アメリカの自動車会社フォードは、1980年代に日本のマツダと提携し、マツダ製フォード車を販売していた。そのマツダがOEM製造していたフォード車は、日本フォードともよばれている。
Ford Festiva / TuRbO_J
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フォードとマツダの提携
1979年に、フォードがマツダの株式の一部を取得。その後、フォード車の販売店として「オートラマ」を設立した。オートラマは、マツダ製フォードだけでなく、北米やヨーロッパからの輸入車もあわせた販売網を確立した。
「オートラマ」という名前は、「オートモービル(Automobile)」と「パノラマ(Panorama)」をあわせてつけられたとされている。
フォード・ジャパン・リミテッド
現在、フォード・ジャパン・リミテッド(Ford Japan Limited)という会社がフォード車を輸入販売している。
フォード・ジャパンは、フォード・モーターの日本での輸入販売を目的として1999年に設立された、アメリカの会社である。フォード・ジャパンの設立後、フォードはマツダOEM車の製造販売数を徐々に減らして輸入車販売を拡大していき、2003年にOEM車の販売を完全に終了した。
フォードが日本からの撤退を決断
2016年1月、フォードは、日本市場からの撤退を発表した。今後のパーツの取り扱いやアフタサービスは、ピーシーアイ株式会社が引き受けると発表されている。ピーシーアイとは、SAABのパーツの正規輸入などを行っていることで知られている自動車会社である。
日本フォード車両の買取価格相場
マツダOEM車は、約20年の間に数多く生産された。主な車種を紹介しよう。
フェスティバ(Festiva)
マツダと、当時資本関係にあった韓国の起亜自動車が製造販売していた自動車である。日本ではコンパクトな3ドアハッチバックのみが製造されていたが、起亜自動車は4ドアセダン、5ドアハッチバックも製造していた。
エンジンは、1,100ccと1,300ccの直列4気筒SOHC。これはフェスティバ用に新しく開発されたものであったが、その後改良されながら、ユーノスロードスターなどに搭載され、長く使われるエンジンとなった。
フリーダ(FREEDA)
マツダの「ボンゴフレンディ(BONGO FRIENDEE)」をベースに、デザインを少し変えて販売されていた、5ナンバーサイズの8人乗りミニバンである。
フリーダ、そしてボンゴフレンディの大きな特徴は、「オートフリートップ」。屋根を上げるとテントのようになり、ファミリー層を中心に大きな話題を呼んだ。
テルスター(TELSTAR)
マツダのカペラ、クロノス、MS-6をベースに設計された4ドアセダン、5ドアハッチバックモデルである。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど各方面で評価された車だったが、2001年に製造終了した。
買取価格相場
現在、中古車市場には数台しか出回っていない状態だが、どの車種も買取価格は数万円が上限になると予想される。
中古車の査定基準
日本自動車査定協会が定めている査定基準を紹介しよう。日本自動車査定協会では、車種ごとに買取価格をのランクを細かく決めており、それを元に加点もしくは減点して査定をするように指針を出している。
日本自動車査定協会の査定基準
1、内装・外装が無傷であること
2、エンジン・足回りが良好で、走行に支障がないこと
3、車検が残り3ヵ月以内であること
4、走行距離が標準であること
5、タイヤの残り溝が1.6mm以上ある(スリップサインが出ていない)こと
6、事故修復歴がなく、改造やマイナス要因(腐食・臭い)がないこと
加点・減点の基準も項目ごとに定められており、修理が必要な箇所があれば、その減点係数や「みなし修理費」も車のランクにより決められている。修理箇所は、内部のかなり細かいパーツごとに一覧になっており、修復歴の基準などもパーツによって定められている。
各業者は、これを元に独自の基準を定めている場合が多い。
売却時に必要な書類
車を売るときには、車検証、取り扱い説明書、整備点検記録簿が必要になる。通常はグローブボックスなどに入れて保管していることが多いはずだが、いま一度確認しておいたほうが良いだろう。
車の種類や買取価格によっても変わるが、すべて揃っているかどうかで、査定額が3万円から5万円変わる場合もある。必ず準備しておきたい。
低年式の車でも売れる
一般的に、製造から10年以上たっている車は買取価格がつかない場合もあるが、状態が良ければ買い取ってもらえる可能性もじゅうぶんにある。すぐに廃車と決めつけず、少しでも高額査定をしてもらえる業者を探したい。
日本製の車は海外での信頼度が高く、国内で中古車として売れないような低年式の車でも、海外に持っていけば売れる場合もある。買取店の中には海外への販路を持つ業者も多くある。そのような業者を探して査定に出すのも良いだろう。