ライレー(Riley)は、イギリスの自動車ブランドである。ライレー家が自転車メーカーとして家族で事業を始め、その後自動車製造にも進出した。
自転車メーカーとして順調に経営をしていたライレーを自動車会社として発展させたのは、息子のパーシー・ライレー氏である。子供のころから自動車好きで、オートバイ、三輪自動車、そして四輪自動車を独自に製造していたパーシー・ライレー氏は、イギリスのコヴェントリーで自動車会社を設立した。コヴェントリーとはその後、自動車の町として栄えた町である。
Riley / hugh llewelyn
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ライレーとは
それではまず、このライレーについて簡単に見ていこう。
レースカーとして有名なTTスプライトを開発
TTスプライトとは、1930年代に製造された、1500cc 直列4気筒のレース用モデルである。クラシックカーらしい外観に、塗装をしていないアルミ製ボディが特徴だ。ライレーは、1920年代からル・マン24時間レースなどに参戦していた。無冠の帝王として知られている有名ドライバーのスターリング・モス氏も、ライレーのレースカーを高く評価していた。
モーリス傘下で人気車両を開発
その後、経営破綻に陥ったライレーは、モーリス自動車のウィリアム・モーリス氏に買収され、ナッフィールド・オーガニゼーション(Nuffield Organisation)傘下に入ったが、ライレー氏が引き続き指揮をとっていた。
ナッフィールド・オーガニゼーションはその後イギリスのオースチン・モーター・カンパニーと合併し、ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)としてスタートする。ブリティッシュ・モーター・コーポレーションは、後に小型大衆車「MINI」となる「モーリス・マイナー」や「オースチン7」、「オースチン・ヒーリー」、「ウーズレー」などの人気自動車を世に送り出した、イギリスの一大自動車ブランドであった。
人気モデルの買取価格相場
ライレーは人気のあるブランドである。クラシックカーや旧車とよばれる世代の車であるが、状態の良い中古車は300万円など高額で販売されている。主なモデルの買取り価格を調べてみよう。
RMシリーズ
ライレーの代表的な中型乗用車。第二次世界大戦後で新車発売が難しかった時期に新型車として発売し、大きな話題を呼んだ車である。ナッフィールド・オーガニゼーション時代のライレーが、完全オリジナル車として自社だけで開発した最後のモデルだ。1945年から1958年頃まで販売されていた車だが、きちんと走れる車が現存しており、希少な人気者として高額で買取りされている。
エルフ
現在はBMW傘下に入っているMINIは、BMCが開発して販売していた車だった。BMC時代のMINIは、一般に「BMCミニ」と言われている。エルフは、BMCミニよりひとクラス上のモデルとして位置付けられていた。MINIのセダンタイプをベースにして、性能や内装をワンランクアップ。「できる限り小さい車」をコンセプトに開発されたMINIに対し、車内やトランクスペースを拡大するなど空間を広げて快適さを追求した。
ライレーブランドからは「ライレー・エルフ」として、同じ傘下のウーズレーブランドからは「ウーズレー・ホーネット」として販売された。1960年代に製造されたエルフは今でも人気があり、製造から50年以上経っている車でも100万円前後で買取りされている例がある。
クラシックカー・ヒストリックカーを買取に出すには
はっきりとした決まりはないが、一般的に、クラシックカーとは1920年代から1945年ごろまでに販売された車を指す。また、ヒストリックカーとは、20年以上前に製造された車を指すことが多い。このような車は、車種によっては買取りをしてもらえず廃車にしなければならないことも多々あるが、人気メーカーの場合は事情が違う。
ライレーは今でもヒストリックカーファンに人気のブランドである。修理やパーツ交換、塗装などを行いながら、大切に乗られている車である。もともと日本に入ってきている数は少ないが、年々減っていることもあり希少価値は上がっている。中古車として今でも高い価値を持っているブランドなのである。
ヒストリックカーなどの専門店に売りに出そう
車を買い取っているお店には、大手買取店、街の自動車店など様々あるが、ヒストリックカーの買取りでおすすめなのはクラシックカーやヒストリックカーの専門店である。一般の買取店では、古い車として扱われてしまい、低く査定されてしまう可能性が非常に高い。正しく査定してもらうためには、クラシックカーなどに詳しい専門店の方が良いだろう。
改造車も評価される
ライレーに乗っているのであれば、外装や内装、エンジンルームなど、パーツを取り替えている場合も多いだろう。国産乗用車、ファミリーカータイプの車は、パーツ交換や改造などをしていると評価が下がり、査定額が低くなってしまうこともあるが、旧車の場合は問題はない。
オリジナルのままの車の方が少ないと予想されるほど改造車の方が多いと思われるので、性能アップのための改造であれば正当な評価をしてもらえるだろう。ただし、買取業者により評価は様々なので、いくつかの業者に査定をしてもらうことをおすすめする。