買取市場ではiPad proの売却時、ショップに端末を持ち込む前に自宅でデータ削除やフォーマットをきちんと行うのが理想と考えられている。買取店各社のサービスが充実する近頃では、データ消去のシステムに力を入れる専門店も増え始めている。
しかし大事なiPad proの売却によって生じるさまざまなリスクに備えるといったことを考えると、買取前の準備としてデータ削除やフォーマットを自分で行うのが理想となるだろう。
今回は、買取店との取引をより安全なものに導くiPad proのデータ削除とフォーマットをきちんと行う方法とその理由をユーザの皆さんと一緒に詳しく確認していきたい。
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iPad proのデータ削除・フォーマットを売却前にすべき理由とは?
iPad proを売る時に行うフォーマットは、その中に入ったデータを守るために行う処理だ。何の準備もしないまま今まで使っていたiPad proを買取店に持ち込めば、自分の大事な個人情報や会社の機密情報なども一緒にショップ側に渡してしまうことになる。
またそのiPad proにパスコードロックがかかっていない場合は、査定を行うスタッフがデータを見ることも可能になってしまうと言えるだろう。
データの入ったままでiPad proを売却するのはなぜいけないの?
お客様の信用第一と考える買取店は、基本的に商品内のデータの扱いに慎重な姿勢を持っている。しかし買取商品を扱うスタッフが人間であることを考えると、そうした人たちにデータを見せない、渡さない準備をするのが、トラブル予防に繋がる売る側のマナーとなるだろう。
また買取市場に限らず、タブレット端末やコンピュータからデータ漏洩が起こる実態から考えると、大事な情報は自分で処分する姿勢が必要だと言えそうだ。
そもそもiPad proのフォーマットってどんな処理なの?
iPad proのフォーマットとは、端末の中に入ったデータやソフトウェアを消すことで、工場出荷時の状態に戻す処理の総称だ。フォーマットと呼ばれる処理を行うと、ユーザ自身が行ったiPadの設定なども全て消える形となる。
またXperiaなどのAndroidと違ってSDカードスロットのないiPad proの場合は、フォーマットを行った後に一部データが残ってしまう心配もないと言えるだろう。
フォーマットと同じ意味で使われるキーワード
iPad proのユーザブログや口コミサイトに書かれている初期化、リカバリ、再インストールは、フォーマットとほとんど同じ意味で使われる言葉だ。iPad proなどのフォーマットを行うと、データ削除、OSのアンインストール、再インストールといった流れで処理が進んでいく。
またiPad proがトラブルに陥った時に行うフォーマットにおいては、障害を復旧、回復、修復するといった意味でリカバリという言葉が使われる傾向があるようだ。
こうした形でフォーマットの類義語を確認してみると、この作業の中で行われる細かな処理の流れなどもイメージしやすくなるだろう。
フォーマットとセットで行うべきバックアップ
iPad pro内に入ったデータを消すフォーマットをする時には、その前にバックアップを行うのが理想と考えられている。また後述するさまざまなシーンでフォーマットをするユーザ達は、初期化以上にバックアップを重視する傾向があるようだ。
ちなみに売却時の準備として初期化をする場合においても、手放すiPad proにどんなデータが入っていたのかを把握するためにも、バックアップをしておくのが理想となるだろう。
売却時以外のシーンでも行われるiPad proのフォーマット
データを消すことにより工場出荷時に戻すフォーマットは、売却以外にも下記のような幅広いシーンで使える処理となっている。
友人や知人にiPad proを贈与する時
家族や友人にiPad proをあげる時にも、初期化で端末内のデータを消すのが理想と考えられている。
買取業者のように個人情報の取り扱いに厳しくない個人間取引の場合、どんなに相手が仲の良い親友であっても自分がiPad proで使っていたデータが専用ソフトなどを使って取り出されるリスクはゼロではないと考えられる。
また相手に気持ちよく新しいiPadを使ってもらうためにも、余計なソフトウェアやデータを消すのが贈与時のマナーとなるだろう。
友人や知人からiPad proをもらった時
家族や友人からもらったiPad proに、前ユーザがインストールしたソフトウェアやデータが残っていた場合も、やはりフォーマットを行ってから使用開始するのが理想と考えられている。
もらったiPadの画面上に並んでいるアイコンが少数であれば、わざわざ初期化をする必要性が感じられないかもしれない。しかしその中にスパムウェアなどが残っている可能性を考えると、全てを消してスッキリさせるのが理想となるだろう。
iPad proを捨ててしまう時
小型家電リサイクル法に基づき市区町村などで指定するBOXなどを使ってiPad proを処分する時も、初期化をしてから持ち込むのが理想と考えられている。家電量販店の一角などに設置されているこうしたBOXは、一見コンビニのゴミ箱のような見た目をしている。
またその中に手を入れれば、処分された家電の取り出しも可能となってしまうため、こうした場所からiPadのデータが漏れる可能性を考えると、データを綺麗に削除する必要があると言えそうだ。
iPad proの動作に問題がある時
大量のアプリを入れすぎて動作が遅い。しかしどのアプリが悪さをしているのか、全く想像が付かない。こんな状況に陥っている時にも、一度フォーマットを行って不要なアプリやデータを削除するのがおすすめとなる。
不要なものを全て消してメモリ容量などに余裕が出ると、動作の遅さなどの問題も解消できるケースが多い。また大量のアイコンの並んだiPad proは使い勝手も悪くなるため、定期的なお掃除感覚でフォーマットを行うのも賢い使い方となるだろう。
iPad proがウイルス感染した時
インターネット接続の多いiPad proは、ローカルで作業することの多いパソコンと比べて遥かにウイルス感染しやすい特徴がある。
また多数のアイコンが画面に並ぶiPad proの場合は、多くのユーザが自分のタブレット端末にスパムウェアやウイルスが入り込んでいることに気づきにくい実態があるようだ。
こうした理由によりiPad proがウイルス感染した場合は、早く初期化をして大事なデータなどにトラブルが起こらないようにしなければならない。
iPad proデータ削除前に行うバックアップ
フォーマット前に行う必要のあるバックアップは、行うタイミングや方法といった部分でユーザに多くの選択肢が与えられている。
バックアップは購入後すぐに始めるべきもの
大事なデータを守る役割を持つバックアップは、なるべく購入直後から始めるのが理想と考えられている。何らかのアプリで自動バックアップを日々行っているユーザ達は、突然の故障や障害などのトラブルが起きた時にも、焦らずスムーズに対処を行える。
これに対して売却時のみバックアップをする場合は、買取店に持ち込む前にアプリ選定などを行うことにより、万全な準備が難しくなる可能性も高まると言えそうだ。
iPad proにはどんなバックアップ方法があるの?
Appleで推奨している方法としては、同社のソフトウェアであるiTunesもしくはiCloudを使った手段がある。
これに対してApp Storeで多彩なアプリの提供されるiPadの場合は、ユーザが自分で探してきたソフトウェアを使って、より効率よくバックアップをとることも可能となるだろう。
これらの手段から自分に合ったものを見つける時には、退避をしたい項目、ボリューム、パソコンの有無などから検討を進めていくのがおすすめとなる。
iTunesとiCloudの違いとは?
iTunesとiCloudにおける大きな違いは、前者はパソコン上、後者はオンラインストレージ上にバックアップをとることだ。パソコンのHDD容量に依存するiTunesの場合、多くの項目、多くのボリュームでiPad proのバックアップができる仕組みとなっている。
これに対してサーバ上にデータバックアップを行うiCloudの場合は、無料プランで5GBという保存容量の上限があるようだ。
しかし自動バックアップもできるiCloudの場合は、Wi-Fi環境で効率よくデータ退避を行いたいという方々にとっては、大変使い勝手の良いツールとなるだろう。
iPad proのフォーマットにおける基本的な方法
何のトラブルもなく普通に起動できるiPad proの場合、歯車マークの設定メニューから初期化を行う形となる。この方法を使ったフォーマットは、「設定」→「一般」→「リセット」の中にある「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップするだけで行える。
実際に設定からiPad proの初期化を行ったユーザのブログによると、一般的にこの処理は1分~5分ほどで終わる仕組みとなっているようだ。
「設定」からフォーマットを行う利点
メッセージを確認しながらボタンをタップするだけで良いこの方法には、iPad proを買ったばかりの初心者でも簡単に実行できるメリットがある。
またiPadの中だけで完結するこの方法には、iTunesの繋がるパソコンを持たない方々でもフォーマットを行える特徴もあるようだ。
こうした形で誰もが容易にできる初期化は、急な入り用などにより早くiPad proを売却しようと考える皆さんでも売却スケジュールに支障をきたさず行える内容と捉えて良いだろう。
「iPadを探す」をオフにする
設定メニューからiPad proのフォーマットする際には、その前に必ず「iPadを探す」という機能をオフにしておく必要がある。
「設定」→「iCloud」の中にある「iPadを探す」の切り替えは、初めてタブレット端末を使う皆さんでもパスコードロックさえ解除できていればば1分かからず行える。
「iPadを探す」をそのままで初期化や売却はできる?
買取をしたiPad proを再販売する専門店では、店舗側でフォーマットをする目的で必ずユーザに「iPadを探す」のアンロックをするようにお願いしている。
この機能が作動したままのiPad proをショップに直接持ち込んだ場合、その場で解除をする流れとなる。これに対してiPadを探すのアンロックをしないまま宅配買取で端末を送付した場合は、買取不可の返答とともに着払いでiPad proが戻ってくると捉えた方が良いだろう。
こうした形で無駄な日程と送料がかかることを考えると、必ずiPadを探す機能は解除するべきだと言えそうだ。
iPad proのフォーマットやデータ削除の失敗事例と対処法
初心者でも簡単に実行できるiPad proの初期化においても、稀にエラーメッセージなどで処理が思うように進まないことがある。
しかしさまざまなトラブルを想定するAppleでは、下記のように多彩なフォーマット法を用意することで、早く確実にiPadの売却などを行いやすい仕組みを構築しているとも言われている。
パスコードを忘れた
長きに渡って使っていなかった古いiPad proの場合、パスコード忘れによって設定メニューすら開けないことがある。こうした場合は、iTunesの入ったパソコンにiPadを接続してリカバリモードという手段でフォーマットを行うしかない。
リカバリモードのやり方とは?
この方法で初期化をする時には、まずiTunesの入ったコンピュータと電源を切ったiPad proをホームボタンの長押しをしながら接続する。その後、LightningケーブルとiTunesと書かれたマークがiPad proの画面に表示されたら、ホームボタンから指を離す流れだ。
この方法により自動で起動されたiTunesを使い、メッセージに従ってボタンを押していくとiPad proの強制初期化ができる形となる。
「iPadは使用できません」と表示される
古い昔に登録したパスコードを思い出そうと何度もiPad proに入力をしていると、6回連続の失敗で「iPadは使用できません」のメッセージとともに、予め決められた時間の使用ができないセキュリティ機能が作動する形となる。
また同様の失敗を11回繰り返すと、iTunesに接続してリカバリモードを実行しない限りiPad proの復旧が不可能となる仕組みのようだ。
リカバリモードにおける不具合
リカバリモードの真っ最中にPCの電源が切れたり、iTunesを間違って終了してしまったなどのトラブルが生じた時には、DFUモードと呼ばれる処理でリカバリモードの再開をするしかなくなる。
この処理を行う際には、まずiTunesの入ったコンピュータとiPadを繋ぎ、ホームボタンとスリープボタンを10秒ほど押し続ける。その後、画面が消えたタイミングでスリープボタンのみを離すとDFUモードが作動する形だ。
ちなみに脱獄やSIMアンロックにも使えるこの処理は、完全自己責任で行うべき若干危険な位置づけとなっている。
Apple IDのサーバにアクセスできない
売却時に必ず行わなければならない「iPadを探す」機能のオフをする時、稀に「Apple IDサーバへの接続時にエラーが起きました」というメッセージが出ることがある。
このエラーは、Wi-Fiに接続できていない、圏外といった理由でネットワーク環境が不安定な時に生じやすいと言われている。iPadを探すのアンロック時に上記のメッセージが出た時には、駅や公共施設、カフェなどの安定したWi-Fiを使って設定解除にトライしてみて欲しい。
上記の方法を使ってもiPad proのフォーマットができない時には?
ここまでご紹介した方法を使ってもiPad proのデータ削除やフォーマットが上手くいかない場合は、下記のポイントを確認しながら自分の端末に合った対処を行うしかない。
初期化を必ずやる必要はあるのか?
第一に考えるべきことは、どうしても初期化をする必要性があるのかという点だ。実際に利用する買取業者のホームページにフォーマットに関する記載がなければ、iPad pro内にデータを残したままでも売却手続きは行える。
またショップに直接持ち込みをする場合は、自分の目の前でデータ消去をお願いできるかの確認をしてみても良いだろう。
贈与する相手にiPad proの初期化をしてもらう
コンピュータやタブレット端末の扱いに慣れている友人知人にiPad proをあげる時には、その相手に初期化をお願いすることも可能となる。
例えば、Wi-Fiの繋がるカフェなどでiPad proを手渡せば、その時にiTunesの入ったコンピュータを使って「本当にフォーマットができないのか?」の確認を2人で行うこともできるだろう。
これに対して宅配便などの手渡し以外の方法でiPad proを送る場合は、端末内に入ったデータが友人知人に見られてしまうリスクも想定しなければならない。
Appleサポートに問い合わせをする
AppleCare+によって保証対象となっているiPad proの場合、無償でAppleの電話サポートを受けられる。サポートスタッフに今生じている症状などを詳しく伝えると、その原因やより良い対処法なども詳しく教えてもらえる。
またiPad proが無償サポートの対象外となってしまった場合は、インシデント1件3,000円でトラブルシューティングをお願いできる形となるようだ。
Apple Storeに予約を入れる
自宅近くにApple Storeのある人は、予約を入れた上で店舗に直接iPad proを持ち込んでみても良いだろう。店頭のWi-Fi環境やコンピュータでリカバリモードなどの処理をしてもらえば、フォーマットのできないトラブルの原因なども特定しやすくなる。
またその症状にソフトウェア障害やハードウェア障害などが関係している場合は、iPad proの修理といった方向性でも検討しやすくなるだろう。
まとめ
ユーザブログなどでも多くのトラブルシューティングが掲載されているiPad proの場合、初めてフォーマットを行う皆さんでも安心して売却準備ができると言えそうだ。
また保証期間内のiPad proの初期化を行う際に失敗などのトラブルが生じた時には、たった一人で悩み続けずに早めにAppleサポートに相談をしてみて欲しい。