パンサー・ウェストウインズ(Panther West Winds Cars)は、イギリス・サリー州で創業した自動車メーカーである。
1972年に同社を設立したイギリス人のロバート・ジャンケル氏は、大の車好きであった。同氏がはじめて車を改造したのは16歳の時。以来、ロールス・ロイスなどさまざまな車を購入しては改造し、ついに、キットカーやレプリカを製造する会社を設立した。
その後パンサーは韓国人実業家の手に渡り、サンヨン(雙龍)自動車に吸収されている。
Panther De Ville saloon / Thomas's Pics
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パンサーの代表車種
創業者のこだわりのつまったパンサーの車は、質の良い部品や高級なインテリア素材などを組み合わせた品質の高さが大きな特徴だ。日本ではなかなか見かけることはないが、イギリスやアメリカでは今でも人気のある車である。
パンサーJ72
クラシック・スポーツカーのレプリカを中心に製造していたパンサーの名を有名にしたのは、ジャガーSS100のレプリカ「パンサーJ72」である。
ジャガーSS100とは、1935年から1940年までイギリスのSSカーズが製造販売していた人気スポーツカーである。SSカーズとは、ジャガーの前身の会社だ。
パンサーJ72は、ジャガー製のエンジンを積んでいる。エンジンは、3,800ccと4,200ccの直列6気筒、そして5,300ccのV型12気筒の3種類があった。
生産台数は、300台とも500台とも言われているが、高価なパーツを使い、内装も高級に仕上げられたパンサーJ72は、販売価格も非常に高額であったが人気が高く、日本の著名人も購入したとされている。日本にも代理店を置き、正式輸入されていた。
J72は日本の中古車市場に出ておらず相場は決まっていないが、買取価格は100万円台が中心になると予想される。
パンサー・リマ(PANTHER LIMA)
リマは、レプリカではなくパンサーのオリジナル・カーである。FRP(繊維強化プラスチック)製ボディに直列4気筒SOHCの2279ccエンジンを積み、J72より手頃な価格で販売された。
800台から1000台製造されたとされ、日本にも輸入されている。
新車価格がJ72の3分の1程度だったリマは、中古車の販売価格も手頃だ。買取価格は100万円未満になるだろう。
パンサー・デビル(PANTHER DE VILLE)
J72よりもさらに高額で販売されたと言われているのが、ブガッティ・ロワイヤル(Bugatti Royale)のレプリカであるパンサー・デビルだ。
全長5120mmのボディに、ジャガー製5300ccV型12気筒SOHC、4235cc直列6気筒DOHCを積んだモデルがある。セダンが約50台、オープンカーが約10台生産されたと言われており、日本にも1~2台輸入されている。
パンサーの買取価格
日本の中古車市場にはめったに出ないが、イギリスやアメリカでは中古車として販売されているパンサー。
買取価格は、状態の良い車であれば100万円以上になると予想されるが、買取店により価格差が大きくなる可能性が高い。
1970年代の車の買取情報
イギリスなどでは、クラシックカーは保護され税金面でも優遇されているが、日本は逆だ。
税制の改正により、排気ガス問題などからエコカーが優遇され、製造から13年以上たった車は税金が引き上げられらるようになったのだ。
現在のところ車ファンにはあまり大きな影響は出ていないとされてはいるが、今後少しずつ購入者が減ってしまうことも考えられる。ヒストリックカーなどの売却を検討しているのであれば、早めに売りに出すのも良いかもしれない。
なお、東京都には「ヴィンテージカー減免」という制度があり、1945年までに製造された自動車に限られるが、申請することにより自動車税が減免されることになっている。
査定ポイント
車を高額査定してもらうためには、少しでも良い状態にしてから買取店に持ち込むようにしたい。業者のチェック項目をおさえ、きちんと準備しておこう。
車の状態
ある程度年数のたっている車の査定で一番重要視されるのは、車の状態である。エンジンが正しくかかるかどうか、走行に問題はないかどうかなど、細かく調べられる。
特に希少車や輸入車の場合は修理部品の調達の問題もあり、修理が必要な場合はマイナス査定幅が大きくなる可能性があるのだ。
逆に、レストア済みの車などは、メンテナンスが行き届いていて状態が良いとされ、プラス査定が期待できるだろう。
洗車して外装と内装をきれいにしておく
上記で車の状態が重要視されると説明したが、走行などの問題だけでなく、見た目の状態もチェックされる。なので、車の中と外をきれいにしてから査定に出そう。掃除をしたからといって査定額が大きく上がるわけではないが、きれいなほうが中古車を求めているユーザーに人気が高く、査定士の印象も良くなるだろう。掃除をしていない汚い車をチェックするのは誰でも良い気分はしない。しかし、きちんと掃除してあるきれいな車ならオーナーが大切にしてきたと判断できるので、たとえ年式が古くても走行距離が多くてもプラス査定につながりやすいのだ。
また、タバコやペットの臭いは不快感からマイナス査定の対象になりやすい。査定前にしっかり消臭しておこう。
書類がそろっていることも重要
査定時には、車検証や自賠責保険証、自動車税納税証明書などが必要になる。さらに、整備点検記録などが残っているとプラス査定されるので、車検証などと一緒に大切に取っておくことをおすすめする。
特に、所有者が何回か変わっているような車は書類がないと修理歴がわからなくなりがちなので、きちんと揃えておくようにしたい。
純正パーツ・オプション・付属品を用意しておこう
自分で取り付けられないメーカーオプションやディーラーオプションは、プラス査定の可能性が高い。査定に出す前に正常に動くかどうか確認しておこう。また、ホイールやマフラーを社外品パーツに付け替えている場合は、純正パーツも忘れずに持っていこう。社外品パーツが査定対象外になるわけではないが、場合によってはマイナス査定がつくこともあるのだ。その他、購入時に付属されていたスペアキーや取扱説明書、整備手帳なども失くさないように保管し、査定時に一緒に出そう。