプに合った売却方法を選択することが大切になる。売却先を選ぶのはもちろんだが1点だけで売るか、それともほかのアイテムとまとめ売りをするかをよく考えて最終的な決断をしよう。
買取店の無料査定は、所持している玉簪の相場を知りたいときにも利用できる。電話やメール、専用フォームなどで大よその金額を教えてもらえば、売却方法が決めやすくなるだろう。